(短編集)
藍を継ぐ海
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 千二百万年前のマグマの噴出から,数年,数十年を行き来するウミガメの大冒険まで, 地球とそこにあり続ける自然,そして『そんな相手』とともに生き続ける人間の営みを, そして,様々な祈りと願いを描いた,歴史的,学術的な見解も交えた全五編の短編集です. ただ,実質のシリーズ三冊目ともなると,こちらが勝手にハードル上げてしまうのか, それぞれの題材や序盤のやり取りで,話のおおよその流れが見えてしまう編があるなど, 興味深いエピソードを,解りやすく伝えてはくれるものの,少し物足りなく感じることも. とはいえ,星の輝きに比べれば一瞬も,今を懸命に生きようとする人たちは印象的で, 何より,埋もれたままだったかもしれない欠片を,記録し,伝えることの大切さが窺え, 彼らのことも,巡り,流れて,またいつか別の誰かに…と,穏やかな読後感を覚えました. | ||||
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伊与原新氏の本はこれまで単行本も文庫も1冊も読んでいない。 しかし、雑誌『波』に連載されていた猿橋勝子博士伝記小説『翠雨の人』(すいうのひと)は終戦前のあたりから読み始め、面白い小説であることがわかったので、その後、毎号読んでいた。 この小説は第23回にアメリカでの海水セシウム濃度分析対決4回勝負で猿橋が最終勝利して大いに盛り上がったのだが、2024年1月号の第24回で、突然に完結終了してしまった。『波』のバックナンバーを探して初めの方も読んだが、紛失した号もあり、全部は読めていない。 単行本が早く出ないか早く出ないかと、『波』に近刊予告が出るのを待っているが、『翠雨の人』の刊行予告はなく、本書の刊行予告が出てしまった。 どうしようかと迷ったが、『翠雨の人』の連載後の復習と、いずれ出るはずの単行本の予習の意味で、予約購入させていただいた。 5篇の短編(中編に近い)が収録されている。長崎原爆関連の「祈りの破片」が週刊新潮に連載されたもので、他の4編が小説新潮に掲載されたものである。 面白いのは、5篇のうちの4篇が単行本化にあたって、改題されていることである。新しい題のほうがインパクトが強いので結構なことと思うが、「狼犬ダイアリー」を旧題の「灰色の血脈」のままにしておけば、5篇の題がいずれも5文字という幾何学的配列(?)になったと思うので、ちょっと残念である。 もう一つ面白いのは単行本の各短編の頁数で、「夢化けの島」が54頁、次が48頁、次が54頁、次が48頁、最後の「藍を継ぐ海」が55頁という分量になっている(計算間違いご容赦)。もしも、「藍を継ぐ海」が1頁早く終わっていれば、54頁→48頁→54頁→48頁→54頁というみごとな幾何学的配列(??)になっていたので、この点もちょっと残念である。 それで、肝心の小説の感想だが、5篇とも人情小説と科学小説が巧みに溶け合っていて、楽しく読めた。 科学小説としてはいずれも対象が壮大で、圧倒されてしまった。 主人公は、女性科学者→女性ウェブデザイナー→男性地方公務員→郵便局員→女子中学生と多彩である。 エンタテイメントとしては、各篇とも謎めいた展開に引き込まれ、途中で止められなくなってしまう。どの短編も、大都会でない場所を舞台に、多くない枚数で、これだけダイナミックでユニークな話が、展開できるのはすごいと思う。 人生小説、成長小説としては、物語の中のできごとが、主人公の成長、学習、課題確認、課題解決、再出発に繋がっていくことにちょっと感動した。 どれも傑作なので、ベスト1など選ばないほうがいいのかもしれないが、習慣的に選んでしまうと、一番気に入った主人公(科研費を取れない大学助教の女性地質学者)の「夢化けの島」がベスト1。 | ||||
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大きめ紙袋にむき出しでポイと入っていたため表紙の角が折れていてがっかり。 内容は購入してよかった本です。 | ||||
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