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虐殺器官



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虐殺器官の評価: 4.03/5点 レビュー 369件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全369件 21~40 2/19ページ
No.349:
(2pt)

良く分からなかった

SFというとディストピアであっても、主人公の強さとか未知の何かへの期待とかセンスオブワンダーとか、とにかく胸にくるような何かがあると思っていた

本作にそれなない

色々な設定が流れていった。人工筋肉や識別や、精神マスクみたいなもの。それがアメリカや紛争地域や日本という現実の地名と紐づいているのでリアリティはあった。近未来の管理社会、ディストピアみたいな世界観を描きたかったのかなと思う
読み始めるとグロテスクだったし、それに何も感じないように調整された主人公、亡母の影、そして正体不明の敵と「お! マジでこれ面白そう!」と思った。主人公が根暗すぎて、「え? こいつの経歴で特殊部隊に入ることも、目指そうとするのもおかしくない?」とは思ったが、(そう言うのもあるのかな…)と思った。たぶん、主人公や周囲の人間が、当たり前のように受け入れてるから気になりにくかったのだと思う

初期設定は気にしない。あまりに不快感があるものでなければ

ヒロインらしき人物が出てきて、それから敵役も出てきて、主人公が絶体絶命に追いやられる…良かった。結構無理くりな感じもしたが、まぁ良いと思った

しかし最後らへんの流れが「???」という感じだった。というのも敵役と武力で衝突はしたが、気持ちの面で衝突しておらず、なんか流れで終わってしまった印象があるからだ。
「せっかくマザコン設定あるんだから、亡母からの遺言受けて敵役と対峙する流れで良く無い?」と思った。序盤から最後までの亡母に対する粘着質な回想はなんだったのかと思った

材料はあって調理の腕もしっかりして、あとは皿に盛り付けるだけだったのに、そのままゴミ箱に突っ込まれた印象があった

アメリカの覇権主義を批判するならランボーみたいな戦争帰りのPTSD書けば良かったのでは? そっちの方が、安寧を貪る市民への批判にも繋げられるし

複雑な設定を現実世界に被せて「ところがどっこいこれが現実! これが現実!」ってされた気持ち。そんなに現実見たければノンフィクション作家になれば良かったのに。

ドラえもんの道具で破壊活動する二次創作書く人みたいだなとも思った

読んで良かったと思わないし、今後この人の作品を読むこともないだろう

不快感はあまりなくスラスラ読めはしたが、「え? そう…」みたいな作品だったので星2
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.348:
(1pt)

クラシックといえるほど古くはないし、今読まなきゃというほど最新でもない

評価の高いSFということで読みましたが
2023時点で、『9.11』後の世界観のお話はさすがに古く感じる
SFというには、近未来感も科学的という感じもしない
それでもまだ「途中」までは「目的」が明確になるまではサスペンスとして読めました
明らかになる中盤以降はグダグダ
物語の設定が荒唐無稽な上に、主人公が突然日和って物語が進まなくなる
アメリカ人の設定なのに、感覚的には2000年代の日本人、めちゃくちゃウエット

期待していたSFと違う 物語に全く共感できませんでした
今読んで点数高くつける人は偉い!
絶対に読んどけっていうSF小説というのは無理があるとおもいました
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.347:
(3pt)

偏差値が高い中二、、ぽい印象

だいぶ前に読んだため、記憶が不鮮明ですが、語られるほどでもなかった覚えが有る。
要は、著者が夭折したため聖典か遺言かの様に崇め奉られてしまい、読む側の心の問題と、この先 熟成された作品が読めない口惜しさに根差した希望的な好評価が寡聞に影響した傾向が有るのではなかろうか?
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.346:
(4pt)

ウエットandナイーブ

ウエットandナイーブ。
読者に形容を突起する力をもっている。
静かに沈没していく船に乗っている心境だった。いずれくる窒息を予感して息苦しい感じだった。
そんな形容が浮かんでくることばの力。

読むと気鬱になった。
この気鬱しうる若々しい力こそ、20代-30代前半の作者の作品だなあと思って調べたら、作者33歳デビュー作にして、早世34歳という、峻烈さだった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.345:
(1pt)

