ミステリークラブ
- バラバラ殺人 (74)
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霞流一作品としては比較的初期、1998年の刊行だが、その後文庫化もされず、忘れ去られている作品である。 古書として安かったので買ったのだが、全体の3分の2くらいまでは、読み続けるのが苦痛になるほど、つまらなかった。 連続殺人事件の関係者は、いずれも昭和レトログッズ蒐集のマニアという設定なのだが、作者本人はヲタク文化には造詣がないらしく、付け焼刃の知識で登場人物を造形しているので、読んでいて白ける。 たとえば、そのマニアの1人は、こんな間違った事を平気で言う。 「『涙は心の汗さ』・・・ドラマ『ゆうひが丘の総理大臣』ですよ」 もちろん、正しくは 「『涙は心の汗だ』・・・ドラマ『われら青春!』ですよ」 である。また別のマニアは、仮面ライダーシリーズに登場するカニをモチーフにした改造人間を列挙する際に、何と次のように言う。 「最初はカニバブラーでしょ、それから、ええっと、ザリガーナ、カニ獣人(以下略)」 おいおい。シオマネキングもガニコウモルも飛ばして、カニレーザーとザリガーナを間違えるのか? マニアが? その後の、都市伝説に関する考察や連続殺人鬼に関する考察も、すべて参考文献から丸写しにしたようなレベルの低さ。 今なら、参考文献など一冊も読まなくても、Wikipediaを見れば書けるような内容である。 都市伝説の伝播の一例として「口裂け女」が取り上げられているのだが、一方で1970年日本万国博のマニアなどを登場させているのだから、「口裂け女」では、時代が合わない。 本当に都市伝説を考察している人物の口から語らせる言葉なら、「口裂け女」よりも「カシマさん」の方がより古く、たとえば1972年に刊行された村松定孝著『わたしは幽霊を見た』にも、すでに「おばけ『カシマ』」として紹介されていることくらいは、作者が調べて書く必要があっただろう。 このように、登場する「マニア」たちの語る内容が、素人目にもレベルが低いため、これらの人物たちはマニアでも何でもなく、実はマニアのふりをしているだけだった、発言はすべて伏線だった、という展開を信じて、我慢して読み続けたが・・・。 そうは、ならなかった。 登場人物の奇矯な言動の中に伏線が埋もれていて、それを探偵が解き明かすタイプの小説だったのである。 謎解き部分はそれなりに面白いのだが、その推理を成立させるための、マニアの造形や都市伝説の考察が全くなっていないため、正直、「つまんないディティールを省けば、半分の分量で書けるよなぁ」と思わざるをえない。 トリックを活かすためには全面的な改訂が必要だからこそ、文庫版も出ていないんだろうなぁ、と思わせる出来だ。 よほどバカミスに興味のある方でない限り、この作品のことは忘れていて構わないだろう。 | ||||
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