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博士の愛した数式
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博士の愛した数式の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全849件 821~840 42/43ページ
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登場人物と、文体の爽やかさに心地よく読んでいたら最後に泣かされてしまいました。たまたま読んでいたのが電車の中だったのですが、大の男が電車の中でぼろぼろ泣いてしまいました。だって、最後の数頁まで泣けるようなストーリー展開ではなかったのですから。映画のフィールドオブドリームスのラストで泣いた人は、この本のラストでも泣けます。映画グッドウィルハンティングで感動した人は、この本でさらに感動します。 | ||||
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バッハの曲の中に様々な数学的仕掛けが隠されていたり、ドイツ・ロマン主義の詩人ノヴァリスが数学に魅せられていたというエピソードは有名だが、数学には何かしら人を惹きつける神秘的な美しさがある。昔のヨーロッパの人々が数学の法則の中に神の意思をみようとしたのも無理のないことかもしれない。80分しか記憶がもたない老数学者「博士」。「博士」の世話をすることになった家政婦の「私」と、その息子。シングルマザーの主人公は、特に何の精彩もない、不遇と言ってもいい人生を送っているが、数学の美しさを通じて世界を賛嘆する「博士」に接するうちに、次第にその人となりに惹かれていく。博士に「√」(ルート)というニックネームをつけられた息子も。この作品には現代日本文学において最も稀な3つのものがある。愛と驚きと喜びである。「博士」「私」「√」の3人の間に満ちる浄福ともいうべき親密な感情、数学法則に接する中で、この無意味な世界に何かしら意味のようなものを発見する驚きと喜び、著者は幻滅の支配する現代において奇跡のように美しい世界をつくりだした。本書は読売文学賞を受賞したが、純文学業界にとっても本書の存在は福音である。日本文学史に名を留めるであろう傑作、全ての人におすすめしたい。 | ||||
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すばらしい、久々に心が美しくなるような思いでした。日々過ぎていく日常のなかにはささいな幸せが隠れていること、そして数字にはたくさんの美しさがあるような気がする話でした。私は数学が大嫌いでしたが、これをもっと早く読めば違う見方もできたのではないかと思うくらいでした。数字はどんなに美しいか、それとともに日々の生活も・・そして、子供とはいったいどういう存在なのか。守られるべき当然のモノとして描かれているのがいいと思いました。80分の記憶ときくと、切なくなるかもしれませんがそれを日々受け入れて生活している博士をそこに関わる博士を思いやる気持ちをもっている私・息子であるルートの存在は本当に素晴らしく描かれているとおもいました。 | ||||
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~ 91年、『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞した小川洋子が2003年に放った“最高傑作”が本書。~~ 10歳の息子と二人暮しの「私」は、家政婦として生計をたてている。その私の新しい勤務先となったのは、事故のため80分しか記憶が持たない初老の数学者=「博士」の家だった。80分しか記憶がもたない博士の関心事は数字だけ。独り数学専門誌の懸賞問題に没頭する日々だったが、私の息子には、優しいまなざしを向ける。やがて家族のような付き合いが始~~まって… 素数は美しいという博士が語る数学。それが解き明かす世界。混沌とした世の中にあって、唯一絶対の形をとって現れる数式。それらが語っているのはただの数学かもしれない。しかし耳を澄ませてみると、もっと大きな、真実が聞こえてくる…。~~ 数学という、どこか耽美的な主題を軸に、一貫して流れつづける美しい旋律。あっという間に読み終えてしまえる一冊。~ | ||||
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家族愛、隣人愛を最も純粋に分かりやすい形であらわした一冊と言っても間違いではないでしょう。 全然違う立場の三人が互いに助け合い、互いに必要としあう。こんな幸せがいつまでも続けばいい・・・。と思う事は誰にでもあるだろう。でも、幸せはいつもはかなく消えていく。いくら楽しい思い出も時間が風化させてしまう。 この本を読み終えたとき、読者の心に残るのははかなく消えていく思い出だろうか。きっとそんなことはない。おそらく、全てが終わったとしても『彼ら』の心には一生忘れられない思い出になるだろう。そして、読者にも忘れられない一冊になるのではないだろうか。 ぜひ多くの人に読んでもらいたい感動的な一冊です。 | ||||
