突然の明日



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    初公開日(参考)1963年01月
    分類

    長編小説

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    突然の明日 (1977年) (講談社文庫)

    1976年12月31日 突然の明日 (1977年) (講談社文庫)

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    No.1:
    (5pt)

    新本格の先駆的傑作。復刊されるべきだ

    初版は1963年。
    三浦友和の主演作に、同じ『突然の明日』というタイトルの連続ドラマがあったが、あちらの原作者は阿木慎太郎。本作とは無関係である。
    保健所に所属する食品衛生監視員の男が、「銀座4丁目の交差点で元恋人の女性を見かけたので声をかけようとしたら、相手が突然いなくなった」と家族に話した翌日、不審な死に方をする。
    警察は、男が仕事上のトラブルから料亭のオーナーを毒殺し、自分も発作的に自殺したと断定する。
    男の家族は、長男が殺人事件を起こした家だと後ろ指を指され、父親は勤務先を退職せざるを得なくなり、結婚間近だった長女も婚約を破棄され、ショックで自殺未遂までしでかす。次男はグレて不良の仲間に入ってしまう。
    勤務先をやめて時間の出来た父親と、もともと家事手伝いだった次女とが、事件の真犯人は元恋人の女ではないかと疑いを抱き、素人調査を進める。

    あくまでも素人捜査なので状況証拠を積み重ねていくしかないのだが、その積み重ねの過程、推論の組み立て方が、緻密に描かれている。
    物語の冒頭部から、さりげなく縦横に張られていた伏線を回収した時、恐るべき非情の犯人像が浮かび上がってくる。
    だが、これはあくまでも推論に過ぎない。
    物語は、組み立てられた推論と、それが示す真犯人とを警察に話に行こうとする場面で終わり、その推論が正しかったのかどうか、犯人が逮捕されたのかどうかは、全く描いていない。
    なぜなら、家族にとっては、たとえ真犯人が逮捕されたところで、濡れ衣を着せられ殺された長男が帰ってくるわけでもなく、父親が勤務先に復職できるわけでも、長女が元の婚約者と結婚できるわけでもない。
    失ったものは取り返しがつかない。
    犯人の逮捕など、どうでも良いことなのだ。
    自分たちが、長男は真犯人ではなかったと納得できれば良いのである。
    結末において、物語の冒頭で示された、交差点での人間消失の謎も解明される。
    むろん、人間が突然、消えるわけがない。消えたと錯覚する心理的盲点があったのだ。
    その心理の動きがどのようなものであったかに気付いた時、父親も次女も、長男は、自分たちが思い抱いていた通りの職務熱心で真面目な男であり、真犯人ではありえないと確信する。
    その確信を、人生を立て直す契機にしようとする。
    本人たちにとっては、それで十分なのである。

    たくみに張られた伏線の回収と推論の組み立て方の見事さ。しかしその推論が正しいかどうかは根本的な問題ではない。
    主人公たちが現実とどう向き合い、どう折り合って生きていくかが重要なのだ。
    今日の日本における、現代的な新本格推理小説の姿を、いち早く捉えていた先駆的な傑作である。
    どこかの出版社から、復刊されてほしい。
    突然の明日 (講談社文庫 さ 4-1)Amazon書評・レビュー:突然の明日 (講談社文庫 さ 4-1)より
    4061360647



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