ポアロのクリスマス

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評判

ポアロのクリスマスの評価:

4.09/5点 レビュー 43件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.09pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全93件 21〜40 2/5ページ
No.73
(4pt)

ポアロ初心者にもお勧め。犯人を当てられてうれしかったです。

コロナの自粛期間中にすっかりアガサクリスティ―にはまり、特にポアロシリーズが好きでコツコツと読んでいます。
この作品も、ポアロらしくあっという間に読み終わってしまいました。
ここ最近ポアロシリーズを読んでいるので後半部分で犯人がわかりました。
全くトリックなどはわからなかったので、ただの勘ですが。

アガサクリスティーの作品は登場人物が多く、海外の名前なのでなかなか覚えられず誰が誰だが途中でわからなくなるのですが、こちらの作品は比較的登場人物が夫婦が多くシンプルなのでわかりやすかったです。
初心者にもお勧めできると思います。

ただ個人的に翻訳があまり良くない気がします。今まで何冊かシリーズを読んできましたが一番しっくりきませんでした。新訳が出てくることを望みます。
その為星を四つにしました。
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.72
(4pt)

ポアロ初心者にもお勧め。犯人を当てられてうれしかったです。

コロナの自粛期間中にすっかりアガサクリスティ―にはまり、特にポアロシリーズが好きでコツコツと読んでいます。
この作品も、ポアロらしくあっという間に読み終わってしまいました。
ここ最近ポアロシリーズを読んでいるので後半部分で犯人がわかりました。
全くトリックなどはわからなかったので、ただの勘ですが。

アガサクリスティーの作品は登場人物が多く、海外の名前なのでなかなか覚えられず誰が誰だが途中でわからなくなるのですが、こちらの作品は比較的登場人物が夫婦が多くシンプルなのでわかりやすかったです。
初心者にもお勧めできると思います。

ただ個人的に翻訳があまり良くない気がします。今まで何冊かシリーズを読んできましたが一番しっくりきませんでした。新訳が出てくることを望みます。
その為星を四つにしました。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.71
(3pt)

何もかも大げさ

被害者の殺され方、密室のトリック、登場人物の性格、事件の真相等、とにかく全てが大げさである。
そのため、読んでいてわかりやすいものの、読み終わって心には何も残らない。
冒頭にも作者が述べているとおり、意図的に書いているのだろうけど、それにしてもね。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300171
No.70
(3pt)

何もかも大げさ

被害者の殺され方、密室のトリック、登場人物の性格、事件の真相等、とにかく全てが大げさである。
そのため、読んでいてわかりやすいものの、読み終わって心には何も残らない。
冒頭にも作者が述べているとおり、意図的に書いているのだろうけど、それにしてもね。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.69
(3pt)

何もかも大げさ

被害者の殺され方、密室のトリック、登場人物の性格、事件の真相等、とにかく全てが大げさである。
そのため、読んでいてわかりやすいものの、読み終わって心には何も残らない。
冒頭にも作者が述べているとおり、意図的に書いているのだろうけど、それにしてもね。
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.68
(2pt)

日本語がおかしい

所々の日本語がおかしく、読んでいてイライラしました。
本当に日本語が翻訳したのか?と。

犯人も以外でしたが、なぜだか読んだ後モヤッとする気持ちが残りました。

あまりオススメはしません。
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.67
(2pt)

日本語がおかしい

所々の日本語がおかしく、読んでいてイライラしました。
本当に日本語が翻訳したのか?と。

犯人も以外でしたが、なぜだか読んだ後モヤッとする気持ちが残りました。

あまりオススメはしません。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300171
No.66
(2pt)

日本語がおかしい

所々の日本語がおかしく、読んでいてイライラしました。
本当に日本語が翻訳したのか?と。

犯人も以外でしたが、なぜだか読んだ後モヤッとする気持ちが残りました。

あまりオススメはしません。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.65
(5pt)

