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虐殺器官



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虐殺器官の評価: 4.03/5点 レビュー 369件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全369件 61~80 4/19ページ
No.309:
(3pt)

まさに映画的

展開が映画である、ハリウッド系だろうか 最終盤は捻ってきてシリアスに進んでいくが全体的には映画を見ているような気分で読んだ これが良いのか悪いのか、自分は悪い方に作用した 本は本として読みたい 話の出来や設定は面白いし、一気に読めるだけの魅力もある アニメ好きには向いてるかな、本好きには向いてない 社会人になる前に読んでほしい
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.308:
(3pt)

過大評価

世界観や設定は面白いですね。
筆力が高いので色々な専門用語が出てきますがスラスラと読めます。
ですがストーリーと登場人物がダメ。
ストーリーはおんなじことの繰り返しで飽きてきます。
戦闘シーンも別に盛り上がらないし。
登場人物は掘り下げ不足で薄っぺらいキャラばかり。
特に主人公が酷い。
こんなウジウジして女の事しか考えてない奴が特殊部隊のメンバーって……。
そして最大の問題点は虐殺の文法とは一体何だったのかって部分。
作者も思い浮かばなかったのかな。
絶賛されてるほど面白くありませんでした。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.307:
(5pt)

若くして亡くなってしまったことが残念でなりません。

暇に任せて冒頭数ページだけ読むつもりが、気付いたら全て読破していました。多くは語りません。というのも、私にこの偉大な作家の作品についてあれこれ評する資格は無いからです。ただ、是非読んでみてください。賞賛は死者に、嘲笑は生者に。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.306:
(4pt)

結末には賛否両論?

オチが気に入らない。途中のSense of wonder がいい感じだっただけに残念。
「どう気に入らないか?」書きたいけど、ここでは我慢。
とは言えハードSFに浸りたい人には大おすすめ。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
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No.305:
(4pt)

三部作の中で最も好み

三部作の中では最も好み。
言葉がもたらす洗脳をテーマに戦争・テロリズムに切り込んだSF小説。かなりストイックかつハードボイルドな趣。登場人物の掛け合いは映画みたいにオシャレだし、シェパード大尉と同僚の軽口など楽しめたが、全編ほぼシリアス。
作中ギクリとする言葉が何個もあり考えさせられた。
人は基本見ないものしか見ないし自分の半径50メートルが平和ならそれでいい。
よその国で今起きてる虐殺より、自分を取り巻く日常を守る習性が悲劇を拡散させている。フィクションの壁を挟んで安全圏にいた読者をも共犯者にひきずりおろすような底力がある(引きずり下ろすといったが、ただ当たり前の事実に気付かされるだけかもしれない)
知らないでいることは悪なのか。知ろうとしないこそ悪なのか。善悪とはなにか、正邪とはなにか。
妻子を亡くしたジョン・ポールの選択は非情で過激だが、カウチに寝そべってピザやポテチを摘まみ、テレビの戦争映画に一喜一憂する私達は聖人気取りで彼を断罪できまい。

映画も視聴済みだが、エンターテイメントしてはあちらのラストのほうがまとまりがよかった。
原作のラストは蛇足と見る向きもあるが、個人的には気に入ってる(なんとなく浦沢直樹「MONSTER」と同種の雰囲気を感じる……)
シェパードと亡き母の確執も挿入されるが、記録された言葉や映像は現実を補強するだけで事実を担保するに足り得ない皮肉が主題と通底していてぞくりとする。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.304:
(2pt)

もっと早く読めば良かった!

