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博士の愛した数式
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博士の愛した数式の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全849件 581~600 30/43ページ
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正直、数字と聞けば意識はどこかへ行き、本を読むのに数学的な事はなにひとつ必要がないと思っていたし、数字のことが書いてあるような書籍には触れたくなかったのですが、映画好きの私に「これは原作読んでから観た方がいい」と友人に言われ、単行本になったのを機に読んでみました。最初から「感動しよう、泣こう」と意気込むとなんにも楽しくない。これはそういうものを超え、最も美しいという数式が知りたくなり、数学、算数が嫌いな私にも、ほんの数時間で読破できてしまいました。数字アレルギーも治りそうなぐらい、暖かい内容でもし自分の幼い時期に、こんな博士がいたら、勉強が楽しかっただろうな、と思う事ができる内容でした。活字嫌いな方にも、数字嫌いな方にもお奨めの一冊です。 | ||||
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寺尾聡主演の映画ができると聞いてから読みました。たいてい、温かみのある魅力的な役を演じることが多いので。読んで見たところ、期待以上に博士が個性的、かつ魅力的な人物であることがわかりました。特に、子供のことを最上の存在とし、常にかばえる大人であろうとする部分などが印象的でした。誠実な生き方によって得られる暖かな関係にほっとさせられます。 | ||||
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数学博士とお手伝いとその息子さんの物語。色恋沙汰は無しでした。そのぶんすっきりして童話のようなはなしでした。途中の数学の公式が勉強になりました。タイガースが出てきたりして面白かったです。博士が可愛いかったです。 | ||||
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この小説には、タイトルに偽りなく(笑)これでもかというくらい、数式や数学の話がたくさん出てきます。そして、理系の人間でなければ、たぶんなじみのないフェルマーやらオイラーといった大学で習うようなものまででてきます。しかし、ここまで、小説に数学が入り込んでも、まったく嫌味になっていないし、説教くさくもなっていない、それどころか、小説の中にちりばめられた数式に心地よささえ感じてしまいます。これは、やはり小川洋子さんの筆力のなせる業なのでしょう。読後感の爽快さは、最近読んだ本の中でも一番です。最後に、他の方も述べていますが、ぜひ数学の嫌いな中学生や高校生(むろん小学生でも大学生でも)にオススメしたいです!ほんのチョッピリ、数学に対する見かたが変わるかもしれません。 | ||||
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読み終わった後に、とてもささやかで小さいけれど、幸せと温かさがあふれるのを感じた一冊。スピードや量を求められながら生きる現代人が、とっても好きそうなストーリーだと思います(決して嫌味な意味ではありません)。当たり前のように日常に転がっているささやかなものたちが生き生きと描かれていて、自分自身も幸せに囲まれてるということを再確認した気がします。とは言いつつも、まだこんな所に収まりたくないなぁ〜って感じたのは、私がまだまだ若くて青いから・・・日々の幸せに感謝できない自分はまだまだだとも思いました。 | ||||
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小説を途中まで読んで,映画を観て,その後小説を最後まで読んだ。短い作品だけど,そこに描かれているのは止まったままの博士の時間と博士を取り巻く人たちの流れていく時間との巧妙な対比。博士の老いとルートの成長。長編小説のような感覚をもって読んだ。博士と家政婦とその息子10歳の3人しか基本的には登場しないのに,そこには永遠の愛,父と子のふれあい,家族の暖かさ,そして生きる意味が嫌味にならない程度に,さりげなく描かれている。なぜ,博士は10歳のルートをこれほど愛したのか。記憶がなくなるということは,偏見を無くした無垢なこどもに戻るということなのか。だからこそ,博士とルートは博士とルートであると同時に間違いなく真の友人でもあったのだろうと思う。博士の義姉は「博士には友人は一人もいない。」と言ったが,10歳のルートこそが最後の友人だった。博士の最後は映画ではなく小説を読まないと分からない。ほのぼのとした作品だけど,最後の最後は少し悲しい。だけど博士は間違いなく幸せだったろうと思える。ぜひ読んでほしい。 | ||||
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博士はある時を境に、もうそれ以上記憶を積み重ねることができなくなってしまった。つらいことだと思う。学者としても人間としても。だが少なくとも数学に関しては、その時までにコツコツコツコツと考え続けてきたことが残っており、随分救われているだろう。それでも80分はあまりに短いか。ただ普通の人だともっとつらいと思う。勉強するしかない。やる気をもらった本でした。 | ||||
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ココロにじんわりと深い感動が広がっていく一冊。文中に出てくる友愛数程の奇跡ではないかも知れないが、この本と出会えた事は私にとって大いに感謝すべき奇跡である。最近「感動」「泣ける」という文句の実は薄っぺらな映画が多い中、これは久々の「当たり」な映画原作本。何処かの映画や原作の様に、「人が死ぬから泣ける」というものではない、という事がこの本をもって分かるはず。 | ||||
