受けとめきれない現実。止まってしまった時間―。

新大橋―逢瀬を重ねた男に裏切られた女を包む涙雨。赤羽橋―捨て子と知った少女。

夕刻になると茶屋を訪れ、団子三皿を平らげて帰る奇妙な老人がいた。

許せぬ身内の裏切りに、天真一刀流の豪剣が唸る。悪党者を追いかけて旅から旅の繰り返し。

名画展を手伝うためにベルリンに赴いた美術館学芸員クリス・ノーグレン。

デビューのその瞬間、すでにして日本SFを代表する名作であることを証明した、前作『神狩り』。あれから30年。

13代将軍の家定は“癇性公方”といわれ、すこぶる虚弱体質のうえに凡愚、最低クラスの将軍だったらしい。

聖創学院をむしばむ多すぎる数の怪談―だが、その怪談はある時期から徐々に数を減らし始めていく。

ある夜、コンビニで森奈津子は突然の爆風にひっくり返った。

自らの過去を清算すべく、江戸白金村の手習師匠・興津重兵衛は、郷里の諏訪へと向かう。

若年寄田沼意知が発案した侍専用の遊郭の設営を命じられた服部億蔵の悪戦苦闘を描く「忍法女郎屋戦争」、男女の相性診断が出来る聴恋器を発明した服部大陣の恋の顛末「伊賀の聴恋器」ほか文庫初収録の「開化の忍者」を含む、最終巻にふさわしい快作八篇。

ひとり旅で訪れたベトナムで、私は恋に落ちた。この男と寝たい、という狂おしい思いを恋と呼ぶならば。

生徒が教師を射殺し、自殺した。衝撃的な事件があった学校に招かれたカウンセラー。

とある晩、安倍晴明の師・賀茂忠行の息子保憲が訪れ、晴明に厄介な一件を頼み込んだ。それは―。

ちょっとひねくれているけれど、料理自慢で世話好きな店長のいる酒場。クセモノ常連客たちが、今日もアノ「缶」を持ちこんだ…。

何度つかまっても牢をぬけだす怪人二十面相。今度は名前を「四十面相」とあらため、どうどうと脱獄を宣言した。

燃料が底をつき、エンジンが一基ずつ停止を始めた航空機のコクピット。

瀬戸物屋の見沢屋が襲われた。この二ケ月間で九軒の大店が同じと思われる盗賊に入られているのだ。

復讐に燃えていたはずだった。そして、再挑戦するはずのでかいヤマ。

夫はいつも彼女を「天使の顔」と呼んでいた。彼女を誰より愛していたのだ。

戦後最大の問題作を晩年の著者が病苦をおし、パソコンに向いながら、一字一句、全ページにわたって、書き直した、改訂決定版。

雄大なスケールの人間ドラマ。飢餓と混乱の敗戦直後、災害と犯罪を結びつけた超大作。

川端にひっそりとある赤提灯で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連。30過ぎの浪人と危険なにおいの遊び人。

執拗に命を狙ってくる見覚えのない浪人が、十六年前に関わった事件に絡んでいることを悟った丈右衛門。

第一次大戦前夜、天賦の“感覚”を持つジェルジュは、オーストリアの諜報活動を指揮する“顧問官”に拾われ、その配下となる。

地味で目立たぬOL本田小百合は、ۢ

間違ってもいいから、この恋を選ぶ。そう思ったこと、ありませんか?「東京湾景」の著者が送る、最新長編ラブストーリー。

歴史学者・早乙女静香は、沖縄への研究旅行中に殺人事件に巻き込まれた。

江戸城の天守番・工藤小賢太は、城内に潜入した曲者を撃退した。

雲母橋―叶わぬ恋と一度はあきらめた男と再び巡り会った女。千鳥橋―逢えぬ我が娘の幸せを、陰から見守る男が零す一筋の涙。

縁切り寺『慶光寺』の主万寿院と遠い日に交わした約束を胸に抱いた男の生きざま…。

書院番から徒目付へ移籍となった久岡勘兵衛。やっと慣れてきたところに、初めて徒目付として扱う事件が舞い込んできた。

その水を飲むと過去を忘れてしまう忘却の川・レテ。

全国の書店員が熱狂！　超大型新人作家による傑作サスペンス 太陽の街フロリダは、キューピッドに怯えていた――それは若い金髪美人ばかりを狙い、何日も被害者をいたぶったあげく、生きたまま心臓をえぐり出して殺す連続殺人鬼の名だ。

太陽の街フロリダは、キューピッドに怯えていた―それは若い金髪美人ばかりを狙い、何日も被害者をいたぶったあげく、生きたまま心臓をえぐり出して殺す連続殺人鬼の名だ。

春の嵐が吹き荒れたある日。突風とともに、小学5年生の元と瑠香のクラスにひとりの少女が転校してきた。

元禄年間、京都の町に、手に負えない相手の足を引っ張り怨みを晴らしてくれる寺が会ったという─。シリーズ初の長篇書下し。

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。

人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか―紫禁城に渦巻く権力への野望、憂国の熱き想いはついに臨界点を超えた。

官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀。一方の春児は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。

