15歳のとき、ある組織から「先導者」として認可された“わたし”。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

東京都の果ての美しい島。少女、椰々子は、死者を通し預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

ゴミ屋敷にはなんでもあるんだよ。ゴミ屋敷なめんな―特殊清掃員の俺は、ある一軒家の清掃をすることに、期間は2日。

怪しい健康食品会社に勤める真城は霊が視えてしまう特殊体質。気味の悪い霊の出現と毎日の仕事にウンザリしていた。

奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

まさかこんなことになるとは思わなかった―。

終末の日を迎えるとき、私たちは何を思う―。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

15歳の「私」の主人は、数百年に1度といわれる呪詛の才を持つ、驕慢な美少女。「お前が私の玩具になれ。

第8回日本ホラー小説大賞受賞作、待望の文庫化！ 南の島に移り住んだ家族の周囲で起こる不思議な出来事。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

ホラー界に新ヒロイン誕生!ホラー小説大賞初の〈大賞&読者賞〉W受賞作。 毎晩夢に現れ、少しずつ近づいてくる巨大な虫。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。

全てに無気力な私が拾った小さな蟹。何でも食べるそれは、頭が良く、人語も解する。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

元寇の時代、すべてを操る美しき巫女がいた。傑作ダークファンタジー。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

江戸時代のこと――。

東京郊外で両親と暮らす朋子は、三十歳過ぎの兄が何年も二階の自室にひきこもっていることに悩んでいた。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

その物語は、人を殺す――。

1958年の夏。

恐怖、また来る。デビュー作(日本ホラー小説大賞『ぼぎわんが、来る』)、戦慄の舞台裏。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

犯罪という名の、人生の好機　　　　　　　大金入りのバッグの忘れ物を預かった男。暴力団への借金に苦しむ刑事。

“ロマンスカーの展望車から三度、外の風景を撮ってください―”原戸登は大学の同窓生・嶋田里美から奇妙なビデオ撮影を依頼された。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

仕事で移動中の“俺”は、大判の関東地域地図帖を脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇する。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

五千年の死の呪いが日本上陸!最後の日本ホラー小説大賞<大賞>受賞作! 将来を嘱望された古代エジプト研究者の男が、教授を撲殺し、大学屋上から投身自殺した。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

飼い主一家に虐げられ、辛い日々を過ごす白犬のヒメは、流星群の夜、庭に落ちた不思議な石を見つける。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

その女を、入れてはいけない。入れれば最後、家はたちまち食い尽くされる。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。

霊の見える新人ホラー作家の熊野惣介は、怪奇小説雑誌『奇奇奇譚』の編集者・善知鳥とともに、新作のネタを探していた。

北関東の平穏な町で、事件は起こった。 葬儀場で死者が甦り、他の遺体を貪り食ったのだ。

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を一緒に治そうとしていた。

土地を支えていたのはミイラ化した人柱だった。

ある山間の寒村に伝わる風習。この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。

画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。