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博士の愛した数式
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博士の愛した数式の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全849件 641~660 33/43ページ
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数学オンチなので、出てくる数式はあまり良く理解できなかったけど、それでも胸にジーンとくる物語。 読者を泣かそう、泣かそうとする作者の意図が見え隠れするような最近の書籍には無いスッキリとした読後感でした。 | ||||
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映画化に先駆け、ハードカバーから文庫化した本作。話題の作品でもあることだしと、なんとなく買って読んでみました。読み終わって思ったのは、「やさしい物語だな」ということ。誰かが死ぬわけでもない。劇的なまでに派手な悲しみの描写があるわけでもない。ただ、静かに物語は進んでいく。読んでいるうちにじわじわと染み渡っていくような、そんな感じがした。困ると数字を持ち出す博士の不器用さ、博士に気付かせまいと努める“私”とその息子ルートの優しさ。特にルートがいい味を出しています。彼がいなければ、物語は動きださなかっただろう。映画化ということで、彼らの物語が映像の中でどういった感じで描かれるのか。楽しみです。 | ||||
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この小説は、事故による特異な障碍で記憶が80分しか保たないが、卓立した数学者である「博士」と聡明な「家政婦」さん、そして頭の形から「ルート(√)」と呼ばれるようになった家政婦さんの利発な息子との世にも美しい正三角形の、いや博士を頂点とする二等辺三角形の愛の物語である。この3人の互いを切ないほど思いやる心根に、気持よく感動してしまった珠玉の作品で、最終章ではちょっと眼が潤んでしまった。 | ||||
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似たようなストーリーが見当たらないというのは、最近の純文学では珍しいのではないでしょうか。数学の持つ抽象性と、阪神タイガースの取り合わせが成功しているのに驚かされます。それらの一風変わったモチーフも、記憶障害という悲しい病も、小川洋子の筆によって見事に調和して、独特の静謐な世界を作り上げています。他の小説を後回しにしても、読む価値があると思います。 | ||||
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最近、人間社会がなんとなくぎすぎすとして居心地の悪い思いをすることが増えているように思う。そんな中、この小説は、人間の暖かな善意、やさしさ、といったものを描いていて、読んでいて心が洗われる。数学についても、本当はものすごくしんどくて凡人が興味を持つなんていうレベルであろうはずはないんだけれど、それでもちょっと数学書を本屋でぱらぱらと立ち読みでもしてみようかな、なんて気にさせる力も持っている。なかなかの佳作。 | ||||
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博識で浮世からかけ離れた感のある、初老の紳士との、淡い心の通い合い。知らず知らずのうちに「センセイの鞄」と比較しながら、一気に読んでしまいました。9人もの家政婦が長続きしなかったのに、主人公が博士とうまくやっていけたのは、最初の出会いがすべてだったようです。他人と関わるときに必ず数字を持ち出す博士との、最初のやり取りの中に、「温かみが伝わってきた」と感じられたからなのでしょう。あまりに幸薄くそれ故に気丈な主人公だからこそ、わずかな温かみを見逃さなかったのかも知れませんね。また、それにも増して息子がエライ。「三丁目の夕日」みたいに博士と心を通わせてゆく。息子は博士の、常人とかけ離れた見てくれや振る舞いの向こうに、自分を絶対に守ってくれる安心を見抜いていたんでしょうね。すなおに「やっぱり恋愛小説はいいなあ」と思わせてくれます。 | ||||
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「本屋大賞」までとった超話題作なのに、大好きな数学を題材にとった小説なのに、とうとう文庫化するまで待ってしまいました。映画が封切りになる前に大急ぎで読みました。ゆっくり楽しもうと思っていたのだけれど、先が気になって気になって、ページを繰る手が止まりません。小川さんらしい、やさしい描写の積み重ねに、序盤からほろほろうるうるし通しでした。記憶が80分しか続かない人生はどんなだろう、と想像するだに切なくなりますが、そのなかにあたたかい気持ちを育んでゆく人々、それぞれの姿にじんとさせられました。数学+阪神タイガースという一見不似合いな取り合わせも物語に緩急とドラマをうみ、どちらかあるいは両方を敬遠する人にも、その幸せな世界へ誘う手をやさしくさしのべています。 | ||||