全く身体的リアリティを欠いた、作者の脳内独白遊び

半分まで読んだ時点で、耐え切れずに投げ出してしまった。
人物も背景も全くリアティが欠如していて、小説と呼ぶに値しない。
主人公の性格付け自体、プロフィールと全く一致してない。
こんなマヨネーズメンタルの人物に、重要な軍務など任せられるはずがない。
一人称自体も、いい年をした大人が自称「ぼく」で思考するなど有り得ない。
会話が会話になっていない。人間がこのように自分の考えをを全て言葉にすることなど、到底有り得ない。
抹殺の対象人物も、「妹がナチスの収容所で死んだ」設定になっているが、作中の世界観は近未来であり、使われているテクノロジーは、少なく見積もっても戦後100年以上経過している。

小説とは、たとえそれがどのように空想的な物であっても、納得できるリアルな描写の積み重ねによって描かれていなければ、話にもならない。文中の描写には、身体的なリアティが全面的に欠如している。
この作品は、すべてがキャラクターの言葉を借りた、作者の独白の積み重ねであり、全く共感を感じない。
この文章を読まされるのは、読者にとって苦痛以外の何もでもない。
本作は「小説家になろう」の無料小説やラノベにも劣る、構造的な欠陥小説と言わざるを得ない。
およそ支払いに値しない、最低の読書体験であった。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.344:
(5pt)

ブンガク、いやテツガク本と言ってよいだろう

9.11以降、先進国は、徹底的な統治によってテロの殲滅に成功した。一方、後進国ではジェノサイドや内戦が急増するという事態が発生している。その背景には一人の男の存在が。米特殊部隊の暗殺者は虐殺の文法を用いて、世界にテロを撒き散らす男を追う…という近未来SF。

噂通りの傑作に違わぬ傑作だ。人間が根源的に持つ暴力の本能。これを発露させる言葉が存在するというアイディアは、荒唐無稽と切って捨てられない、真に迫る力強さがある。

ブンガク、いやテツガツ本と言っても良いだろう。SFが苦手であっても手に取って損はない。
今更ながら著者の早世を残念に思う。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.343:
(4pt)

面白い

さすが名作sf
言葉で虐殺を起こさせる
ジョンポールがすごい
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.342:
(5pt)

虐殺を行うモジュール

傑作、その言葉以外にこの作品を表す表現は無いだろうと確信している。だが、傑作、という表現に当て嵌めていいものか、悩ましく思う事も確かだ。
この作品を産み出した作者様に最大限の感謝を表したい。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.341:
(4pt)

幸せは、だれかの不幸を必要とするのか。

リアリティと世界の狭さについて考えさせられた。

確かに評価されるだけの切れ味の良さ。続編らしい、ハーモニーも是非読みたい。

個人にとって、主人公にとって、
世界は開いているのか、閉じているのか。
幸せは、だれかの不幸を必要とするのか。

最後の問いは、私にとって重い
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.340:
(5pt)

もっと伊藤計劃を知りたかった

くっ、、、
伊藤計劃、天才じゃないか。
三島由紀夫の『金閣寺』やJ・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』や村上春樹の『ノルウェイの森』や太宰治の『人間失格』や馳星周の『不夜城』など、本当に限られた作品にしか宿らせることのできない、まるで作者が作品にピッタリ憑依しているような感覚を読者に覚えさせる語り・・・
なんでこんなに早く亡くなってしまったんだ。
以下ネタバレあり。

科学の進歩によって罪悪感をかかえる自由さえも奪われた管理社会においてクラヴィスは終始、罪悪感を、得ようと求めている。対照的にジョンは罪悪感、つまり良心を消すことを求めており、そこに虐殺の文法が合致した。
クラヴィスを断罪し、罪悪感を持たせてくれる可能性のあったルツィアを失い、続いて母の愛が幻想であったことを知り、クラヴィスが罪悪感や良心を持つ可能性は絶たれてしまう。本来良心が占めるはずのぽっかり空いたその間隙に虐殺の文法がかっちりはまることになる。
つまり、ポールは存在していた良心を消すため、一方クラヴィスは無くなっていた良心の空白を埋めるようにして、それぞれ虐殺の文法のウイルスに侵されてしまう。
虐殺の文法の使用方法は対照的だが、どちらも実際にはたいした違いはなく、良心から隔絶された妙に乾いた人間とも呼べない虐殺器官を持った存在が残されるだけである。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.339:
(5pt)