落日の清国分割を狙う列強諸外国に、勇将・李鴻章が知略をもって立ち向かう。

武器密売裁判の重要証人が航空機事故で死亡。

武器密売裁判の重要証人が航空機事故で死亡。

弾正橋―生き別れになった母への切ない慕情。千住大橋―都落ちし、再起を誓った男女を襲う悲劇。

寛延三年夏、落雷炎上した二条城天守閣跡を見に出た京都所司代の松平豊後守が謎の頓死を遂げた。

情熱など失ったはずだった。あの日、恋人を亡くした海岸通りで。

一九九七年、カナダ西海岸・ヴァンクーヴァー。中国への返還目前の香港から押し寄せる移民たち。

エリート捜査官・ハロルド加藤はおのれの犯した罪におののく。悪徳警官・呉達龍は血にまみれた金を求めてあがく。

片倉宏は結婚相談所のパーティで出会った仁科里美に求婚するが断られてしまう。

新興宗教「人間の家」を追い始めた棟居の元に届いた驚愕すべき情報―それはOL殺人事件の容疑者が「人間の家」に関係しているだけでなく、棟居の妻子を殺害した犯人である可能性が高い、というものだった。

片倉宏は結婚相談所のパーティで

阿部奈緒美が勤める巨大銀行で囁かれていた迷信「将門の首塚に背を向ける『将門の椅子』に座ると死が訪れる」。

この剣を会得したとき彼奴は必ず現れる―。

わたしは神の祝福を受けている。これは復讐だ―見えざる無気味な男の声が、通信機を通してイヴの耳に届いた。

由比正雪が仕切る「将軍御前における各藩秘蔵の武具競べ」。

由比正雪が仕切る「将軍御前にお

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

恋人を目の前で殺された男が犯人を執念で捜し続ける。

江戸の人々の楽しみは、芝居に花見、そして読本。

西へ。闇の男の領土へと男たちは進む。

坂下薫平19歳。首都大学の学生寮で、個性溢れる面々と楽しい日々を過ごしていた。

家電量販店に勤める土田は通っているチャットルームのオフ会に参加した。

劉家の妖物が歌った詩が、李白の「清平調詞」であり、それはこの時代を遡ること約六〇年前、玄宗皇帝の前で、楊貴妃の美しさを讃えるために歌いあげられたものである―。

西暦804年、密を求め遣唐使として長安に入った若き留学僧・空海は、友人の橘逸勢らとともに朝廷をも揺るがす大事件に巻き込まれる…。

善なるものたちが築いた平穏の地。それが“闇の男”の魔手により崩壊の危機に。

自分の欠けているものを補ってくれるオマジナイ――どうじさま。

女の意地と恋情を、男たちは受けとめられるのか おぬいの窮地を救ったのは、信太郎の父・卯兵衛だった。

世界のHIV感染者六千五百万人、その三分の二がアフリカに集中するエイズの現実を真っ向から見据え、それでも希望を求め続ける日本人医師の闘いを描いた、衝撃と感動の長編小説。

牡丹作り職人の娘が何者かによって拐かされた。命を賭してもと願う母であったが…。

知恩院の本堂の回廊で、誰に咎められることもなく、寝転がる女。

多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。

原因不明の人体発火現象が世界各地で多発。

1953年早春。

ソ連は将来の指導者としてのカストロに目をつけ、ひそかに支援を画策する。

亡き父に代わり、わたしを育てた従兄アンブローズが、イタリアで結婚し、急逝した。

都が氷に閉ざされた。いつまでも春が来ない。

「あのころにくらべれば、いまのおれは心身ともに小さくかがんで生きているとは言えぬか」 姿なき暗殺者は何に怯えてみなごろしの凶刃を振うのか! 登場時26歳だった又八郎も40も半ば、16年後の物語。

夢に現われたマザー・アバゲイルは実在した。旅を終えた人々は彼女のもとに共同体“フリーゾーン”を築く。

秘剣、外に語らず―藤沢周平が剣客小説に新境地を開いた名品集“隠し剣"シリーズ。

この作家のロングセラー“隠し剣”シリーズ第二弾。気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説は稀れである。

北海道警の組織ぐるみの不正で騒然とする札幌。私立探偵の畝原は、事件調査中血まみれの少女を保護する。

1941年12月、日本海軍がハワイ真珠湾を奇襲し、太平洋戦争の口火は切られた。

千坂道場の主・藤兵衛の元に、幼い姉弟が訪れた。ふたりの父親はかつての門弟。

橋上に芽生える愛、 終わる命… 情をもって剣をふるう、江戸・橋づくし物語 永代橋——桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。

米英軍によるイラク攻撃が始まって1週間、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで、浴けた金を口に流しこまれた男の変死体が発見された。

岡っ引きの夫に先立たれた町家の女房、おとせ。時を同じくして息子が嫁を迎えたため、自分は手狭な家を出ることに。

東京・丸の内の片隅にある小料理屋「ばんざい屋」。女将の作るちょっぴり懐かしい味に誘われて、客たちが夜な夜な集まってくる。

急死したニューヨーク市警の刑事フランクは、だれからも好かれる人物だった。

急死したニューヨーク市警の刑事フランクは、だれからも好かれる人物だった。

環境破壊で地球に住めなくなった人類は、さまざまな星へ移住した。

人気作家は、祖国を追われた。流浪の果てに着いた北欧の町。

猛将上杉景勝は、重臣直江山城守の推挙で一人の小姓を召しかかえた。

街中で知り合い、親しくなってゆく金持ちのオールドミスと青年レナード。ある夜そのオールドミスが撲殺された。

ついにアメリカは死滅した。各地で孤立する生存者たち。

初恋の女のために命をかけて「忍