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グロテスク
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グロテスクの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全288件 201~220 11/15ページ
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暗い!印象深く、不気味な女性の魂が浮遊するような余韻があります。 | ||||
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正直言うと途中引き込まれるように読んだ。だが、よく描けた小説が、かならずしも素晴らしい読後感をもたらせてくれるとは限らない。本書が東電OL殺人事件に材をとっているのは知られた話。狂言回し的な女性を主人公に、彼女のモノローグと二人の売春婦、二人を殺したとされる中国人男性の手記を挟む構成。手記の中でそれぞれ自分の半生を振り返るが、書かれている事柄がそれぞれの立場で微妙にずれる・・・。誰が嘘を書いていて、真実はどこにあるのか・・・。興味深いのは主人公の女性が単なる狂言回しではなく、自分に都合の悪いことは隠蔽するか糊塗する・・・。彼女たちが通った私立の学校の中に厳然と存在した階級意識、世に出てみれば女性が一人で生きていくには屈折せざるを得ない男社会の中で、ひとりは美貌だけを頼りに生きていこうとし、一人は有名企業に勤めているというプライドに虚勢を張り、一人は超然とした孤独の道を歩む・・・。3人の女性の半生追いながら、女性たちが抱える暗い一面を描く。それは題名通りのグロテスクな様相を現し始める・・・。二人が殺された後、主人公の女性がとった行動は・・・。殺人事件はあるが、謎解きも犯人探しも本書の本題ではない。ひたすらにどろどろとした女たちの執念・怨念に満ちた生き方を記していく・・。 | ||||
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佐野氏のルポを読んでも分からなかった、OLの気持ちがどう描かれているかに注目して読んでみた。一応の筋として和恵の生い立ちと性格は書かれているが、肝心のなぜ売春に至ったのかについてはぜい弱だと思う。それはこの小説が現実の事件を越えられなかったことを象徴している。ユリコの怪物的な美しさも十分に表現されておらず、「薮の中」的な構造も機能していない。女は美醜に一生支配される。たとえ、自分がそこから降りたとしても。日常風景に隠された差別や貧困や悪意や欲望や堕落が……というような事は、目新しくもなく、もっとコンパクトに表現できたと思う。嫌みな表現を我慢して読んだ末の結末がこれではがっかりです。岡崎京子のリバーズエッジでも読んだ方がいいです。 | ||||
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悪魔的な美女ユリコを妹に持つ「わたし」は、幼い頃から妹の美貌を激しく憎んでいた。両親の死によって「わたし」は祖父に引き取られ、ユリコは両親の友人一家に引き取られる。祖父は貧しいが、「わたし」の言いなりになる他愛もない人物であるため、穏やかな毎日を送っていた。美しくとも愚かな妹には、絶対に入学できないであろう名門女子高に入学した「わたし」だったけれど…。その昔、当時の東電に勤めるエリートOLが、自宅とは別のアパート内で殺害され、後に娼婦をしていたことがわかって、東電OL殺人事件として世を賑わせたことがあったが、この作品ではその事件を彷彿とさせるストーリー運びとなっている。「わたし」は、その二人の生い立ちや、身を持ち崩した経緯を語り続けるが、次第にその言葉に塗られた虚構が剥げ落ちて行く。その辺りは、桐野節炸裂、といったところで、まさに本領発揮と言えるだろう。人間の悪意を表現するのに、これだけ長けた作家も珍しいと思う。 | ||||
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この大元となった事件の新聞での報道。スポーツ紙でもなかったのに週刊誌のような見出し。男が書いたに違いないと思った。その嫌な気分はずっと心に残っていて桐野氏も当時そのような印象を持っていたと知り、この作品に何か私にとって答えがあるかと、必ず読もうと思っていた。学歴、外見、経済力、家柄・・・。社会にある数々の優劣による差別はどうしたって存在する。全宇宙的に絶対的な「神」のような存在でも現れない限りなくならないだろう。子供はそれらの優劣と折り合いをつけながら現実にある差別との距離の置き方を学んで成長していくのが理想だと思う。だが、この登場人物は誰もがそれに失敗しているのではないだろうか?いつもながら自分の内面や生き方を考えさせられる桐野氏の作品。登場人物達の視点はみんなあまりにも内側に向かっているので、私は顔を上げて外を見ようと思う。 | ||||
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自分が彼女達のようにならないという保証など何もないのだと読み終わってまずそう思った。最低ランクの娼婦に成り下がること、それはとても簡単だ。たった一歩踏み出すだけでいいのだから。グロテスクなのは彼女達も自分も同じ。ただそれを実行するかしないかだけの差に過ぎない。誰の心にも巣食う差別意識や優越感、劣等感、嫉妬、悪意・・・醜いもの達。ただそれがあらわにされているだけなのだ、彼女達は。怖いのは自分もそうなのだと認めること、認めざるを得ないこと。いつか私も自分自身を取り戻すためにあの場所に向かうのかもしれない。一歩踏み出す何かのきっかけがあったとしたら・・・ | ||||
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最後に出てくる百合男、あれは蛇足。 | ||||
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現実に密着しすぎて題材をうまく消化できなかった憾みがある。モチーフになった事件それ自体のほうがこの小説より遥かに文学的だと思うのは自分だけだろうか? 俗に「事実は小説より奇なり」と言うが、著者は現実に起きた東電OL事件やオウム真理教事件の影を追っているに過ぎない。そして当然ながら、物語そのものが持つ衝撃度において、この作品は現実に起きたこれらの事件を一歩も超えることができていない。この小説の語り口は江戸川乱歩を意識したように見受けられるけれども、さて物語の内容はと言えば、乱歩と違って野放図な文学的想像力の羽ばたきなど期待すべくもない。残念ながら、フィクションの醍醐味を感じさせるには程遠い作品としか言いようがない。 | ||||
