鬼棲むところ
- 怪異 (278)
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「知らぬ火文庫」の第二弾になるのか。今回の八編はすべて鬼の話だ。 と言っても妖怪・怪物としての鬼は登場しない。本作の鬼はすべて人間である。生まれた場所や運命に翻弄された人が生きながら鬼となるのだ。第一話や第三話は、低い身分で鬱屈した日々を送る男の心情が痛々しい。第六話、男社会で生きる女たちは鬼にならざるをえない。第四話が秀逸だ。橋の上で遭遇する鬼には切ない背景があった。 第七話と第八話は内容がつながっている。まつろわぬ民、集団に居場所のない者が鬼と呼ばれる。その解釈は正しいし共感できるが、茨木の掘り下げが今一つ足りない。彼女の性癖に何の説明もないのは不満が残る。 『狐と鞭』に比べるとバラエティに乏しいが、読み応えのある佳作が揃っている。 | ||||
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主に今昔物語の鬼に纏わる物語を、朱川湊人氏風にアレンジした短編集全8話。オリジナルを知っていたほうが、それとの対比でより楽しめそうですが、本作だけ読んでも問題は無さそうです。 各話鬼が絡みますが、空想めいた物語という訳でなく、どちらかというと生々しい人間の本性や悲哀のようなものが描かれています。六話目あたりまではどの話も少し捻りが利いていて、しっかりとしたオチのある作品でしたが、七話目からは少し趣が変わってくる気がしました。 | ||||
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『今昔物語』などから鬼に関する話を朱川流で料理した8篇を収録。 姫君と駆け落ちして「鬼」となる男、母や弟を捨てた男と家族の「鬼の一家」の物語、鬼が出るという橋で子種を求めて待つ女と男の数奇な運命など、鬼が「いる」のではなく、人が「鬼になる」話であり、鬼の説話を人間の物語として描いている。いわば、昔の「都市伝説」としての鬼を描いている。 『知らぬ火文庫』の前作の『狐と韃』がいろいろな怪異談を集めていたのに対し、本作は鬼というテーマの作品だけなので、作者の主張がハッキリ出ている。また、第1作と第8作がつながっていて、全体としての構成も面白い。他者との接触を絶った時、なにかに憑かれた時、絶望した時、人は鬼となり、そしてそれが伝説となる。 現代の都市伝説を描いた「フクロウ男」でデビューした朱川さんだけど、本書は古代の都市伝説の物語ですね。 | ||||
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