何年経って読んでも

素晴らしい。本格
推理小説の面白さが詰まっている。
クリスティの突き放したような客観性は、舞台を見ているような俯瞰的な目線を与えてくれる。クリスマスのワクワク感と美味しい料理と殺人。
同じような読後感を持つものは有栖川有栖氏の「46番目の密室」があると私は思う。
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.64
(5pt)

何年経って読んでも

素晴らしい。本格
推理小説の面白さが詰まっている。
クリスティの突き放したような客観性は、舞台を見ているような俯瞰的な目線を与えてくれる。クリスマスのワクワク感と美味しい料理と殺人。
同じような読後感を持つものは有栖川有栖氏の「46番目の密室」があると私は思う。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300171
No.63
(5pt)

何年経って読んでも

素晴らしい。本格
推理小説の面白さが詰まっている。
クリスティの突き放したような客観性は、舞台を見ているような俯瞰的な目線を与えてくれる。クリスマスのワクワク感と美味しい料理と殺人。
同じような読後感を持つものは有栖川有栖氏の「46番目の密室」があると私は思う。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.62
(5pt)

大好きな作品です

アガサクリスティの文庫を全て所持してますがデジタル化に伴ってまた読み始めてます。
この作品はポアロシリーズの中でも好きな作品です。
それぞれの人間性をどの作品でもうまく表現しているのがアガサクリスティの好きなところなのですが、この作品の登場人物も本当うまく表現されていて楽しめます。
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.61
(5pt)

大好きな作品です

アガサクリスティの文庫を全て所持してますがデジタル化に伴ってまた読み始めてます。
この作品はポアロシリーズの中でも好きな作品です。
それぞれの人間性をどの作品でもうまく表現しているのがアガサクリスティの好きなところなのですが、この作品の登場人物も本当うまく表現されていて楽しめます。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300171
No.60
(5pt)

大好きな作品です

アガサクリスティの文庫を全て所持してますがデジタル化に伴ってまた読み始めてます。
この作品はポアロシリーズの中でも好きな作品です。
それぞれの人間性をどの作品でもうまく表現しているのがアガサクリスティの好きなところなのですが、この作品の登場人物も本当うまく表現されていて楽しめます。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.59
(4pt)

クリスティの中では数少ない本格志向の作品。ただし、クリスマスムードには乏しい

クリスマスイブに起こった密室殺人にポアロが挑みます。

劇中で起こる殺人は一件のみで、シリーズではお馴染みの捜査協力者、すなわちヘイスティングス大尉、ジャップ警部、秘書のミス・レモン、従僕のジョージといった面々は誰も登場しないため、一件地味な印象を受けますが、主要な登場人物全員に動機を持たせた上で、アリバイ=機会という部分に強く焦点をあて、そのためにトリックを駆使するという、ある意味、非常にミステリらしい構造を取っています。

クリスティといえば、“ミステリの女王”の異名がワンセットになっていますが、手がかりを読者にすべて披瀝して真っ向勝負の知恵比べを挑むという、いわゆる本格派タイプの作品はあまり多くありません。デビュー作『スタイルズ荘の怪事件』などは、その意識がかなり高い作品ですが、こうしたスタイルはクリスティの性に合わなかったのか、キャリア初期に早々と放棄されてしまいます。むしろ、こうした型を捨てたことで、『アクロイド殺し』『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』など、彼女の代表作とされ、ミステリ史においても高い評価と人気を誇る作品を生むことができたのだと思われます。

その意味で、本作はクリスティ作品としては珍しい部類に属し、一般的なミステリという意味では、オーソドックスな部類に属します。ミステリは好きだが、クリスティはあまり読んでいない、という方にはお薦めでしょう。

反面、本格志向が強いため、クリスティ最大の武器である文章によるミス・リードは控えめになっています。そのため、クリスティ作品を読み慣れている人や、本格派ミステリを充分に読んできた人は、すぐに犯人に気づいてしまうかもしれません。中盤以降の展開もやや弱く、クライマックスへの向けての盛り上がりがもうひとつ足りないのも惜しまれるところです。ただそれでも、密室物でとかく言われがちな、なぜ犯人は密室を作らなければならなかったのか、という問いにきちんと答えている点は評価されるべきでしょう。

