■スポンサードリンク


博士の愛した数式



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
博士の愛した数式
博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式の評価: 4.32/5点 レビュー 849件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全849件 701~720 36/43ページ
No.149:
(5pt)

うつくしい祈りのことば

久し振りに、成功した"小説"を読んだ…そんな気がした。美しい文章、おもしろいストーリー、そして生きる指針の三拍子がそろった、という意味である。『妊娠カレンダー』や『揚羽蝶が壊れる時』などで見せた、生活や母性の否定は影をひそめている。作者は自身が母となり子どもの成長を見守る体験をしていく上で、自分もまた成長したのだな、と思った。しなやかなやさしさに満ちた作品である。数学にせよ文学にせよ、余分なものをそぎ落として、世界の秘密に肉薄しようと地道な努力を続けた人に見えてくる世界というのは似ているのかもしれない。真の知とは、愛とやさしさなのだ、ということ。人間の叡智が、世界に平和をもたらすことを、この作品と共に祈らずにはいられない。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.148:
(5pt)

不思議な小説

出だしから数学の話なので読む本を間違えたかなと思いましたが、読み進むうちに博士、ルート、私の世界に引き込まれてしまいました。80分しか記憶の残らない「博士」、記憶してもらえない寂しさを乗り越えて世話をする家政婦の「私」、「私」の息子「ルート」を慈しむ博士、三者三様にお互いを労わる人間関係がすごくいいです。数学の話が出てきて、ストーリーを壊してしまいそうですが、全然邪魔な感じが無く、むしろ心地よく感じさせてくれます。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.147:
(2pt)

違和感が・・・

80分しか記憶が残らない博士、という設定にとても期待して読んだのですが、あれれ~?って肩透かしを食った感じです。文章が淡々としていて、心にひっかかるものがなかったです。また、「私」が自分の息子に対して「ルート」と呼ぶことに違和感を感じました。博士がいない場所では本名で会話するのが自然ではないでしょうか?たった一人で懸命に育ててきた息子なのに・・・。期待が大きかったぶんだけ残念でした。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.146:
(3pt)

イマイチ

本屋さんが選んだ本、ってことで読んでみたのですが、私にはいまいち感動が伝わりませんでした。ドキドキワクワク系が好きな人には、あまりおすすめではないです。というのは、文章が繊細で優しくて、読んでるうちに眠たくなってしまうからです。なので、飽きっぽくて集中力が続かない人にはちょっと酷かな。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.145:
(5pt)

愛すべき愛されるひと

「セカチュー」でも「今、会いに~」でも泣かなかった(泣けなかった)私ですが、……油断しました。「博士の愛した数式」、特に悲しい場面があるわけではないのに、前半からもう泣きっぱなしで。 登場人物のやさしさや労わりが胸に迫ります。 この時間と記憶を持たない愛すべき愛される博士との生活が本からこぼれてくるようです。是非ご一読ください。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.144:
(5pt)

映画も観てみようかな?

~この作品を読んで『数学を愛する』という感覚が少しわかった気がする。博士も、私も、ルートも、「義妹」も世間一般では「不幸」といわれる境遇におかれていながらも、懸命に生きている。いたわり合い、慈しみながら。それでいて、べたっとした感じが全くない不思議な関係。そこに登場する「数学」は決して無機質なものではなく生きた言葉のようなもの。~~~~幸せな読後感を残してくれる傑作だ。映画ではどう描かれるのか?~~
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.143:
(5pt)

究極の一期一会の心温まる物語

僕は理科系ですから、整数論へのあこがれは親しみのあるもので、そこにある種の質素かつ清潔な光が満ちているとは思っていました。でも数式や素数なんてものを媒介にして、こんなに暖かい物語が綴れることに驚きました。しかも、主人公の記憶は80分のエンドレステープのようなものという特異な設定があります。通常の概念では人と人との「愛」、いや、単なる人間関係がなりたつことも困難と思えるのに、究極の一期一会の繰り返しが見事に物語となっているのです。このユニークな設定のなかで紡ぎだされる微笑ましい童話の結末は、決してハッピーエンドというわけでもありませんが、終盤近くに明かされる「もう一つの愛」とも相まって、深く納得させられる読後感があります。主人公が示す「数」へのこだわりをここまで描けるのは、この作者も相当の数学通に違いないと感じましたが、著者の経歴は純然たる文科系で、この点も驚きです。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.142:
(3pt)

こういうものかと・・・

評判になっていたので読んでみたのですが、予想していたものとは異なっていました。つまり、もう少し「ほら泣け、そら泣け、もっと泣け」というようなものだと思っていたのです。小川さんの本を読んだことがなかったので。ですから、そうしたものを欲している人にはけっしてお薦めしません。細かい性格の人にもお薦めできません。心を軽くして読むと、あっさりした読後感がけっこう気持ちいいかもしれません。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.141:
(5pt)