高尚な方は読まなくて良い

中学生以下しか楽しめないってレビューは酷い。どう思うのかは自由だけど、楽しんで読んだ人たちを全員小馬鹿にするような言い方が酷い。本好きだからこそ、こんな感想書く人にはなりたくないな。

ひらがな多めの平易な文章で書いてあることと、作者がゲーム好きであること等からとても読みやすい。読書が苦手な友人も虐殺器官は読みやすかったと喜んでいた。そういった点から確かに中高生にも寄り添える小説ではある。

元々はメタルギアソリッドの同人誌だった作品をオリジナル作品に仕立て直した小説とも聞いた。
そういった点からも、サブカルチャーを下に見る高尚な読書家の方は触らない方が良いでしょう。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.338:
(1pt)

虐殺文法の発想がひどすぎる

「人間には虐殺を司る器官が存在し、器官を活性化させる『虐殺文法』が存在する」って、中二病ではないが中二病感がすごすぎる。いい歳した大人がWikipediaでチョムスキーを今さら初めて知って思いついちゃった感、と言えば伝わるだろうか?そして、こんな発想が下地になっている設定のSFが、なんでこんなに高評価なのか、まったくわからない。SFは極端に高評価が多いジャンルだが、難解な専門用語が出てきたり雰囲気がかっこよければ手放しで絶賛するコミュニティなのだと、私は理解している。

私自身、SFに限らず小説(短編か中編)を書くが、「虐殺文法」みたいな発想をたとえ自分で思いついても「バカバカしいわw」って自分で突っ込んで真面目に書けないと思う。そんなレベルの発想だと思うのだが、この発想でこれだけの長編を書けるのは本当にすごい。よくもまあこんなに大量の文章を書けるなと、短編と中編ばかり書いている自分は思ってしまう。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.337:
(4pt)

よくできた作品だが終盤の展開が荒い

どうでもいい話で恐縮だが「批評のジェノサイド」とかいうただのつまらない対談本がある。要するに売れそうにない本に過激なタイトルをつけて売るというのが昨今の出版界の流行りらしいのだが、しかし本作の「虐殺器官」というタイトルに関して言えば、これ以上ないぐらい完全に内容と整合している。
本作は虐殺の情景から始まるし残虐な描写は多い。しかし本作のそれは残虐性を見世物にするようなものではなく、爽快感や誇張された露悪性もない。この地球上でこれまで実際に起こってきたし、今現在も間違いなく起こっていあるであろう事象としての「虐殺」が、主人公の乾いた内向的な、どこか自我の主体を失った筆致によって言及されているのだ。この一人称視点が通底しているせいで、読後感は爽快でもなく胸糞悪くもない。純粋な知的驚きだけが残る。
そして本作はこの「虐殺」からスタートして生命哲学、社会問題、脳科学、倫理学、政治、社会、軍事、文化人類学、進化論といった多種多様な知的教養が展開されているモンスターのような小説である。これだけのものを短期間で書き上げたというだけでも著者の非凡ぶりがよく分かる。

「攻殻機動隊」は80年代の末に執筆されたが、その十数年ほど後にようやくインターネットが普及して、多くの読者は「ネットは広大だわ」みたいな作中の特異な表現がいつの間にか自分自身の実体験として共有されるようになったことに気づいて度肝を抜かれたはずだ。本作もその類の作品であり、「2010年代の攻殻機動隊」と言っていいのではないだろうか。最先端の工業製品が実は動物や途上国民からの野蛮な搾取によって成り立っているなんて似たような話は過去にもあったし、現在起こっているし、未来にも起こりうるだろう。そういう実際に起こっていそうな話ばかりを積み重ねた世界観が本作を形成している。

ただし良くも悪くも娯楽作品には違いないので、ハードミリタリーとして遜色なさそうでいて、随所にメタルギアシリーズのようなヲタ臭さがちらつくのも事実。内容の根幹に関わるところで「自分自身の罪を償うために世界の半分を犠牲にする」というテーゼが出現するのは中二臭すぎて受け付けないという読者もいるだろうとは思う。ジュブナイルでこそないが比較的若い層向けの作品だろう。