なお、解説では、本書をクリスマスの雰囲気と趣向にあふれた作品であるかのごとく紹介していますが、これはちょっと無理があります。他のレビューの方も指摘しているように、クリスマスらしさはほとんどありません。あえて言うなら、事件をクリスマスシーズンに起こす必然性もありません。英国伝統のクリスマスらしさを求める方は、短編集『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている同名の中編をお薦めします。

デヴィッド・スーシェが主演したTVシリーズの同名タイトル作品では、クリスマスムードという点をかなり補填しています。加えてジャップ主任警部を駆り出したり、シメオン・リーの南ア時代のエピソード、特に殺人の動機に繋がる女性との出会いなどの場面をオリジナルで作ってストーリーを補強していますが、これらの要素は原作にはありません。ポアロの謎解きも原作より丁寧に描かれているため、本書を読んでいまひとつ消化不良を感じた方は、TV版を鑑賞されてみるのもいいかもしれません。

*“クリスマスにはクリスティを”……?
―コアな読者向けの書誌情報―

本作のタイトルを聞くと、クリスティの発刊時期に関する著名なフレーズ、“クリスマスにはクリスティを”を思い出す方も多いと思います。が、そうした通念が出来上がるのは本書刊行から20年以上経った後のことです。

クリスティは多作で知られる作家ですが、年齢とともにさすがにペースがダウンし、自身が64歳になった1954年を境に、年間に1冊しか新作を発表しなくなります。ここから執筆順では最終作となる1973年の『運命の裏木戸』までに刊行された作品は合計20冊。内訳は長編が19、短編集が1で、長編をさらに分けるとポアロ物が7、マープル物が5、トミーとタペンス物が2、ノンシリーズが5となります。

この20冊の英国における初版発表月は、9月が1、10月が5、11月が14。10月も月の後半が多いので、概ね毎年11月になるとクリスティの新作が書店に並んでいることになります。こうした状態がある程度続くうち、習慣的に“クリスマスにはクリスティを”というフレーズが生まれてきたのでしょう。

ただ、1953年以前に刊行された作品の発行月を、長編45作に関して見てみると、次のようになります
1月……8
2月……1
3月……8
4月……0
5月……2
6月……6
7月……4
8月……1
9月……3
10月……1
11月……9
12月……2
注:英国での初版。第二次世界大戦中を中心に米版が先行している作品が11あります

つまり、クリスティはもともと11月から1月、いわば冬の時期に新作を発表することが多かったのです。“クリスマスにはクリスティを”は、作品数が減ってきた事情に対して、せめてその少ない作品の売り上げは確保しようという、出版社側の苦肉の、そしてなかなかクレバーでセンスのいい宣伝文句だったと見るのが妥当でしょう。

【補足データ】
初版:1938[昭和13]年12月。著作権表記は1939年
初版刊行時点でのクリスティの満年齢:48歳
長編として:全66作(Mary Westmacott名義で刊行された非ミステリ長編6作を除く)中の24作目
ポアロ物の長編として:全33作中の17作目
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.58
(4pt)

クリスティの中では数少ない本格志向の作品。ただし、クリスマスムードには乏しい

クリスマスイブに起こった密室殺人にポアロが挑みます。

劇中で起こる殺人は一件のみで、シリーズではお馴染みの捜査協力者、すなわちヘイスティングス大尉、ジャップ警部、秘書のミス・レモン、従僕のジョージといった面々は誰も登場しないため、一件地味な印象を受けますが、主要な登場人物全員に動機を持たせた上で、アリバイ=機会という部分に強く焦点をあて、そのためにトリックを駆使するという、ある意味、非常にミステリらしい構造を取っています。