なかなかの高評価だったので、レビューや内容の粗筋も知らず、まぁ面白いのだろうと思い込み、他の本と一緒に買ってみました。
いやー読むのが遅すぎました。
もっとずっと早く読むべきでした。
調べもせず買った自分が悪いのですが、大人が読む小説では無いと思わなかったです。
中学生~こじらせた高校生までが限界でしょうか?
大人びた高校生ならもう無理ですかね。
なんせ主人公の精神が思春期の如くとても幼いので、大人は読んでてとても冷めます。
最後のオチもパクリ(オマージュ?)ですし。。

それと後で知ったのですが、アニメの映画になってるらしいですが、なるほどと納得しました。
内容的には深夜にやっているアニメにはピッタリでしょう。
個人的に星は一つですが、思春期の中学生ならばもっと楽しめるのではと思い星二つにしました。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.303:
(4pt)

とても静かな物語

ただ、静かな温かな物語だった。
後頭部に血漿の花を咲かす少女。内蔵をこぼす少年。
虐殺器官は器官であり、虐殺の話では無かった。全く残虐性は見つからなかった。
静かな気持ちで読み終えた。アメリカの崩壊がひどく軽かった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.302:
(4pt)

読了後、なんで、こんな最高のエンタメ書く小説家を今まで全く知らなかったのかなぁ、他に作品も聞いたことないし・・・。なんて思っていたのですが・・・。

ネットで「これは紛れもない徹夜本!」という記述を見て、早速購入。
著者の名前は初見。そもそも、名前が読めない・・・。(笑)振り仮名も無いし、なんなんだ?と思いきや、下にPROJECT ITOHと小さく書いてある。PROJECT? え、これで計画って読むの?と思って調べたらビンゴでした。(一応ちゃんとIMEでも変換されました・・・「劃」。無知ですみません・・・。)
「な、なんか、かっこいいペンネームじゃないか・・・。」と途端に襟を正して読み始めた次第です。(笑)                                                                                
主人公は、クラヴィス・シェパード、アメリカ情報軍の大尉です。日本人の小説なのにいきなり外国人が主人公?という点で若干面食らいましたが、読み進めるうちに気にならなくなりました。 
9.11以降、先進国は人々の支払い、移動の全てを認証し、徹底的な管理体制を敷くことにより、テロを一掃していました。しかしながら、発展途上国では、逆に紛争、テロ、虐殺などが急増しており、アメリカ軍は都度、その対応に追われていました。主人公のシェパード大尉が、その対応(対応とは要するに主導者の暗殺なのですが・・・。)に当たります。次々と任務を進めるうちに、紛争や、テロ、虐殺の陰には必ずと言っていい程、一人の男が存在していることが浮かび上がります。しかしながら、その男はいつも、間一髪で逃走。なかなかシェパード大尉は彼を捉えることができません。
「彼は一体誰なのか?」
明らかになる、衝撃の事実。そして、最後にシェパード大尉の取った行動とは? 
まさに徹夜本にふさわしいSF大作でした。
話の内容は勿論ですが、この作品は単なるサイエンスフィクションとしては収まりきれない面白さがあります。著者の世界観、倫理観、宗教観、想像力、どれをとってもスケールの大きさが桁違いです・・・。
唸った箇所は沢山あるのですが、特に、AIの事を記述した以下のくだりは思わず二度読みをしてしまいました。
「皮肉なことに、人間の脳の研究が進めば進むほど、人工知能の研究はジリ貧になっていった。生身の脳の精巧さ―――というよりは冗長度を、コンピューターで再現することは皆がとうの昔にあきらめている。依然として戦場では、人間にしかできないことがあまりに多すぎた。(中略)人間の兵士な高価な部品だ…。」云々 
本作は本当に全てが完璧!最高のエンタメ!と手放しで褒めたいところなのですが、一点だけ・・・。
描写が正直リアルすぎます。当然、作品内では沢山の人が死ぬのですが、あまりにその描写が凄すぎて、都度映像が頭に浮かんで来てしまうのです・・・(泣)まさに、「ハクソーリッジ」とか「ランボー最後の戦場」を見ているようなグロさ・・・。正直自分はその部分には相当閉口しましたが、それさえも、著者のとんでもない実力の一環だと考え、なんとか読みを得ました・・・。 
読了後、「なんで、こんな作家を今まで全く知らなかったのかなぁ、他に作品も聞いたことないし・・・。」なんて思っていたのですが、解説を読んで初めて、既に亡くなっていらしゃることを知りました。デビューからわずか2年ほどで、34歳の若さでお亡くなりになったそうです。ご自身の命を削って作品を生み出していたことを知り、あらためて、著者の凄さというか、作品に対する凄まじさに、心打たれました。 
宮部みゆきをして、「私には、3回生まれ変わってもこんなにすごいものは書けない。」と言わしめた本作。ご興味があれば、是非、伊東計劃氏の世界を体験してみて下さい。(ちなみにアニメにもなっているようです。)
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4150309841
No.301:
(5pt)

