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グロテスク
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グロテスクの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全288件 21~40 2/15ページ
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人間の闇の部分がリアルに描かれていて、重苦しい読後感に包まれるタイトル通りグロテスクな作品。単にグロテスクと表現するだけでは足りない、悲しい人生を歩んだ人の悲惨さのようなものが伝わってくるので、合わない人は合わないだろう。小説の質は素晴らしく著者の力量が感じられるのだが、これを読んで以来、どうも桐野作品からは遠ざかってしまった。 | ||||
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人間の闇の部分がリアルに描かれていて、重苦しい読後感に包まれるタイトル通りグロテスクな作品。単にグロテスクと表現するだけでは足りない、悲しい人生を歩んだ人の悲惨さのようなものが伝わってくるので、合わない人は合わないだろう。小説の質は素晴らしく著者の力量が感じられるのだが、これを読んで以来、どうも桐野作品からは遠ざかってしまった。 | ||||
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面白かった! ただ、中国人の生い立ちあたりはムダに長く退屈だったので、要らなかったと思う。 東電OL殺害事件をベースに書いているようだが、こんな風な作品が書けるなんてさすが作家だと思った。 | ||||
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東電OL殺人事件を元ネタに、娼婦になった女たちの学生時代からのドロドロした内面を描く。ドロドロしたイヤな人物ばかり出てくるが、人間そういうグロテスクな欲を騙し騙し生きているのかなという気もする。しかし後味良くないなー。 | ||||
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女性は男性よりも社会性が高い、とはよく言われる。しかし、より社会的な動物である、ということは他者との比較で自身を把握する傾きが強い、ということも同時に意味する 美醜、貧富、ブランド、学歴。女たちは、関係性の中にある、ありとあらゆる差異を微分し、こぼれ落ちた愚鈍な他者を差別し、群体の中で確固とした階級を形成していく グロテスクに登場する四人の女性たちも、他の女との比較して競い合うことにより崩壊していく 主人公のわたしは絶世の美少女の妹との比較によって 容姿の階級が違うユリコは母に拒絶された原体験によって ガリ勉のカズエと優等生のミツルはQ女子校の差別的な獲得形質によって、それぞれの人生を凋落させていく 他者と比較し、差別せずにはいられない。それは女の偉大なる人間苦だ 主要人物の四人の内三人までが、娼婦という存在に行き着くことは興味深い 拷問のように彼女たちを責めさいなみ続けた「女の階級」からの自由 社会的な桎梏や男性原理からの解放、畢竟女という動物に戻るということ 人間のメスという珍種の生物についてのレポート グロテスクはまさに女の地獄の見本市のような傑作小説といえる | ||||
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私には全く面白くなかったです。タイトル負けしている気がします。 慎重に、上巻だけ購入しました。上巻の中盤にさしかかっても面白くなってこないので、気が短い私には無理でした。 | ||||
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久しぶりに渋谷で下車し、面接を受けて帰宅する道すがら、スマートフォンで 音楽を聴いた。BONNIE PINKの「LOVE IS BUBBLE」。映画・嫌われ松子の 音楽だ。映画は渋谷(正確には神泉駅徒歩2分)で殺害された"東電OL"がモデルだ。 映画と小説では荒川土手が殺害現場。 なつかしさと共に、東電OLとさほど歳も変わらなくなり、今一度とYOUTUBE で東電OLをモデルにした「嫌われ松子」を鑑賞してみた。感想は「アホやろこの人」。 所詮映画の話なので割愛しますが、よろしければ一度ご覧あれ。 被害者呼称が、”東電OL”だが、経済の研究部門で副室長やら役職付きの才女で、 育ちのいい女性というイメージの東電管理職たる被害者。オフィスレディーは オフィスレディーなのだが、OLだと少々軽い感じ。本作の「和恵」のモデルだ。 ファザコンで不器用というのもそのまま描かれている。 本作では、「私」と「和恵」と「ユリコ」と「ミツル」が、中年までの各々の 生き様をグロテスクに語っていく。誰一人純真で、真っすぐに育った人物が登場せず 最後恐らく初恋に近い恋を実らせて幸せになるのは一人だけ。生きていく内に 作った心の傷やねじれ、鎧のように築き上げた「悪意」は相当グロテスクだ。 心の傷やねじれは、親や学園内の関係者、ヒエラルキーにより、成熟していった。 加えて「私」の攻撃対象にならないため、防御としての悪意も、深淵の闇に 染まってゆく。