クリスティといえば、“ミステリの女王”の異名がワンセットになっていますが、手がかりを読者にすべて披瀝して真っ向勝負の知恵比べを挑むという、いわゆる本格派タイプの作品はあまり多くありません。デビュー作『スタイルズ荘の怪事件』などは、その意識がかなり高い作品ですが、こうしたスタイルはクリスティの性に合わなかったのか、キャリア初期に早々と放棄されてしまいます。むしろ、こうした型を捨てたことで、『アクロイド殺し』『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』など、彼女の代表作とされ、ミステリ史においても高い評価と人気を誇る作品を生むことができたのだと思われます。

その意味で、本作はクリスティ作品としては珍しい部類に属し、一般的なミステリという意味では、オーソドックスな部類に属します。ミステリは好きだが、クリスティはあまり読んでいない、という方にはお薦めでしょう。

反面、本格志向が強いため、クリスティ最大の武器である文章によるミス・リードは控えめになっています。そのため、クリスティ作品を読み慣れている人や、本格派ミステリを充分に読んできた人は、すぐに犯人に気づいてしまうかもしれません。中盤以降の展開もやや弱く、クライマックスへの向けての盛り上がりがもうひとつ足りないのも惜しまれるところです。ただそれでも、密室物でとかく言われがちな、なぜ犯人は密室を作らなければならなかったのか、という問いにきちんと答えている点は評価されるべきでしょう。

なお、解説では、本書をクリスマスの雰囲気と趣向にあふれた作品であるかのごとく紹介していますが、これはちょっと無理があります。他のレビューの方も指摘しているように、クリスマスらしさはほとんどありません。あえて言うなら、事件をクリスマスシーズンに起こす必然性もありません。英国伝統のクリスマスらしさを求める方は、短編集『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている同名の中編をお薦めします。

デヴィッド・スーシェが主演したTVシリーズの同名タイトル作品では、クリスマスムードという点をかなり補填しています。加えてジャップ主任警部を駆り出したり、シメオン・リーの南ア時代のエピソード、特に殺人の動機に繋がる女性との出会いなどの場面をオリジナルで作ってストーリーを補強していますが、これらの要素は原作にはありません。ポアロの謎解きも原作より丁寧に描かれているため、本書を読んでいまひとつ消化不良を感じた方は、TV版を鑑賞されてみるのもいいかもしれません。

*“クリスマスにはクリスティを”……?
―コアな読者向けの書誌情報―

本作のタイトルを聞くと、クリスティの発刊時期に関する著名なフレーズ、“クリスマスにはクリスティを”を思い出す方も多いと思います。が、そうした通念が出来上がるのは本書刊行から20年以上経った後のことです。

クリスティは多作で知られる作家ですが、年齢とともにさすがにペースがダウンし、自身が64歳になった1954年を境に、年間に1冊しか新作を発表しなくなります。ここから執筆順では最終作となる1973年の『運命の裏木戸』までに刊行された作品は合計20冊。内訳は長編が19、短編集が1で、長編をさらに分けるとポアロ物が7、マープル物が5、トミーとタペンス物が2、ノンシリーズが5となります。

この20冊の英国における初版発表月は、9月が1、10月が5、11月が14。10月も月の後半が多いので、概ね毎年11月になるとクリスティの新作が書店に並んでいることになります。こうした状態がある程度続くうち、習慣的に“クリスマスにはクリスティを”というフレーズが生まれてきたのでしょう。

ただ、1953年以前に刊行された作品の発行月を、長編45作に関して見てみると、次のようになります
1月……8
2月……1
3月……8
4月……0
5月……2
6月……6
7月……4
8月……1
9月……3
10月……1
11月……9
12月……2
注:英国での初版。第二次世界大戦中を中心に米版が先行している作品が11あります

つまり、クリスティはもともと11月から1月、いわば冬の時期に新作を発表することが多かったのです。“クリスマスにはクリスティを”は、作品数が減ってきた事情に対して、せめてその少ない作品の売り上げは確保しようという、出版社側の苦肉の、そしてなかなかクレバーでセンスのいい宣伝文句だったと見るのが妥当でしょう。

