どことなく貧相に見える牛に乗り、弟子の若者を連れて諸国を旅する小柄な老人。

「いなくなってくれればいいのに」。兄の結婚、赤ん坊の誕生に戸惑う加々見舞子は思った。

現実にあった、『冷血』を上回る残虐な連続殺人事件と刑事の絶望的な戦いを描く中篇「手彫りの柩」。

広瀬隆二は、有名代議士から自叙伝執筆の依頼を受け、15年前に失踪した代議士の娘・香奈の行方を追う。

世界最悪の犯罪地帯、日本領サハリン。

女薬剤師ヘラはハイデルベルクの産婦人科病院に入院中。病院の夜は長く、退屈だ。

ジェーンは未亡人になってから一年以上も、義弟夫妻によって使用人のように家に縛り付けられて生きてきた。

掏摸や詐欺師を追うなんて俺の仕事じゃないと思ってきた。

メレディスは困惑していた。

アラフラ海に浮かぶリゾート・アイランド、パウイ。

美しすぎる謎と鮮やかすぎる解決が出会う！「本格とは何か」不断の問いかけがここに結実。

禁書必至の貸本/長い“死に際の伝言”/猫探偵が目をつけた男/いつも来る白い貴婦人/あべこべの密室と消失した作家/透明人間の足跡/「オリエント急行」に消えた女性。

ローマへやって来た小説家は、ある料理店にかけあい、店を舞台に新作を書くかわりに、ただで食事をさせてもらう話をつけた。

駿河湾に浮かぶ小島のホテルで、個性的な選考委員たちと候補者を招いて『ミステリー大賞』の最終選考会が開催された。

この話は、私の身に起こった出来事です。高校二年生になった私は、黒羽比那子さんと同じクラスになりました。

九七年六月、インド・カシミール地方で激烈な謎の熱病が発生した。

依頼客にアリバイを作る「鈴木アリバイ事務所」に勤務する“俺"こと右藤旺太郎は、事務所の顧客であった佐々木勇を殺した疑いをかけられる。

新米弁護士の木村龍一は初めて病院の医療看護訴訟を担当することになった。

一年前、誰かが私の人生に魔法をかけた。鳥山敏治。

「水島のじいちゃん」の名代で、西遠寺家の人々とともにかのこの許嫁の家の別荘へ向かうことになった修矢。

偶然の事故か、それとも確率の犯罪か?―大学内で連続する奇妙な死。記憶を塗り替えられた蘇生屍、あるいは土人形。

人生に絶望し、集団自殺をしようと集まった男5人の前に現れた謎の女・ハナ。「まだ間に合うから。

蛟堂―大金と引き換えに、依頼人の恨みを晴らす「報復屋」。

湾岸戦争でいわくつきの極秘任務に携わったメイス中佐が、米軍初の女性戦闘機パイロットであるファーネス少佐のいる予備役部隊に赴任してきた。

最新の科学技術を結集したアメリカの軍事宇宙ステーション〈シルヴァー・タワー〉。

ハイテク爆撃機オールド・ドッグの特別任務で数年前に死んだと思われていた航法士ルーガー。

当地で演劇祭が開催される運びになった。

NYの書店員ジョーは、店頭で見初めた女子学生・ベックのクレジットカードから、フルネームを知る。

クリスマス休暇を得たマドックは、コンドリック一族のクリスマス・パーティに参加することになった。

夜が明けても伯母は帰らなかった。今泉酒造の奔放な家付き娘ながら、無断外泊は一切したことのないあの伯母が。

日本軍の侵略に揺れる満州。戦災で孤児となった少女・柴火の人生は、街に立ち寄った馬賊の荷物を盗んだことで一転する。

アメリカ上院議員ドルー・ランガンは、フィリピンでアルカイダのテロ計画があるという機密情報を手渡される。

大学生の花沢多摩子は書道が恋人の変わり者。祖母の部屋で古びた簪を見つけたその夜、春風と名乗る花魁の幽霊が現れる。

小学校教師の坂本一朗は子供の世界に関わらないことをモットーに、いじめを放置し、生徒への不干渉を貫いて、偽りの平和を享受しいた。

1914年、内戦の続くメキシコに、一人の日本人外務省職員が、ある“密命”をおびて潜入、六カ月に及ぶ滞在中、革命軍の指導者パンチョ・ビリャと渡りあい、八面六臂の大活躍をみせた―。

