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銀河に口笛
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銀河に口笛の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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朱川湊人氏お得意、昭和ノスタルジーいっぱいの連作集です。今、40代になった主人公が子供時代を振り返る趣向になっていて、その時、友達数人と組んでいたウルトラマリン隊の思い出、ちょっとした事件をみんなで解決したこと、中学時代からぐれて亡くなってしまった友人への思い、そして何よりも不思議な転校生のリンダこと林田君との思い出、彼は本当は宇宙からやってきたのでは?と、今でも主人公は信じています。 時代は1970年代前半(昭和40年代)、この頃男の子だった方たちにはとてもなつかしいと思います。時代の世相、当時流行っていたテレビドラマや、男の子の宝物と言えるおもちゃや文房具なども登場します。 昔の少年少女向けNHKのSFドラマのような趣もありますね。「時を駆ける少女」や「謎の転校生」のような。ただ、あれほど緊迫感のある雰囲気ではありません。 女の子を主人公にした「わくらば日記」も同様ですが、ほのぼのすぎてちょっと物足りないというか・・もう少し大きな事件や怪奇な出来事が起きた方がより盛り上がったような気がします。さらっとあっさり通り過ぎるように読んでしまいました。 眠る前の1篇にいいと思います。心休まるお話です。 | ||||
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朱川さんお得意の昭和40年代の下町の話。 そして今回も「不思議」がある。 それは不思議な力を持つ少年、リンダとの出会い。 リンダの力は『ウルトラマリン隊』の仲間うち でもモッチしか知らない。 小学4年生の冒険と成長の物語である。 登場人物のキャラクターがいい。それぞれとても 個性的で生き生きとしている。 朱川さんの筆致力は圧倒的で、その場に行ったことが ある気にさせてくれるし、自分が小学生に戻った気にも させてくれる。 それくらいに細かいところまで緻密なのだ。 モッチの回顧録、またはリンダへの手紙の体裁をとっている。 はじめから分かっていたが、別れがくるのはとても切ない。 このままずっと続けばと思うくらい、それはバカらしくも きらきらした時代だった。 文庫版追記は涙なくしては読めない。 読後感は切なくも清々しい。 | ||||
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僕(モッチ)は、少年時代、キミ(リンダ)をはじめとする「ウルトラマリン隊」の仲間との楽しく懐かしい日々があった。 突然やってきて、いつの間にか去っていった不思議なキミ。 子どもの頃には不思議な、やりきれない思いに駆られたことも、大人になった今、改めて振り返ってみると、それなりに分かる気がする。 しかし、リンダ(キミ)の正体だけは依然として謎だ。 重松清と風の又三郎をミックスしたような世界観のする作品だ。 子ども時代を懐かしく思い返すには良いだろう。 大人の思い、子どもの心の描写がやや物足りないのが惜しい。 | ||||
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あの頃のことを思い出すと、不思議な気分になるよ。何だかキミと一緒に路地を走り回っていた時間が、そのまま今の暮らしに繋がっているような気がしない。うまく言えないけど、どこかで一足飛びにジャンプしてしまったような感じがして仕方がないんだ。僕とキミが、あの時間を共有していたことを忘れずにいるためにーキミが確かに、この世界にいたことを覚えておくために。 すべての音が止まったような一瞬、視野の中心に奇妙な光が走った。「でも、ホントなんだよ。今の光みたいなヤツ、途中で曲がって区役所の裏に落ちたんだって」「そのウソ、ホント?」キミがいたのは、小さな家の間に、いささか唐突な感じに作られた小さな公園だった。その突き当たりに或るブランコに、キミはぽつんと一人で腰を降ろしていたんだ。「おい、みんな」「ちょっと、あの子に聞いてみようぜ」 九月一日の始業式の日、キミは担任の青山先生に連れられて僕ら三年二組の教室に入ってきた。その顔を見た時、僕もニシもムー坊もエムイチも、ほとんど同時に声をあげていた。キミも僕らの顔を見ると、小さくVサインをだしたね。「今日から、このクラスの仲間になる林田智樹くんです」「ハヤシダくんって、ちょっと長くて呼びにくいな」「それなら俺にも、みんなみたいにアダ名をつけてくれよ。どんなのでもいいからさ」「すぐには思いつかないからさ、とりあえず林田を呼びやすくして、リンダにしようよ」 リンダ・・・もしかしたらキミもどこかで、あの日の空を思い起こしたりしているのだろうか。そして僕らと過ごした少年時代を、懐かしく思い出してくれているのだろうか。僕らのしらない銀河を見上げながらー遠い遠い、どこかで。 回想録で進む物語。「ウルトラマリン隊」を結成して、みんなが持ち込んでくる不思議な事件の謎に挑んでいた。印象深かったのは最後の方で、ムー坊が17歳で交通事故で死んだり、同級生の女の子が知らないおじさんにもらわれて娼婦みたい(中学生)になっていたり、オカマ(性同一性障害)が出てきたり「ウルトラマリン隊・・・本当に楽しかったわね。私、モッチやリンダには感謝しているのよ。もちろんムー坊とエムイチ、ニシにもね」スーパーどんぐりを指先で弄びながら、ミハルは言った。「じっと顔を見てたらね、ムー坊が言ってくれたような気がしたの・・・『おい、ミハル、人間なんて、こんな風に死んじまう生き物なんだぞ。死んじまったら、もう何もできないんだ。だからお前も人の目なんか気にしてないで、自分の生きたいように生きろよ』って」「だから自分も好きなように生きようって思って・・・いろいろ大変だったけどね。でもメゲそうな時は、これをギュッと握って、あの歌を歌って元気をだしたのよ」「あの歌って・・・もしかしたら『銀色の道』?」「当然よ。ウルトラマリン隊隊歌って決めたじゃない」 | ||||
