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(短編集)
砂の女
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【この小説が収録されている参考書籍】
砂の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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状態でした | ||||
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<ネタバレ有り> なんて不条理な世界なんだ。男は部落の人間に騙されて砂の穴に閉じ込められるのだが、その理由が判然としない。それとない理由が砂の穴から砂を外に出すこと。意味不明だ。男の立場に寄り添って、心底男がこの部落から脱出できることを願ったが、終いには男は砂の穴に安住してしまうのだ。 何という後味の悪さ。人間に生活適応力があるとは言え、心まで簡単に売り渡せるだろうか?「ショーシャンクの空に」ではないけれど、最後の最後まであがく姿こそ人間の本質ではないのか。砂の穴が「国家」や「組織」や「世間」の隠喩と考えれば尚の事そう思った。 ただ世界的に評価されてるだけあって、高尚な文学を読んでいるという感覚を味わえるのではないか。また、自分の読解力不足もあるので、再度読み込んでいけば別の解釈になるだろう。 | ||||
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45年ほど前映画を見たが映画の方がどろどろした感じがあり強烈であった。 | ||||
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映画化もされた有名な作品である。映画も見た。異様な迫力に惹きこまれた覚えがある。 昆虫採集を趣味とする男が、砂に覆われた寒村を訪れる。 蟻地獄のような窪地に閉じ込められ、女と二人で砂から村を守る作業を強要される。 男はなんとか脱走しようとするが。 陰鬱な閉塞感が続く。黙々と掟に従う女との暮らしは、不自由ゆえに妙に艶めいている。 空しい作業を強いられ、外には出られない。 すべての現代人が感じる抑圧の象徴ーとか深読みはいくらでもできるが、意味を探る小説ではない気がする。 悪夢のような状況をあるがままに味わえばよいのだろう。映画を先に見たため、衝撃が薄れてしまったのは残念だ。 | ||||
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安部公房の名作。20数カ国語に翻訳されたベストセラーである。 昆虫採集に出かけた男が、行き先の砂の部落で、砂に埋まらないために防砂の役目をしている家に捕獲されるが、脱出を試みる。という大筋。 防砂の家は、蟻地獄のように強風に引きつける砂のためすり鉢状に辛うじて建つことで、風下の部落へ砂を浸蝕させない役割を持っている。 勿論、家は砂を掻き出さなければ埋まってしまうため、砂を掻き出す要員として人が住んでいる。寡婦となっている女のつがいとして、男は捕獲され穴に閉じ込めらることになる。 端的に言えば、まず設定があって、それは寓話性も感じさせるような非現実的にも感じられるものであるのだが、男の視点から実際に閉じ込められ、息苦しさをも感じさせる描写を積み重ねることによって、あり得ない世界ではないのかもしれないと感じさせるのが美点だと思う。 また、この描写の積み重ねが、たったひとつの動作に、丁寧な行数を費やし、いろいろなパターンで表現され、比喩も分かりやすく使われるため、リーダービリティが非常に高い。 物語の殆どが、男と、砂の部落の女とで進み、男の視界は腐りかけの家と砂と女という小道具しかない。そこにはアクションがあり、ロマンスがあり、ペーソスがある。 構成のページの割き方からいって、現代の感覚では、緻密に構成されているとは言えないかもしれないが、なるほど半世紀も読み継がれてきているという納得するパワーはあると感じられた。 表紙のカラスがなぜ描かれているのか、物語の終わりの砂から水を生み出すという物語の展開によって男の目的を変えていくことに繋がっていて面白い。 | ||||
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映画版を先に観て、期待して原作を読んだ。 勅使河原宏監督による映画版は制作後50年経った今でも古さを感じさせないが、この原作には、残念ながら読んでいて古臭さを感じてしまった。 映画版の方が詩的で美しい。 | ||||
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全世界で翻訳され大ヒットになった小説。ある男が砂だらけの集落にとらえられて、一人の女の家から出られない。ひたすら脱出をこころみようと画策しつつ、失敗する、という話。 ちょっと難解だし、さすがに中盤からやや退屈気味になった。なんたってひたすら、あるようでないような理由で砂の集落にとどめ置かれる男の運命たるや…。ある意味どうでもいいといえばどうでもよかった。しかし、ドキュメンタリー的手法と言われる淡々とした描き方が面白かった。最後の結末もあーこうなったかという具合で、納得と言えば納得。 | ||||
