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コンビニ人間
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コンビニ人間の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1008件 681~700 35/51ページ
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コンビニという文化を通し、主人公のニヒルな人格が形成されていく。「発達障害」というテーマはさておき、引き込まれる物語だった。 この物語の主人公は、機械学習(自ら学習するAI)を搭載したヒューマノイドのような印象を受ける。いわゆる「普通」といわれる人たちの言動を模倣し、主人公なりの「普通」の最適解を導き出そうとしている。 主人公が妹宅に訪問したとき、甥っ子に対しゾッとする描写があるが、どこかシンギュラリティを題材にした映画のワンシーンに出てきそうだ。『ターミネーター』のようなユーモラスでなく、『2001年 宇宙の旅』のようなシニカルなそれに近い。 科学の裏付けにより無宗教者が増加する昨今、コンビニを崇拝(自己形成の要因)する主人公の姿は、これから迎えるそう遠くはない未来を描いているようにみえる。GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)の人間からしたら、僕たち消費者はすでに「コンビニ人間」なのかもしれない。 | ||||
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割とコメディーっぽく面白く読めるな、と思っていたら、主人公の合理的過ぎる発言にホラー要素も感じました。 でも、主人公の発言をホラーと感じている時点でおそらく自分も、「普通」という基準で人を裁いているんだろうな、と思いました。 自分は他人を差別したり、多様性を認めないようなことはない、と思っていましたが、それが幻想であったことに気付かされました。 また、主人公はコンビニ店員でいる時だけ世界と繋がれるようですが、人が社会と関わるということは、誰もが何らかの役割を「演じている」のではないかと思います。 「演じる」ことは悪いことではなく、むしろ社会とつながるための技術だと思います。さらに、演じる役割を複数持つことで、その分だけ視点も増えて、人生は豊かになるのではないかと思いました。 | ||||
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「普通」とは何かーー今では手垢がつきすぎてダサさも感じてしまうテーマを中核に据えて、現代日本の風景に合わせて書かれたのがこの「コンビニ人間」という小説だ。 物語は、主人公の恵子が、過去あった出来事を語り出すことで始まる。彼女はいわゆる「普通」が理解できず、公園で死んでいる鳥を見て、「これを焼き鳥にして食べよう」と考えたり、喧嘩を止めるために、スコップで殴りつける。その度に周囲に諌められるのだが、彼女にはなぜ諌められているか理解できない。しかし周囲を困らせたくない主人公は必死に周囲を模倣して生きていく。そんな彼女だが、コンビニでのバイトは唯一、自分が「正常」であると感じれる場所だ。なぜならそこではマニュアルがあり、それに従っていればいいのだから。そして、三六歳になり、今なおコンビニでバイトする彼女のもとに、新しいバイト、白羽が入ってきてーー。 前半部の要約としてはこんな感じだ。なんともありがちな話だが、細部ほ描写が光る。芥川賞の選考員が指摘するように、いわゆる「異常」な人間が主人公になることで、普通であることが滑稽に見える。また、語り口もどこか余裕があり、それが主人公を取り巻く逆境とのギャップを生み、笑いに変える。確かにこのような描写が優れていることは頷ける。 しかし、主人公が自分自身を「異常」であると自覚している描写は端的に言ってクサいし、そこはもっと上手く書けなかったのかと思う。 さらに、村田沙耶香作品に共通している「性」や、我々が生きているこの日本と全く違う世界観がないことで、村田沙耶香らしさがなくなってしまい、スケールが小さく収まっている。 細部の描写も、前述した部分のように褒められる箇所も多々ある一方で、少し書きすぎであるようにも感じられる。主人公がコンビニを身体に取り込んでいる描写はもっと少なくていい。そんなに読者は馬鹿じゃないはずだし、書きすぎることによって、テクストの捉え方が逆に一元化してしまう。物語内容が強すぎて、通俗な感想しか生まれない。それでは、いわゆる「普通」の人間を再生産するだけではないか。 また、物語の結末があまりにも陳腐である。最後、主人公は自身が普通でないことを自覚しつつも、コンビニバイトを続けるという終わり方だ。 これではテクストの冒頭と何も変わっていない。結局彼女は、「普通」という制度に回収されて終わってしまうのだ。 永劫不変な普通などというものざ存在しないことは、みんな分かっている。それこそ、先程言ったような散々手垢がついたテーマなのだ。そこからどう脱出/抵抗するのを、現代社会風に書くのかと思ったら結末はこれだ。 確かに小説はテーマではないが、モヤモヤする結末であったということは否めない。要するに、全て中途半端なのだ。これよりも、「消滅世界」など、村田のもっと優れた作品が芥川賞を受賞するべきではないか | ||||