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キャッチの天才数学者という言い方よりは、むしろ数学を純粋に愛し語ることができる研究者というほうがまだしっくりくる。80分の記憶しか持たない障害がもし他の人に起こったら、・・・。このストーリーは生まれない。このパーソナリティあるからこそ、若くして私生児を生み家政婦になった語り手と、その頭の平らな私生児の間の、脆いデリケートでスリリングな関係はなかったろう。そして儚い関係がひと時続いたからこそ、このストーリーが読者にもたらす感傷は貴重だと思う。涙を流すようなストーリーではないからこそ、その時だけ流されることのない、語り手と同じ懐かしさが共有できる。 | ||||
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表紙のイメージ通りに、穏やかで美しく、静かなかなしみのある物語です。理系だったので、数学とは大学受験でさんざん付き合いましたが、私にとって数式や記号はただの道具であり、解答に至るまでの一本の道でしかありませんでした。博士に、ほんとうはそこに宝物が埋まっていたのだと教えてもらったような気がします。少し、得したかんじです。 | ||||
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とても素敵な本です。心が温まります。数字ってこんな意味のあるモノなんだと認識させてくれる所が多々ありました。素敵な世界観の本です。数字に意味があるなんて考えた事ありますか?数字を愛で表現できるなんて、ステキです。更に阪神ファンにはオススメではないかと思います。古き良き時代の阪神選手の活躍も伝わります。とにかく数字がキラキラ輝いて別のモノに見えてくると思います。 | ||||
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博士の数字に対する敬意、愛情。それが博士を通して「私」とルートにも伝わり、今まで記号としてしかとらえていなかった数字が、美しく、愛すべきものになっていきます。博士は愛する数字や数式の意味を語るとき、まるで詩人のようです。数字なんて堅苦しいものと考えていた私も、最後まで読むとその美しさを理解することが出来ました。「私」とルートの博士を思いやる心、博士の2人に対する精一杯の気配りは人が生きていく上で大切なことを教えてくれているように思いました。 | ||||
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「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ。」80分間の記憶しかもたない元天才数学者の博士、その世話を頼まれた家政婦の私、そして博士に「ルート」と名づけられた私の息子。それまでどことなく切ない人生を歩んできた3人が、お互いの心を思いやりながらやさしく触れ合う、なんとも心温まる物語。「数学」というおよそ文学とは対極に位置するモチーフを用いながらも、難解な専門用語は少なく、むしろ全体的に滑らかな文体であっさりと読み進めることができます。「――友愛数だ。めったに存在しない組み合わせだよ。フェルマーだってデカルトだって、一組ずつしか見つけられなかった。神の計らいを受けた絆で結ばれあった数字なんだ。美しいと思わないかい? 君の誕生日と僕の手首に刻まれた数字がこれほど見事なチェーンでつながりあっているなんて」私たちが普段なにげなく目にする「数」、それが時として人と人をつなぐ鎖になるということ。博士はそれを教えてくれます。読後、一つ一つの「数」がなんだかとても新鮮に思えました。そして「数」という無味乾燥なものが、実はとっても優しいモノなのだとも感じました。この本は私たちの心に足りないものをそっと埋めてくれる。そんな気さえしました。数学嫌いの人には特にオススメします。きっと自分が数学が嫌いになる前の気持ちを思い出すことができるでしょう。253ページ。 | ||||
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美しい!この一言に尽きます。読了後のこの世界の美しさときたら・・・自分の前を走る車のナンバーさえも私に感動を与えてくれました。私たちの住む世界には欠かすことの出来ない“数字”。当たり前に目にしていたそれがこんなにも素晴らしいものだったなんて。作中に登場する昔学校で習った数学の公式、あの時の私は何故この式に感動しなかったんだろうとちょっぴり後悔もしました。 | ||||
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ほのぼのとした、独特の世界観。数学博士と若いお手伝いさんとお手伝いさんの息子が主な登場人物で、時代設定は現代ですが、なんとなく昭和初期のような雰囲気がただよってます。恋愛小説というより、登場人物がみんなそれぞれをいたわりあっているすがたに、こころがあったかくなる一冊です。数学のことにもちょっと詳しくなれますが、難しいところはざっと読んでしまいました。 | ||||
