話は学生時代、35年以上前にさかのぼる。

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

地位も才能もないが、やる気もなく志も低い准教授・桑潟幸一、通称クワコーを、毎月毎月、襲う怪事件。

昭和十六年十二月八日、日本軍が真珠湾攻撃で歴史的成果を勝ち取った直後、空母「蒼龍」に着艦した九九艦爆搭乗員、榊原大尉が不可解な服毒死を遂げた。

昭和20年初頭、探偵小説好きの青年が上等水兵として、軽巡洋艦「橿原」に乗船した。

夏。文芸部の女子学生を引き連れて海に合宿へ赴いた桑潟幸一准教授に怪事件が降りかかる。

「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。

魔犬の呪いで妹を失った三きょうだいは、ママと一緒にパパが残してくれた別荘に移り住む。

十年前に起きた学友の不可解な死。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

「石には宇宙が刻印されている」レイテで戦友から聞かされた言葉によって、岩石に魅せられた男。

かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。

15年前、ある地方都市のマンションで男が撲殺される事件が起こった。凶器は金属バット。

初夏、名人戦の最中に詰将棋の矢文が見つかった。その「不詰めの図式」を将棋会館に持ち込んだ元奨励会員・夏尾は消息を絶つ。

大阪のしがない短大助教授・桑潟のもとに、ある童話作家の遺稿が持ち込まれた。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遙、16歳。

中1の奈緒がピアノを教わっている絹子先生の元に、フランスからサティのおじさんがやってきた。

江戸川乱歩の造語である“奇妙な味”は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。

現代文明を捨て、自然との共生をめざしたコミューン運動「葦の会」。

映画化された大人気の音楽ミステリー『さよならドビュッシー』シリーズ最新刊です! 難聴をかかえながらも、世界的なピアノ演奏コンクール、ショパン・コンクールに出場するため、ポーランドに向かったピアニスト・岬洋介。

ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、当時起きた殺人事件のことを思い出す。

科学知識を駆使したミステリを描いた、日本SFの先駆者・海野十三。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

情報部からナチの大物スパイ“NとM”の正体を秘密裡に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。

第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラーを待望の文庫化。

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。

売れないシナリオライターだった大多の毎日は、人気女優あやめの主演ドラマを手掛けることで、一転する。

新しい戦前? 否、死者の声は響き続けてきた―― ある殺人事件を機に巻き起こる、国家機密の「K文書」を巡る謎……。

第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに秋の演奏会を控え、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。

ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?日本の家電メーカーは、なぜ凋落したのか?メモ魔の窓際刑事、再臨場!警察小説史上、最も最酷で哀しい殺人動機。

連続通り魔殺人事件の容疑者“コートの男"を追う所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。

キスカ島に残された四頭の軍用犬北・正勇・勝・エクスプロージョン。

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

クワコーこと桑潟幸一准教授が、たらちね国際大学に転勤して最初の夏休み。

ショッピングモールの受付が爆破された!偶然現場にいた今野夫妻により被害は最小限に。

折口信夫が、江戸川乱歩が、そして澁澤龍彦が種村季弘が絶賛した、郷愁の作家の最高傑作集。

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」―送信した相手は、かつての恋人。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。

平凡なサラリーマンの「ぼく」こと海老野が勤める会社の近所に、突如できた小さな美術館。

高校二年の南尾小百合は、ある日、通学途中にバスを乗り過し、終点の小さな町に降り立つ。

折口信夫、乱歩も絶賛した「かむなぎうた」、ほの暗く、ほの明るい幻想怪奇「東天紅」、民俗的ミステリ風味「吉備津の釜」、得意の台湾物「消えた家」、呪いの家「ひこばえ」、泉鏡花賞「泥汽車」、ハイカラ右京番外篇「明治吸血鬼」…澁澤龍彦も種村季弘も賛美した異端のダン

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性ユカリと出会う。

愛は祈りだ。僕は祈る。

出版大手「薫風社」で、カルチャー誌の編集長を務める速水輝也。笑顔とユーモア、ウィットに富んだ会話で周囲を魅了する男だ。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。