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本は苦手ですが非常に読み易くイッキ読みしました。レビューにありましたが主人公たちの言動や行動に不快感をもつ読者もいるかもしれない。 それでも社会から疎外感を感じている人ほど共感できる部分は多いと思う。 わたし自身も家族や身近な人からの同調圧力に苦しめられ生きづらさを抱え鬱になりそうな時期がありました。 今わたしは福祉職ですがコンビニという世界で自己実現している主人公はむしろ主体的に生きることができていてとても素晴らしいこと。 勇気をもらえました。 | ||||
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コンビニで十年以上バイトした女性を何人か知っていますが、彼女たちに聞くと、「居心地がよくてついズルズルと長くなってしまって」と答えます。居心地がいいというのは店長さんとか他の店員との人間関係がよかったのだと想像していましたが、この本を読んで彼女たちは全てがマニュアル化された労働環境に居心地のよさを感じるコンビニ人間なのではないかと思いました。コンビニ人間は女性特有で男性にはあまりいないのではないでしょうか。男性でも長期バイトの人を知っていますが、その人はマニュアルをはるかに逸脱した神対応で地元の有名人であり、コンビニ人間とは別種のように思います。登場人物の白羽氏は男性の典型と思え、自分が向上するような創造的な仕事でなければ仕事でないと思って自身の過剰評価をし続けるタイプで、コンビニ人間との対比がおもしろかったです。 | ||||
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文章に明るさはない。 しかし、人の本質を捉えて離さない物語に考えさせられる事が多々ある。 主人公はコンビニ人間であるが、誰しも◯◯人間だと思う。何かを吸収し、知らず知らずのうちに発現し、他者に影響を与えているのだ。 この世は広く思えるが、案外自分の世界は狭い。 自分を構成している物、自分が向き合っている物、自分の未来。突き詰めると、意外とちっぽけな世界ではないだろうか。 自分の人生を見直すきっかけになる本であった。 | ||||
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話は主人公の目線で終始語られます。恵子がアスペ傾向のため、見て感じたことは異質そのものです。 他の感想の中で気持ち悪いと感じたというものもありますが、恵子という宇宙人からの目線のお話だからでしょう。 読み手と恵子は、途中で出てくる《普通でない》白羽から、恵子を取り巻く周囲の状況が思ったより悪くなっていることを知らされます。 恵子はただ、規則に従った世界でたんたんと生きたいだけなのに、周りがそれを許してくれない。 白羽がその理由をうまく言語化して、異質の姿で生きていくと世界から叱られるからと説明します。 私も、世間から見て普通でない自分に居づらさを感じた時もあったため、恵子や白羽も、それになんやかんや言うコンビニの仲間たちの気持ちもわかります。 自分らしく生きるって何?を考えさせられる、素晴らしい本でした。 | ||||
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発達障害なのか、適応障害なのか、はたまたアスペルガーなのか?よくわからないけど、ちょっと変わった人が主人公だけれど、そうじゃなきゃ生きられないのだ。変な人。なんて思っても、実は、自分も変な人。面白かったです。 | ||||
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主人公のコンビニ人間っぷりは面白かった。と言うか18年コンビニのバイトするならいっそのこと店長になればいいのにと思った 主人公の話だけなら面白かった。 機械的に働けるなんて羨ましい。 主人公の異質さよりも白羽という男がひたすら気持ち悪い。読み返そうとは思わないほどに こういういかにもおかしな奴と淡々と接する事で主人公のおかしな部分を表現するためには必要だったのでしょうが。 Kindle400円オフサービス+ポイントが付くのでほぼ0円で読めて本当に助かりました。 | ||||
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売れていると聞いたので買ってみたが、これはおもしろい。斬新。お薦めする。コンビニ無しの生活が成り立たない現代社会に出るべくして出た作品だと思う。何がおもしろいのかは、うまく説明できないが、薄い本なので読んだ方が早い。主人公は、まあポンコツだし、非人間的といえばそうなのだが、憎めない。感動するわけでもないのだが、読後感がなぜか、さわやか。 | ||||
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思考の深いすごい本だ。 コンビニは同じ目線でサービスを受けることができる。 そのサービスはすべてのひとに顧客満足を与えている。 24時間、365日があたりまえ。 一日も休まずにオープンしている。 そして、ほしいものが速やかに手の届くところにある。 オートマチックにさえ思える合理的なシステムである。 これは、機械が仕事をしているのではなく、人の労働によるもの。 先日、「もう限界」と、あるコンビニが時短営業にしたら「契約違反だ」とのこと。 コンビニは機械ではないのに、徹底したマニュアル主義。 究極の合理化。 本書では機械のごとく扱う合理化システムに一石を投じている。 また、「異質な他者を排除する」といった人の性質について問いかけている。 人は共存、共有、共助は必要だが、何よりも人の尊厳を守るべきと力説。 「普通」とは何か。 | ||||
