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(短編集)
砂の女
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【この小説が収録されている参考書籍】
砂の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全209件 61~80 4/11ページ
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安倍公房の名著。 なんだろう。この読後感は・・・。 唯一無二といっていい世界だと思います。 昆虫採取が趣味の男が砂山に覆われた村に迷い込む場面から物語が始まります。 砂掻きをしないと埋もれてしまう廃屋を守り続ける女。 一宿一飯の宿代わりだったのつもりが、男を逃がすまいとする村人に脱出を阻まれ、女と延々と続く砂掻きをする生活に陥ります。 あの手この手を使って脱出を企てるも、砂の壁を乗り換えられず、いや乗り越えても村人達の必要な追跡に会い、女との共同生活に戻される男。 やがて女が妊娠したことが分かると同時に、ふとしたから脱出方法を発見し実際に脱走に成功するが・・・。 いつでも脱走することはできるんだ。それよりもこの脱出できる方法を伝えたい。伝えれらるのは・・・、そう女しかいない。 自らの意志で再び女との生活に、砂を掻き続ける生活に戻っていく男。 誰しもが現状を変えたいという思いに刈られたことはあるのでしょうが、決断ができない。いやそもそも現状を変えたところで、本当によりよい未来が待っているのか確信が持てない。そもそも俺は今の暮らしの何が不満なんだ、いやいや案外悪くないだろう。結局現状が居心地がいいんじゃないか。 今の自分の生活にあてはめてそんなことを考えてしまいました。 20か国語に翻訳され、今なお高い評価を受け続けるいう「砂の女」。 そう、読後感が砂のようにまとわりつくのです。 | ||||
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急に自由を失った男の話である。砂の穴倉に閉じ込められて外から縄梯子を下ろしてもらわないと出られない。中には三十前後のいかにも人が好さそうな小柄の女がいるだけで、水や食料、たばこなどは外から供給される。男は必死に逃げようと画策するが、結局捕まって穴倉で女と生活すようになる。 二人して働いてラジオを手に入れ、女は妊娠するが、2か月経って下半身を血に染める激痛を訴え、町の病院に入院させることになった。女が連れ出されても縄梯子はそのままで、男は登って外に出たが、別にあわてて逃げ出す必要はないという境地だった。結局男は7年以上戻らず失踪者と認定されてこの話は終わる。 男は昆虫採集を趣味にする教師で、俳優の香川照之を念頭に置いて読んでいたが、ぴったりのはまり役で、彼を主役に再映画化してもらえないだろうか。 | ||||
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長く休みが取れたときは、必ず読み返したくなる1冊。 話を思い返すだけで、自分が砂に巻き込まれたような感に囚われて息苦しくなる。 20代、初めてこの作品を読んでから、読ませる作家は、文章だけで人の想像力をこんなに掻き立ててくれるものだのだと知りました。 抜け出したくて抜け出したくてたまらなかった穴から空を見上げる。そして次第に憎悪と執着が生まれ、穴のことだけを考え始める。 もう故人となってしまった著者ですが、その逸脱した鬼才さは、100年後でもすたれていないでしょう。 | ||||
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近代文学の最高傑作との呼び声も高い作品との評価に惹かれて購入した。蟻地獄に監禁され、当初は激しく抵抗するものの、やがて諦めと同時に、単調な日常に慣れて行く。女は男と違い、家庭内の退屈で単調な生活に疑問もなく順応する。日常の様々な状況や問題を、比喩を用いて表現する手法もなかなかである。シュールな物語であるが、わかっていても引き込まれて行く。しかし、「夜と霧」や「ショアー」のような、実体験を基にした作品ほど、インパクトは受けなかったのも事実であった。 | ||||
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安部公房の名作。20数カ国語に翻訳されたベストセラーである。 昆虫採集に出かけた男が、行き先の砂の部落で、砂に埋まらないために防砂の役目をしている家に捕獲されるが、脱出を試みる。という大筋。 防砂の家は、蟻地獄のように強風に引きつける砂のためすり鉢状に辛うじて建つことで、風下の部落へ砂を浸蝕させない役割を持っている。 勿論、家は砂を掻き出さなければ埋まってしまうため、砂を掻き出す要員として人が住んでいる。寡婦となっている女のつがいとして、男は捕獲され穴に閉じ込めらることになる。 端的に言えば、まず設定があって、それは寓話性も感じさせるような非現実的にも感じられるものであるのだが、男の視点から実際に閉じ込められ、息苦しさをも感じさせる描写を積み重ねることによって、あり得ない世界ではないのかもしれないと感じさせるのが美点だと思う。 また、この描写の積み重ねが、たったひとつの動作に、丁寧な行数を費やし、いろいろなパターンで表現され、比喩も分かりやすく使われるため、リーダービリティが非常に高い。 物語の殆どが、男と、砂の部落の女とで進み、男の視界は腐りかけの家と砂と女という小道具しかない。そこにはアクションがあり、ロマンスがあり、ペーソスがある。 構成のページの割き方からいって、現代の感覚では、緻密に構成されているとは言えないかもしれないが、なるほど半世紀も読み継がれてきているという納得するパワーはあると感じられた。 表紙のカラスがなぜ描かれているのか、物語の終わりの砂から水を生み出すという物語の展開によって男の目的を変えていくことに繋がっていて面白い。 | ||||
