その重役の葬儀に参列した人々は、目を疑った。同社課長の平松浩が、なんと純白のスーツで焼香に現れたのだ。

人工授精で授かった赤ん坊が何者かに誘拐される―シングル・ウーマンを襲った突然の悲劇。

汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさむるであろう―。

落日の清朝には領土を分割せんと狙う列強の牙が迫っていた。

14歳のとき両親殺害の罪に問われ、外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、真賀田四季。

お久しぶりです。妹尾睦月です。

荒涼とした雪原は「この世の終り」にふさわしいこの閉ざされた山荘に7人が揃った時皆殺しゲームのスイッチが入る…ゲームの名前は「電脳山荘殺人事件」。

美帆の父の白川探偵事務所に、浦辺という母娘から調査依頼があった。父親が密室の浴室で死亡、娘にも危険が迫っているという。

『人狼城』は独仏の国境の峻嶮な渓谷の上に屹立する古城。城主を「人狼」に惨殺されたという言い伝えのある曰く付きの城だ。

北へ走る三陸鉄道リアス線の車内で水産会社社長が殺された。男の身元を知って十津川は自責の念にかられる。

中国美術の至宝、敦煌「三所の禅窟」。シルクロードのかなたに千年をかけて描きつがれた仏教壁画と様々な仏像たち。

隼新八郎が向島の御後室の別宅を訪れた帰り、祝言目前の旗本が刺し殺されるという事件に遭遇する表題作ほか「吉原大門の殺人」「出刃打ち花蝶」「桜草売りの女」など6篇を収録。

横浜での海外ツアーコンダクターの死。大阪・豊中でのハイソサエティーの若妻の死。

1864年ウィーン。

四代将軍家綱の落胤・葵悠太郎を世に出る前に抹殺せよ。威権赫かくたる御側衆・柳沢出羽守が放った甲賀七忍。

―この神殿で怪物の宝に手をつけた盗人は、ラコシに追われて必ず生命を落とす―ウィンタース家に長年伝わるラコシの呪いが、パーティーの日、よみがえった。

遅刻魔―あんなに約束の時間にいい加減な人も珍しかった。嘘つき―大きな嘘も上手だったが、とりあえずの小細工もうまかった。

南海の小島フィジーで観光客相手に芸を見せるワヌーバは、イギリス人の商人とフィジーの洗濯女との間に生まれた。

平凡なサラリーマンのささやかな願いが、ふとしたきっかけで日常の亀裂に飲み込まれる恐怖を描く名作『地下鉄御堂筋線』をはじめショートショート界の鬼才が放つ選りすぐりの怪作70篇。

「警察は自殺だと言ってます。

薬物中毒者の相互更正補助施設「セイル・オフ」に、あらゆる感情が「死んで」いる男が入所してきた。

顔に白頭巾をかぶってひたすらワープロを打ち続ける男。

北海道の温泉町に現れた、奇妙な美女と老人。

「嵐の山荘」に引き寄せられた怪寄な人々。そこで万里が犯したドミノ殺人。

愡れた女の数だけ無理難題を背負い込む男・柚木草平は、時に探偵の依頼もこなす元刑事のルポライター。

筑豊の廃坑の村。

国有地払い下げにからむ国土庁長官の動向を内偵していた警視庁捜査二課の中津刑事はある晩、女の罠にはまり、長官の愛人にレイプ罪で告訴された。

親友三田村毬子の母親に頼まれて、謎の女を探ったみすずは、恐るべき事件にまきこまれる。

天正少年使節、ジュリアン中浦がローマより持ち帰った莫大な財宝。

絶海の孤島から不死身の怪人・髑髏検校が江戸に潜入、夜ごと、生き血を求めてさまよう。侍女ふたりもまた吸血鬼だ。

17歳の時に無実の罪で投獄されたエディが、15年ぶりに出所してきた。

わたしは、宮沢和子。みんな、わたしのことをワコってよぶの。

恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。

嵐の朝、「おくひだ1号」の運転士は、あるべき場所に駅がなく、線路まで消えていることに驚く。

大阪の富豪に殺人予告が届いた。差出人は蠅男。

美奈子は、温泉でのんびりお肌ツヤツヤにしようと、知人の不動産会社の保養所へ。ところが、社長の遺体が露天風呂で発見された。

密室トリック、首なし死体、消えた凶器…快刀乱麻の名探偵・天下一が挑む難事件。

京都府警本部に事件の予告電話。現場は縁結びで有名な知恩院の濡れ髪明神境内―画商の殺害死体。

鬱蒼たる森と清流。ここはロッキー山脈をあおぎみるモンタナの原野。

超ベストセラー作家・牛田竜介は本当に実在するのか。

東京生まれの東京育ち。箱根から西へは行ったことがないという坂田勇吉は、食品会社に勤める若手サラリーマンだ。

あの八犬士活躍の時代から百五十年。

美人ホステスをレイプするつもりで誘い出し、崖から突き落として殺害したという容疑で二人の若者が起訴された。

単純な水死と思われた事故になぜスコットランド・ヤードの警視がかり出されたのか。

ある日突然、体が小さくなった妻。謎に満ちた夫さがしの旅。

1度限りの大トリック！ たった1度の大トリック！劇中の殺人は真実か？ 俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

