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虐殺器官
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虐殺器官の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全369件 81~100 5/19ページ
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おもしろい。内省的な叙述でこの暴力。 喜んでる自分がおかしい。 | ||||
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よく練られた構成と展開。著者の教養の深さも楽しめる。夭折されたことが悔やまれます。 | ||||
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実際に起こった紛争虐殺など取り上げていることが多く、国際政治など勉強している、してきた人にはかなり読みやすい仕上がりになっているSF小説。ただ、生物兵器?などは(とてもリアルに描かれているが)存在しないものなので初めて読む際には少々混乱する。 何度読み直していくうちに、細かな描写に気づき、違った面白さがみえてくる。これがデビュー作か…と思ってしまうほど。なんと惜しい作家を亡くしたことか、ただただ悔やまれる。 | ||||
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結局虐殺の文法ってなんなのよ。この一言に尽きる。 これが「虐殺の絵画」とか、「虐殺のメロディー」というのであればまあ納得できる。文章でそれを著すのは難しいことだろう。 だが、これは小説だ。文章で成り立っている小説という表現媒体を選びながら、その文法とやらを具体的に提示しない。これって逃げではないか? それこそが、この純文学愛好家も抵抗なく読み進められるであろう上等な文章、厨二心を刺激する数々の活かしたガジェット、タイトル、装丁に到るまで痺れるほどクールに決められた隙のない作品を、なぜかどこかぼんやりと、ふわっとした印象に着地させてしまっている要因だろう。 もちろんストーリー展開の中でそれを著すことは必須条件ではないことは理解している。虐殺の文体というものがあって、それを主人公は最終的になんと!...以下ネタバレのため控えるが、そういったストーリー展開とテーマ性が大事なのであって、その文体の具体的内容をつつくことにはそれほど意味はない。それは重々承知だ。だがそれではいったい小説とはなんであろう。作者の想い。ストーリー計画。「ここで主人公は感動的なセリフを吐くんだよ。内容はここでは伏せるけどね」とか「ここで見るものがハラハラするような大立ち回りが行われるんだよ。でもここではそれが行われたってことが重要で、具体的な動作は別にストーリー展開に関係ないから割愛しますね」とか。そんな小説、読みたいだろうか。 シータとパズーだってちゃんと「バルス」と唱えているじゃないか。別にあのストーリーの中で「バルス」が「バルス」という言葉であることはそこまで重大な問題ではない。とにかく決して口にしてはならない滅びの呪文があって、絶体絶命の状況下で少女はそれを少年に囁いて、二人は手を合わせてその言葉を口にする。そして崩壊が起こり物語はクライマックスを迎える。その展開と構造が大事なのであって、呪文は「なんかそういう言葉があるんですよ。今は伏せるけどそれを二人は口にしたんですよ。そしたらすごいことが起きたんですよ」でもいい。全然問題ない。 だがそこで宮崎駿は「バルス」という滅びの呪文を発明し、提示した。どんな方法で発明したのかはしらない。言語学者のお墨付きの由緒ただしき言葉なのか、なんとなく響きがいいから思いつきで配置しただけの無意味な言葉なのか。いずれにせよ彼は滅びの言葉を「滅びの言葉」のままにはしなかった。具体的な「バルス」という呪文を観客に提示した。そこにカタルシスがある。宮崎駿がマニアックな人間でありながら、マスに届く表現力を持つのはこういうところだろう。それを一流という。 クライマックスの文中でも、エピローグでもいい。この作者の構成力、文章力なら、シャレオツなタイミングでポエミーに、あるいはちょっと「映像の世紀」のキラーフレーズ風に盛り上げてでも、いくらでも効果的に提示することができただろう。別にそれを読んだ人間が実際に虐殺を始めるわけじゃない。だけれどなんとなくそれっぽい、と納得できるその文法を提示せず「そういう話じゃないんで。その文法がどんな文法だとか追求するのは野暮なんで」とポーズを崩さず、うやむやにごまかした。その器用さは評価すべきだがやっぱり読む方には肩すかしというか消化不良というかなんとももやもやとした後味を残す。 別に過大評価だともとるに足らない作品だとも思わない。ゲーム文化やSF小説の歴史の文脈で、それなりの到達点として評価されているのを門外漢の私がとやかくいう気もない。けれどジャンル小説とはいえ、やはりエンターテイメントである以上、強引でもいいから読者に納得感と充足感を与える、というサービス精神はあっても良かったのでは?と思うのである。 | ||||
