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【島田荘司】
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ネジ式ザゼツキーの評価:
6.00/10点 レビュー 4件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.00pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
御手洗シリーズのモチーフ溢れている作品なのだが
スウェーデンのウプサラ大学で脳の研究を続ける御手洗の許にエゴン・マーカットという患者が訪れる。彼は記憶障害を患っており、記憶を一定時間保つ事が出来ないのだ。そんな記憶障害を持つ彼が書いた1つの童話『タンジール蜜柑共和国の帰還』。それは天を突くほどの巨大な蜜柑の木をネジ式の関節を持った妖精たちがマーマレードを作って暮らしている国にエッギーという少年が紛れ込み、その世界を逍遥するといった内容だった。このお伽噺でしかない物語を御手洗は事実に基づいて書かれた物だといい、さらにエゴン・マーカットの記憶障害の原因となった事件と失われた記憶を取り戻す手掛かりになると云うのだった。童話に隠された事件に御手洗潔が挑む。久々の御手洗物らしい小説を読んだという感じだ。『タンジール蜜柑共和国の帰還』という奇妙な内容の童話について解析をする趣向は過去の作品『眩暈』を想起させ、この作品が好きな私にとってなんともたまらないワクワク感があった。特にビートルズの歌が絡んでいるという件には驚かされた。これはビートルズ・フリークである島田氏にとって積年の願望をようやく果たしたのではないだろうか。他にも旧作を想起させる箇所があり、人の五体を解体してネジ式の関節をもつ義手・義足をつけ、ゴウレムを作り上げるというのが今回の作品世界を彩るもう1つのモチーフなのだが、これなんかはデビュー作『占星術殺人事件』のアゾートがすぐに浮かんだ。とまあ、ある種、永い眠りから覚めた御手洗シリーズの復活を宣言するような内容である本書。特に前半の『タンジール~』の解析の辺りはどんどん判明していく驚愕の事実にページを捲る手がもどかしいほどの面白さを感じたのだが、肝心の殺人事件の解明のあたりになるとどうも食指が鈍った。疲れから来る睡魔もあったのは事実だが、なんだか事件が複雑すぎるのだ。明かされた真相もものすごく作られた感じがして、心の底から同意できなかった。殺された遺体の首がネジのように回り、外れ、転がっていく、なんとも唖然とする事件ではないか。しかし、それを論理的に解明しようとするために、無理を生じているような感じがした。そして、やはり語り手が石岡以外では違和感があるのは否めない。御手洗がなんだか別人のように思えるのだ。エキセントリックさに欠け、すごく常識的な人物として立ち振る舞うその姿は消化不良感がどうしても残ってしまう。 ▼以下、ネタバレ感想
ネジ式ザゼツキーの感想
これぞ島田荘司!というべき傑作じゃないでしょうか。この謎のメイントリック?と言うか、どうしてこうなったのか、という説明部分を読むと慣れない方はひっくり返って怒り出すかもしれませんが、これが島田荘司です。最高です。
スウェーデンのウプサラ大学で脳の研究を続ける御手洗の許にエゴン・マーカットという患者が訪れる。彼は記憶障害を患っており、記憶を一定時間保つ事が出来ないのだ。
そんな記憶障害を持つ彼が書いた1つの童話『タンジール蜜柑共和国の帰還』。
それは天を突くほどの巨大な蜜柑の木をネジ式の関節を持った妖精たちがマーマレードを作って暮らしている国にエッギーという少年が紛れ込み、その世界を逍遥するといった内容だった。
このお伽噺でしかない物語を御手洗は事実に基づいて書かれた物だといい、さらにエゴン・マーカットの記憶障害の原因となった事件と失われた記憶を取り戻す手掛かりになると云うのだった。童話に隠された事件に御手洗潔が挑む。
久々の御手洗物らしい小説を読んだという感じだ。『タンジール蜜柑共和国の帰還』という奇妙な内容の童話について解析をする趣向は過去の作品『眩暈』を想起させ、この作品が好きな私にとってなんともたまらないワクワク感があった。
特にビートルズの歌が絡んでいるという件には驚かされた。これはビートルズ・フリークである島田氏にとって積年の願望をようやく果たしたのではないだろうか。
他にも旧作を想起させる箇所があり、人の五体を解体してネジ式の関節をもつ義手・義足をつけ、ゴウレムを作り上げるというのが今回の作品世界を彩るもう1つのモチーフなのだが、これなんかはデビュー作『占星術殺人事件』のアゾートがすぐに浮かんだ。
とまあ、ある種、永い眠りから覚めた御手洗シリーズの復活を宣言するような内容である本書。特に前半の『タンジール~』の解析の辺りはどんどん判明していく驚愕の事実にページを捲る手がもどかしいほどの面白さを感じたのだが、肝心の殺人事件の解明のあたりになるとどうも食指が鈍った。
疲れから来る睡魔もあったのは事実だが、なんだか事件が複雑すぎるのだ。明かされた真相もものすごく作られた感じがして、心の底から同意できなかった。殺された遺体の首がネジのように回り、外れ、転がっていく、なんとも唖然とする事件ではないか。しかし、それを論理的に解明しようとするために、無理を生じているような感じがした。
そして、やはり語り手が石岡以外では違和感があるのは否めない。御手洗がなんだか別人のように思えるのだ。エキセントリックさに欠け、すごく常識的な人物として立ち振る舞うその姿は消化不良感がどうしても残ってしまう。
▼以下、ネタバレ感想