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商業ラインに乗せるには完璧。だけど、小川洋子独特の歪みとフェティッシュが全部漂白されちゃって味気ないです。昔の作品をAとするとコレはファン的には正直いってC。でも、とっつきやすいのは確かで、文体は流石に美しくて的確。ただ…、「物語の消滅」とか「目的のない残酷」とか、そういう重くて暗い主題を淡々と書き出して生理的にキツい題材もサラっと並べて、でも「泣かせちゃうぜ!」な感情描写は徹底的に排除してきた過去の小川洋子作品から完全に外れてしまったようです。様々な「病」をモチーフにし続けてきた中でも、非常にその扱いが穏やかで、いかにも一般受けしそうなところもなんだか切ない。「博士の愛した数式」は100パーセント、生活の為に書いたのかもしれません。内容は…数字に対する圧倒的な暗記力と計算能力を誇るが、精神を病んでいる兄と、自堕落な生活をする弟が出会い、旅の末に和解する…という「レインマン」という映画がありましたがソレへのオマージュにも見える感動モノです。うまいです。多分、ふつうに読めば泣きます。「博士の〜」のおかげで昔の作品が増刷されるようなので、そちらを読むのも悪くないと思います。毒があります。 | ||||
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博士の記憶は80分しかもたない。「私が1時間と18分で買い物から帰ってくれば、『おかえり、ご苦労だったね』と迎えてくれるが、1時間と22分たって帰ってくれば『君の靴のサイズはいくつかね』と、問われる。」この、文に込められた家政婦である私の寂しさを思うと、ぎゅっと胸が締め付けられる。博士は私のことを背広にとめられているメモでしか覚えていない。博士はそのメモで私の存在を確認してはいるが昨日、私と私の息子であるルートと話した江夏豊の話を覚えていることはない。でも、そんな博士に私たちが寄せている信頼と愛情は計り知れない。 博士は11や13のような素数を愛するように、私の息子ルートを愛している。息子にとってのルート記号は博士だといえるだろう。ルートの全てを優しく包み込む博士こそ、ルートのそしてこの物語に魅了された私のルート記号なのだ。 これから、中学生になる私にとって、この「博士の愛した数式」という物語は数学という学問への大きな期待を持たせてくれる本でもあった。 | ||||
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映画を見た後、原作が気になり小説を買って1日で読みました。それまで関係がなかったように思える人の気持ちと数式が実は奥深いところでひっそりと結びついているように思えました。内容もさることながら、文章がすばらしい。簡素にて明朗。「潔い」「実現」など、声に出して読みたくなる文章ばかりだ。読み終えてから、いろんなことを想像する。世界で起きている事象も自分を取り巻く出来事でも断片的に見えていたことが、実は友愛数のような数式達のようにどこかで静かに手を取ってつながっており、その関係に思索する作業が博士と共にあるように思えてとても幸せに感じられるようになります。 | ||||
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読後感としては暖かいながら少しだけ寂しさが残ります。「心に残る」というのは正にこのようなことを言うのでしょう。読みながら何度も目頭が熱くなりました。数学と野球(タイガース)という全く関連のない分野を題材に、人物設定もかなり難しいなかで、著者の力量が遺憾なく発揮されています。盛りだくさんの内容からするともう少し厚めの分量となりそうですが、記述は凝縮されており密度の高いものとなっています。後半に出てくる有名な数式については、私は理系なので理解はしているつもりですが(それでも十分神秘的です)、これに文学的解釈を与えた著者は何という感性なのでしょう。数学は一般には嫌われものの代表格ですが、この小説により数学の美しさが認知されていくといいですね。解説の藤原正彦氏は正に適任です。数論の専門家であり且つ小説家でもある氏の解説が本書の価値を的確に表しています。 | ||||
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もうすぐ誕生日を迎える。まだ幼い子供がいる。彼らがいくつになるまで生きていてられるのかと思うと不安と絶望に近い気持ちに襲われる。人生というのは時間と記憶が紡ぐ奇跡のようなものかもしれないとこの頃ふと思う。早大卒の作家はあまり好きではない。『博士の愛した数式』といういかにもなタイトルに警戒を払う。「あまりに悲しく暖かい軌跡の愛の物語」というキャッチコピーに登場人物を殺すことで感動を無理に作り出す昨今の作品群への危惧を覚える。そんな先入観をもって読んだ。非凡な人物はいない。博士が非凡と言えば非凡の極みのような人なのだけれどそれを感じない。特殊な環境はない。「私の頭の中の消しゴム」を思わせるような確かに奇病という環境は存在するけれどそれすらも日常的に誰もが負っているハンディキャップの一部でしかないように感じさせてくれる。冷静に考えると誰一人恵まれた状態にはいない。にもかかわらず目を背けさせるような哀しみや嫌な思いをしながら読み進めなければならないストレスもない。数式とタイガースと子供への思いと各々の糸が無理なくもつれあって紡いでいく時間消えていく時間なのだけれど消えていく記憶なのだけれどどこにも逃げ去っていかないようなやわらかな被抱擁感こんなにも時間をいとおしくこんなにも記憶をいとおしくこんなにも人生をいとおしく感じさせてくれた作品に感謝をしたい。それが意図的な創作であっても見事な数式のように結晶化してくれたこのストオリイをなんら汚すものではない。Thanks for telling this story. | ||||