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ずっと読みたかったので、購入しました。中古本なのに、綺麗でした。 | ||||
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作者がすでに亡くなっていたとは…。 単なるよくある近未来小説かと思いながら読み始めて、ち密な世界観にびっくり。 どっぷりはまり込んで読みました。 こんな小説の書く作者はどんな人間かと調べてみて初めて作者がすでに 亡くなっていると知りました。 人の心をえぐるような描写とふつう思いつかないようなストーリー展開を読んだ後では なんとなく納得できるものがありました。 それにしてももっと他の作品も読んでみたかったと 本当に残念に思います。 | ||||
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戦闘や人間性の描写がとてもリアルで、ストーリーも面白いのですが、 言葉の力とは、どういう中身なのか、非常に気になりますが、 そこの内容に関しては流石に難しいのか、一切書かれていませんでした。 想像におまかせしますってのも悪くないのですが、結局、一軍人たる主人公も使えたりして、 最後の方だけちょっと拍子抜けしてしまいました。 | ||||
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なにか ジョンルカレのスパイものをSF戦争ものに置き換えた情緒があり、ルカレファンとしては浸っています。アニメも見ましたが、小説がはるかに厚みを感じさせます。 | ||||
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作者の作品を初めて読んだが、博学で頭が良く、とても才能のある人だと感じた。若くして亡くなられたことは本当に残念である。 近未来を舞台にしたSFアクション小説であるが、それ以上に、思想性や文学性の高い作品。文庫本の帯に「現代における罪と罰」と書いてあるが、まさに、「人が人を殺すことの意味」が問われている小説である。この作品はストーリー自体はそれほど起伏に富んだものではないが、主人公クラヴィス・シェパードと宿敵ジョン・ポールやルツィア・シュクロウブの間で交わされる会話が極めて知的で哲学的であり、考えさせられる内容を持っている。 ジョン・ポールがやったこととその理由、クラヴィスが母親の安楽死を認めて苦しむ理由、「地獄は頭の中にある」といったアレックスの言葉、テロとの戦いで人を殺すことの倫理性、自分の殺意が虚構であることを知った主人公の心理、遺伝子とミームがすべてを決めているのではなく人間には選択の自由があること、選択した結果によって罰せられるべきであること、虐殺のことばは人間の脳にあらかじめセットされていること、虐殺の文法は食糧不足に対する適応であること等々。 クラヴィスが、ルツィアと再会して自分の罪を許してもらうことを願う場面があるが、これはルツィアに母親のイメージを重ねて、母親に許してもらおうとしているのであろう。 戦争が人口調節につながっているということは、私も以前に同様のことを考えたことがあった。 非常に中身が濃く、示唆に富んだ文章であるため、すらすらとは読むことができず、立ち止って考えさせられることが多かったので、読むのに非常に時間がかかった。まだ、十分には把握できていないので、いつか読み返してみたい。 | ||||
