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ダークネス



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【この小説が収録されている参考書籍】
ダークネス

ダークネスの評価: 4.64/5点 レビュー 14件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.64pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

村野ミロの外面と内面のギャップを楽しむシリーズだと思います

私は30年前に「OUT」を読んだにもかかわらず、村野ミロシリーズを一気にすべて読だのはちょうど1年前だった(それまでは「OUT」と「柔らかな頬」しか読んでいなかった)。
したがって20年前に出た「ダーク」の内容も頭に残っていたため、今回の「ダークネス」も全く滞ることなく一気に読了した。那覇と大阪、東京、ソウルを行き交う空間的な広がりと、多くの人間の思惑と権謀術数が複雑に絡まり合う構成は、本当に見事。
同様の事をやろうとする作家は多いが、だいたいは読者と歩調が合わず、「え?なんでこいつはここでそんな事思うの?」「いきなり唐突にこんなことやらかすの?」という読者置き去り感が頻出する。一方、桐野作品にはそれがない。そして、その筆さばきは年を追うごとに研ぎ澄まされる。「ダークネス」帯に書かれた「怒涛の最高傑作」という修辞は誇張でもなんでもない。
20年の時を経てこのシリーズが復活した事にただ感激したし、そして「ダーク」の最後に出現した悲劇の象徴たる赤ん坊の視点で始まった物語の卓越さには鳥肌すら生じた。

さて、巻を措く能わざる物語のリーダビリティについて書く人も多いだろうから、私は別視点で感想を述べる。このシリーズの妙味は主人公である村野ミロにかかわる「外面と内面の乖離」にあると思う。
ミロはシリーズ第一作「顔に降りかかる雨」から一貫した人物像を保っている。超然としており軸がぶれない。タフで行動力があり、ゆるぎない信念と思慮で物語をけん引する…ように、他の登場人物たちからは見えている。「ダークネス」においてハルオ視点で描かれているように、ミロはやはり頼りがいのある強い女性として自身の外観を構築している。しかし、ミロの一人称視点で描かれる物語は趣が明らかに異なる。
ミロの内面を覗き見る事ができる読者からすれば、彼女が常に揺れ動く自分の感情に翻弄されており、衝動的で悲観的、ペシミストと言えば聞こえは良いがコミュ力が高いわけでもない(交渉術には長けているのだが)。行動原理はほぼすべて男がらみの痴情のもつれ。そして自己保身。
はっきり言って、「ちょろい女」である。
しかし、先に述べたように外から見ると「ゆるぎない自己を確立した女性」に見える。そのギャップが作品に奥行きを与えている。
続編が出ればすぐに読みたい。

なお、蛇足だが某沖縄出身の歌手と同じ名前の、38歳女ざかりのバーのママには落胆した。当初ファム・ファタルと思わせ、全くそんな事のないモブキャラであった。でも、あの母子については、もし続編があれば顛末を書いてほしい。
ダークネスAmazon書評・レビュー:ダークネスより
4104667056
No.13:
(5pt)

待望の続編は期待を裏切らなかった

ミロが60歳になってまた姿を見せてくれた。まさかの続編に歓喜です。
前作「ダーク」で、卑劣な山岸の子供を産むか堕胎するかの選択は、桐野先生のペンの運び方ひとつで決められた、はずなのだが、もはやそうではなかったという気さえした。村野ミロは意思を持った人間として存在し、作者のペンを己の選んだ方へ運ばせたのではないかと。なぜならあの時の赤ん坊ハルオを、20年もの間、ミロは徹底的に守っていたのだから。
しかしハルオはやがて自分の出自や、ミロが明かしてこなかった真実を知ることとなる。ミロとハルオの視点から物語は進んで行くが、憶えのある人物が登場するたびに、シリーズ読者としては心拍数があがる。ミロが言うところの「悪縁」に絡め取られるハルオの様と、「母親になるということはとんでもない弱み」とハルオを失うこと恐れ、それでも屈せず媚びないミロの姿にページを捲る手が止まらなかった。やはりミロはかっこいい。
また、ミロの味方となる女性たちが魅力的である。ハルオに想いを寄せる由惟は意外な展開を迎えるが聡明で芯がある。女性弁護士の矢立は有能で効率的な仕事をするが情のある人物で、ミロと食事を共にする場面ではその魅力が引き立てられた。
そして、ラストシーンは圧巻でした。最後の数ページで次の瞬間誰がどうなるのか分からない緊迫した展開とスピード感、しかしみんなどこか滑稽でもあり、「ダーク」から続く物語の終末にはふさわしいと思った。
これでいよいよ完結だろうか。私はこの先があって欲しいと願っています。
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4104667056
No.12:
(4pt)

久しぶりの一気読み、桐野ワールド全開

本の状態はまずまず!
内容は最高です。一気に夜中2時まで、読みました。久しぶり、こんな一気読み❣️
ダークネスAmazon書評・レビュー:ダークネスより
4104667056
No.11:
(4pt)

ダークが動なら、ダークネスは静という感じ

ダークは私の好きな作品ベスト10くらいに入る何度も読んだ本で、その続きが何十年ぶりに発売ということで、もう一気読みでした。ダークは怒りとか強さとか人の嫌らしさとかを前面に迸るめちゃくちゃな愛の物語という感じだったのですが、こちらはその20年後の物語で、確かに移動はたくさんしているし危機もあけれど、微妙な心の動きを細やかに丁寧に描いてあって、親子愛とかすれ違いとか、なんかとてもリアルで、それはそれで面白いとおもいましたが、どちらかといえば、無茶苦茶な20年前の話のほうが魅力的ではあったかな、と思いました。
ダークネスAmazon書評・レビュー:ダークネスより
4104667056
No.10:
(5pt)

まさかの続刊!