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映画化されたので、先に本を読んでみた。数学というのは、モノの解決を学ぶ学問である、さらに、それぞれの解き方があり、答えは一つという素晴らしい学問である。このことを実感できるストーリーになっている。ただ、個人的にも江夏ファンであったが、江夏が登場することは、時代背景が限定され、表現の中にその時代の空気をもっと感じさせてほしかった。 | ||||
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1975年で記憶が止まってしまい、80時間しか記憶を積み重ねられないという博士と、その世話をする家政婦(私)とその息子(ルート)の三人が織り成す心温まるエピソードの数々として綴られます。表紙と同様、内容も爽やかで、読み終わった後に胸にくるものがあります。タイトルに「数式」とあるように、話の中に数学用語が沢山出てきますが、その解説が非常に解りやすく、話の内容ともマッチして、効果的に挿入されています。映画化は難しそうだなと思っていましたが、このほど公開された映画を見ると、「阿弥陀堂だより」でみせた小泉堯史の脚本の手腕が、ここでも見事に発揮されていました。 | ||||
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数学を、小説のなかに、取り入れたという着想に、まず乾杯!それをルート母子に伝える記憶が80分しか続かないという天才数学者というキャラクターを作り上げた小説家のイマジネーションに脱帽!博士という人は、現実世界のなかでは、ちょっと存在しにくい人だ。記憶が80分しか続かないという破綻を与えてこそ、無垢な人物像としてありえるのだと思う。しかし、この博士のもとに派遣される家政婦母子にとっては、80分しか記憶が続かない博士と過ごすことは、障害にはならない。きらきらした時間を、与えられることになる。博士の記憶には残らなくても、その過ごした時間は、二人には永遠の時を刻む。この作品は、どんなに現実が煩雑で面倒でも、数式のように清らかに存在する真理があり、時を超越して普遍的なものがあることを教えてくれる。清らかで美しい日本語の紡ぎだす世界は、とってもオススメです。 | ||||
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小説を読むことは、想像力を鍛えることだと思う。80分で記憶が消滅してしまうという現実があるのか。あるとすればそれは、どれくらいの苦しみなのだろう。そういった苦しみを持っているからこそ、人に、あらゆるものに対して優しくなれるのだとしたら、健常であるということで、謙虚な気持ちを忘れてしまうのだとしたら、そのこと自体、どれほど罪深いことだろうか。博士がプレゼントを受け取るシーンは、自然と涙があふれた。こんなふうに、深い感謝で「受け取る」ことのできる人になりたいと思う。そして、人にものを教えるという仕事に就く者は、同時にものを教えられているのだということをいつもいつも忘れないでいたいと思う。 | ||||
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今までに数学的な読み物をたくさん読んできましたが、小説はあまり読みませんでした。前に、子供達が数学を使って怪獣に向かう内容の[数のモンスターアタック]という物語を読んで、互いに助け合っていく心暖まる思い出があります。しかし、それ以外は数学的な読み物で心暖まる本は読んだことがありませんでした。[博士の愛した数式]は小説だと思って今まで敬遠してました。ようやく最近になって読んで、この本もとても心暖まる数学的な読み物だとわかりました。でも、前の本とこの本を比べて何か違うと感じて考えました。前の本は数学を応用して怪獣に向かうところに助け合う暖かさがありますが、この本は数学の内面にある暖かさを表現していることに気づきました。これができるのは数学者では無理な感じがして、すばらしい文を書く力のある小川洋子さんしかいないと感じました。さらに付け加えると、小川さんは数学をよく勉強したからこそ、その内面の暖かさを現せたと思いました。筆の力のすごさを心から感じます。小川さんの新聞連載の童話も大好きです。 | ||||
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「いい人を揃えて涙を誘おう」「子どもたちに数学への興味を持たせよう」「児童生徒向けを意識して、(家政婦と義姉との葛藤、博士と義姉との怪しい関係などの)どろどろの部分は伏せよう」という魂胆がみえみえの作品。要は難病ものや「一杯のかけそば」のインテリバージョン。批判されにくい題材、商業的成功は間違いなし。作者の「世渡り上手」に深く感じ入りました。 | ||||
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なんともやさしい小説だ。数学と聞いただけで頭痛がする私で、この本に登場する数々の数式もさっぱりわからなかったのだが、それでも読んでよかったと思っている。80分しか記憶がもたない博士の哀しさ、幼子のようなもろさ、しかし数学に関して語るときの生き生きした様子。そしてなんとか博士を傷つけまいと必死の努力をする「家政婦」とその息子「ルート」のやさしさ。子供なら無条件に愛するに値すると言い切る博士の、ルートに対する愛情も痛いほどに伝わってきて、不思議な世界をかもしだしている。80分ごとにリセットされ、ゼロに戻っていく博士の世界と、これからもずっと思い出として母子の心に行き続けるであろう博士の姿が対比され、さらにいっそう切なさでいっぱいになる。映画も是非観てみたい。 | ||||
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