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昆虫採集のため砂丘へ出かけた男が、 一人の女が住んでいる砂穴の底にある家に、閉じ込められる。 男は何度も脱出を試みるが、部落の人の妨害もあり、 いずれも失敗する。 ある時女は、男の子どもを妊娠する。 女を病院に行かせるため、部落の人は砂穴に縄ばしごをかける。 そのはしごを使って女が病院に行った後も はしごは置かれたままになる。 けれども、男ははしごを使って逃げようとはしなかった。 独創的な設定に対して、リアリティを感じさせるように 描かれている描写力は素晴らしい。 しかし、男はなぜ砂穴の底の家にとどまることにしたのか。 そこに関して殆ど述べていないので、★★★とした。 解説者(ドナルド・キーン)は “罰がなければ、逃げるたのしみもない” という題辞の通りだろうと述べている。 私は、砂穴の底の家に日々たまる砂のかき出しという単純作業をすれば 部落の人から食べ物や酒が提供され続けるという ある種の安定した生活が男に充足感を与えたためではないか、と推測する。 いずれにしても作者なりの見解を示して欲しかった。 | ||||
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つまらない、というのは個人的な感想です。もちろん。 この本はとても有名で、ずっと題名は知っていたのですが、今回ふと読みたくなって、やっと読んでみました。 今まで読んだ本の中でダントツ、文学的。あんまり理解はできないけど、スゴイというのはよくわかる。 東大医学部に入るくらいの人は、こんなにいろんなことを考え、いろんな言葉を駆使できるものなのか、 頭のいい人の思考は、わからんわぁ。と思いました(笑) でも一つの小説としては、フィクションの物語としては、つまらない。。 頭はいいけど想像力に欠ける、みたいな。(私なんかが否定的な言葉を使ってすみません) 表現力や語彙力はこの上ないくらいのため、私は読んでるうちに口に砂が入っているかのような不快感を覚えました。 途中で気持ち悪くなって、いったん読むのを止めたくらい。 なんていうのかな、これは砂の動く速さの問題ですね。もしもっと早く動けば、断水を待たずして埋もれた家を踏み台にし、 脱出できるか、もしくはそもそも生活すらしていられない場所になるかもしれないのに(そしたらこんな話すら生まれない)、と思った。 もちろん、遅すぎてもこの話は生まれない。 文章が理解しづらいため、先を読む気力がなくなり、最後は飛ばし読みでした。 読む人を選ぶ本、ですなぁ。 | ||||
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えらく評価が高いようなので読んでみましたがそれほどでもないと感じました。 性描写が多すぎて疲れてくるし、回想の中の人をあいつ呼ばわりする理由も分かりませんでした。発想はおもしろいとおもうんですけどね…… | ||||
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怖い…。とにかく怖い。 思いがけず砂に支配される村で穴の中に閉じ込められ、逃げることすらかなわずにただ過ぎていく日々。そして積もっていく砂、砂、砂…。 この作品に強い嫌悪感を抱くのは、リアリティゆえだとわかりつつ、個人的にはこの種の怖さは苦手だ。 久しぶりに読み返してみたが、やはりこの印象はぬぐいきれない。 | ||||
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難解だが、人間の本質を捉えた描写、性的ないやらしさを卑猥でなく官能的に表現し、コミュニケーションのズレの巧みさには舌を巻く。 「他人のことなんかどうだって!」 と女が叫ぶ。 まさにその通りだろう。自分の村を守るために人を蟻地獄に引き入れて生活して位だしね。しかし、男と女は妙なもので、肉体関係から精神的なつながりまで生じてしまう。しょうがない生き物だ。 前衛的でナンセンスな物書きとばかり思っていたが、今回の話は突飛な話ではなく、しっかりと論理が成り立つ、東大医学部卒の筆者ならではの、理系的小説となっていたことに驚かされた。 ただ、難しいんで、気軽に読める作品ではないな。 | ||||
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舞台設定はとにかく素晴らしい。こんな舞台を考えつくだけで天才的 といっていいだろう。 だが、読者をその舞台に引きずり込んだ後延々と同じレベルの恐怖が 続く。これを私は金太郎飴ホラーと呼ぼう。 筆力の足りない作家であると、書き進むにつれネタが尽き、右肩下がりの テンションになるわけであるから、同レベルが続くことはむしろ才能が あることを示している。が、めくるめくジェットコースター的世界観の 転覆を期待したら裏切られるので、こたつに入りながら蜜柑を食べるように 熱狂を欠落させた状態でしみじみと楽しむのに向いた本。 | ||||
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