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昆虫採集にきた男は、穴底の砂の家に、半ば捕らわれる形で、そこに住んでいる砂の女と暮らすようになる。自分が採集される側になった皮肉を男はどう思ったか。勿論、何度も脱出を試みるが、その都度、集落の人間に見つかってしまう。この理不尽と不条理に最初は悩むが、やがて砂の生活にも慣れ、逃げるチャンスがあっても、逃げようとしなくなった。ここで籠の中の虫と自分を同一化したのか。7年後、男は失踪者の審判を下され、死亡の認定がなされた。まさにその時、自由という形が垣間見えてしまう皮肉。 自由とは空を飛ぶ鳥のようなものだけを言うのではなく、ひとつの所に巣ごもりして、主体的にじっとしているのも自由の変形であるとしたら、男は今、どういう心境なのだろうか。客観的に見て、男が何に適合したのかと言えば、砂の女にだけである。「砂の女」は、読者各々の中で、如何様にも比喩的に捉えられる対象でもある。 | ||||
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このお話の良さがちっともわかりませんでした。 どこにドラマがあって、どこに共感して、なにを感じればいいのか? 我慢して最後まで読みましたが、最後まで、しんどかったです。 現代とは、文化的背景が違いすぎるから、当時の人が共通認識として持っている価値観などを持ち合わせていないからなのかな。 昔のヨーロッパの小説を読んでるように、何でも神がでてきて意味が分からないのに似ている感じがしました。 | ||||
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頭のいい人が描くと、こういうことになってしまうのか・・・ という、「もどかしさ」「不気味さ」ばかりが残った。 海外でもベストセラーというが、好きにはなれないと思った。これは私の感覚でという話だけで、読み解けない私が悪いのかもしれない。 | ||||
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安部公房の不条理が満載の作品です。 この作品のモデルになったといわれる砂浜(山形県某市)へ 作品を読む前に行ったことがあり、 より作品のリアリティや怖さを感じることができました。 始まりも終わりも不条理まみれです。 | ||||
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ニートやひきこもりは、ある意味で環境に順応した結果なのでは考えていた自分にとって、結末はリアリティを感じられました。 最初は比喩が多く読み進めるのが苦痛でしたが、半分ほどすぎると次に次にと本をめくる手が止まらなくなりました。 | ||||
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描写が素晴らしい名作。 安部公房は一通り読みましたが、夢のような世界観を描写することにかけて第一級だと、思っています。 特にこの砂の女は、初めて読んだ安部公房作品ということもあって、読後しばらく、あぁすごい作品をよんだものだと、呆けてしまうほどでした。 なんと妖しく、美しいことか。 | ||||
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なんか読むと落ち着く。ある意味怖い内容なのに何故か懐かしい気持ちになる。 | ||||
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初めて読んだのが10代の頃。その後20代、30代、40代、50代、、と10年に1度位読みたくなる。人生経験とともに読後感が変わる。 | ||||
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なんか不思議なエロ本です。 作者が何を訴えたいのか意味不明です。 | ||||
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ぼくが高校生の頃、ノーベル文学賞に一番近い作家と言えば安部公房でした。近年は若い人に余り読まれなくなったみたいな気がするけど、こうした閉塞した時代だからこそ、彼の作品の価値がより見えやすくなるのではないかな。特にこの代表作は年取ってから読み直すといっそう味わい深い。文体の手触りは少しも古びていないと感じます。ノーベル賞の件も含めて、ある意味、村上春樹の先駆け的存在。 | ||||