さわやかな風が吹く感じ

私は超文型。だからこの作品が数学者の博士の話だ、と聞いて、ずっと読む気が起こらなかった。でも、これだけ話題だし、やっぱり仕事柄読んでおこうか・・・と一大奮起。結果は・・・よかった。とにかく読んでよかった。数学が私のように嫌いでも、数学者の博士とお手伝い?の私、そして息子のルート(頭の形がルート記号のようだから、と博士がつけたあだ名)の3人の関係がほほえましいのだ。息子はまだ小学生なのに、独特な個性を持つ博士との関係を上手にできるようになるし、気遣いだってできるのだ。こんなに賢い頭をもつルートは感動ものだ。そしてもうひとつ、ストーリーとは直接関係ないかもしれないのだが、私の作る料理のおいしそうなこと。やっぱり人間、食べるものって大事よね。と思う。読みながら「おいしそうだなぁ~」と思い、ダンナにもこれくらいのものが作ってあげられたら、私達は末永くうまくいくだろう、と勝手に思ったりして。また素敵な作品を作り上げる作家に出会えた。ところで作者の小川さん、あなたは数学が好きなんですか?
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.140:
(5pt)

木漏れ日のような作品

「数字」によって結ばれていく絆が暖かく、でもベトベトしたものじゃない、穏やかな春風のようでした。元々数字は堅苦しい、難しいという人間の心理を上手く利用した表現だったのではないでしょうか。博士の記憶のリミットだって悲しいものには変わりないんだけど、それを柔らかい光で包むことによって、今までとは違う愛しさがありました。ラストもシンプルで好きです。何かを伝えるための本ではないと思う。でも一度は読んで欲しい本です。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.139:
(5pt)

神は細部に宿りたもう

”神は細部に宿りたもう”これってどういう意味?と聞かれて心の中や頭の中では漠然とだがはっきりと思い描くことが出来る、でも言葉に出して説明するとなるととたんに難しくなったり、陳腐になってしまったりしてしまう。目には見えない、言葉でも表現するのが難しいという”部分”を分かりやすく具現化したものがこの小説だと思う。なんて美しい文章なんだろうと読み始め、純粋無垢な登場人物たちに、(特に”博士”)涙があふれて止まりませんでした。自然対数の底、あるいはΠのように永遠に割り切れない数、そうした数学の世界に生きてきた博士にとっての”永遠”は私たちの永遠とは意味も深さもまるで違う。博士にとっての永遠は真の永遠だというフレーズに出会えてよかったと思いました。また、80分しか記憶を留めておくことの出来ない博士に、ルートとその母であり博士の家政婦は、博士にうそをついていることを後ろめたく思う。そしてうそをつくか否か迷う。博士にうそだと分かってしまうことなど絶対に分からないのに。物語のそこかしこにこうした深い愛情や本当の思いやりがふつふつと感じられる傑作と思いました。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.138:
(5pt)

絶賛です

最初、「もしかしたらつまらないのでは??」と危惧したのが正直なところでしたが、いや全然!!!!80分しか記憶維持できないのに高度な数学を操るという設定がまた非日常的で、その中で子供との対話が生まれるという実に日常的な設定。数学が面白いものであって、またまったく無機質でない事が本書で証明されたといえます。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.137:
(5pt)

ほ~

小川さんの作品を初めて読みました。中間・期末テストの数学が毎回赤点の私にとって数式を愛するなんて・・という感じでしたが、いくつかの簡単な数式は理解できたし面白かったです。記憶が80分しか持たないというのはどんなもんなのか想像もつかないし、相当暗い設定だと思うのですが、全体を通して読んで得る感じが優しいので読みやすいのですが、優しい雰囲気と一緒にやるせなさを感じたりもしました。けれど、後味が悪いわけではないので、読んで損はないと思います
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.136:
(4pt)

飾り気の少ない、読みやすい本。

本を「読みやすい」か「読みにくい」かで分けるとするとこれは自分にとっては「とても読みやすい」本だった。文体が受け入れやすく言葉の響きが心地好い。この時点ですでに好印象。全体としては、描かれている老人(題名で言うところの”博士”)が、とても魅力的で、彼に虜になるあまり、大して”泣かせる細工”があったわけでもないのに終いには感動の涙を流してしまった(笑)28この数字を見て、「崇高だ」と感じる人はどれくらいいるだろうか?「数字」に美しさを見出せるようになっただけでもこの本を読んだ収穫は充分にあったと思う。美しいと思えるものは、多いほうがいいはずだ。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.135:
(4pt)

小川洋子さんの異色作

個人的には小川洋子さんの作品の中では異色作だと思います。私は多くの彼女の作品を読ませてもらいましたが彼女が初めて実在の人名を用いて話を進め、また括弧()を用いて物を説明するのを見ました。ただその中でも小川さんの透明感は少しも損なわれる事は無く数式を用いる、記憶を用いる事においてその才能は発揮されています。彼女にかかれば学生の頃に頭を悩ませていた数式でさえ透明感を持って伝わってきます。自分個人としては普段の作品に見られる彼女の透明な残酷感がはっきり表れているものの方が好きなので星4つですが最近の小説のだらしなさにがっかりしている皆さんには絶対におすすめの一冊です。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.134:
(5pt)

