美知子は、上司である朱雀の4度目の妻に選ばれ、挙式の当日は幸せ一ぱいだった。

競馬レースの最中、しかも大観衆のど真中で、1人の男が殺された!しかもこれが合図かのように、奇妙極まりない殺人事件が続発。

もはや時代おくれの衛生博覧会で、私はバラバラに切断された美少年の蝋人形を見た。

太平天国上層部の腐敗は進み、激しい内訌の末、東王、北王が粛正され、精強を誇った大軍も弱体化した。

北の涯に建つ謎の館。誰も足を踏み入れぬ冷い地下室に私を閉じこめた重い石の扉。

アヘン戦争から7年後、小乱が続き匪賊が横行する、物情騒然たる中国で、洪秀全が頭角を現わしてきた。

北上して天下の中心に出る方針の太平軍は、沿道で兵員を吸収しながら移動を続け、政府軍の大包囲を見事に突破した。

長いあいだ埋もれていた「横山大観」の若き日の傑作が発見された。そのニュースに美大の助手・茂木は愕然とする。

プロ野球情報戦の暗部を鋭くえぐる傑作ミステリー。高度のデータ野球でV4をめざす新日本アトラス。

逃亡中の盗賊の首領から、手下の仇を討ってくれ、と懇願された北町奉行所の仙波阿古十郎。

濃やかな夫婦の愛情が流れていると思われていた2人の間に奔った、鋭い亀裂。

現代の奇妙な空間――都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それらはメリー・ゴーラウンド。

名探偵にして銀ぶちめがねの極楽とんぼ伊集院大介が、奇妙な行動をとり始めた。

探偵は25歳の新進作家・芥川龍之介、本格歴史ミステリー。

三人のいとこたちの連続殺人の謎を秘めた北の断崖の館は、朝から春の嵐に翻弄されていた。

営業課長・神谷。妻と子。

中国大陸の奥深く、黄河の源流、ゴビ砂漠のかなたにあるという、伝説の理想郷“崑崙”を探し求める決死の一行―日本人青年の藤村、中国人の殺し屋B・W、謎の美少年天竜、秘密諜報員たちが、それぞれの野望を胸に、戦雲吹きすさぶロスト・ワールドを舞台にく

正体不明の船のやとわれ船長だったわたしは、2度目の出航で親友の成瀬と交替した。ところが成瀬は殺される。

学校という名の荒野をゆく、怖るべき中学生群像。名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々に惨殺された。

