たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

15歳の「私」の主人は、数百年に1度といわれる呪詛の才を持つ、驕慢な美少女。「お前が私の玩具になれ。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

世界は終末に向けて暴走してゆく。 人類に、希望はあるのか――。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

東京都の果ての美しい島。少女、椰々子は、死者を通し預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

高齢者福祉に力を注ぐA市。

塾講師・光一のアパートの部屋の前が泥だらけになった。周囲には不自然なタイヤ痕。

夫と二人で暮らしながら、虐げられる隣家の老犬トウマに想いを馳せる三十歳の蒼子。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

1958年の夏。

鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけいまさや)に届いた一通の手紙。

第52回メフィスト賞受賞作 ある夕方、保育園から榎本千夏子に一本の電話が入った。

公園から忽然と姿を消した三歳の琴美。両親は必死に捜すが、一向に見つからない。

社会正義の名のもとに行われる暴力は、果たして許されるのか? 従兄妹を蹂躙した中学生たちへの復讐を誓う少年と、15歳で命を絶つまで彼の復讐に協力すると決めた少年。

製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。

平穏だった家族が少年事件によって崩れていくさまを描く心理サスペンス。

兄が死んで、私が生まれた。一歳の誕生日。

北関東の平穏な町で、事件は起こった。 葬儀場で死者が甦り、他の遺体を貪り食ったのだ。

死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。

伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。

盆市で大工が拾った迷子の男の子。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

愛―、それは気高く美しきもの。そして、この世で最も恐ろしいもの。

恩師と向き合う悪徳弁護士・御子柴礼司。「贖罪」の意味を改めて問う、感涙のリーガル・サスペンス。

夜な夜な江戸市中に出没する辻斬り「かまいたち」。町医者の娘おようは、夜おそく父を迎えに出て、かまいたちに出会ってしまう。

さらりと驚くような都市伝説を語る女。芸能界との繋がりを自慢する主婦。

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。

医師の父、美しい母、高貴なまでの美貌を振りまく双子・梨花と結花。

屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

内見したマンションはおしゃれな街のおしゃれな造り、環境も間取りも条件も申し分ない。

蓋を開けたら災いが降りかかるという堪忍箱とは…。

冬はどこまでも白い雪が降り積もり、重い灰白色の雲に覆われる町に暮らす高校生の小柚子と弥子。

家庭も仕事も行きづまっていた梅宮正樹は、妻子と要介護の母を連れ、田舎町・睦間に移り住む。

二人の幼児が自宅に置き去りにされ、一人が餓死するという事件が発生した。

江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。

犯罪という名の、人生の好機　　　　　　　大金入りのバッグの忘れ物を預かった男。暴力団への借金に苦しむ刑事。

不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。

母は死に、父は人を殺した――。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。