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40代も半分以上過ぎたオジサンになってしまった今でも、あの頃のことを思い出すと不思議な気分になる。そう、キミと初めて出会った小学三年生の夏の日。仲良しグループ「ウルトラマリン隊」のメンバー、エムイチ、ニシ、ムー坊そして僕モッチが市営プールで゙遊び過ぎクタクタになった身体を重い足取りで家へと向かっていた時。回り道になるけど決められたとおり歩道橋の階段をボヤキながら登り・・・、其の時僕達は見た。まだ十分に明るい5時頃、流星のような眩しい光がパッパッパッと3回フラッシュのような大きな光を放って消えた。僕らは落ちたと思しき場所へ疲れを忘れ急いでみるとそこにキミが居た。そしてキミの指差した先に再び流星が現れた。僕らはすっかり興奮し初めて会ったキミと友達になったんだ。キミとハルミを加え「ウルトラマリン隊」は人助けの為探偵活動もする事にした。いくつかの事件を解決していった僕達だったけどどの事件もキミの不思議な力が働いているようで僕らはキミが宇宙人じゃないかと密かに思っていたんだ。そして小学4年生の冬、急に引越しの決まったキミのお別れ会で「スーパーどんぐり」のペンダントを僕達一人一人の首にかけてくれたキミはあまりに忽然と消えてしまった。今でも思う、キミは何処から来て何処へ行ったんだろうと。 | ||||
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昭和の只中40年代、一人のふしぎな少年が現れ、僕たち「ウルトラマリン隊」に合流する。 みんなが困っている問題を解決するべく活動する彼らに、ふしぎな力で手助けする少年「リンダ」。あれから30年、当時を回想する形で綴られる物語。 朱川氏独特のノスタルジックホラーぽい小説ではあるのですが、今回は昭和の懐かしさも描きたい!ふしぎな世界も描きたい!という作者の思いがどっちつかずの体をなし、なんだかぱっとしません。 「リンダ」のふしぎな力は、いったいどこからくるのか、探し物を見つけたり、人を地面に吸い付けたり、あげくの果てにはおばあさんの台詞をもってして「天使さま」にしたり、ナンセンスすぎます。なので、本来なら泣けるような話(小松さんのおじさんにもらわれてしまう話とか、)も感情が上滑りしてしまい、もったいないような気がします。 | ||||
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今回はホラーちっくな要素は無く、ノスタルジックSFと言えば良いのか…“少年冒険活劇”になっている(^w^) これは昭和の時代を子供として駆け抜けてきた今の大人…中年以上の人達が読むと間違いなく胸が熱くなります。 私の子供時代には当然、小説に出てくるリンダみたいな少年は居なかったけど 読み進めていくうちに、子供の頃にしか吸えなかったあの時代の空気がじんわりと胸の中に広がって… ラストは気づけば頬に涙が流れていました。 ズバリ!私は好きです♪この小説。 30代後半〜40代後半の方、どうです? あなたも読んでみませんか? 子供時代の“空気感”…あの頃の“時代の匂い”がよみがえりますよ | ||||
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小学校の3年生の2学期に転校してきた林田ことリンダ。望月ことモッチは不思議な力を持つ彼と他の仲間たちと一緒に探偵団を結成する。そんな小学生時代の仲間たちと過ごした楽しくてちょっと切ない日々を回想する物語。きれいにまとまっていて読みやすかったのだが、特別な展開もなく物足りなかった。もう少しあっと驚くような場面が欲しかった。 | ||||
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朱川作品の定番である昭和の郷愁と切なさを存分に感じ られる作品です。 時代背景は、東京の下町を舞台とした昭和40年代の 物語で、私が小学生だった時代とも重なるので、「あん なこともあった、こんなこともあった」と思いつつ、 抵抗なく読めました。 あの頃の時代に生きていた人は、毎日生きていくことに 懸命でしたが、この物語の登場人物も例外ではなく、心 に一つや二つの傷を抱えながら生きています。こんな時 代に生きる人の微妙な心情を鮮やかに再現しています。 ただ、私はいつも思うのですが、朱川さんの本は大好き なのですが、読み終えた後いつも一抹の寂しさ感じてし まいます。とても切ない物語です。 | ||||
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