銀河に口笛
- UFO (14)
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朱川湊人氏お得意、昭和ノスタルジーいっぱいの連作集です。今、40代になった主人公が子供時代を振り返る趣向になっていて、その時、友達数人と組んでいたウルトラマリン隊の思い出、ちょっとした事件をみんなで解決したこと、中学時代からぐれて亡くなってしまった友人への思い、そして何よりも不思議な転校生のリンダこと林田君との思い出、彼は本当は宇宙からやってきたのでは?と、今でも主人公は信じています。 時代は1970年代前半(昭和40年代)、この頃男の子だった方たちにはとてもなつかしいと思います。時代の世相、当時流行っていたテレビドラマや、男の子の宝物と言えるおもちゃや文房具なども登場します。 昔の少年少女向けNHKのSFドラマのような趣もありますね。「時を駆ける少女」や「謎の転校生」のような。ただ、あれほど緊迫感のある雰囲気ではありません。 女の子を主人公にした「わくらば日記」も同様ですが、ほのぼのすぎてちょっと物足りないというか・・もう少し大きな事件や怪奇な出来事が起きた方がより盛り上がったような気がします。さらっとあっさり通り過ぎるように読んでしまいました。 眠る前の1篇にいいと思います。心休まるお話です。 | ||||
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朱川さんお得意の昭和40年代の下町の話。 そして今回も「不思議」がある。 それは不思議な力を持つ少年、リンダとの出会い。 リンダの力は『ウルトラマリン隊』の仲間うち でもモッチしか知らない。 小学4年生の冒険と成長の物語である。 登場人物のキャラクターがいい。それぞれとても 個性的で生き生きとしている。 朱川さんの筆致力は圧倒的で、その場に行ったことが ある気にさせてくれるし、自分が小学生に戻った気にも させてくれる。 それくらいに細かいところまで緻密なのだ。 モッチの回顧録、またはリンダへの手紙の体裁をとっている。 はじめから分かっていたが、別れがくるのはとても切ない。 このままずっと続けばと思うくらい、それはバカらしくも きらきらした時代だった。 文庫版追記は涙なくしては読めない。 読後感は切なくも清々しい。 | ||||
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僕(モッチ)は、少年時代、キミ(リンダ)をはじめとする「ウルトラマリン隊」の仲間との楽しく懐かしい日々があった。 突然やってきて、いつの間にか去っていった不思議なキミ。 子どもの頃には不思議な、やりきれない思いに駆られたことも、大人になった今、改めて振り返ってみると、それなりに分かる気がする。 しかし、リンダ(キミ)の正体だけは依然として謎だ。 重松清と風の又三郎をミックスしたような世界観のする作品だ。 子ども時代を懐かしく思い返すには良いだろう。 大人の思い、子どもの心の描写がやや物足りないのが惜しい。 | ||||
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あの頃のことを思い出すと、不思議な気分になるよ。何だかキミと一緒に路地を走り回っていた時間が、そのまま今の暮らしに繋がっているような気がしない。うまく言えないけど、どこかで一足飛びにジャンプしてしまったような感じがして仕方がないんだ。僕とキミが、あの時間を共有していたことを忘れずにいるためにーキミが確かに、この世界にいたことを覚えておくために。 すべての音が止まったような一瞬、視野の中心に奇妙な光が走った。「でも、ホントなんだよ。今の光みたいなヤツ、途中で曲がって区役所の裏に落ちたんだって」「そのウソ、ホント?」キミがいたのは、小さな家の間に、いささか唐突な感じに作られた小さな公園だった。その突き当たりに或るブランコに、キミはぽつんと一人で腰を降ろしていたんだ。「おい、みんな」「ちょっと、あの子に聞いてみようぜ」 九月一日の始業式の日、キミは担任の青山先生に連れられて僕ら三年二組の教室に入ってきた。その顔を見た時、僕もニシもムー坊もエムイチも、ほとんど同時に声をあげていた。キミも僕らの顔を見ると、小さくVサインをだしたね。「今日から、このクラスの仲間になる林田智樹くんです」「ハヤシダくんって、ちょっと長くて呼びにくいな」「それなら俺にも、みんなみたいにアダ名をつけてくれよ。どんなのでもいいからさ」「すぐには思いつかないからさ、とりあえず林田を呼びやすくして、リンダにしようよ」 リンダ・・・もしかしたらキミもどこかで、あの日の空を思い起こしたりしているのだろうか。そして僕らと過ごした少年時代を、懐かしく思い出してくれているのだろうか。僕らのしらない銀河を見上げながらー遠い遠い、どこかで。 回想録で進む物語。「ウルトラマリン隊」を結成して、みんなが持ち込んでくる不思議な事件の謎に挑んでいた。印象深かったのは最後の方で、ムー坊が17歳で交通事故で死んだり、同級生の女の子が知らないおじさんにもらわれて娼婦みたい(中学生)になっていたり、オカマ(性同一性障害)が出てきたり「ウルトラマリン隊・・・本当に楽しかったわね。私、モッチやリンダには感謝しているのよ。もちろんムー坊とエムイチ、ニシにもね」スーパーどんぐりを指先で弄びながら、ミハルは言った。「じっと顔を見てたらね、ムー坊が言ってくれたような気がしたの・・・『おい、ミハル、人間なんて、こんな風に死んじまう生き物なんだぞ。死んじまったら、もう何もできないんだ。だからお前も人の目なんか気にしてないで、自分の生きたいように生きろよ』って」「だから自分も好きなように生きようって思って・・・いろいろ大変だったけどね。でもメゲそうな時は、これをギュッと握って、あの歌を歌って元気をだしたのよ」「あの歌って・・・もしかしたら『銀色の道』?」「当然よ。ウルトラマリン隊隊歌って決めたじゃない」 | ||||
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40代も半分以上過ぎたオジサンになってしまった今でも、あの頃のことを思い出すと不思議な気分になる。そう、キミと初めて出会った小学三年生の夏の日。仲良しグループ「ウルトラマリン隊」のメンバー、エムイチ、ニシ、ムー坊そして僕モッチが市営プールで゙遊び過ぎクタクタになった身体を重い足取りで家へと向かっていた時。回り道になるけど決められたとおり歩道橋の階段をボヤキながら登り・・・、其の時僕達は見た。まだ十分に明るい5時頃、流星のような眩しい光がパッパッパッと3回フラッシュのような大きな光を放って消えた。僕らは落ちたと思しき場所へ疲れを忘れ急いでみるとそこにキミが居た。そしてキミの指差した先に再び流星が現れた。僕らはすっかり興奮し初めて会ったキミと友達になったんだ。キミとハルミを加え「ウルトラマリン隊」は人助けの為探偵活動もする事にした。いくつかの事件を解決していった僕達だったけどどの事件もキミの不思議な力が働いているようで僕らはキミが宇宙人じゃないかと密かに思っていたんだ。そして小学4年生の冬、急に引越しの決まったキミのお別れ会で「スーパーどんぐり」のペンダントを僕達一人一人の首にかけてくれたキミはあまりに忽然と消えてしまった。今でも思う、キミは何処から来て何処へ行ったんだろうと。 | ||||
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