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(短編集)

砂の女



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砂の女の評価: 4.34/5点 レビュー 209件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.34pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全209件 181~200 10/11ページ
No.29:
(5pt)

人生における生きがいとは・・・

砂の女の住む砂穴の一軒家に閉じ込められた男が、実感する人生の閉塞。「生きがい」とは何だろうか・・・エゴイズムにも似た「生きがい」を見つけて生きている人間の滑稽さや愛らしさ。何故かホッとする気分を味わえる不思議な作品。
砂の女 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂の女 (新潮文庫)より
410112115X
No.28:
(3pt)

砂に埋もれた男が、最後に行き着いたのは…

怖い…。とにかく怖い。

思いがけず砂に支配される村で穴の中に閉じ込められ、逃げることすらかなわずにただ過ぎていく日々。そして積もっていく砂、砂、砂…。

この作品に強い嫌悪感を抱くのは、リアリティゆえだとわかりつつ、個人的にはこの種の怖さは苦手だ。

久しぶりに読み返してみたが、やはりこの印象はぬぐいきれない。
砂の女 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂の女 (新潮文庫)より
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No.27:
(5pt)

傑作

――罪がなければ、逃げるたのしみもない――

まず冒頭から公房さんのセンスを伺える。

そういえば、これはレビューだから深く語れないないのか。残念自重しよう。

比喩の正確さ、幅の広さ。地の文の軽快さ。最高である。グングン読者をひっぱていく。

そして男の色々な意味での"あつい"思考。

純文学が苦手な人――勿論、どんな読者でも楽しめること請け合いであることは間違いないことだが――是非読んでみることをおすすめします。
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No.26:
(5pt)

一つの生き方が少し変わった形で書いてある本

今、目の前にある状況に意義やよい面、生きがいを見つけること。それはつまり自分の生きる意味を知ることであり、幸せを感じることである、というテーマかな?

 砂に囲まれ、日々砂から身を守り抜くことだけを考える中で、他にもっとよい環境があるはず、と考えるとき、どうやって逃げ出すかだけを人は考える。この「他にもっと」という感覚が悪いとは思わない。それがよい結果に結びつくことだって大いにある。

 教訓めいてはいるが、ここに書かれているのは一つの生き方であり、教科書ではない。
砂の女 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂の女 (新潮文庫)より
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No.25:
(5pt)

不条理な日常へ

日常の生活の中で、なんとはなしに不平や不満、満たされない日々の中で、非日常の何かを捜し求めて私たちは旅に出るのだと思います。

 そして、そんな旅先で突然、自由を奪われ不条理な世界にほうり込まれたなら、あなたはどうしますか?

 あきらめの中で、何か日々の目的・目標となるものを探すことができたなら?

 ぜひ読んでみてください。
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No.24:
(5pt)

北朝鮮による日本人拉致を予言したかの様な小説

北朝鮮が、日本人の拉致を認めた日(2002年9月17日)、私は、この物語(『砂の女』)を思ひ出した。北朝鮮によって拉致され、北朝鮮で、人生を滅茶苦茶にされた人々の運命と、この物語は、いかに酷似して居る事だろうか。−−作者の安部公房氏は、この作品を社会主義国の戯画と見る事はしないで欲しいと言ふ意味の発言した事が有るそうである。安部氏が、わざわざそう言ふ希望を述べたと言ふのは、逆に言へば、早くから、この物語が描く世界から、「社会主義」国の現実を連想する読者が、いかに多かったかの反映の様で、皮肉である。

(西岡昌紀・内科医)
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No.23:
(2pt)

男にじれったさを感じます

砂の中に入り込んでしまい、始めはにげようと試みた男が、少しずつ逃げる気力を失っていく・・。砂の中の生活にも快楽を見つけ、現実世界にもう戻らなくてもいいか・・と考える男に、正直言ってじれったさを感じます。しっかりしろ!と。
 どこか官能的でもある一冊ですが、読んでいくと、現代社会への批判的な一面も見え隠れします。自分の隠したいと考えている部分が主人公の男に重なる時もあり、抽象的ではありますが考えさせられる一冊です。
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No.22:
(5pt)

日本の知性、安部公房の代表作!