記憶にまつわる物語

この小説は記憶にまつわる物語だ。記憶は執着することでうまれる。執着には、誰かや何かを大切に思ったりする良いものと、憎んだりうらんだりする悪いものとがある。そして良い執着からうまれる記憶をとくに、思い出と呼ぶのだと思う。心ゆたかな人ほどたくさんの思い出を持ち、博士はたくさんの思い出を持つべき人として描かれる。数学を愛し、子供を愛し、どんなささいな好意に対しても感謝と敬意を忘れない人。けれど、博士の記憶は80分しか持たない。博士と博士をとりまく人たちが、どんなに相手を大切に思いあっても、博士の記憶には残らない。物語全体に漂う、切なくて、どうすることもできない感じは、ここから生まれてくるのだとおもう。博士の記憶が失われるたび、大事なことに気づかされる。誰かの記憶に残ること、何かを記憶するほど想うこと。淡々とした日々の生活の中に見出せる大切なこと。いつか人と共に記憶も消え去る切なさと共に、絶対的なものの存在を感じて、心がほっと落ち着くような物語だ。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.133:
(5pt)

「実生活の役に立たないからこそ、数学の秩序は美しいのだ」

自分は小説は全くといって読まない方ではある、がこの本のタイトルに妙に惹かれてしまった、これが博士の愛した「数学」だったら購入していなかっただろう、人に愛されるような数式があるとするのであれば、見てみたいというのが動機である。内容は期待を裏切らないすばらしいものであった、博士が本の中で口にする「数式」には意味があり、美意識の塊でもありまた聞くものに対して圧倒的な説得力を持っていた。「0(ゼロ)」に対して、博士がいかにすばらしいものかを説いたときは、自分が普段何気に気にもとめていなかった「存在しないものを「0」として存在させた」ことの意義に感動すらさせた。最後に博士の発した言葉の中で一番好きな言葉をレビュータイトルに載せておきます。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.132:
(5pt)

静かで暖かい小説

とても静かで、哀しくて、暖かい本でした。80分しか記憶の持たない「博士」と、そこに家政婦として通うことになった私、ルートと呼ばれる阪神ファンの私の息子の三人の日々が描かれています。小説内にいくつもの数式や、証明といったものがでてきますが、数学のことをほとんど覚えていない私でもそれが全く邪魔にならず、むしろ美しいものとして感じられました。読みすすめていくうちに、どんどんと、どこかとても居心地のいい場所に閉じ込められていくような、澄んだ水を覗き込むような気持ちにさせられていきました。それは、文体や、描写からにじみでるこの小説の雰囲気といったもので、そしてそれを何よりも表しているのが、80分しか記憶の持たない、ひどく優しい博士の存在でした。子供をとても大切にしている、素晴らしい質問をしたと思わせる才能を持った博士。読み終えた時に、ゆっくりと暖かい気持ちになれる、少し前向きな気持ちで明日からやっていこうと思う、それが小説のもつ絶対の力であると私は思っていますが、この本にはそれがあふれていました。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.131:
(5pt)

美しい数式と美しい心

数式を美しいなどと思ったことはなかったが、博士から語られる数式はとても美しく、数に関する様々なレクチャーは実に面白い。一日中考えていた難題が解けたときの爽快感は経験があるが、それを「今自分は、閃きという名の祝福を受けているのだ」、「神の編んだレース編みの切れ端を手に取る」などという表現力には舌を巻く。80分しか記憶の保持ができない博士の記憶をつなぎとめるため、背広のあちこちにクリップでとめられたメモ。そんな博士の姿を想像すると、とても切ない。未婚の母である家政婦と、その10歳の息子ルート、博士、3人の暖かい心の交流を描いている。人間のどろどろした部分は意図的に省略してあるように思うが、それゆえに高校生の課題図書になりえたのだろうし、それはそれでよい。自分の息子が成長したら読ませたい本の1冊に加わった。数学の好き嫌いに関わらず、人間として普通の感覚を持った人が読めば、必ず感動が得られるはず。一生心に残るすばらしい小説だ。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.130:
(4pt)

博士も愛した神

■記憶と価値博士の記憶が損なわれている事が彼の性格を形成するのでなく、数学の証明に淡白であり、その見返りも求めない性質が記憶力の不足を補う。価値観は経験によって培われるものと考えられますが、子煩悩といえる博士の価値は記憶容量最大80分を輝かせる絶対的な地位を占めている様です。■ふれあい決して幸福でない家族構成や生活環境を跳ね返す数式、そこに人と人とのふれあいが繰り返し芽生える。パートナ不在の老婦人も、母も、その子も、数式を愛するだけの博士の内に秘める慈愛に惹かれ、飾ることのない実直な人間関係に恵まれます。■思い出博士にとって忘れ去られる記憶/ 経験でも、博士を愛する人々は大切に記憶を育みます。忘れ去られると分かっている博士の思い出を大切に思う内面描写がとても素敵で、それは逆境といえる環境を跳ね返している様を綴っているかの様です。■数「神は存在する。なぜなら数学が無矛盾だから…」という説に登場する神は、無矛盾で飾られていますが、哲学者デカルト (Descartes) も人々の共通する思いに神が存在すると申しておりました。博士の愛した神が、この家族を引き合わせたと私は思いたい。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!