アレックスの担当する、不動産会社の共同経営者の裁判が始まった。容疑は妻殺し。

アレックスは、死体の発見現場にいた。

書き下ろし長篇医療ミステリー。

隣国のセビーヤに侵略され、混迷を深める帝国・ケチュア。

スイス・ジュネーブ。

他人の、そして自分の心の不可解さに戸惑い、謎めいた事件にまき込まれて行く…。

豊かな人間本性の存在を認めることは、現実問題にも新しい視野をひらく。暴力的な感情は進化のなかで用意されてきたもの。

その地を二度目に訪れた者は「紫の悪魔」に命を奪われる。一滴の血も流すことなく…。

京都・苔寺の黄金池で、年配カップルの死体が発見される。

ナンシーと親友ふたりがお祭りで出会った母子。父親が行方不明で生活も苦しいらしい。

共同で「有楽法律事務所」を開設している弁護士の花吹省吾と虻川照夫。

ファシスト政治が確立したイギリスで、ひそかに進行する巨大な陰謀。歴史の流れに翻弄されていく人々の運命は──。

許せない!大切なクライアントとの約束をすっぽかすなんて。広告会社副社長のジェシカ・マンは怒り狂っていた。

患者が持つ特別な細胞を製薬会社へ売り、莫大な利益を得た大学病院。当の患者は、大学と製薬会社を相手取って訴訟を起こす。

平均海抜1メートルの島嶼国家ヴァヌーツは、水位の上昇によって居住地が失われることを恐れ、地球温暖化の元凶として、最大の二酸化炭素排出国アメリカを提訴すると発表した。

失業中のコンピュータ・プログラマーのジャックは、ナノテク開発に携わるハイテク企業ザイモス社に勤める妻の異変に気づいた。

ロサンジェルスの大学病院に一人の男が収容された。彼の名はベンスン。

南の島へ行くといって家族や知人のもとから姿を消して一年後、カタルーニア屈指の事業家が無惨な刺殺体となって発見された。

スカーペッタとCOOKING！ 「ケイ・スカーペッタのポリシーは、最高のものしか使わないこと―― 捜査の成否は、よい証拠が決め手。

全米女子テニス界のスタープレイヤーが休暇先のローマで惨殺された。

「連続殺人犯はぼくなんだ」 心を病んだ青年から精神科医への告白――それは真実か妄想か。

風薫る初夏のパリ。今ここで核軍縮を目ざす東西五大国サミットが開かれようとしていた。

昭和20年3月、神戸。秘密裏に営まれる娼館に幽閉されている娼婦ナオミ。

今世紀初頭のシカゴ。全米一優雅で華やかな娼館として知られる〈エヴァーリー・クラブ〉に市当局から閉鎖命令が。

ある日曜日、六人が殺された。

健気でチャーミング、でもちょっと傷つきやすいチューリングは女の子型人工知能。

わたしは母と親友と弟、三つの結婚式の花嫁付添人を頼まれ、式の準備に追われていた。

一九二〇年創刊の「新青年」は、江戸川乱歩をはじめ数多くの作家を輩出した名雑誌であり、初代編集長の森下雨村は日本の探偵小説の生みの親と称される。

新人賞の〆切が迫っていた。

「飯田さん―いらっしゃいませんか?警察のものなんですけど」相手が『飯田さん』と呼びかけたことに、志穂はぎくりとした。

菅見は、同級生だった千夏からの親しげな留守電メッセージを交際中の実咲に聞かれた。

新宿歌舞伎町で酔いつぶれた「おっぺ」こと小川兵介は、見馴れぬ場所で目を覚ました。

〈都知事に告ぐ。東京都を誘拐した。

「このなぞなぞを解いてほしいんです」依頼者がそう言って差し出した手紙には、意味不明の言葉や数字が並んでいた。

女私立探偵・南丈美鳩登場!!映画が終わっても「呪い」は続く。関係者が次々と事故死した呪われたホラー映画。

スルタンが病床に臥し、オスマントルコの帝都には不安が渦巻いていた。

清水ミヤと熊谷万里子の迷コンビが繰り広げる、笑いとペーソスと、美食と不可能犯罪の饗宴。

石渡宗介、４５歳。妻・由美子と小学生の一人娘・佳奈と三人暮らし。

カナダの森林地帯で鹿狩りのガイドをつとめる青年ノヴェンバー・ジョー。

「ねえ、一緒にロサンジェルスに行こっ!」イトコの春菜に言われて、隼太は凍りついた。またまたやっかいごとが…。

タイムズ・スクェアにハワイ州誕生の報が流れる頃、私立探偵ハリー・エンジェルはシフレなる男の依頼を受けた。

武蔵野台地の一画で、多摩川を見下ろす城跡に私たちの高校はある。

これ以上、厄介事を増やすつもりはなかった。

“金輪際口をききたいとも思わなかった”相棒ケルプがまたしてもドートマンダーに“計画”を持ち込んだ。今回はずばり、誘拐。

「十津川警部に告ぐ。五日以内に十億円を支払え。

女優が殺害された時、夫は渦潮撮影のため四国へ──。

「病院勤務は悪夢だ」挨拶がわりに僕らはこう言う。研修医の地獄のシフトじゃ睡眠時間は当然不足、疲労は無限。

持病の喘息に苦しみながらも、小説を書くことを愛し、華やかな作風と激しい気性から「ミステリー界の女王」と呼ばれた一人の女流作家。

海と森、東北の美しい自然に抱かれる、五能線。

プレシャス・ラモツエ―ボツワナでただひとりの女探偵。34歳、かなり太め。

53歳離れた養父ソアと駆け落ちしたクレスラは有名人の母から夫を奪った娘として自叙伝を依頼される。

イザベルはエディンバラに住む“応用倫理学ジャーナル”誌の編集長。

「B型になるくらいなら、死んだほうがマシよ!」。

リンカーンズ・イン法曹学院の弁護士カントリップは、あきれてものも言えなかった。