まさに被害者・加害者・関係者一同グロテスクな人物しかいない。 書き方はいささか冗長で、加害者の外国人の密航話や、その後の鬼畜話などは もう少し割愛しても良かったのではないかと思う。無駄に話が長すぎて、途中 読書がしんどく感じた。 最後はもう何だかなぁといった感想。いや「私」が幸せならばそれでいいのだが、 そういう落ちは何だか安直で安っぽく感じた。 最後にグロテスク順位 「私」>「和恵」>「ミツル」>「ユリコ」だろうか。 ユリコは結局、グロテスクなのは少女時代から娼婦であったことと、中年まで 娼婦であった事ぐらいで、他は自由奔放に生きていただけという。私にはあまり グロテスクには感じなかった。 オーム事件に東電OL殺害事件やその他、いろいろとごっちゃまぜのチャンプルー 状態で、読後にはうーんとうなるような本書。読むのが早い人でも2日はかかる 超大作(冗長さは否めないが)だ。 | ||||
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単行本は2003年刊。97年に起きた東電OL殺人事件に着想を得て、女同士の底意地の悪さや都会に生きる社会人の孤独を描ききった作品。89年の天安門事件以降に増えた中国人密航者、90年代後半のオウム事件にヒントを得た箇所も見られ、00年代初頭の世情を切り取った作品として読むこともできそうです。 娼婦として街角に立つ和恵の屈折した過去の独白を経て、最後は主人公の「わたし」と妹の息子が堕ちきってしまう救いようのない展開へ。 ドロドロとした人間の内面や悪意を濃縮した形で味わえるのが小説の醍醐味ということなのでしょうか。 | ||||
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2003年刊。1997年に起きた「東電OL殺人事件」から着想して書かれた作品。 妹のユリコと友達の和恵が娼婦に堕ちて殺されるという結末から遡って「わたし」の一人語りがQ女子高の時代から始まる展開。 とにかく美しいユリコが育ての親との間との秘密を抱えて売春を始め、露見して学校を追い出されるまで。恋心を抱いた和恵が次第に壊れ始めるまで。「わたし」がすべて悪意をもって仕掛けたことでした。 女子高は虚栄心と嫉妬が渦巻く世界であり、内部進学生と外部進学生で努力では乗り越えられない壁があることを触れたあたりは、最近読んだ柚木麻子『ナイルパーチの女子会』を思い出させます。 | ||||
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読みごたえがある作品でした。日頃の生活の心配事やなんかを脇に置いて夢中になって読めます。物足りなさは無く心の中をよくここまで書けるなと思います。私も悩みやドロドロしたものがあるから興味を持って読み時に癒されるのかな…桐野夏生さんの本のファンになりました。 | ||||
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ここまで女性の内面を描ききった作品を私は読んだことがないかもしれない。 嫉妬や羨望といった、簡単な言葉では語ることが出来ない暗い井戸の中のような底知れぬ女性の内面が見える。 勉強が出来なくても、家柄が大したことなくても、スクールカーストの頂点に一気に上り詰めることが出来る…美しければ。 それは幼少から始まり社会人になっても続く。美しくて可愛くなければ男から求められない。残酷な現実が私たちを動かす。 和恵が珍妙な格好をしながら男性に媚を売り、気味悪がられても『欲しがられる』ことに執着する後半は圧倒させられるほどの暗さと、父親への愛情に飢えたままの奇妙な幼さが入り交じり、混沌としてまさにグロテスク。 無理やり体の内部を直視させられているかのような気味の悪さが一貫して流れるものの、ここまで女性の本質に迫った作品は他に無いと思う。 それを描き切る力量にただただ圧倒させられる。 | ||||
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平野啓一郎の決壊みたいに憂鬱な気分になる要素のある本でした。しかし、女性の中にある悪意やこういった考え方もあると理解するのに必要な本かとも思いました。 | ||||
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「肉体地蔵」の章はとりつかれたようにむさぼり読みました。 会社にも家族にも男にも復讐してやればいい!と思って応援しました。 でも復讐ってなんなんでしょうね。 男や社会にしてみれば痛くも痒くもない復讐だったわけで 殺されちゃったら何にもならないんじゃないかなとも思った。 そう思ったらなんかいてもたってもいられない気持ち・・・ 「柔らかな頬」の結末が2つあるように、 佐藤和恵が生きている結末のグロテスクがもしあるなら読みたいです。 | ||||
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★3.5です 表現力は抜群だった。 それぞれの人物に特徴がでていて、ものすごくよかった。 正直、主人公目線の和恵(上巻)を読んでいるときは痛い奴でうざったくて 嫌いったが、和恵の日記(下巻)を見たら好きになった。 なぜ上巻がうざったく見えたのか、文庫の解説同様、やはり和恵こそがこの小説で一番本当の人間らしいからだ 気持ちが分からなくもない部分が大いにあり、この話は和恵が軸なんだと思い出す。 形は違うだろうし、結果も違うかもしれないけれど、気持ちとは裏腹に、 彼女は望んでいた怪物になれたんじゃないだろうか。 けれど、ちょっと落ちを考えると長すぎる?かな。あと設定が消えている?? 上巻の男を見ると「わたし」の子供を想像するという設定が消えているような気がする。 あと学校生活を送るうえではミツルは必要だったと思うし、メッセンジャーとしてはよかったんだが、 ミツルのお母さんと祖父の話などなどは不要だった気が・・・とりあえず割に長いといった印象。 | ||||