学生時代に、文庫本に始まり、全集、全作品と、安部公房作品を読み漁りました。
彼がエッセイや対談の中で名を挙げている人物や作品の本も沢山読みました。
当時の私は、かなりの安部公房信者でした。
そのような中で一番好きな作品が、この『砂の女』です。
安部公房の長編を初めて読もうと思っている方は、この『砂の女』から入るといいと思います。
他の多くの作品でもそうですが、現実への非現実への入り込み方が秀逸です。
(もう一つの代表作として『壁』が有名ですが、あれは難解です。あの作品は、安部公房の作品の中でも特殊です。また、政治的な思想が色濃く反映されています。初めて読む本としては個人的にはあまりおすすめできません。)
安部公房文学は難しいとよく言われますが、作品論など書くつもりで読む必要はありません。
体験してください。レトリックを楽しんでください。
それでは、安部公房ワールドへようこそ。
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No.21:
(5pt)

退屈との戦い

非現実的な世界を通して、科学的手法のみでは決して解き明かす事のできない人間の心理を描き出す。
主人公の男は新しい虫を発見してそれに自分の名前を付けて後世に自分の名を残そうと砂漠にでかけるが、砂地獄のようなものにはまってしまい、砂の中に閉じ込められてしまう。脱出しようとするものの、しばらくするうちに砂の中の生活に慣れてしまって逃げる気力を失ってしまう。
ここで主人公は思う。砂の中にはある程度の娯楽もあるし、そんなに悪くない。砂の外の世界もそんなに変わらないのではないだろうか。結局、人は退屈な人生からなんとか気を紛らせながら生きてるのではないだろうか、と。
物語設定は非現実的であるが、生きることに特別な意味はなく、人生は単調な毎日の繰り返しであるとする主人公のニヒリスティックな思考は、決して現代と無関係な考えではない。
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No.20:
(4pt)

なかなか乙なものでした。

文学作品はとかく読みにくいものですが、試しに読みますとなかなか面白いことに気がつきました。人間の幸せとは何か?と考えると難しいのですが、何をやっているときに幸せになるのか?を考えるとよいのかもしれないと思う本でした。
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No.19:
(5pt)

戦後文学最高傑作。

自分がこれまで読んだ本の中でもっともおもしろかったと言って過言がないほど圧倒的な迫力、緻密な知識、構成が絶妙なバランスをもって重畳的に織り込まれている作品。
サスペンスとしても楽しめるし、現代社会に対してありもしない希望と自由の幻想の上で成り立っているものと批判する寓意的小説として読んでも優れていると思う。砂に囲まれた家での思い通りにならない生活と望めば何でも手に入るように見える現代社会・・・優劣はどちらだ・・と・・
砂が絡み付いてくるようで、読んでる途中に何度もシャワーを浴びたくなる描写にも嫌悪感を感じながらも引き込まれていきます。
読んで損は全くなし。
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No.18:
(5pt)

堕ちる快楽

住居が砂に侵食されるように、心も侵食されていく。
そこはかとない怖さを背筋に感じながらも、
主人公が異常な状況に順応していく様に共感を覚えてしまう。
ダリの絵画のような、異質なのに人を惹きつけてやまない魅力的な情景描写と、
不気味で従順な女のエロティックさが何とも印象的です。
脱出を試みる場面の切迫感が物語に抑揚を与え、
この異質で閉鎖的な場面設定を、飽きることなく読ませる効果を生んでいます。
読後感はいいとは言えませんが、凄い作品です。
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No.17:
(5pt)

「もの」の奇妙な存在感

昆虫、砂漠、穴、従順な女、太陽。それらの生み出す不協和音がこの作品の底に流れている。そしてその調べが徐々に読者の心を捉え、まるであり地獄のように小説の舞台である砂漠へ連れ込む。読者と主人公はいつの間にか同化し、それが主人公に「逃げ出す」という勢いを与える。強い色彩を持った不毛さ。そんな感じを私は感じた。
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No.16:
(5pt)

シュールレアリズムの真髄

この物語は、昆虫採集にでかけた男が砂に埋もれそうになっている町に迷いこむことから始まる。
この町の存在は実世界から見ると理不尽なものだ。しかし、このたった一つの前提―この町の存在を認めること―を除いて、物語は極めて精緻に論理的に構成される。こうした意味で、阿部公房のシュールレアリズムは、非ユークリッド幾何―通常の幾何学の前提を一つだけ変えた世界―のような美しさを持っている。
そして、そのわずかな前提の変更によって、彼は、前提の違いを超えた物事の本質を鮮やかに際立たせるのだ。
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No.15:
(3pt)

