狂った信号
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親本は1966年講談社刊。 じっさい、1960年代における日本の“交通戦争”を背景とした小説であり、書かれている時代風俗も、昭和40年頃の内容。 子どもに人気のマンガのキャラクターとして文中に登場するのは「オバケのQ太郎」である。 ミステリとしては、いわゆるミッシング・リンク・テーマにあたり、犯人が殺したい人物を全員殺し終えるまで被害者間の関連性が見えてこない。 しかし佐野洋は名探偵を否定する立場の作家であったから、名探偵が推理で犯人を割り出すのではなく、最後の標的が殺された時点で自動的に最も強い犯行動機を持つ人間も特定され、あっさり事件が解決する。 その点では、本格推理小説ではなく警察小説・事件小説に近い。 『狂った信号』というタイトルは、守られるべきモラルが守られていない現代社会の混迷を意味しており、ストーリーの中で実際に交通信号が混乱するのではない。 社会の混迷に対する「警笛を鳴らす」ことこそが小説のテーマだという意味からは、一種の社会派推理であり、本格味が薄いのは仕方がないのかもしれない。 佐野洋全盛期の都会派ミステリの1つであり、こうした作品こそが二時間サスペンスドラマの源流だと、再認識した。 だが、時代風俗を理解できない若い世代の読者から見れば、「ぜんぜん推理してないじゃん」「二時間サスペンスそのまま」だと、つまらなく思うことだろう。 今の作家なら、犯人側の怨念や異常性をもっと強調し、社会派推理ではなくサイコ・ホラーとして書く題材だし、その方が若い読者にも理解しやすくなるはずだ。 | ||||
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