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主人公の恵子は、何事にも先入観がなく、裏表がなく、素直な性格だ。自分が生きていける、そして、自分が必要とされている場所があるってことは、幸せなことだと思う。 | ||||
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良く出来た作品というよりは、現実を良く見ている作品だと思いました。 また、作者は他者に対して深い理解と包容力を持つ人だと感じさせられました。 現実の社会は身体的障害者には手を差しのべる傾向にあるが、 精神的に異なる者には違和感を隠そうとしない。 肉親や近い距離に主人公のような人がいると、この本が真実味を持って迫ってきます。 この女性の存在自体の悲しみが一層心の奥に突き刺さり、 最後の意思決定には喝采をおくりたくなった。 この本のおかげで今後人を受け入れられる自分になれそうです。 テーマといい、文脈の構成も新しく映像的です。 否定されている方もいますが、変わらない芸術や文学はありません。 いつまでも過去の文学の香りだけに浸っているのもどうかと思いますよ。 | ||||
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読みやすい文体でした。 話しの展開には惹かれませんでしたが、主人公の心理描写で厭きずに読めます。 読む人の境遇や性格、環境によって、主人公に対する思いや共感、受ける印象が変わります。 淡々とした語り口に暗いと感じるかたもいるようですが、冷静に見えて小さな感情の起伏もあります。 周りが勝手にそういう目で見ているだけで、主人公は明るく楽しい日々を送り、 自分なりの普通を過ごしているように私には見えました。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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主人公ほど極端な人が本当にいるのかはわかりませんが、共感できるところもあり、世の中の「当たり前」や多様性について考える視野が広がりました。 | ||||
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現代社会の生き辛さを描いた物語に自分も共感でき、音の表現に引き込まれます。 誰でも読みやすいと思います、徹夜本になりました(笑) | ||||
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進化した日本人の姿なのかもしれない。 読者も主人公(作者目線)の気持ちを理解出来るタイプとそうで無いタイプに別れるのでしょう。 そして、 後者の読者はそのパラドックスに悩むのでしょうw | ||||
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世の中を一歩ひいた目線で見ている(または見ざるをえない)主人公の物語。 前半は退屈に感じましたが、突如予期しない展開へ。 主人公の、気色悪いようで逞しいような言動が続き、希望があるような無いような結末。 いろいろな価値観を浮かび上がらせる作品だと思いました。 | ||||
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仕事柄『普通じゃない人』と付き合うことが多く、 また、自分自身が社会から弾かれてフリーとして生きていることから、 間違いなく『少数派の世界の住人』であるのは自覚していて。 その上でこの本には大変救われました。 今までって、取り上げられるのは 『少数派だからこそ、生きづらい、ストレスを抱えている人間』 がほとんどだったと思うんですよね。 もちろん、今でもそのような方は多く、 もっともっと様々な個性を受け入れる世の中になって欲しいとは思うけど、 今作のように 『少数派でいながら、誰かに迷惑をかけているわけではない、 いわゆる隠れ少数派』 がフューチャーされることって少なかったと思います。 それだけに、より響くものがありました。 だって、人間は機械じゃないんだから、 『多数派』『少数派』で別れて製造されているわけではなく 誰しもがどこかに『少数派の要素』を持っているわけで きっとこの本で書かれているものには 少なからず多くの人が共感できると思うんですよね。 より少数派によっている人なら尚更です。 何というか、ノイジーマイノリティではなくて この本でいう少数派って、内向きなんですよね。 この本のような存在があって 実は悩んでいるのは自分だけじゃない。 むしろ少数派であることを悩むのは 『もはや普通のこと』になっているのでは? という感覚を少しでも持てれば 少しずつ時代は変わっていくんじゃないか。って、そう思います。 | ||||
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