血で爛（ただ）れた顔、その上を縦横に走る不可解な亀裂。凄絶怪異「怪物」が虚栄の都・ハリウッドに出没。

僕の体には殺人鬼の血が流れている！？不審な交通事故死をとげた父。

謎の売れっ子覆面作家の正体は。男、女、年齢は。

「王家の谷」へと向かった考古学研究室の一行を待ち受けていたのは、閉ざされた王墓の中での惨劇だった。

生き過ぎた――この言葉を残して日本洋画界の大御所は自殺した。

新宿で殺された外国人娼婦の部屋に落ちていた商社マンの名刺。

夜の歌。バーボンの歌。

天正18年、時は秀吉が北条を呑み込もうとしていた時代、混乱の世などどこ吹く風の戦場荒らしの風来坊、7人の香具師がいた。

ありふれた失踪事件のようだった。バレリーナを夢見て、ロンドンに出た娘が田舎への音信を絶ったという。

凍てつくような冬のニューヨーク。ひらひらと雪の舞うセントラルパークで名もなき女が無惨な死体で発見される。

ハイパー伝奇バイオレンス。八千草飛鳥、登場！　古代の神と合体した絶世の美少年は人食い鬼だった。

混沌都市(ケイオスシティ)・新宿。超高層ビルの陰に生じた闇の舞台では、今まさに怪異な事件の幕が開かんとしていた。

晩秋の河口湖畔、朝霧の中に艶いた和服の女性の絞殺死体が発見された。

最果ての地でめばえた炎のような愛と憎しみ―青梅の料亭旅館の女将雅代は、年来の愛人である流行作家の麻生と芸者駒太の仲に疑いを抱いていた。

樹齢八百年といわれる金木犀の強い芳香に魅き寄せられるように、新宿発の最終夜行列車で夜明けの信州を目指し一人旅に出たOL中瀬恵子はふっつりと消息を絶った。

美貌を誇り、かつては小野小町になぞらえられた女優がホテルで毒死した。部屋からは恋人だった歌舞伎役者の指紋が検出される。

第3次世界大戦後、汚染された地球では動物を所有する事が地位の象徴とされた。

町外れでハンクとその兄と友人の3人は墜落した小型飛行機の中に死体と現金440万ドルの入った袋をみつけた。

「キジも鳴かずば撃たれまい」の文面と中学時代の記念写真。

公正取引委員会の審査官伊田は汚職の嫌疑をかけられた。何者の策略に嵌り事件に巻き込まれたのだ。

名探偵・法月綸太郎に挑戦するかのように起こる数々の難事件。

ブラジル東北部の町エクルウは、アンドラーデ家とビーステルフェルト家に支配されている。

伝説も生まれぬベネズエラの涸れた油田地帯には多数の難民が住みつき、マリアという聖女が人々の団結の象徴となる。

アメリカの巨大鉱業会社から、ペルーの山岳ゲリラの首領抹殺の仕事を依頼された破壊工作員・志度正平は、首都リマに到着、二人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向かう。

白川美帆は、修学旅行で京都へやってきた。骨董品屋で勾玉を見つけ、その好奇心旺盛な性格から、思わず買ってしまう。

本書は、視力とともに栄光の座を失った一人の男が、挫折から再起を目指して徒手空拳の戦いを挑む、苛烈なビルドゥングスロマンである。

東京から九州まで何とタクシーで。そんなバカげたことをした男の妻が殺された。

明治時代以来、創業者の巨椋一族で固められてきたオグラ・ホテルに内紛が持ち上がった。

横浜の巨大法律事務所の勤務弁護士・水島由里子は、女性初の経営弁護士の地位をめざして、貿易会社の法的危機管理を担当した。

荒川の河原で中年女性とおもわれるバラバラ死体が発見された。

天空の蜂はいかなる毒針を刺そうとするのか。前代未聞。

人気俳優・君津邦彦がホテルで墜落死した。その上、彼と最後に会ったコールガール香も殺された。

ニュースキャスターもする推理作家沢木麻沙子のもとに、深夜1本の電話が入った。

不慮の自動車事故で負傷した人気作家ポール・シェルダンは、熱心な愛読者アニーに助けられるのだが、そのまま監禁され、彼女だけのための作品執筆を強要される。

秀吉の臣下、武人加藤清正と商人小西行長の宿命の対決。彼らの胸に去来するものは―。

内田家の墓前に供えられた心当りのない花。不審に思うセンセだが、浅見は隣の財田家から移しかえられたものと推理した。

切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。

顔を至近距離から二発打ち抜かれFBI捜査官が殺された。そして同じ手口で第二の殺人が…。

錯綜する謎、息を呑む展開、思いがけない結末…。

伊集院大介、倒錯の性の世界に踏み込んで自殺事件の謎を解く。

幾度も繰り返される殺人。殺されるのはいつも渕上零治郎。

あの高野山での死闘から7年―アキラ、久遠、空海の3人が力強く甦った。

愛する女は死に男は罠に落ちた。雨にけむるシンガポール「白楼夢」の日々。

人は生得あさましいものであるが、南無阿弥陀仏と称えれば、必ず救われる―平易な言葉で教えを説き、近畿一帯に大勢力を振った英邁なる高僧は、私的にはどのような男であったか。

人は生得あさましいものであるが、南無阿弥陀仏と称えれば、必ず救われる―平易な言葉で教えを説き、近畿一帯に大勢力を振った英邁なる高僧は、私的にはどのような男であったか。

警視庁生活安全部少年課に所属する警察官宇津木真が、遭遇したのは実に奇妙なコンサートだった。

映画に出演することになった亜衣、真衣、美衣は、映画スタッフやおまけの夢水名(迷)探偵と、鬼伝説のある総生島へロケにやってきた。

相模屋の店先で雪駄(せった)が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。

「若き日の大観の傑作、発見さる―」若手画家・茂木貞澄は、この大ニュースに疑惑を抱いた。