淀藩の後室だったお八重様を救出するため、公儀でも持てあまし者の怪物黒子の弥七を仆した大川忠介は、根岸の山村梅翁の計いで、実家・大垣家の籍から消されて江戸橋の御用達・山城屋松右衛門の娘として生まれかわったお八重様と新世帯をもつ。

水野越前守忠邦の失脚後、奇怪な婦女誘拐事件が相次ぐ。

ノーベル文学賞受賞、大江健三郎の代表作 日本近代100年を見事に結晶化した長篇。

ドイツ娘との恋に煩悶する留学中の医学生・森鴎外が伯爵殺害事件に遭遇、究明に乗り出す。

第3回（1967年） 谷崎潤一郎賞受賞

―大江戸に起きる謎の怪事件にいどむ“捕物名人”若さま侍、颯爽の名裁きは……！？　日本橋伊勢町の薬種問屋堺屋長兵衛の美人娘、秋には祝言を控えるというおあいが、衆人環視の厳重な警戒の蔵の中から誘拐され、行くえ知れずになるという怪事件が発生した！

浪人・古賀新三郎と神田連雀町の小料理屋・松葉屋のお葉は、尼ヶ崎藩・松平家の家老・鷲尾刑部の奸策にかかり、隠れ切支丹の汚名をきせられ毒殺された天野屋浪右衛門の遺族と誤解されて、黒い剣風に襲われる。