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ラノベである。既存の要素をミクスチャーしただけで新しいものはほぼない。エヴァや攻殻機動隊が大好きな、中二病が抜け切らないお兄ちゃんたちに受けるタイプの話である。大まかな話の展開は黒沢清のCUREで、大オチまで見事に頂いている。本人もブログで黒沢清のファンだと公言していたので間違いなく故意にやっているだろう。また、ガジェットや世界観はメタルギア・ソリッドと攻殻機動隊だし、自己にまつわる意識はやはり押井の攻殻機動隊やイノセンスにフィリップKディックのブレードランナー(電気羊)やマイノリティ・レポートやいろいろ。出てくるガジェットの技術的なレベルがバラバラだし、どうやって監視をかいくぐったのかもイマイチ説得力がない。アメリカ批判も、冷戦期や9.11以降に実際にアメリカがやってきたことで度々小説で取り上げられる要素をベースにしてるので、新鮮味がない。いろいろなおいしいものを取り入れただけの話だが、ストーリーテリングが上手かったので、過大に評価されちゃたっというところだろうか。 この人はもともとミクスチャータイプて、続編のハーモニーもオチは押井守の攻殻機動隊~イノセンスからいただきすぎだし、大まかな設定は京極夏彦のルーガルーと、園子温の映画「自殺サークル」等からいただいて、そこに1984的なものを取り入れて「ドヤ~?」ってやってて、中二病おじちゃん受けする。亡くなったから過大評価されてるだけで、いい年した大人が読むようなもんではない。元ネタに比べて深みは一切ない。 SFとしてはたいしたもんじゃない。ラノベに毛が生えた読み物としてはアリ。 | ||||
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知人に進められて購入しました。 この本と冲方丁のマルドゥックスクランブルをすすめられて、どちらも一気読み。 どちらかといえば虐殺器官の方が読みやすかったです。 ハーモニーも欲しいなーとは思ってるんですが、それはまた今度。 | ||||
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近未来的な仮想戦記という皮を被った伊藤計劃氏のエッセイ。 とにかく作者の顔がチラチラと脳を過ぎり、ストーリーは単なる飾りとなっている。 では問題のエッセイ的な面はどうかと言えば、モノの本からとりあえずそれっぽい文章を適当に咀嚼してダラーっと吐き出したようなシロモノなので、考えさせられるようなことはない。 これを有難がっている諸先生方も、どちらかと言えば衒学的なものを好む志向にあるような人達ばかりなので、推して知るべし。モンティパイソン言いたいだけだろ、ジミヘン言いたいだけだろ、というようなダサさがそこかしこに溢れている。 ストーリー展開も些か冗長で、おつかいゲー的な行ったり来たり感はあるが、前述のエッセイ的な面を省けば楽しめる。短編でちょうど良い長さだったのかもしれない。 難しいことは分からないけどそれっぽいウンチクが好きな方には堪らない一品。 | ||||
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エンタメ小説としてものすごい強度を持った作品です。 ひとつひとつの言葉選び、またその配置が素晴らしく、 グイグイと物語に引き込む力の強さが、自分が今まで面白いと思った小説と比べても段違いでした。 ただ大きな欠点は、 未来を舞台にしたSFなのに登場人物や語り手の思考が書かれた時から比べても古くさいこと。 新しいテクノロジーや社会のルールは人間の思考や価値観を思いっきり変えているはずで、 そこを描くもSFに必要なものだと思います。 | ||||
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独特の世界観で、興味深く読みました。 ただ、怖いシーンが多いので、悪夢を見ました。 | ||||
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こんな話?(物語にもなっていないと思うけど)書いて面白いのか?亡くなった作者には申し訳ないけど、そう思わずにはいられなかった。 主人公の深層心理が何度も出てくるけど、どこにも深淵なる世界などない。特別に見える言葉を綴って、並べてるだけだ | ||||
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何人かの方が言われるように説明ばかり。 情景を思い起こさせもせず、心の内に共感もしくは反発を持たせるわけでもなく、ただ幼い考えや無駄にグロテスクな状況を淡々と一方的に説明する。 そういうのが好きな方も当然いるでしょうし、それは好みなので構いませんが、ゼロ年代最高は言い過ぎでは? 私にとっては小説と呼べない。知識の偏った子供の小説ごっこ。 | ||||