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数学には整数に関係する学問もあって、それも素晴らしいでしょう。他には前にガラス細工で見せてもらったクラインのつぼというものを素晴らしく思う人もいるでしょう。コンピュータを研究する2進法も聞いたことがあります。世の中にはいろんな学問があって、数学にもいろんな学問があるのでしょう。でも、自分が研究している学問だけが素晴らしい、というような自分勝手な意識は心がせまいのでよくないでしょう。小川さんはさいきん藤原先生と二人三脚で仕事をされていて、この本もそうです。藤原先生はさいきん、新しい歴史教科書を作る会の先生方と一緒に、女性が天皇になるのは絶対許さない、という活動を堂々とされています。ならば小川さんは二人三脚の一人として、女性が天皇になることに反対という立場かどうか、言ってほしいです。 | ||||
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新しい記憶が80分しか持たない数学者の博士。その家政婦と息子。この三人の物語。 数学なんていうと難しくてなんだかよく分からないものであるというイメージですが、この博士にかかるとなんとシンプルで興味深いものになるんだろうと感心しました。 その設定の奇抜さがうまく機能していて清々しい物語に仕上がっていると思います。 「博士の愛した数式」とはもちろん言葉どおりの意味ではないでしょう。「数式」=人間という感じでしょうか?ことに子供。文中にたびたび出てくる「素数」。これは人間で言えば「子供」というイメージを僕は持ちました。混じりけのない数字、すべての数字の基となる存在。それが「子供」だと思いました。それを最も愛したのが博士だったのでしょう。 心の温まるいい小説だったと思います。 | ||||
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映画化されるんですね。知りませんでした。本屋大賞1位との情報から、手にとった作品でしたので・・・。色んな前情報が邪魔をする前に読むことができて幸運でした。登場人物達の間に漂う空気のようなものが、せつなくて可愛らしくて愛しい、そんな物語です。これからも、何度か読み返すことになりそうな予感がします。 | ||||
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きっかけはやはり、本屋大賞第1位と言うのを見てから。友人からもすごい勧められていたので、もの凄いスピードで一気に読んでしまいしまいました。主人公を取り巻く、登場人物の「存在」。これが何よりも魅力的だった。…80分しか記憶を持続出来ないそんな博士が幸せになれる方法??やはり、「人」とは一人で生きていくものじゃない。支え合って生きている。単純で当たり前であるからこそ、どうしても忘れがちになってしまう。そんなことを考えているうちに、物語も中盤に入って行きます。本屋さんが勧めただけあるなぁ、というのも正直な感想です。是非、読んでみてください☆★ | ||||
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うーん。いい作品だと思うけれど、好みではないです。絶賛の嵐の中で、自分がこの本の世界に引き込まれなかったのが残念な気もします。そうだなぁ、主人公のキャラがあんまり好きじゃないのだな、きっと。20代のきちんとした、ソツのない、素直な家政婦より、もっとオバちゃんの設定だったら良かった気もします。 | ||||
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80分しか記憶が持たない60過ぎの数学者「博士」と若いシングルマザーの家政婦とその10歳の息子が心通わす様子が無駄のない描写で語られます。博士の記憶が1975年で停止していることと実世界との関わりとを象徴的に描いているのが阪神タイガースの江夏豊です。博士は江夏のトレードも引退も知らないのです。一流のスポーツ選手が第一線で活躍する時間は短いのである人の人生の一時期を切り取るにはスポーツ選手の記憶というのはとても効果的で、おもわずうなりました。当然ながら、博士と主人公の家政婦はプラトニックな関係ですが、博士が全くの女性に興味がないわけではないことを象徴するエピソードとして、野球場の売り子さんに恋をするシーンが語られます。このエピソードが博士と主人公の関係をちょっとだけ期待をもたせる効果があり、非常に印象に残りました。飛行機の中で読むために手に取った本ですが、読了後、何度も何度も読み返してしまいました。 | ||||
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本屋で見かけた時から、読もう読もうと思っていたのに購入するまで何故か時間がかかってしまって、最近になってやっと手に入れました。映画化の話を聞いて焦ったのが正直なところです。でも、一歩で遅れた感じで、私が本を購入した時には既に映画化の帯がかけられていいました。本を最初に開いたときから、私の想像の範囲は限られてしまって、帯にあった女優さんと俳優さんの顔しか浮かんできませんでした。読んでも読んでも、しぐさや声が(実はどちらも気に入っている方たちなので)その女優・俳優のもので・・・本を読む時の私の楽しみである、想像の世界が結局最後まで作れませんでした。このような経験は以前にもあり、ほとんどの場合、途中で読みたくなくなってしまうことが多いのでが・・・この作品に関しては違いました。正直「数字」を見る目が変わり、今まで以上に幅広く 夢をもったり、暖かさを感じられる気がします。これまで自分のそばに常に存在していたものに別の角度から触れることができたとき、人の世界は広がるのでしょう。この作品では暖かさと切なさが同じ空間に存在し、お互いを強調し合っている感じでした。忘れがちですが、私たちの日常にも常に裏と表があるように、喜び・悲しみ、出会い・別れ、達成の喜び・空虚感、生・死、などなどがあるんですよね。 | ||||