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つかこうへい氏の舞台作品 熱海殺人事件の山口アイ子は千円で体を売っていました。 劇中にも説明がありますが、売春婦の中でも千円で体を売るのは「コケ」と呼ばれる最低のランクだそうです。 彼女も本書に登場する和恵のように「トップになっちゃる!」と言ってたなあ。 そういいながら千円で体を売っていたのが悲しかった。 そして、故郷を汚したという名目(少なくとも私にはそう読めた)で、 こんなになった女は死ななきゃいけない、という理屈で、 山口アイ子は大山金太郎に絞殺され熱海のビーチに埋められます。 山口アイ子と大山金太郎は同郷の幼馴染なのですが、山口アイ子は東京で体を売るようになって以来 大山金太郎から見れば「怪物」化していた、と言っても良いだろう。 本書に出てくる和恵のような意味の「怪物」だったのか・・・ それは一度措くとしても、和恵はまるで山口アイ子だと思いました。 作品タイトルとなった「グロテスク」について。 人間性のグロテスク・・・それもあるかもしれませんが、 男が作り上げたこの社会のグロテスクを描き、激しく批判している作品のように読めます。 男が作った社会では女は搾取されるだけ搾取され、出る杭、男社会の脅威と判断されれば最後は殺される。 或いは故郷を汚したとか、カッとなった、もういらない、とかで殺される。 じゃあ殺されない女は?生かさず殺さず、いいように搾取される。 和恵やユリコが「怪物」ならば、怪物を殺害する男はなんだろう。 とはいえ著者は思想家ではなく小説家だと思いますので、批判などの意図はなく ただただこの現状を切ってよこして見せた、だけなのかもしれません。 「怪物」のネーミングの由来は、度を越したメイクや病的に痩せた体など表層的なことではなく どうやってもかなわない強大な男社会に2000円で復讐を試みる精神性のこと、と説明されれば合点がゆきます。 それでも「怪物」はあまりにつらいネーミングだが「ひどさ」を切ってよこす装置と考えればさらに合点がゆく。 和恵が2000円で体を売る一幕があるのですが、 これは人助けのような意図ではなく 「男がやりたくてたまらないこと、たった2000円の価値しかない」 とつきつけて見せる姿勢なのだがそれが男にはわからない。 ただ、人情のある娼婦だと思うだけ。 この構図はある種の復讐と言えなくもありません。 そして、どこまでの取材に基づいて書かれた作品なのかわからない中で差し出がましいかもしれませんが、 事件の被害者のご冥福を祈らせてください。 余談となりますが、 つかこうへい氏の熱海殺人事件の初演が1973年(Wikiより) 本書のもとになった事件が1997年 グロテスクが2003年 つかこうへい氏の先見性とみるべきか、社会構造がまったく変わっていないと見るべきか。 個人的には後者かなと考えております。 つかこうへい作] つかこうへい作 | ||||
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甥っ子でてきて急に展開が強引というか、話がちゃちになった。 そこまでは文句なしに面白い、だからこそ惜しい‥ | ||||
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ぐいぐいひきこまれた。本嫌いの自分でも最後まで読めた。面白いけど、読後感は悪い。 とある殺人事件を参考にしたという話だが、その被害者の方への配慮に欠けていると思った。面白おかしく書いていて、作者は自分の及ぼす影響に無責任なのではと感じた。 | ||||
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人間の深層に潜むグロテスク。 胸をかきむしりたくなるほどの人間の闇を書き記す著者に感服する反面、読み終わっても感動も涙も笑顔を無く、ただひたすらおぞましい人間の性を見せつけられた衝動にひれ伏すのみ。 読むべきでは無かったかもしれない... | ||||
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この人の本は決して爽やかではなく人間の悪意や心の闇が描かれていて、読んでいると終始嫌悪感でいっぱいになるのに何故か次へ次へとページをめくりたくなる。やはり上手い作家だと思う。下巻へ続く。 | ||||
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やはり下巻も陰鬱な気分は変わらず…。上巻から間をあけず読んだが遅読な自分が約2日で読み終えた。 和恵の手記以上に「わたし」の心の弱さが垣間見え、実は1番弱い人間なのでは? 何だかんだ言ってもユリコがまともな人間だと気づいた。 | ||||
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