【補足データ】
初版:1938[昭和13]年12月。著作権表記は1939年
初版刊行時点でのクリスティの満年齢:48歳
長編として:全66作(Mary Westmacott名義で刊行された非ミステリ長編6作を除く)中の24作目
ポアロ物の長編として:全33作中の17作目
ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300171
No.57
(4pt)

クリスティの中では数少ない本格志向の作品。ただし、クリスマスムードには乏しい

クリスマスイブに起こった密室殺人にポアロが挑みます。

劇中で起こる殺人は一件のみで、シリーズではお馴染みの捜査協力者、すなわちヘイスティングス大尉、ジャップ警部、秘書のミス・レモン、従僕のジョージといった面々は誰も登場しないため、一件地味な印象を受けますが、主要な登場人物全員に動機を持たせた上で、アリバイ=機会という部分に強く焦点をあて、そのためにトリックを駆使するという、ある意味、非常にミステリらしい構造を取っています。

クリスティといえば、“ミステリの女王”の異名がワンセットになっていますが、手がかりを読者にすべて披瀝して真っ向勝負の知恵比べを挑むという、いわゆる本格派タイプの作品はあまり多くありません。デビュー作『スタイルズ荘の怪事件』などは、その意識がかなり高い作品ですが、こうしたスタイルはクリスティの性に合わなかったのか、キャリア初期に早々と放棄されてしまいます。むしろ、こうした型を捨てたことで、『アクロイド殺し』『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』など、彼女の代表作とされ、ミステリ史においても高い評価と人気を誇る作品を生むことができたのだと思われます。

その意味で、本作はクリスティ作品としては珍しい部類に属し、一般的なミステリという意味では、オーソドックスな部類に属します。ミステリは好きだが、クリスティはあまり読んでいない、という方にはお薦めでしょう。

反面、本格志向が強いため、クリスティ最大の武器である文章によるミス・リードは控えめになっています。そのため、クリスティ作品を読み慣れている人や、本格派ミステリを充分に読んできた人は、すぐに犯人に気づいてしまうかもしれません。中盤以降の展開もやや弱く、クライマックスへの向けての盛り上がりがもうひとつ足りないのも惜しまれるところです。ただそれでも、密室物でとかく言われがちな、なぜ犯人は密室を作らなければならなかったのか、という問いにきちんと答えている点は評価されるべきでしょう。

なお、解説では、本書をクリスマスの雰囲気と趣向にあふれた作品であるかのごとく紹介していますが、これはちょっと無理があります。他のレビューの方も指摘しているように、クリスマスらしさはほとんどありません。あえて言うなら、事件をクリスマスシーズンに起こす必然性もありません。英国伝統のクリスマスらしさを求める方は、短編集『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている同名の中編をお薦めします。

デヴィッド・スーシェが主演したTVシリーズの同名タイトル作品では、クリスマスムードという点をかなり補填しています。加えてジャップ主任警部を駆り出したり、シメオン・リーの南ア時代のエピソード、特に殺人の動機に繋がる女性との出会いなどの場面をオリジナルで作ってストーリーを補強していますが、これらの要素は原作にはありません。ポアロの謎解きも原作より丁寧に描かれているため、本書を読んでいまひとつ消化不良を感じた方は、TV版を鑑賞されてみるのもいいかもしれません。

*“クリスマスにはクリスティを”……?
―コアな読者向けの書誌情報―

本作のタイトルを聞くと、クリスティの発刊時期に関する著名なフレーズ、“クリスマスにはクリスティを”を思い出す方も多いと思います。が、そうした通念が出来上がるのは本書刊行から20年以上経った後のことです。

クリスティは多作で知られる作家ですが、年齢とともにさすがにペースがダウンし、自身が64歳になった1954年を境に、年間に1冊しか新作を発表しなくなります。ここから執筆順では最終作となる1973年の『運命の裏木戸』までに刊行された作品は合計20冊。内訳は長編が19、短編集が1で、長編をさらに分けるとポアロ物が7、マープル物が5、トミーとタペンス物が2、ノンシリーズが5となります。

