いっぺんしか願いを叶えない神様を探す少年とその友人の奇跡を描く感動の表題作「いっぺんさん」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」とその後日譚「磯幽霊・それから」、山奥の村で、ほのかに思いを寄せた女の子に起きた出来事「八十八姫」など、じんわり

不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。

母と二人で大切にしてきた幼い妹が、ある日突然、大人びた言動を取り始める。

美しい容姿からは想像もつかないほどガサツな叔母の意外な秘密についての表題作、雨の日だけ他人の心の声が聞こえる少女を描く「雨つぶ通信」、西日暮里の奇妙な中華料理屋を巡る奇譚「カンカン軒怪異譚」など、『花まんま』『かたみ歌』の著者が、昭和の東京下町を舞台に紡ぐ

人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀し

人や物の「記憶」を読み取れる不思議な力をもった姉・鈴音と、お転婆で姉想いの妹・ワッコ。

大正三年、東京。画家を志して家を飛び出した槇島功次郎は、雪の無縁坂で、容姿端麗な青年画家・穂村江雪華と出会う。

昭和48年、小学校3年生の裕樹は県境に建つ虹ヶ本団地に越してきた。

母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。

犯人は、13歳の少年だった。 娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。

研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。

人の世はなんとおぞましく、美しいのだろう―。

『陰の季節』の「黒い線」で、心に深い傷を負った平野瑞穂。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

癌で入院している会社の後輩。

深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れる事だ。

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。

昭和40年代、太陽の歩みが今よりも遅くて、1日が十分に長かったあの頃。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

人生をやり直したかったのだ。ネットカフェ難民相沢仁は、闇の提示板で募った仲間と軽井沢の金持ちの屋敷に押し入った。

時代も場所もバラバラな世界を「箱庭」に見立てて、短編の妙手である直木賞作家が紡いだ、笑いあり、涙ありの少し不思議な連作小説集。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

誰もが抱える水銀虫。彼らは人の心に寄生し、自殺へと導くのだ。

「何もかもが面倒くさかった。生

「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

オゾンホールの拡大を食い止めるために、女性科学者テレサが開発した化学物質ウェアジゾン。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

物語はいつまでも終わらない―直木賞作家が綴る、切なくて心温まる連作短篇集。

中途半端にリアルなウサギのぬいぐるみラビラビは、 大事な香苗ちゃんを地球に残して宇宙へと旅立っていた。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

世界には物語があふれている―直木賞作家が贈る、ちょっと不思議で懐かしい連作短篇集

仲良し4人組で作った秘密基地。誰も知らないその場所に、少年たちは毎日のように入り浸っていた。

故郷に住む高校時代の同級生・聡美から「あなたの幽霊を見た」と告げられた“ニーチェ女史”こと雑誌編集者・日枝真樹子。

人の心は、 鬼よりも不可思議で恐ろしい 恐怖、哀切、妖艶、感嘆―― 鬼にまつわる説話を大胆に脚色した、奇想と怪異の短編集。

歴史的大惨事となった脱線衝突事故から10年。このところ不可解な事件が相次いでいた。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

市原玲人が光恵から託された写真に写っていたのは、顔が犬のような「狼人間」だった。忽然と姿を消した光恵。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。