宅配ピザの普遍性

「人は見たいものしか見ない」
戦争を肌で体感していない世代なのだから、戦争とは何か理解できないのは仕方がないと思っていたが、実は見たいものしか見ていなかっただけで、注意を向ければ戦争はそこらじゅうに広がっていて、残虐な行為が日常となっている現実がそこにはあった。宅配ピザとファストフード店の普遍性の中で生きる私には見えなかった世界をこの本はみせてくれました。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.300:
(3pt)

知識の消化が足りない

タイトル通り知識の消化が足りてないような印象を受けました。作中ではカフカとかホッブズとか色々名前が出てきますが、彼らが述べた言葉や思想を継ぎはぎしただけに思います。古典を中心に読書してる方は「これはあの本で見たな、ここはあれかな?」と分かるのではないでしょうか。特にホッブズの万人の万人に対する闘争の下りは数回出てきますが、この言葉自体の中身では無く言葉の響きで使われてると思われます(言葉の深層に潜む文法が鍵を握る作品で、このような事が起きている事は中々面白いですが…)
腹が飛び出た少年に、脳が出た少女に、穴に死体が溜まって変な匂いがするand母親を自分の判断で命を停止したの回想が作戦の合間で何回も出てきますが、この表現が何か効果的に働いてるようにも思えません。これらがずっと頭に残っている事を書きたかったのだと思いますが、もう少し何か工夫が欲しかったです。コピペとまでいきませんが、また同じこと書いてるなあと思ってしまいました。
ですが、全く悪い作品では無く、知識量自体はかなりの物と思いますし年齢的にも偉人たちの思想を血肉とするのに時間が足りなかったのでしょう。残念ながら作者は故人ですが後10年生きて作品を出していたら素晴らしいSF作家になれたと思います。
作品自体に特筆したものは残念ながらあまり無かったですが、普段あまり読書をしない方や、初めてSF作品を読む方がこの作品に出てくる偉人達や言語学に興味を持つきっかけとして働く作用はあると考え星3としました。

※どうも作者の早すぎた死がこの作品自体の評価を本来の評価以上に上げてしまってるように思います。この背景にはこのエピソードを使った思惑、2000年代最高のSFと言うキャッチコピーに乗せられた人たちの「数」による評価の左右が見え隠れしています。これは作者が好きだったメタルギアソリッドや実際の歴史でもありましたが、特定個人の神格化や言葉による印象操作の好例でしょう。もし作者が生きていたらこの現象にとても興味があったでしょうね。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.299:
(4pt)

「感情は理性のショートカット」文中より

還暦を迎えたオバチャンで、ある私が こんなSFを読もうと思ったのは何故だろう。。。STARWARSは好きだけど星新一くらいしか 読んだことない(笑) 最後まで読み通させてくれたのは「文章の正体」が知りたかったから! でしかない。

近未来であろうが現代であろうが 「自らの過去」や「繰り返される夢の後味」や「亡くなった身近な人」などの正体に絡みつかれている自分との対話には 多くの時間を要するもののようだ。
見たことも無い兵器や装備品を 必死で思い浮かべながら読み進めたせいで 面白さよりも著者その人への不思議さが残った。
夭折と言ってもよいような著者は。。。近未来から 少しの間 こちらの世界に来ていた人なのかもしれない。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.298:
(5pt)

読んですぐ、また読みたくなります。

映画をみて直ぐに、購入を決めました。
伊藤計劃さんの作品は、他にも読んだことがありますが、いずれもとっても面白いです。(^-^)
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.297:
(4pt)

本当に素晴らしいSF

国産SF小説の中でも、特に素晴らしい出来の作品だと思います。
ややミリタリー調の雰囲気を持つ作品なので、その辺で好みは分かれるかもしれません。
しかし、描かれるのは「国語(国が持つ言語)」や「人間としての生死の在処」といった普遍的な題材なので、とても面白いです。
国産SFということもあり、文法が浸透しやすく読みやすいです。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.296:
(4pt)

これは、SFではなく現在進行形では?