この20冊の英国における初版発表月は、9月が1、10月が5、11月が14。10月も月の後半が多いので、概ね毎年11月になるとクリスティの新作が書店に並んでいることになります。こうした状態がある程度続くうち、習慣的に“クリスマスにはクリスティを”というフレーズが生まれてきたのでしょう。

ただ、1953年以前に刊行された作品の発行月を、長編45作に関して見てみると、次のようになります
1月……8
2月……1
3月……8
4月……0
5月……2
6月……6
7月……4
8月……1
9月……3
10月……1
11月……9
12月……2
注:英国での初版。第二次世界大戦中を中心に米版が先行している作品が11あります

つまり、クリスティはもともと11月から1月、いわば冬の時期に新作を発表することが多かったのです。“クリスマスにはクリスティを”は、作品数が減ってきた事情に対して、せめてその少ない作品の売り上げは確保しようという、出版社側の苦肉の、そしてなかなかクレバーでセンスのいい宣伝文句だったと見るのが妥当でしょう。

【補足データ】
初版:1938[昭和13]年12月。著作権表記は1939年
初版刊行時点でのクリスティの満年齢:48歳
長編として:全66作(Mary Westmacott名義で刊行された非ミステリ長編6作を除く)中の24作目
ポアロ物の長編として:全33作中の17作目
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.56
(4pt)

登場人物の描写が非常に丹念で、「人間ドラマ+ミステリ」として読ませる「クリスマス」に彩られた充実した秀作

邦題は原題の直訳で、「クリスマス」に彩られた充実した作品である。二大代表作の「アクロイド殺し」と「そして誰もいなくなった」との間に発表された最盛期の作品だけに読者を惹き込む力がある。物語は、シメオンという大富豪だが悪評の高い一族の老主人(支配者)が自身の館に家族・親族を集めて「クリスマス・パーティ」を開く所から始まる。この辺は、ディケンズ「クリスマス・キャロル」を意識している事が窺え、「スクルージ=シメオン」という見立てであろう。ところが、シメオンは「クリスマス」に際して改心するどころか、家族・親族を苛めるために皆を集めたという事が判明して、憎しみ・疑心暗鬼が広がるという展開。巻頭に、「マクベス」の引用を載せている他、作中の随所に聖書、ギリシャ神話からの引用を配している等、全編に余裕が漂っている。

シメオンが終生"女たらし"であり、若い頃は南アフリカのダイアモンドで荒稼ぎした事を受けて、それを反映する一組の男女をこの「クリスマス・パーティ」に参加させている点も上手いし、シメオンの息子達及びその妻各々に動機を持たせている点も上手い。何より感心したのは、登場人物の描写が非常に丹念なのである。クリスティのトリッキーな作品を読むと、「登場人物=記号」、であって、トリックを重視して人物造形は(意識して)類型的にしているとの私の印象は良い意味で裏切られた。ポワロの推理も、この登場人物達の心理・造形に基づいた堅実なもので、まるで、クィーンの(初期)作品を読んでいるかの様であった。その上で、"意外な犯人"を用意しているのだから、十全の出来である。

「ミステリにおける"暗黙のルール"」をギリギリの所で破った"破格の傑作"を除くと、クリスティの作品は、一応は読ませるが、ミステリ的には凡庸な作品が多いという昔から抱いていた印象を最近私は見直している。「人間ドラマ+ミステリ」として読ませる作品が着想外に多いのである。本作はその代表と言って良い秀作だと思った。
ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (1976年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J952WI
No.55
(4pt)