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読み終えて最初に感じるのは、爽やかな時間の流れでした。しかしながら、三つの疑問が引っかかっています。どなたか疑問に答えていただけませんか?一つはオイラーの公式です。義姉が納得するほどの意味を感じませんでした。専門知識があればわかる事なのでしょうか?二つ目は義姉との関係です。特別な関係かどうか勘ぐりませんが、思わせぶりな文だと感じています。三つ目は大人になったルートへの態度です。子どもであるルートに無条件の愛を注ぐのは理解できますが大学生のルートに対し、記憶のない状態で昔と同様に愛しているようです。容姿は完全に大人でしょうから、記憶にない大人に対しての態度とは思えませんでした。粗探しのようで気が引けますが、素朴な疑問です。しかし、どこか気持ちよさを感じる一冊であることには間違いありません。 | ||||
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博士とルートの交流は可愛らしく、80分しか記憶がもたないことのつらさを思うと泣けました。とても素晴らしい小説です。透明な感動が残りました。最近、小説には笑える系のおもしろさやスリルなどばかり求めていたのですが、こういうおもしろさもあるんだな、と思いました。小川洋子さんの小説はこれが初めてですが他も読もうと思います。 | ||||
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テレビや新聞で薦められているのをみて、購入しました。テレビで、「こんな私でも数学がわかる」と感動していましたが、理系の方で、数学アレルギーを持っていない人にとってはあまり意味のない本です。むしろ、数式のつまった、通常の数学の本のほうが、すっきりしていて、わかりやすいかも。 | ||||
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80分しか記憶がもたないという天才数学博士の、ありえないのにありそうな日常が、上品なユーモアに包まれていて心地よく読み進められました。受験時代、美しい解き方が正解に最も早く近づけると数学の先生に言われた覚えがあります。数式の美、家政婦の日常、阪神タイガース。これらのキーワードがバランスよく展開しながら、さしたる大事件も起こらないこの静かな物語を牽引していく手法に脱帽です。 | ||||
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80分しか記憶がもたない博士と、その家政婦私、そして家政婦の息子ルートの3人で、物語が進んでいきます。内容的に面白いため、最後まで一気に読み進めました。季節感などを表す、文学的な表現により、物語が鮮明にイメージできました。博士の話す、数の美しい世界に関しては、正直あまり共感できませんでしたが。 | ||||
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10歳のルート君に博士が無条件の愛情をそそぐところを読んで、自分の死んだおじいちゃんを思い出しました。数学をやっている人って、変わっているけど、純粋な人が多いように思います。もしかして、著者は『放浪の数学者エルデシュ』『フェルマーの最終定理』という本を参考にしているのかもしれないです。このエルデシュという人も地位も名誉も関係なく数学に全てをささげた人ですが、子供が大好きで“エプシロン”と呼んでかわいがっていたそうです。シン、とした上質の空気が漂う、心に残る小説です。大事に持っていて、折に触れて読み返したいと思います。 | ||||
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事故によって80分の記憶しか持てない博士と家政婦、その息子の心の交流を描いた小説です。この話が実話に基づいたものなのか、フィクションなのか、ボクは知らないのですが、この中に描かれた生き生きとした情景はとてもやさしさにみちた、そしてやさしく生きようとした人々の様子がよく伝わって来て、とても豊な思いに満たされました。感動とかという大げさな形にしない、何気ないくらしの中に満ちたじわじわとくるようなやさしさがとても好きな小説です。 | ||||
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知人の日記で、”おすすめだ”とのことが書いてあったので購入した。読んだ。数学から遠ざかっていた自分だが、もう一度頑張ってみようと素直に思えた。最近は、いいと言われるラブストーリーほど誰かの死が伴う。その心配がなく読めるのも気に入った。 | ||||
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