私たちは普通にスマホやアマゾンを使っています。
当たり前ですがスマホやクレカを取得する時には
本名、住所や様々なIDが必要で、既に生体認証は
行われています。誰が何時何処にいるか?
何を購買し嗜好しているか?それを満たすための
経済活動とは如何な物で、それに対する倫理観は?
10年前はSFであったかも、しかし2018年の今では
これはSFではなく、ノンフィクションかもしれない。
筆者の慧眼と無念に胸が詰まります。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.295:
(5pt)

エスエフもいいですね

面白いという評判を目にし、ふと立ち寄った本屋で見つけ、購入した。
結論としてはとても面白かった。
重たい内容を軽く読みやすい文体で書いている印象を受けた。
フィクションの部分を抽象論、感覚論で終わらせず、あえてディテールを描き、本物らしくする。
サイエンスフィクション作家の面目躍如だ。
著者のほかの作品も読んでみたい。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.294:
(5pt)

まさに今起こっていること

8年前の作品ですが、まさにこの1、2年に米国などで起こっている事を描いていると感じました。日常に滑り込ませた虐殺の文法が分断による内戦や殺戮を生み出す。読んだ後しばらく落ち込みましたが、この本に描かれているような事が起こり得る事を認識しながら、そうならないように日々踏み止まる努力をしなければと思いました。素晴らしい本です。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.293:
(5pt)

物凄いSF作品

既存の日本の作家たちの甘ったるい倫理観
(『野に咲く花は幸せですか?』とか嗤わせんなアホw)
にウンザリしていた俺にとっては素晴らしい作品だった。

ただし映像化に向いているかと言えばそうでもないんじゃないだろうか?
基本的に主人公の独白で構成されている小説なので(映画は未見なのだが)。

著者の夭折が悔やまれる素晴らしい傑作である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なんだか他の人のレビューの評価が異常に低いので追伸する。

説明文が多いのは悪いことだろうか?

そもそも世の中は軍事的な知識に詳しい人の方が珍しいのである。
ほとんどの人は銃器なんか触った事もないし、軍隊組織のヒエラルキーも知らない。
例えば少将と少尉と少佐の違いを説明できる人が日本社会に何%いるのか?
ツーマンセルとかフォーマンセルとか言っても意味が解からないのが普通の日本人である。

そこを説明しないで勝手に物語を進めるのなら作者の常識の方がおかしいだろう。
本書はそういうところを丁寧に説明している良書である。

また本書は軍隊の最先端で活動する個人を主人公にしているので
自分を王様だと仮定してゲームを進める将棋やチェスの様な快感は全く無い。
しかし現実社会の中ではほとんどの人が歩駒やポーンなのである。
自分を将軍か何かだと勘違いしながらナルシシズムに浸りたい人は別の小説が幾らでもあるので、そっちを読めば良いと思う。

だいたいSFマニアという人達は「他人が褒めている物なら何でも貶す」というひねくれた人生を生きている連中なのだが
このレビュー欄には特にその傾向がある。

本書は近年の日本文学史上に於けるSF分野での大傑作である。
世界観の説明が丁寧で主人公にも感情移入しやすくSF初心者にも自信を持って薦められる。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.292:
(5pt)

生死観

暗殺部隊が紛争の黒幕として浮かび上がった人物を追う、SF軍事スパイ物。
血生臭さ、夜の静けさ、硝煙、国境の向こう、謎解き、戦闘etc
エンターテイメントですが筆者の生死観が綴られているように思います。
情報を集めてスムーズに対象を暗殺していく部隊で主人公は悩みに悩んで葛藤します。
フィクションは一種のシミュレーションでもあると気付かされた一冊。

※ネタばれ
唯一解説の薄い箇所、実は小規模で同様のことは日々起きてると思います。大規模に大袈裟に想像を膨らませたものだと受け取りました。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.291:
(4pt)

精神的に未熟な主人公?