必読の価値がある作品であることは言うまでもないが、終盤の展開はだいぶ荒い(★以下ネタバレ注意★)。
ヴィクトリア湖への降下作戦では、それまでの密接な支援を受けていた作戦とうって変わって、シーウィードや他の隊員たちとの無線通信が一切できないことになっているが、特に理由も解説されておらず不自然すぎする。作戦の不確実性が増すだけではないか。ルツィアを射殺した直後のウィリアムズは「ポールとルツィア、二人とも始末するよう聞いていた」と言っているが、なぜ主人公はそれを知らなかったのか?作戦目標に対して不明確な指示しか出ていなかったということになるが、さすがに有り得ないだろう。作戦の不確実性が増すだけではないか。タンザニア軍の兵士がいるべき場所にi分遣隊の軍曹がいるあたり、クラヴィスは作戦の真の詳細を知らされずに参加させられた(ハメられた)という解釈もできるが、天下の精鋭暗殺部隊がそんな杜撰な真似をするぐらいなら最初からクラヴィスを任務不適格として作戦から除外するだろう。予想だにしないタイミングでルツィアが射殺されという急展開のためにこうせざるを得なかったのだろうが、そのためにプロットに矛盾が生じてしまっている。
本全体は異質なほどトンガっているものの、最後のオチ以外は割と保守的なストーリー展開といった感じがする。ストーリーを楽しむためだけに読むのならだいぶ退屈な本になってしまうだろう。

もっといえば作中で重要な要素であるIDの定義も科学的な設定づけが曖昧である。ルーシャスは「行方不明者の生態情報を苦労して集めてきた」と言っているので、つまりゼロから作るのは不可能だが、ID化されていない人物がいればそこから流用する手口で偽造IDを作れると言っているわけだ。しかしそれなら携帯電話に多重債務者による「飛ばし」があるように、チップすら埋め込んでもらえない途上国の貧民層から生態情報を小銭で買ってくれば作り放題ではないだろうか。途上国のテロリストがそんなものを仕立てるのは至極たやすいだろうに、主人公はなぜ「ID偽造は不可能だ」とまで断言しているのだろうか。理論上これを防ぐには先進国が自国の戸籍と完全に組みあわせてIDを管理する(車のナンバープレートのように)必要があるし、作中のいくつかの描写をみるにそうなっていそうなはずなのだが、その場合はデータベースに照合されるだけで偽造がすぐにバレてしまうだろう。だって存在しない人物の生態情報なんだから。その場合オービスのごとくセンサーの場所をマッピングしたところで、空港でセンサーを回避できるわけがないし、偽造IDで空港を通れるわけがない。作中の説明と矛盾する。それともルーシャスは「実際には死んだ人物をデータベース上生きているように見せかけ、IDを乗っ取ってしまう」と言っているのだろうか?その場合は指紋と網膜が一致しないなんてことは起こらないし、大佐が言うようにIDの連続性が途切れるということもない。また「不明な偽装ID」という作中の表現とつり合わないので、これも矛盾する。更にこの場合は北朝鮮が拉致でやろうとしたと言われる「背乗り」のような手法を使えばテロ勢力が偽造IDを手に入れるのは理論上可能はずだ。このへんの情報セキュリティ上の考証がだいぶお粗末である。「①絶対に不可能なセキュリティを ②ルーシャスが解除してしまう」というトリックが思いつかなかったから曖昧な設定でお茶を濁したのだと思われる。

ちなみに最後の最後で主人公はピザを食べているが、宅配が止まってしまった状況下でこのピザはどこから来たのだろう。冷凍のピザとしか考えられないが、冷凍物は宅配のものに比べたら明らかに味が劣る。ひょっとするとクラヴィスは、本書が終わった次の瞬間に、宅配ピザの味を思い出して、資本主義のありがたみ、平和のありがたみを実感するのでは?・・・という解釈は穿ちすぎだろうか。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.336:
(5pt)

話の骨子は哲学に近くヒーローアクションとは一線を画する

人を虐殺する器官は人間のどこに眠っているのか。宇宙が繰り出されるSF小説とは違い、どこか哲学書を思わせる発想が面白い。
なぜ人と人が殺し合うのか。その殺し合いをさせる理由、帰結する思想は何なのか。
ただ世界を混沌に導こうとする人間を倒すだけのヒーローアクションではない。
実に巧妙で、人の本質、また国を含めた人の集合体の本質が見えて来る気がした。
もしかしたら今の時勢だからこそ読むべき本なのかもしれない。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.335:
(5pt)

良いですね

虐殺器官は伊藤さんの代表作のひとつですので良いですね他に有名なのはハーモニーですこちらも良いですよ
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.334:
(5pt)