前作から20年、新刊出てる!と驚きました
正直色々忘れていた部分もあったけど、やっぱりミロは変わってなかったし
ジンホ、トモさん、久恵
ああこうだったなと思い出しながら
圧倒されて読みました
しかし読後は何とも苦かったです
後から「天使に見捨てられた夜」も読み返しましたが、しかしトモさんの変貌が一番驚きですね
ダークネスAmazon書評・レビュー:ダークネスより
4104667056
No.9:
(4pt)

まさか20年経って続きが読めるとは思わなかった

過去の出来事も未来に取るであろう選択も関係なく、対峙した瞬間にリアルな感情が揺れ動く登場人物たちに振り回されながらいっきに読み終えた。スペースマウンテンみたいな爽快感。やっぱりどこまでもミロカッコいい。
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No.8:
(5pt)

ミロの地獄めぐりの終焉

ダークネスを読もうと思った。思いつきで刊行された頃に読んだミロシリーズを一度に全て読み直した。当初のクールなハードボイルドがどんどん激しいノワールに進化する闇の大河小説を堪能した。これで終わりじゃないのかもしれないのだが、見事なエンディングだと思った。桐野の闇を堪能した
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No.7:
(5pt)

圧巻でした

続編が出ると思っていなかったのでまさかの驚きで歓喜でした。ミロはほぼ同年代。パワーが素晴らしいです。
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No.6:
(4pt)

私はいったい何から逃れていたのだろう

「過去回帰型心理系犯罪小説」だと思います。20年前の前作は読んでいませんが、膨大な過去の回想、因縁、恨みなどは本作を読み進めるうちにはっきりと輪郭を捉えることができました。

主人公の母親が背負った心理的な足枷せと敵の強さ、大きさを理解できない20歳の息子がとってしまう無茶な行動を理解できるか?が肝となります。「若気の至り」というにはあまりに突飛で危険な賭けに単身で乗り込んでゆく姿に共感できるか、それとも?

390ページぐらいまですべて心理戦で、そこからのアクションシーンは実は2場面のみですので「活劇」ではなくあくまで真綿で首を絞めつけあう「圧迫劇」です。完全決着とは言い難い終わりかたですので次作にも期待します。
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No.5:
(4pt)

ワクワク段々

最後になるほど面白くなり途中でやめることが出来なかった
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No.4:
(5pt)

人が生きる意味とは?

ミロという主人公のシリーズの完結編だそうです。前作を読んでいないと最初、人間関係が複雑でついて行けなそうに思いますが構わず読み続ければだんだん分かってくるので問題ありません。途中で明かされる壮絶な過去。さらに裏切りや心変わり、これでもかこれでもかといろんな目に遭う。自分だけでなく大切な息子も狙われる。それでも前に進んでいく。人はなんのために生きるのか?生きる目的を失った先に何があるのか。エンディングはちょっとだけ希望持てました
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4104667056
No.3:
(5pt)

ミロの荒涼と自由

長年の桐野夏生ファンです。特に村野ミロシリーズは大好きで、『ダーク』では大きな衝撃を受けました。その待望の続編。20年以上経っての続編なので、読者としての私もミロと同様に年を重ねており、彼女と共に生きて、闘っているような錯覚に陥る。本作も、途中から山岸や久恵やトモさんが次々と登場し、ミロが過去から逃れられないことを思い知らされる。そこには息子のハルオも否応なく巻き込まれ・・・ミロの荒涼と自由でもって終わる今回の物語。茫然としてしまった。このシリーズ、終わりにしないで欲しい。桐野さんにはぜひまたミロのその後を描いて欲しい。大満足の読書体験でした。
ダークネスAmazon書評・レビュー:ダークネスより
4104667056
No.2:
(5pt)

あまりにも絶句。

とにかくページを繰るのが止まらず、あっという間に読破。桐野さんの作品は「柔らかな頬」で衝撃を受けて以来全て読んでいるが、今作がマイベストかもしれない。
元々人間の持つ悪意や暗部、醜悪さを描かせたらこの人の右に出る者はいないと思うが、今作も表題そのままに究極を行っている。私は特に前半からハルオのさりげない冷酷さに感銘を受けた。
ジャンルで言えばエンタメになるのだろうが、それでも最近の大どんでん返しとか後味良い読後感を意識した巷に溢れる作品とは明らかに一線を画すので読者を選ぶかもしれない。また前作「ダーク」を読んでいないと正直話の流れが分からないので(作中何度も説明がされるが)、先に読んでおくことをお勧めします。かく言う私もほとんど忘れていたのでこれから再読始める予定。
それにしても桐野さんは作品の質が下がらない。歳を重ねて文体の変化は多少あるが、グイグイと惹きつけるストーリー構成は相変わらず魅力的だし、登場人物はちょっとした機微の変化でも細部まで心境が描かれるのでキャラが濃く表現されて没入感が強い。
今作は読了後、絶句するしかない程の濃密さだった。
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4104667056
No.1:
(5pt)

「ヤクザなめんな」…物語は終わらない!

村野ミロシリーズ最終巻…!この物語を書くために死ねないと思った…と桐野先生はおっしゃるけど、いやいやまだまだ終わりませんね。あんなもんでミロを追う彼らが諦めると思えません。ミロとハルオの子離れ親離れの心情もこんなにあっさり済むはずもなく…また数年後の続編、待ち侘びます。おもしろかった!!
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4104667056

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