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テロというより青臭いプロパガンダアニメを読んでいる感覚。アニメ好きな方達が好きそうな都合の良い外人キャラ設定に途中で飽きて最後まで読むのが辛い。 そもそもアニメ向きなのでしょうね。小説というよりアニメのノベライズを読んでいるような感覚。タイトルに惹かれ手に取りましたがライトノベルには見受けられない小難しい言葉を無理に詰め込んで煙に巻かれているようで「だから結局、何が言いたいねん」ってなる。要は内容やキャラクターはライトノベルとあまり変わらない。 『メタルギアソリッド』好きな人はハマるんでしょうね。これ以上でもこれ以下でもない。 つまり、出版社が売りたいからメディアミックスしたのでしょうね。アニメやゲーム好きな人には刺さり、それ以外には刺さらないということ。 日本のアニメ好きな人に向けたファンサービスとしては成功しているのではないでしょうか。 | ||||
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かつてSFマニアだった私としては、最近のSF界に全く暗かったのは痛恨。伊藤計劃の本がハヤカワ文庫にしては珍しく良く本屋に並んでるな、と思ったら、何と劇場公開アニメ化されるプロジェクトがあったのだ。それも3作品。で、デビュー作のこの作品がトリで今春公開らしい。 衝撃的なデビューを遂げながらその時点で既に闘病生活中だった天才作家。そしてわずかな傑作を残して3年後には夭折。残された作品をアニメ化するプロジェクトが立ち上がるも、デビュー作をアニメ化する予定の制作会社が倒産。が、何とかその後を引き継いで公開にこぎ着けるとは、あまりにも劇的。 さて読んでみた感想は、まず非常に読み易かった、と言うもので、とりわけアニメオタク世代にはすんなり受け入れられるのではなかろうか。内容はハードだし、実写にしたら目を背けたくなるような描写も頻発するけれど、決して読むのに難渋する所はなく、確かな筆力を感じた。難解な内容を難しく書くのはただの素人だ。 9.11以降の覇権国家アメリカに抵抗するテロと言う現在進行形のテーマに真っ正面から取り組んだ内容で、近未来SFと言う形を取っているが、夢物語では決してない痛々しいまでのリアリティが迸り、スパイ小説的に評価されてミステリの賞まで受賞したのもうなずける。アメリカが代表する先進国の豊かさは、発展途上国を犠牲にして成立しているのではないか、と言う今日的な疑問にノーと言える人はいないだろう。現代日本に暮らし平和で豊かな生活を享受している私達は、発展途上国の貧困やそれに起因する内戦状態を遠い外国の話と思い、決して根源的に関わろうとはしない。もしかしたら、第三世界で多くの人間が貧困で苦しみ内線で互いに殺し合っている事態は、先進国の繁栄にとっては望ましいのではないか、と言う人道にもとる考えを極秘裏に実行しているアメリカ、と言うのが本書のテーマの一つである。そしてラストで主人公はまるで復讐するかのように、アメリカを内戦状態に陥れてしまう。 「虐殺機関」でなく「虐殺器官」なのがSF的アイディア。ヒットラーや、ポルポトなどの例に見るまでもなく大量虐殺の歴史を繰り返して来た人類は、虐殺を良しとする遺伝子を受け継いでおり、それを発動させてやれば自らは手を汚さなくても互いに殺し合いを演じ始める、と言う恐怖のテロリストを追う、アメリカ軍特殊暗殺部隊に属する主人公。仲間も含めて死屍累々の末に標的を捕縛するが、実はこのテロリスト、アメリカが自国の繁栄を守るために仕立てた刺客であったと言うオチ。 完璧ネタバレで申し訳ないが、近未来でなく現在進行中なんじゃないかと思わせる迫真の傑作だ。非常に読後感は重く考えさせるものだったが、解説で触れられていた作者の最期に関する母親の話に私は涙した。とても近い身内で、ガンとの闘病の末亡くなった者が何人かいるので。伊藤計劃が描いた悪夢のような世界に、今私たちは生きているのである。 | ||||
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本当に有りそうな近未来。テロがトラウマになった世界で 虐殺を引き起こす男とそれを追う暗殺者。 の話しで設定やアイデアは凄いと思うが、展開がゆっくりで 虐殺、暗殺なので話が暗い。SF好きが好きそうな書きっぷり。 個人的にはいい読後感ではないかな。SFでもやっぱり楽しい のが好き。 | ||||
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人間という生物に秘められた虐殺器官と、そのトリガーについてのアイデアは非常に楽しめた。ただ、黒幕と最終的主人公の動機が非常に在り来たりで残念だった。また、一つの状況に対する比喩的表現がしつこいのと、ミリタリー用語の多様が幼稚に感じてしまった。 | ||||
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