東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。

かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。

赤澤奈美は四十七歳、美容皮膚科医。 夫と別れ、一人息子を育て、老母の面倒をみながら、仕事一筋に生きてきた。

都心の古ぼけた団地で、姉と二人つましく暮らすみかげ。

他人のものばかり欲しがるあの子。いるはずのない住人の気配。

高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。 「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。

「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。

私のからっぽに栓をしてほしかった。 幼なじみの兄弟に愛される一人の女、もどかしい三角関係の行方は。

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。

警察の介入が一切なく、偽造パスポートでもグレネードランチャーでもルームサービスでお届け可能な犯罪者御用達ホテル。

不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。

駆け出しの造園設計士・高桑は大学の卒論で作庭師・溝延兵衛と、彼の代表作となったある庭を取り上げて以来、長年にわたり取り憑かれ続けていた。

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。

父親が横領し犯罪者の子となった隼。転校先で出会った組長の息子といじめられっ子のニナだけが仲間だった。

「あなたはなぜ、この取材を始めたのです?」 明海和(あけみ・かず)はストリートチルドレンの取材を続けるうち、謎の集団・プレデターに襲撃される――。

コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。

老朽化により修繕不能となったタワマン、通称・トウキョウマンション。

京都が生んだ、やさしい奇跡。

あなたと私は違う。だから、一緒にいようーー。

自ら命を絶った青年が残したという1冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は、かつての教え子から依頼を受け、俳句の解釈を進める。

東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、ＳＮＳで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。

母親との確執を抱えて育ち、望まれない子を妊娠、たった一人で出産を迎えようとする三十代の真菜。

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。

僕は人生かけて君に惚れているのだ—— 年下の天才詩人。知的な文壇の寵児。

「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」。

共謀罪、始動。標的とされた若者達は公安と大企業を相手に闘うことを選ぶ。

「絶対に東大合格しなきゃ許さない」――両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。

君の百倍、僕は君が好きだ。 僕の世界の真ん中は、もう僕じゃない。

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。

静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、日課の海岸散歩中に出会った男の風貌に思わず息を呑む。

数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に―ー。

2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽は、統合失調症を患う母を介護し、家事や看病に忙殺されていた。

ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説! 射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。

１９９５年３月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。

誰もが容疑者。誰もが当事者。

オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS。あなたは何を信じていますか？　 口さけ女はいなかった。

地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。

「春に翔ぶ」瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原の秘められた過去。

ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。

大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。

関野浩樹は、往年の名投手竹下竜司のモノマネ一本で生計を立てている。

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮！真実を追求する記者、現実を描写する画家。

甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。

社会派エンターテインメントの雄が贈る衝撃作 「わたしたちの過去も現在も未来も写しとられている。

若だんなが行方不明になり、長崎屋の不運が幕を開けた。

〈あらすじ〉 　首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。

両親の死の真相を探るため、引きこもり生活を脱し警察官を志した19歳の沖野修也。

いい気味だ…… 予測不能の展開、予想外の読後感。

平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家…きっかけはほんの些細な秘密だった。

大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。

専業主婦の涼子は、冷え切った夫との関係や言うことをきかない二人の子どもとの生活に、疲労感と閉塞感を覚えていた。

刑務所で起こった元受刑者の首吊り死。

ススキ野原のまんなかに立つ秋葉図書館。ごく普通の市立図書館に見えるけれど、実はちょっとした伝説がある。

人間関係につまずき、ひとりぼっちを選んだイチコ。

昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌 人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。