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物語の少し先をいつも気にしながら急いで読みました。早く先が読みたい。ほとんどが過去をつづっているから、なにか驚くような展開があるわけではないのに、登場人物たちの心の闇や行動の先に引き込まれます。実在の事件をモデルに、ここまで面白く膨らませるとは、桐野さんの頭の中はどうなっているんだろう。 | ||||
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重いな。というか、読んでて痛い。作品中の様々な出来事を、登場人物達の視点を通して語る、その描写が見事だと思った。実際のところ、人の自分自身に対する主観的な評価ってこんなもんなんだろうな。そういう意味でとてもリアルな話だ。だから痛くて重いんだろうな。 | ||||
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うん、面白い。\2,000出しても後悔ありません。その価値はあると思います。女の戦いですね。それぞれの女の、男に身を売る事の意味、考え方。それぞれの心境、第三者からのイメージ、そして結果・・・。結構面白いですこれは詠みやすいし。頭にもよく残ります、何か小説内の映像がイメージができて頭にうかんできます。このミス2004でベスト5?えぇ、納得できます。 | ||||
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登場する4人の女性の心の闇を文章に曝した作品。まさに「グロテスク」といえるが、女の本性とはこんなものだろうと思う。誰でも4人のうちの誰かに似た思いを抱いたことが1度はあるはず。その醜い思いを隠そうとして女性は日々「美しく」あろうとするんじゃないだろうか。 | ||||
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女にとってエリートであること、エリートになることってどういうことなのだろうと読みながら改めて考えさせられた。男にとってそれは簡単でわかりやすい。良い学校に入り、良い会社または組織に属しそこで出世していくこと。ちょっと古くなりつつあるけど、いまだにやはり良い学歴とキャリアがエリートとみなされる。しかし女にとってことはそう単純ではない。女には学歴やキャリアだけでは足りない。というかむしろそれらは女として最も有効なツールを持たない女が血と汗を滲ませ身に付ける武器でしかない。女にとってやはり美貌に勝る物はないのだ。しかし血と汗を滲ませ学歴やキャリアを手にした女も、そして類まれなき美貌を生まれ持った女も幸福にはなれなかった。幸福になれなかったどころか二人とも売春婦として客に殺害されるのだ。 エリート女子高の歪んだヒエラルキー、歪められたエリート意識が人を壊していく様、度を越した美しさで男を破滅させやがて自身をも破滅させゆく様、そしてそうした成り行きをすべて底知れぬ悪意を抱いて傍観する様、いずれもまさにグロテスク。 | ||||
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作者が描こうとした「差別」。作者は差別される側の、心の闇の部分を見事に描き出していると思う。かつて、日本国民は総中流社会といわれていたが、いまでは、あきらかに富める者と貧しい者の差が著しくなる社会、不平等になりつつある。不平等がもたらす社会問題を、心の闇として抽出している。とても考えさせられた。 | ||||
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読んでいるうちにアタマが痛くなってくる。あまりにも悪意に満ちた内容なので、体が拒否反応をおこすのか。登場人物たちの胸の中にあるのは、いかに相手をへこますかという敵対心ばかり。暗いこころ。女というものの果てのない愚かしさ。やりきれないきもちになってくる。美なんて一生保証されているものではないし。つくづく女の身の処し方は難しいと思う。他人に注目され、認められることでしか自分の存在理由を見いだせない和恵という女。誰にも注目されなくともいいじゃないの。自分自身を素直にありのままに、淡々と誠実に生きていけばそれで十分じゃないの。他人の評価なんてコロコロ変わる。そんなあてにならないモノに価値を置いたところで、どうなるの。自分自身を見失ってしまうだけ。女というもの、美醜、自分自身の在り方に対していろいろ考えさせる本。 | ||||
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気持ちの奥のほうにあるドロドロな部分がハッキリと書かれてあって、登場人物の容赦ない発言や考え方に怖いというよりスッキリしてしまいました。一気に読みました。 | ||||
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あああっというまに読み終えてしまいました。あの後ゆりお君はどうなってしまうんですかね。ユリコと同じ運命をたどるのでしょうかね・・・。 | ||||
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空前のおばさん小説しかも出てくるおばさんが全員美人じゃないグロい、というより怖いよ今もおばさんたちが世界に生息していると思うとね | ||||
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一気に最後まで読んだ。印象に残ったのは佐藤和江の章。あまりにも痛い。そして自分に似ている。高校生の頃は痛ましいだけだったが、会社に入社してからは自分と重ね合わせて読める人も多いと思う。私も壊れないように気をつけようと本気で思った。 | ||||
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読み始めると怖いものみたさで止められなくなり、半日で読了。直後は和恵の壊れっぷりが際立つ印象を受けました。しかし、Q高校へ入学しなければ、ユリコと出会わなければ和恵は怪物とはならなかった。木島先生のいう変異しなければいられない環境。人間は影をみて光があたっていることを確認するのかもしれない。そして光が強いほど影も際立ってしまう。 | ||||
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