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小川洋子の作品はこれ以前にいくつか読んでいるのだが、この本は文庫版になるのを待っていたのでやっと最近読んでみた。他の作品にも共通することだが、神経質すぎて世界に適応するのがむずかしい人間の、やさしさと、悲しさが描かれていると思う。私はこの人の作品を読むと、なんとなく寂しいような気分になる。それは、自分が世界に適応するためにずうずうしく生きているということを、自覚させられるからかもしれない。 | ||||
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私は本を読むのが嫌いで、その上数学も嫌いなのですが、旦那に優しくなれる本だからと薦められました。読んでみると中身は、数学をとても愛し博士にもなった老人とその家で家政婦をする「私」そして息子のルート。おもにこの3人の登場人物です。博士は素数とルートをこよなく愛した。「子供を一人にしてはいけない」この言葉はいつまでも私の頭にのこり、ルートに数学を教える教え方は私もみならわないとと思いました。博士は、80分しか記憶がもたない中、10歳のルート家政婦の「私」はだんだんと大人へと成長していく。最後の最後まで博士の表情が頭にうかんで、笑みを浮かばせてもらえる、そして人に優しくなれる作品でした。そして、ちょっと数字が好きになりました。 | ||||
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~本屋大賞第1位ということで、手に取って読み始めました。この本に出会えたこと、感謝してます。こんなレビューで汚すよりも、なにより読んで!って感じです。博士の記憶は80分しか持たない。でもこれは、あくまで物語の重要な設定の一つであり、病気や障害について語られる話とは少し違う印象です。文章には無駄がなく、詩のように美しい。そして何よ~~り、全編を通して「人を思い、愛する」エピソードにあふれています。「人を愛するとは」とか、そんな偉そうな話じゃないんです。こどもは大人が思うほど子供じゃない、という意味においては「窓際のトットちゃん」に似たすばらしい読書体験を味わいました。子供も大人もぜひ読んでほしい本です。~ | ||||
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僕はこの博士の世界観に、「私」やルートと同じく感動し、教わりました。彼は数字を計算道具として考えていない。キャンバスに絵を書くのに使う絵の具や筆のような表現が僕には感じました。そんな変わった表現方法しか出来なく、派遣を変えさせられてばっかだった博士。もし、「私」だけの看護だったら、もしかしたら「私」も同じ運命を辿ったかもしれない。そこに、ルートが入ってきたのは大きかった。「私」は博士という人を理解し始める…そんな博士を尊重し始め、博士の表現方法である数字に足を踏み入れる2人。「私」はともかく、ルートが博士と未亡人の間にもたらしたことを良く理解していない。ただ、彼らが一緒にいた時間はただ互いにとって幸せで、楽しくて… まるでオイラーの公式を表すものだった。その彼らが引き離される悲しい現実に合ったら、、、、?せつない感動の結末。物語に無駄な表現や文は本当に一切なかったように思います。彼らをみて、オイラーの公式に納得出来るような、結果が僕たちに残れば、素晴らしいと思います。そんなひとつのラブストーリーを展開した一度素直な気持ちで読んで欲しい作品。ちなみに、映画も期待作だと思います。小泉組とよばれた、おそらく現代日本映画界に置いても、良質な作品だけを送り続けている僕もお気に入りの主演「寺尾聡」作品。筆者の小川さんも、映画化されて実際に試写し、この作品から読み取ってくれたものがしっかり表れてて嬉しいです。的な感動のコメントを寄せています。 | ||||
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数字に対する認識の仕方が180度変わる話。しかし、文系の私には「素数」の美しさは少し、共感しづらいものでした。理系の方なら、一つの証明に対する愛情の注ぎ方は普遍的なものへ通じるという意識ができるかもしれません。 | ||||
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今までの人生で1番心に響いた本です。無駄な文章が一切無く、詩のように美しい表現がちりばめられています。染み入るような感動を与えてくれるので、何気ない1文にはらはらと涙がこぼれてしまいます。ずっと手元に置いておきたい1冊になりました。 | ||||
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