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未明の砦



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未明の砦

未明の砦の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

未明の砦の感想

これは「社会派」を正面に据えた、もうガチガチの社会派小説である。
この方の作品、「幻夏」・「犯罪者クリミナル」・「天上の葦」と読んだけど、社会派ではあるがエンタメ感も強く、すこぶる面白い。当方の評価も全て高い。
それを期して読むと、前半から中盤までは少々しんどい。
この作者のことを知らずに、初めて本書を手にした方は、途中で投げ出すかもしれない。
でも勉強のつもりでしっかり読み進めると、後半は俄然面白くなる。著者の本領発揮という所か。

本作は、非正規雇用に関わる労働問題、組合活動、労働法制、さらにこれらに共謀罪を絡めた超問題作。テーマは重いし、こうした問題に無関心な若い方や右タイプの方は、端から手にしないであろう。
初出は地方紙とある。令和3年から約何2年間年に渡って連載されていたとのこと。
ということは、あやふやなことは書けない。参考文献を見てみると、膨大な数。相当調べてから書かれたようである。
正面切って上記の問題を扱っているので、どうしても説明がくどくなる。くどいから、読むのがしんどいというわけだ。

社会派小説には、主たる登場人物がいてそれらの行動・人間性が徹底的に掘り下げられ、その結果その背後に潜む社会問題が浮かび上がってくる、というタイプの社会派がある。
しかし、本書はそうではない。前述のテーマが主役で、このテーマを扱うために登場人物たちが行動し葛藤し生き抜いていく。このタイプだ。
後者のタイプだったが故、読む人にとってこのテーマが鼻につき敬遠してしまうこともあるだろうし、本来読んで欲しい人たちの手に渡らない可能性も高い。もったいないことだ。
惜しむべきは、このテーマを前者のタイプで描いて欲しかった。そして、4人の若い非正規雇用者をよりリアルに描き出してもらいたかった。
そうすれば、労働問題を扱った不朽の名作と評価されていたかも知れない。

▼以下、ネタバレ感想

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