マレーシアの高原カメロン・ハイランドの密林に消えた大富豪。

綾子は商社の電話交換手である。夜の退屈しのぎに女友達からそそのかされて、テレフォン・セックスを始めた。

校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。

自然の密室マレーシアのカメロン・ハイランドに忽然と消えたタイ・シルク王ジェームズ・ウイルバー。

レジャーライターの釣部渓三郎は、来春結婚するガールフレンドの上条アキと、最後の思い出に冬の北アルプスに入った。

週刊誌の女性編集者北川真弓は、四国取材の途中、屋島で藤の花の下に倒れた若い女の他殺体を発見した。

和歌山駅前のホテルで弁護士が、そして串本の海中展望塔で仲間の会社社長が続いて殺された。

モーツァルトの子守唄が世に出た時、“魔笛”作家が幽閉され、楽譜屋は奇怪な死に様をさらす―。

池上鮎子の恋人で新聞記者の北条が、デートから京都へ戻る新幹線の車中で毒殺された。

夏の行先不明列車銀河鉄道X号に乗った男は恋人に見送られ、上野を発った。男は翌日、北上川で死体となって発見された。

中国革命はユダヤの陰謀だった。「三民主義」の父=孫文はフリーメーソンに毒殺された。

井上刑事の恋人直子の恩師井村典子が不倫。そして不倫相手のTV局員唐木が殺される。

ペア探偵、織田貞夫(おださだお)・土佐美郷(とさみさと)、大男と小女の愉快な山本山コンビが、死体なき殺人事件に挑む。

旗本木村軍之助の屋敷でばくちに負けた大工の棟梁が、美しい娘を借金のかたに奪われた娘の連れ戻しをたのまれた顎十郎こと仙波阿古十郎は、客を装って旗本屋敷に乗りこむ。

一流ホテルの社長が誘拐され、結局、奇妙な場所で救出された。

東京に向かう新幹線の車中で、弁護士が怪死、アタッシェケースが消失した。

かつて文化人類学の学究だった志度正平は、あるできごとをきっかけに民間の破壊工作員となった。

ペルーの首都リマに到着した志度正平は、自分に酷似した日系の革命家ツトム・オオシタになりすまし、二人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向け出発した。

警視庁の西本刑事は恋人ゆう子と、箱根にむかう小田急ロマンスカーに乗っていた。

将棋の河辺名人は、定山渓で新鋭の山本8段と最高位戦をたたかう。

妙武岳山中で起こった若い男女の哀切の情死事件には、親子2代にわたる驚くべき秘密が宿されていた(表題作)。

推理作家・牧薩次は、ファンから贈られた“新幹線2階建て寝台”の切符で旅へ。が、車中で奇妙な事件が続発。

元M新聞サイゴン特派員の矢沢建彦のもとへ、シエーというベトナム人から1通の手紙が届いた。

花は揺れていた。咲いた花が雨に打たれる。

幼いふたりの娘を残して母はクリスマスの夜とつぜんと失跡した。それから30年…。

名門=現代学園のハテナクラブが生み出したお化けパソコン「ゼニガタ」。

「私は殺していない！」――森岡栄太郎殺害事件の被告・片桐亘は法廷で、起訴事実を全面否認した。

ウィークエンドの六本木で出会った未知の男女。女は殺され、男は失踪した。

暗く荒涼たるさいはての海。冬の嵐は信頼も理性も憧れも、殺意さえも白一色の下に埋めつくす。

三姉妹の長女綾子が通う大学の文化祭に、元人気歌手の神山田タカシを招いたことから、怪事件が続発する!まず神山田のマネージャーが学内で殺され、三姉妹の自宅で爆弾さわぎが。

ぼく栗本薫。ぼくが書いた「ぼくらの時代」という推理小説が、かの有名なシャーロック・ホームズ賞をもらうことになったんだ。

風雪急を告げる中国大陸で、美しい亡命ロシヤ人の娘ソニヤと燃えるような恋に落ちた青年の夢は、“組織”の巨大な魔手によって無残にも打ち砕かれた。

雨の横浜・紅葉坂で、貿易会社の社長が殺された。

京都のホテルで、ディナーショウのために東京かりきていた、食品会社の社長夫人が殺された。

歳月は、人を恋う心の炎を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。

貧乏なオレは考える。ラクに金を手に入れたい。

山猫・弓削一徳の動くところたちまち血しぶきがあがる。だがそこに陰湿感はない。

ブラジル東北部の小さな町エクルウは2百年も前からアンドラーデ家とビーステルフェルト家に支配されている。

俺は私立探偵だ。名前を早乙女ボンド之介という。

ユーモアと恐怖が交錯するミステリー傑作集。親友の夏美が引越したばかりのアパートで殺されてしまった。

怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。

ゆすり屋を、ゆすられていた男がゴルフのクラブで撲殺した。警察は被害者の資料からすぐ容疑者を割り出したが首をひねる。

北海道の観光地めぐりだけ、という好条件のアルバイトに狂喜した女子大生ふたり。

3百万の会員をもつ礼法の本俵流家元が亡くなり、あとを令嬢が継ぐことになった。

夏の軽井沢、藤波武子女史の別荘内外で起こった連続殺人事件に巻き込まれた栗本薫クン。

SF作家にして名探偵の栗本薫クンは逗留先の軽井沢で、女流作家藤波武子女史からアイドル歌手朝吹麻衣子を紹介され、すっかり心を奪われてしまう。

殺人容疑者の身柄を預った新聞社の支局長が、警察も気づかぬ事件の真相を暴く「ガラスの罠」、新聞への奇妙な投書が投げた波紋の意外な結末「満ち足りた生活」など、地方支局を舞台に展開、推理する、異色の連作ミステリー9編。

