クラウドクラスターを愛する方法
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
クラウドクラスターを愛する方法の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
家族を捨てて13歳下の男と結婚生活を営む母。三十のバースデーを迎えた娘 紗登子は、14年振りに再会してから複雑な思いを抱えたままだ。カレシとのゴタつきもあって、つい強い口調で母にあたってしまう。クラウドスター=積乱雲は、太ってモコモコな母の姿を表していて、このタイトルは秀逸。さて、紗登子は、クラウドスターを愛せるのか? 収録作「キャッチアンドリリース」は、離婚家庭の男女中学生の思いがつづられた作品。世間でよく見られる、ちょっとしたやるせない感のある物語。少年少女が、妙にメソメソしていない分、リアルを感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作である書き下ろしの中編と、小説現代に発表された短編の「キャッチアンドリリース」のふたつが収められていますが、どちらも両親に振り回される子供の視点から描かれた作品です。 前者は、主人公の女性が、交際している同級生の青年から結婚を匂わされても、どうにも踏み出せない理由として、「いつか自分が売れっ子のイラストレーターになって、この部屋を出ていく将来だって、まだあるかもしれないじゃないか。」はその場しのぎだとしても、やはり幼な子2人を残して出奔した母のことがどうしても許せていないからという構図です。母は母でそこに至るまでの経緯と現在の生活があってという形で作品に奥行きであったり、読者の読みであったりを促したりしていますが、それ以上に主人公の、30歳、独身、仕事の掛け持ちか、誰かのサポートが必要というシチュエーションは意外にありがちで、同じような境遇の読者には主人公の「打算」も身につまされるのではないかと思いました。 後者については、釣り由来な意匠が物語に明確に姿を現す前に紙数が尽きたという印象を受けました。 ただ、個人的に子供と常に関わる仕事をしているので、反抗期であるのならまだしも、あまり健全でない家庭や環境から、子供が巣立とう、距離を置こうとしても、なかなか叶わないケースを目にすることが多いので、読んでいて遣る瀬ない思いに苛まれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
家族・・。家族というものは、友人知人と違って自分自身に一生まとわりつくもの。切り離そうとしても絶対に切り離せない。くびきのようなものだ。私自身、正直言って家族が重たいと思うことが度々ある。だからこそ、主人公の女性に共感を覚える。過去の記憶を断ち切ろうとしても中々簡単にはいかない。重たいテーマを扱った著者の文章が心をとらえる。家族の問題を抱えている人には是非とも読んで欲しい一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今、自分的注目の作家ナンバーワンの窪美澄。 今作も基本は家族の何とも解きがたい関係を、うまく描いていた。 もうちょっと掘り下げてもよかった気もするが、これはこれでよかったのかも。 この著者の文章は何か自分の心当たりにサクっと入ってくるから不思議である。 また、今の自分が、もし片親だったら。もし、虐待を受けていたら。 もし、捨てられて両親を知らなかったら。自分というパーソナリティーはどうなっていたのだろうか。 家族から受けるダメージもメリットもすべて、大人の自分に跳ね返ってきてしまうのだろうか。 いろんなことを考えされられる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者のほかの作品に比べると、設定がとても普通です。 ストーリーもこれといった山場があるわけでもありません。 ですから好き嫌いは分かれると思います。でも、私はこの作品にとても救われた気がします。 現代社会において、悩みもがいている人はきっとたくさんいることでしょう。 上手く社会に順応できなくて、周りから責められる日々。 でも誰よりも自分で自分を責めてしまったりして。 「なんで自分はみんなができることが出来ないんだろう。」 「なんで自分はこんな些細なことでつまづいてしまうんだろう。」 今のこの時代、 自信満々で隣の席に座っているあの人だって 本当はそんな思いを抱えているのかもしれないのに。 なんだか自分が社会から取り残されて零れ落ちてしまったような、 出口のない迷宮に迷い込んでしまったような錯覚に陥ってしまっている。 この作品はそんな読者に 「それでもいいんだよ。ほかの誰かがなんて言おうとあなたは間違ってなんかいないよ。」と そう優しく語りかけてくれるかのようでした。 窪美澄というひとは 弱者に やさしい。 「そのまんまのあなたでいいんだよ。」 そう語りかけてくれているようです。 表面上はなんでもないように振る舞い、その実、悩みもがいている私にとって 免罪符のような作品でした。 ・・・と、ここまで書いて・・・ 私もそうとうこの社会に毒されているのかな? だって悩むことは罪ではないはずなのに『免「罪」符』だなんて・・・。 もがいてもがいて 下ばかりみていた私が ふっと顔を上げたとき 優しく微笑みながらそっと手を差し伸べてくれたようなそんな作品でした。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 8件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|