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砂に関する説明、描写があり、その女と、いう事。 閉じ込められたようで閉じ込められていない男の心象風景がリアルでつまるものが、ある。 | ||||
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まあ苦痛な読書だった。終始、不潔で不快な描写が連なり、女や水さえも清涼感を感じさせない。汗は出るわ息は詰まるわ、読了した後は当然のようにシャワーを浴びた。そもそも私は虫さえ苦手なのだから、昆虫採集ができる男なんかよりずっと苦しんだのは当然のことだろう。 考えてみれば、我々の生活が豊かで衛生的になればなるほど、この砂漠の閉じられた空間はいっそう地獄的な効果を増していていくのではないか。小説が書かれた60年代というと、今とは比べ物にならないほど日本は不衛生で劣悪な環境だったはずだ (『3丁目の夕日』の東京はキレイすぎると聞く) 。砂は物質としてはあくまで不変だが、読む者の文明的な立ち位置によって印象は大きく変化してゆく。20数ヵ国語に翻訳されたというが、砂漠に生きる人々にとって、この小説がどのように映るのかは気になるところだ。 物語は単純に言ってしまえば、いわゆる「脱出系」というやつだが、あらゆる脱出系ストーリーには脱出を阻む敵が存在する。この小説の場合は「部落の人々」がそれにあたるが、実は私がこの小説でもっとも恐怖したのは彼らなのだ。ハリウッドのB級ホラーに出てくるような斧を持った怪人でもなければ、刑務所の監視塔にいる銃を持った監視員でもない。簡単に殴り倒せそうな有象無象の民衆が、穏やかな態度で圧迫してくるこの不気味さが堪らなく怖いのだ。 しかし、『砂の女』 である以上、何よりも女に着目しなかればならないだろう。男に色情を持つことはあっても、逃亡に協力することはない。初対面の男に恥部を晒すことはあっても、性交を他人に見られることには激しく抵抗する。砂の内部こそ彼女の安住の地であり、その限りにおいて彼女は無敵なのだ。そんな女が唯一声を荒げた台詞は 「かまいやしないじゃないですか、そんな、"他人のこと" なんか、どうだって!」 である。 いくらでも考察すべき箇所はあるが、なんせ読み返す気が起こらないのだ。ただふと思ったのが、この小説の英題は 『The Woman in the Dunes』 だが、これでは文字通り 「砂丘にいる女」 だよなあ。 | ||||
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面白いというより、不思議で不気味な話でした。過大評価され過ぎだと思います | ||||
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安倍公房の作品を初めて読んだが、頭のキレる方なんだと感じた。砂の中での生活しか知らない女と対照的に公務員をしている男。小規模な範囲でしか行動していないのに、世間の動き、男の職場を想像してしまう。本も薄いのに、目を閉じれば分厚い本に感じてしまうほどに。 | ||||
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不条理 …まぁ、どうにもならないし、できないこと。理解は愚か納得などできようもない事。 多いよね。そういう事。そんなんだらけと言ってもいい。 数十カ国で翻訳されたとか、存命し執筆を続けていれば ノ〇ベル文学賞も…などと謳われている作者の代表作として読んだが…。 ナンジャコリャ 仕様上、仕方なく★はつけたが、今まで読んだ(仕事上、読まざるをえなかった携帯小説を除く)本の中で最低の作品だ。 まず、舞台となる“砂に囲まれた家(っていうか周辺図)”が文章から汲み取れないし浮かばないのが、最大級の難点。 風景として浮かばないのだから、空想と知りつつも脳内補完が出来ず、なのに話は進んでゆき…。 男と女の人間模様。そりゃ地球上にそれしかいないのだから、どこでだって成り立つ話だわな。 それが、どこで、とか、どういう背景で、ってのが重要なんだと思う。それが全く伝わって来ない。 不条理。上等! いいんじゃないの。でも、そもそも“不条理”を描くのに設定そのものが理解不能な不条理に溢れていてどうする? しきたり云々や女の思考回路を言っているのではない。風景。背景。舞台が見えないんだよ。 頭のいい。文章能力の高い先生でアラセラレルのだろうけど、スタートが見えないんだよ。この登場人物が生きているであろう世界が見えないんだよ。 空想。絵空事。作り話。それで金儲けをする…まぁ詐欺師だわな。作家ってのは。 だったら、綺麗に騙して欲しいわな。惹き込んで欲しいわな。 女の“肉感”は読み解けても“顔”が見えん。もし、そんな女がこの世に居たら、どう思う? 男は言わずもがな…だ。独白から思考回路は読み解けても表情が見えない。 これが世界的に“傑作”とは!? あたまのいいひとはあたまのいいひとだけでなかよくしておたがいのきずをなめあうといいよ が、率直な感想だ。 | ||||
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