登場人物の描写が非常に丹念で、「人間ドラマ+ミステリ」として読ませる「クリスマス」に彩られた充実した秀作

邦題は原題の直訳で、「クリスマス」に彩られた充実した作品である。二大代表作の「アクロイド殺し」と「そして誰もいなくなった」との間に発表された最盛期の作品だけに読者を惹き込む力がある。物語は、シメオンという大富豪だが悪評の高い一族の老主人(支配者)が自身の館に家族・親族を集めて「クリスマス・パーティ」を開く所から始まる。この辺は、ディケンズ「クリスマス・キャロル」を意識している事が窺え、「スクルージ=シメオン」という見立てであろう。ところが、シメオンは「クリスマス」に際して改心するどころか、家族・親族を苛めるために皆を集めたという事が判明して、憎しみ・疑心暗鬼が広がるという展開。巻頭に、「マクベス」の引用を載せている他、作中の随所に聖書、ギリシャ神話からの引用を配している等、全編に余裕が漂っている。

シメオンが終生"女たらし"であり、若い頃は南アフリカのダイアモンドで荒稼ぎした事を受けて、それを反映する一組の男女をこの「クリスマス・パーティ」に参加させている点も上手いし、シメオンの息子達及びその妻各々に動機を持たせている点も上手い。何より感心したのは、登場人物の描写が非常に丹念なのである。クリスティのトリッキーな作品を読むと、「登場人物=記号」、であって、トリックを重視して人物造形は(意識して)類型的にしているとの私の印象は良い意味で裏切られた。ポワロの推理も、この登場人物達の心理・造形に基づいた堅実なもので、まるで、クィーンの(初期)作品を読んでいるかの様であった。その上で、"意外な犯人"を用意しているのだから、十全の出来である。

「ミステリにおける"暗黙のルール"」をギリギリの所で破った"破格の傑作"を除くと、クリスティの作品は、一応は読ませるが、ミステリ的には凡庸な作品が多いという昔から抱いていた印象を最近私は見直している。「人間ドラマ+ミステリ」として読ませる作品が着想外に多いのである。本作はその代表と言って良い秀作だと思った。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-15)より
415070015X
No.54
(4pt)

登場人物の描写が非常に丹念で、「人間ドラマ+ミステリ」として読ませる「クリスマス」に彩られた充実した秀作

邦題は原題の直訳で、「クリスマス」に彩られた充実した作品である。二大代表作の「アクロイド殺し」と「そして誰もいなくなった」との間に発表された最盛期の作品だけに読者を惹き込む力がある。物語は、シメオンという大富豪だが悪評の高い一族の老主人(支配者)が自身の館に家族・親族を集めて「クリスマス・パーティ」を開く所から始まる。この辺は、ディケンズ「クリスマス・キャロル」を意識している事が窺え、「スクルージ=シメオン」という見立てであろう。ところが、シメオンは「クリスマス」に際して改心するどころか、家族・親族を苛めるために皆を集めたという事が判明して、憎しみ・疑心暗鬼が広がるという展開。巻頭に、「マクベス」の引用を載せている他、作中の随所に聖書、ギリシャ神話からの引用を配している等、全編に余裕が漂っている。

シメオンが終生"女たらし"であり、若い頃は南アフリカのダイアモンドで荒稼ぎした事を受けて、それを反映する一組の男女をこの「クリスマス・パーティ」に参加させている点も上手いし、シメオンの息子達及びその妻各々に動機を持たせている点も上手い。何より感心したのは、登場人物の描写が非常に丹念なのである。クリスティのトリッキーな作品を読むと、「登場人物=記号」、であって、トリックを重視して人物造形は(意識して)類型的にしているとの私の印象は良い意味で裏切られた。ポワロの推理も、この登場人物達の心理・造形に基づいた堅実なもので、まるで、クィーンの(初期)作品を読んでいるかの様であった。その上で、"意外な犯人"を用意しているのだから、十全の出来である。

「ミステリにおける"暗黙のルール"」をギリギリの所で破った"破格の傑作"を除くと、クリスティの作品は、一応は読ませるが、ミステリ的には凡庸な作品が多いという昔から抱いていた印象を最近私は見直している。「人間ドラマ+ミステリ」として読ませる作品が着想外に多いのである。本作はその代表と言って良い秀作だと思った。
ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: ポアロのクリスマス (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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