※ネタバレ含む

文体がとても自分好みでした。無機質な文体がこの小説全体に漂っている退廃的な世界観を一層際立たせるような感じがします。内容も哲学やら世界情勢やら、いろいろ前知識があったほうがより楽しく読めます。

ただ僕の読解力がないのか主人公の心理描写が終始疑問でした

序盤の親が鬱陶しくなって軍隊に入ったこと、親の延命処置の拒否を決断した部分はなんとなく葛藤してるんだなぁーと読み勧めましたが、
後に今なお軍隊に居続ける動機が「生きるか死ぬかの状況に身を投じる事で自分が生きている実感を得たい」という理解しがたい感情描写
大した思いもなくなんとなくの動機で軍隊に入り大量の命を奪っておいて自分の罪を好きな女性に罰してもらいたい?赦してもらいたい?

「自分がそれらを選んできたということを、誰かに罪を背負わされたのじゃなく、自ら背をうことを選んだのだ、ということを、ルツィアが教えてくれたからだった」

いや、自ら選んでないし背負ってもなくね?ただ単にスリル中毒っていうだけじゃ?主人公がルツィアを好きになった動機も、親の延命処置の拒否も、全て自分の罪から逃れたいための行動に感じました
終始自分、自分です。ウィリアムズも彼のグレネードで死んじゃったんですかね?

ルツィアがいなくなってやっと自分の罪と向き合うかと思えば、母親が自分を愛しているという痕跡が見つからなかったこと(また、自分も母親のことがよくわからないため痕跡に頼っている)から人間の本性、虚無性、残虐性を見て絶望でもしたのでしょうか、
主人公の最後の行動はめちゃくちゃというか、罪背負う気無いじゃんって思っちゃいました笑

「僕は罪を背負うことにした」「とてもつらい決断だ。だが、ぼくはその決断を背負おうと思う。」

全然反省してねえなこいつ・・・

序盤は一見逡巡している繊細な主人公のようにみえましたが最終的には、家庭環境や状況と合わせて考えても理解しがたいです・・・
「人間は残虐性や環境に規定はされど最終的な選択は自ら選ぶことができる」と語り合いながらも結局現状そういうものから逃れきれていない人類、みたいなおちなんでしょうかね?

(長々感想文書きましたが、僕の解釈が全くの見当違いだったらすみません笑)

解説ページで主人公は設定上成熟していないと書いてありましたが、たしかに精神的に未発達だけど、人間性的にも結構問題のある主人公じゃないかなぁ・・・

しかしそう解釈してしまうのは、それこそこの小説で言うドミノ・ピザの普遍性のように、平和な場所でしか生活したことがない自分には分かりようもないことだからかもしれません・・・

極限の環境に生きる人間の複雑な機微があるのかもしれません。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.290:
(3pt)

タイトルと舞台に違和感

中身については多くのレビューがあるので特に書くことはない。興味があれば読めばいい。費やす時間に対して価値がないとは思わない。ただ、サラエボなどを引っ張り出して書くことに必然性を感じない。SFとするなら尚更。この舞台を日本人が描くことにも必然性を感じない。節操のなさしか感じない。広島などを念頭に逆を考えてみれば、違和感が拭えないことは理解されると思う。そしてタイトル。器官なのに組織はなく、組成もなく、中身は空っぽ(キツイ言い方をすれば、「虐殺」と「器官」を合成するところにもセンスを感じない)。ディテールやテーマより、そうした部分の無神経さが気恥ずかしさを感じさせる。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841

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