自分勝手な欲望。

難解だが、人間の本質を捉えた描写、性的ないやらしさを卑猥でなく官能的に表現し、コミュニケーションのズレの巧みさには舌を巻く。
 
「他人のことなんかどうだって!」
と女が叫ぶ。
まさにその通りだろう。自分の村を守るために人を蟻地獄に引き入れて生活して位だしね。しかし、男と女は妙なもので、肉体関係から精神的なつながりまで生じてしまう。しょうがない生き物だ。
前衛的でナンセンスな物書きとばかり思っていたが、今回の話は突飛な話ではなく、しっかりと論理が成り立つ、東大医学部卒の筆者ならではの、理系的小説となっていたことに驚かされた。
ただ、難しいんで、気軽に読める作品ではないな。
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No.14:
(5pt)

世界に誇れる日本人作家

イギリスの深夜番組にて、映画版砂の女が放映されていた。
それが安部公房の作品に触れるきっかけとなったのですが、カフカ、サルトル等の実存主義小説に満足できなかった自分にとって正に青天の霹靂でした。
映画以上の圧倒的な”砂の実存”の描写は、読むものに湿気と乾燥を同時に与えてきます。一気にむさぼり読みました。
自由を失い、自己の存在意義を発見する姿は示唆に富むものです。
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No.13:
(5pt)

蟻地獄人間版

阿部公房の小説は全体的にみて「恐怖」やそれに似たようなものを取り扱っている感がする。
これも例外ではなくかなり大雑把に要約すれば
「蟻地獄の巣に人間が引っかかったら」みたいなストーリー。
二流作家に書かせたならば「怖いですねー」で終わりなのだが
やはりここは阿部公房。
その「恐怖」という感情に「焦燥」やら「絶望」さらには「興味」や
「哀愁」に似たような感情まで表現してしまうのだから恐れ入る。
公房はこの作品を通じて
「[恐怖]という感情はすべての感情の根幹に存在しているんじゃないだろうか」と訴えているような感覚がする。
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No.12:
(5pt)

絡みつくようなリアリズム

鬼才・安部公房が贈るカフカもビックリの究極の変態小説。
安部公房という作家の天才性は、
その突拍子もない発想力や観念論的世界観よりもむしろ、
日本的な湿度の高い文体によって表現される徹底した土着的リアリズムにある。
現実の世界と非現実の世界が違和感無く混濁していくさまの圧倒的な「現実」感は、
最近の若手作家が書く観念論のそれのような、
オタク少年が寝っ転がりながら考えたようなリアリティのない綺麗なだけの胡散臭さとは無縁である。
彼の文章からは常に血と汗と精液の匂いがする。
本作のあまりにも艶かしい「女」の描写には当時中学生だった俺もエロい妄想を膨らませつつ興奮したものだ(バカ)。
上記したような意味で、この「砂の女」は、安部公房本来の才能が遺憾なく発揮された
彼の代表作と呼ぶにふさわしい傑作だと思える。
戦後文学を語る上でも基本的な作品の一つなので、未読の方は是非ご一読を。
砂の女 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂の女 (新潮文庫)より
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No.11:
(5pt)

並外れた描写力がなす業

ストーリーについては詳しくは触れません。
読むだけで寒気がする状況描写に、異質な人間達の行動もうまく捉えています。
今まで考えもしなかった様な非日常に放り込まれた男の変わりゆく心の様は一読の価値ありです。
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No.10:
(5pt)

エンタメとして十分面白い

これほど非現実性を持ちながらも文学としての良さを持ちつづけるところに安部公房氏の力を感じてしまう。常に砂のイメージが不快さを持ちつつも読者に強烈なイメージとして置かれていて、その中で読者も没頭していく。それほど様変わりしない中をあれほど面白く、それで居て日常の狂気を描き出す力。
それに、普通にストーリーとして面白い。読んでいて手に汗を握るシーンもあり、ミステリーばっかり読んでいるという人にも良質のエンタメとしてお奨めできる。世界的にも認められた日本文学の一つ、是非読んでください。
砂の女 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:砂の女 (新潮文庫)より
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