Facebook 虐殺の文法

随分前に読みました。
読みすすめるうちに徐々に明らかになる虐殺器官の真相。
ぶっ飛んでるなと思いましたし、だからこそ一流のSFだと思いました。
昨今FacebookなどのSNSでフェイクニュースやヘイトが拡散されるのを目にし、まさか虐殺の文法が現実味を帯びてくるとはと驚愕しています。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.333:
(3pt)

文章がうるさく感じられた

評判のよい作品と聞いていて、ようやく読みました。
残念ながら、私の好みには合いませんでした。
合わない点を列挙します。

①文章が非常に饒舌で、うるさく感じられます。
  (好きな人にとっては、その饒舌さがよいのかもしれません。)

②虐殺を扇動する男を追う、というストーリーに盛り上がりが感じられません。
 主人公の内面ばかりに焦点があてられています。
  (これもまた、その内省がよいのだ、と感じる人も多いのかもしれません。)

③虐殺の器官が存在する、というアイディア自体はおもしろいのですが、それがセリフで説明されるだけというのはさびしい。あえて言うと、エピローグがそのアイディアの具現化でしょうか。

以上、あくまで私の感じたことを述べたまでです。
決して、本書を読んで面白かったという人を揶揄しているわけではありません。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.332:
(5pt)

よくある話だけど文章が読ませる感じで好きです

倒すべき相手を倒した後で、気づけば自分がその相手に置き換わるという、どこかで見た気がするストーリーだけれど、言い回しや単語がカッコよく面白く読めました、好きです
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.331:
(5pt)

小松左京には付いて来れなかった、新時代のSF小説。

『虐殺器官』は、小松左京賞の最終候補になったものの、小松左京本人によって落とされた小説です。その時に小松左京が残した選評を引用します。
「伊藤計劃氏の『虐殺器官』は文章力や『虐殺の言語』のアイデアは良かった。ただ肝心の『虐殺の言語』とは何なのかについてもっと触れて欲しかったし、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動などにおいて説得力、テーマ性に欠けていた」
私の見解を言わせて貰うと、この小松左京の選評は、イケてないと思います。小松左京は『虐殺器官』の良い読者ではなくて、『虐殺器官』の面白さが良くわかっていないと思いました。おそらく小松左京は旧世代の小説家だから、『虐殺器官』という小説の斬新さが理解できなかったのではないかと思います。それぐらい『虐殺器官』は、時代の先を行った小説だと思います。

『虐殺器官』の黒幕であるジョン・ポールは、「虐殺の言語」を使って世界に虐殺をもたらしていました。小松左京が指摘している通り、虐殺の言語とは何なのかは、作中ではいまいち詳しく説明されていません。しかし、「言語によって虐殺が起こる」という事態は、SNSの誹謗中傷やウェブ炎上をよく目にする私たちには、説明不足でもピンと来る事態ではないでしょうか。
インターネットでは、言語を使った暴力によって人々が傷付けられたり、怒ったりするという現象が、当たり前のように発生しています。『虐殺器官』の主人公クラヴィスも、言語が人間の感情や行動を支配していることに興味を持っています。デジタルネイティブ世代なら、言語によって発生する「ホッブズ的な混沌」が説明不足でもピンと来るはずです。小松左京は旧世代の小説家だから、この先鋭的な感覚が理解できなかったのではないかと思います。

さらに、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動は、本文をマトモに読めば普通に理解できると思います。本文を素直に読めば、ジョン・ポールは「食糧を確保し、アメリカを救うため」に虐殺行為を引き起こし、クラヴィスは「アメリカ以外の全ての国を救うため」にラストの決断をしたことがわかります。
しかし手強いのは、ジョン・ポールとクラヴィスは、おそらくもっと深い事情があって虐殺に手を染めたのだろうと考えられるということです。『虐殺器官』はライトノベル風のエンタメ小説のような感じがしますが、小松左京には読み取れなかった程の文学的な深層があると思います。自信のある方は是非、行間を読んでみて下さい。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841
No.330:
(5pt)

audible版、朗読が最高でした。

朗読の雰囲気と文章が非常に合っているように感じました。演じ分けも素晴らしく、本当にお一人でやられているのか?と思う程でした。他のaudible作品において朗読と文章の雰囲気に違和感を感じる事も少なくない中、こちらはとても良かったです。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)より
4150309841

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