ダークネス
- ノワール (118)
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「村野ミロ」シリーズの第6作。前作「ダーク」から20年以上の時を経て還暦を迎えたミロが最後に愛した男や仇敵たちと、断ち切れないしがらみに終焉をもたらそうとするノワール・サスペンスである。 | ||||
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| 私は30年前に「OUT」を読んだにもかかわらず、村野ミロシリーズを一気にすべて読だのはちょうど1年前だった(それまでは「OUT」と「柔らかな頬」しか読んでいなかった)。 したがって20年前に出た「ダーク」の内容も頭に残っていたため、今回の「ダークネス」も全く滞ることなく一気に読了した。那覇と大阪、東京、ソウルを行き交う空間的な広がりと、多くの人間の思惑と権謀術数が複雑に絡まり合う構成は、本当に見事。 同様の事をやろうとする作家は多いが、だいたいは読者と歩調が合わず、「え?なんでこいつはここでそんな事思うの?」「いきなり唐突にこんなことやらかすの?」という読者置き去り感が頻出する。一方、桐野作品にはそれがない。そして、その筆さばきは年を追うごとに研ぎ澄まされる。「ダークネス」帯に書かれた「怒涛の最高傑作」という修辞は誇張でもなんでもない。 20年の時を経てこのシリーズが復活した事にただ感激したし、そして「ダーク」の最後に出現した悲劇の象徴たる赤ん坊の視点で始まった物語の卓越さには鳥肌すら生じた。 さて、巻を措く能わざる物語のリーダビリティについて書く人も多いだろうから、私は別視点で感想を述べる。このシリーズの妙味は主人公である村野ミロにかかわる「外面と内面の乖離」にあると思う。 ミロはシリーズ第一作「顔に降りかかる雨」から一貫した人物像を保っている。超然としており軸がぶれない。タフで行動力があり、ゆるぎない信念と思慮で物語をけん引する…ように、他の登場人物たちからは見えている。「ダークネス」においてハルオ視点で描かれているように、ミロはやはり頼りがいのある強い女性として自身の外観を構築している。しかし、ミロの一人称視点で描かれる物語は趣が明らかに異なる。 ミロの内面を覗き見る事ができる読者からすれば、彼女が常に揺れ動く自分の感情に翻弄されており、衝動的で悲観的、ペシミストと言えば聞こえは良いがコミュ力が高いわけでもない(交渉術には長けているのだが)。行動原理はほぼすべて男がらみの痴情のもつれ。そして自己保身。 はっきり言って、「ちょろい女」である。 しかし、先に述べたように外から見ると「ゆるぎない自己を確立した女性」に見える。そのギャップが作品に奥行きを与えている。 続編が出ればすぐに読みたい。 なお、蛇足だが某沖縄出身の歌手と同じ名前の、38歳女ざかりのバーのママには落胆した。当初ファム・ファタルと思わせ、全くそんな事のないモブキャラであった。でも、あの母子については、もし続編があれば顛末を書いてほしい。 | ||||
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| ミロが60歳になってまた姿を見せてくれた。まさかの続編に歓喜です。 前作「ダーク」で、卑劣な山岸の子供を産むか堕胎するかの選択は、桐野先生のペンの運び方ひとつで決められた、はずなのだが、もはやそうではなかったという気さえした。村野ミロは意思を持った人間として存在し、作者のペンを己の選んだ方へ運ばせたのではないかと。なぜならあの時の赤ん坊ハルオを、20年もの間、ミロは徹底的に守っていたのだから。 しかしハルオはやがて自分の出自や、ミロが明かしてこなかった真実を知ることとなる。ミロとハルオの視点から物語は進んで行くが、憶えのある人物が登場するたびに、シリーズ読者としては心拍数があがる。ミロが言うところの「悪縁」に絡め取られるハルオの様と、「母親になるということはとんでもない弱み」とハルオを失うこと恐れ、それでも屈せず媚びないミロの姿にページを捲る手が止まらなかった。やはりミロはかっこいい。 また、ミロの味方となる女性たちが魅力的である。ハルオに想いを寄せる由惟は意外な展開を迎えるが聡明で芯がある。女性弁護士の矢立は有能で効率的な仕事をするが情のある人物で、ミロと食事を共にする場面ではその魅力が引き立てられた。 そして、ラストシーンは圧巻でした。最後の数ページで次の瞬間誰がどうなるのか分からない緊迫した展開とスピード感、しかしみんなどこか滑稽でもあり、「ダーク」から続く物語の終末にはふさわしいと思った。 これでいよいよ完結だろうか。私はこの先があって欲しいと願っています。 | ||||
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| 本の状態はまずまず! 内容は最高です。一気に夜中2時まで、読みました。久しぶり、こんな一気読み❣️ | ||||
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| ダークは私の好きな作品ベスト10くらいに入る何度も読んだ本で、その続きが何十年ぶりに発売ということで、もう一気読みでした。ダークは怒りとか強さとか人の嫌らしさとかを前面に迸るめちゃくちゃな愛の物語という感じだったのですが、こちらはその20年後の物語で、確かに移動はたくさんしているし危機もあけれど、微妙な心の動きを細やかに丁寧に描いてあって、親子愛とかすれ違いとか、なんかとてもリアルで、それはそれで面白いとおもいましたが、どちらかといえば、無茶苦茶な20年前の話のほうが魅力的ではあったかな、と思いました。 | ||||
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| 前作から20年、新刊出てる!と驚きました 正直色々忘れていた部分もあったけど、やっぱりミロは変わってなかったし ジンホ、トモさん、久恵 ああこうだったなと思い出しながら 圧倒されて読みました しかし読後は何とも苦かったです 後から「天使に見捨てられた夜」も読み返しましたが、しかしトモさんの変貌が一番驚きですね | ||||
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