離婚した青山は、8歳の息子昇との不安定な生活で女手に窮していたが、手伝いに来た愛人加代子は、不審な死を遂げた。

脱サラ作家・津村はある晩、ホテルで殺人事件に巻き込まれ、その体験をきっかけに急に売れ出す。

カメラマン師岡弦は失踪した父親・俊一郎を追い、恋人の由芽子とスペインへ旅立った。

水産会社のフィリピン進出の尖兵となった越智は、現地で政治トラブルに巻きこまれ、危うく日本に舞い戻る。

大手建設会社の鹿谷建業では、専務派と常務派が次期社長の椅子を狙って争っていた。

小さな出版社を経営する紺野美也子は、ベストセラーをねらって大流行作家に近づき、その魅力で書下ろし小説を依頼する。

情事のもつれの果てに生じたガス爆発が多くの人の死を招いた。

人格者の父、しとやかな母、何不自由ない4人の姉たち。そんな家族の中で、私はひとり愛に無縁だった。

スペイン内戦がフランコひきいる国民軍(ナショナリスタ)の勝利によって終結した1939年4月、マドリードの日本大使館から性別も判らない黒こげ死体が発見された。

無実の罪で服役中に妻を強姦殺害され、2歳になったばかりの女児をも失った男の、凄絶な脱獄行―。

OLの理沙は、大学時代の親友二人と金沢での再会を約束して、上野から寝台特急「北陸」に乗る。

京都三十三間堂の行事「通し矢」のさなか、若い女が矢で刺殺された。その際、彼女のアラーム時計が鳴っていたという。

現代史の謎に迫る国際スパイ・ミステリー。プラハの日本大使館で明日香大使が墜死した。

オートバイと激突して相手を死に追いやった遠野は、家に逃げ帰り車を修理に出す。

歴史ミステリーの俊英が放つ新シリーズ・織田信長推理帳。

死体が四つ、転がっている。五つ目の死体を、私は待っていた―。

「忘れたくないんだ」「なにを?」「自分が男だってことをさ」「血だるまになるのがそうなのか?」「時にはな」…助けを求めて泣いている女のために、男はどこまで生命を賭けられるか。

人間の英知を集めて完成した、人工の理想の海上楽園都市“アフロディーテ”に夢を託して移住した青年・蒔田雄一を待つ試練とは何か?美少女アニタを巡る若者たちの熱い思い、権力者たちとの熾烈な闘い、雄大な陸海に展開するニュー・メカ群…。

厳寒のオホーツク海で、映画づくりに精魂をかたむけるグループを襲った無惨な死。

葵と弥生、不思議な縁の糸で結ばれた2人の孤児。そのいずれか一方が大企業の継承権を持つ娘だという。

踊り子5号を爆破する、という怪電話をうけて、当局が走行中の電車を止めたところ、車中に男の死体が…。

山口地検の赤かぶ検事・柊茂は痩せて頼りなげな男である。しかし赤かぶ検事に不可能はない。

時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。

プロ野球の若きエース梶は、八百長容疑で球界から追放された。

東西の接点ベルリンに暗躍する国際スパイ・ミステリー。

強烈な太陽。薄暗い路地。

競馬界を舞台にしたミステリーの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。

ひょんなことから社会派の超大物作家辺見圭吾の身辺を守ることになった高松圭介に血の脅迫が始まった。

妙なる楽器の音色と、血も凍る殺人劇との組み合わせ。そのアンバランスぶりが、いわゆる音楽ミステリの妙味となろうか。

東京から特急で2時間ほどの山中に山科警部の親威がオープンしたばかりのペンションに幽霊が出没、客足もすっかり途絶えているという。

大阪で私立探偵を開業する元刑事が、久々の上客にありついた。若い未亡人に同行して佐世保へ行ってほしいとの依頼。

殺害現場の天井に貼られた1枚のカード、ダイアモンドのジャック。

巨大自動車会社が、すべてを支配する東海の地方都市。