未明の砦



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初公開日(参考)2023年07月
分類

長編小説

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未明の砦

2023年07月31日 未明の砦

共謀罪、始動。標的とされた若者達は公安と大企業を相手に闘うことを選ぶ。 その日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い非正規工員・矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平。四人は完璧な監視下にあり、身柄確保は確実と思われた。ところが突如発生した火災の混乱に乗じて四人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した四人は、ひとつの場所を目指していた。千葉県の笛ヶ浜にある〈夏の家〉だ。そこで過ごした夏期休暇こそが、すべての発端だった――。 自分の生きる社会はもちろん、自分の人生も自分で思うようにはできない。見知らぬ多くの人々の行為や思惑が作用し合って現実が動いていく。だからこそ、それぞれが最善を尽くすほかないのだ。共謀罪始動の真相を追う薮下。この国をもはや沈みゆく船と考え、超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。心を病んだ小学生時代の友人を見舞っては、噛み合わない会話を続ける日夏康章。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とは――。 最注目作家・太田愛が描く、瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。(「BOOK」データベースより)




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未明の砦の総合評価:8.78/10点レビュー 37件。Aランク


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(7pt)

未明の砦の感想

これは「社会派」を正面に据えた、もうガチガチの社会派小説である。
この方の作品、「幻夏」・「犯罪者クリミナル」・「天上の葦」と読んだけど、社会派ではあるがエンタメ感も強く、すこぶる面白い。当方の評価も全て高い。
それを期して読むと、前半から中盤までは少々しんどい。
この作者のことを知らずに、初めて本書を手にした方は、途中で投げ出すかもしれない。
でも勉強のつもりでしっかり読み進めると、後半は俄然面白くなる。著者の本領発揮という所か。

本作は、非正規雇用に関わる労働問題、組合活動、労働法制、さらにこれらに共謀罪を絡めた超問題作。テーマは重いし、こうした問題に無関心な若い方や右タイプの方は、端から手にしないであろう。
初出は地方紙とある。令和3年から約何2年間年に渡って連載されていたとのこと。
ということは、あやふやなことは書けない。参考文献を見てみると、膨大な数。相当調べてから書かれたようである。
正面切って上記の問題を扱っているので、どうしても説明がくどくなる。くどいから、読むのがしんどいというわけだ。

社会派小説には、主たる登場人物がいてそれらの行動・人間性が徹底的に掘り下げられ、その結果その背後に潜む社会問題が浮かび上がってくる、というタイプの社会派がある。
しかし、本書はそうではない。前述のテーマが主役で、このテーマを扱うために登場人物たちが行動し葛藤し生き抜いていく。このタイプだ。
後者のタイプだったが故、読む人にとってこのテーマが鼻につき敬遠してしまうこともあるだろうし、本来読んで欲しい人たちの手に渡らない可能性も高い。もったいないことだ。
惜しむべきは、このテーマを前者のタイプで描いて欲しかった。そして、4人の若い非正規雇用者をよりリアルに描き出してもらいたかった。
そうすれば、労働問題を扱った不朽の名作と評価されていたかも知れない。

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.36:
(5pt)

声なき者への生への問い

作家 太田愛の力なき者、声を出せぬ者への熱い想いと冷たい、無を強要する社会の現実の対比の描き方が非常に秀逸でした。
どこにでもいそうな若者が生きるという事を真剣に考える始まりから、社会を変えるためにできる事をやり尽くそうとする姿に涙なくしては読めない作品です。

読んでいると自身を責められているような生々しい社会の描き方が、物語の緊張感と自分の人生への投影を何倍にも増幅してくれています。
傑作でした、必読の一冊です。
未明の砦Amazon書評・レビュー:未明の砦より
4041139805
No.35:
(5pt)

クソ真面目なエンタメ小説は貴重です

過労死や派遣労働を扱ったミステリ小説は既に幾つかありました。しかし、巧みな(設定に一部やや無理なところも感じましたが)構成と運びで、労働問題をめぐる歴史や構造、そして終局的に問わなければならない打開の在り方まで読ませてしまうものは無かったように思います。「愚直」というと失礼になるかもしれませんが、そうした強い意志を感じさせる貴重な作品であり、より多くの方に読まれることを願っています。
未明の砦Amazon書評・レビュー:未明の砦より
4041139805
No.34:
(4pt)

ありえないけど面白い

総合的にはとても面白かったです。
最後の証拠を手に入れた辺りは、そんな偶然があるのかと思いましたが、良かったです。
途中の図書室での労働の説明は、長くてキツかった。でも読み飛ばしたくないので頑張りました。それがあるので、何とか辻褄が合うと思います。
でもやっぱり、面白さとしては、犯罪者、幻の夏、天井の葦、には及ばないかな。
未明の砦Amazon書評・レビュー:未明の砦より
4041139805
No.33:
(3pt)

ミステリではない。

幻夏は最も好きなミステリと言って良いが、本作はミステリではない。
なので遣水は登場しない。
昨今の労働問題をとりあげた、社会派小説だが、600頁を超える長編を
読ませる作者の筆力はやはりただものでない。ただ、労働問題の捉え方
に偏りが見られ、最後の最後に、団結して社会的強者を倒すというテー
マに破綻が見られる。この国はまもなく沈む。泳げる者は海外を目指す
的な台詞があるが、これを言ってしまうと四人の戦いは水泡に帰すこと
なる・残念だった
未明の砦Amazon書評・レビュー:未明の砦より
4041139805
No.32:
(5pt)

社会派エンタメ

何冊目かの太田愛。
相変わらずの社会派ミステリー。

唯一の難点は、600ページというボリュームだが、
内容は大著に見合い、飽きさせない。

今回は労働問題、特に非正規雇用をテーマにしつつ、共謀罪を絡ませる筋立て。

ある夏、非正規雇用の工場労働者の青年4人組が
喜びを味わい、学び、立ち上がる。

小説の読後感は良いのだが、日本社会の現実に暗澹たる思いにもなる。
先日の鹿児島県警の内部告発に絡む「闇」も含め、
この小説は現実を描いているのだとも感じる。

「いい労働者ってのは、ただ一生懸命働くだけじゃないんだ。
隣に困っている労働者がいたら、その労働者のために闘う。
つまり自分たちのために闘うのが、いい労働者なんだ」(602頁)
は名言。

新聞の連載が初出とのことだが、夏休みの一冊に最適かも。
未明の砦Amazon書評・レビュー:未明の砦より
4041139805



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