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時をきざむ潮
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【この小説が収録されている参考書籍】
時をきざむ潮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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古代から受け継がれた土着の民の原始共産国家が存在しているという設定の、伝奇×ハードボイルドで江戸川乱歩賞受賞作という触れ込みに釣られたものの、肝心のえぞ共和国についての掘り下げが弱くて期待外れだった。高橋克彦ばりの感じかと思ってたから。 ただ、シリーズらしいので他のえぞ共和国シリーズでは細かく集落について書かれたものもあるのかな。 とにかく本作は江戸川乱歩賞受賞作なだけあって、田舎の刑事モノとしての側面が強い。海の描写と自然現象を使ったトリックなど、雰囲気は抜群。ラストも意外性がある。 ただ本格ミステリとしては、ぶっちゃけ想像通りに話が進むので、その点でも弱かった。 『地図にない谷』は落人部落×ミステリらしく、あらすじや評判読む限り、こっちの方が面白そう。 イ族の設定も……うーん、目の付け所はいいかもしれないけど証拠が少ないよなぁ。やっぱりこのへんのネタは高橋克彦あたりに再考してもらわないと。 | ||||
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昭和52年度の江戸川乱歩賞受賞作であり、同時受賞として梶 龍雄 氏の透明な季節があるが、この年の受賞作は乱歩賞の傾向がいきなり変ったのかと言いたくなるほど、二作品とも本格ミステリー度が非常に低い。ほぼ普通の小説である。普通は同時受賞の回は一方が本格度が低くてももう一つは本格路線のが受賞するのだが・・・。 本作は東北の離れ小島の閉鎖村社会に関わっていく駐在の姿を通して、その島の因習の伝奇性を強調した雰囲気で、一応殺人事件が起こって謎解き要素はあるにはるが、トリックらしいトリックは全くなく、作者も物語の要素の一つとしてしか位置づけはしてないようである。 小説としての力量はあるが、本格ミステリーでは全くいため、そういうのを期待すると全くの肩透かしとなる。これは形を変えたハードボイルドものなかもしれない。その意味では受賞したのも納得できると言えるか・・・。 | ||||
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『透明な季節』 少年が大人になる過程の中で、たまたま殺人事件に出逢いました、という物語ですね。ミステリとしては、事件解決のくだりが納得できないので、ビルディングスストーリーとみるべきなんでしょうか。すべてが終わったときでも、ちゃんと大人になりました、というようには見えませんが。 『時をきざむ潮』 閉ざされた世界での殺人捜査ということで、一種の孤島ミステリなんでしょうか。ラストは、モダンホラーの趣です。面白い。解説にある藤本さんのエキセントリックな人生も興味ありますねぇ。 | ||||
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舞台設定だとかに関しては非常に面白い。東北の僻地にある閉鎖された土地。共同体意識が非常に強く、排他的。そして、村の掟、古代伝承の世界…。過去にも、やってきた駐在巡査が相次いで不慮の死を遂げる…なんていう設定は非常に魅力的。(これが書かれたのが30年近く前だけど)当時から、「こんな世界あるだろうか?」と言われている設定ではあるものの、その世界が実際にあるように感じさせるというのも筆力のなせる業だろう。 常に外部の存在が自分たちを脅かしてきた歴史。警察と言えども、やはりそれは同じ。そんな村と、東京に住むエリートの若者たちの失踪。そして、変死体。合理的な考え方を持つ高館だったが、村ではそれが通用しない。しかも、上司にも睨まれ、孤軍奮闘の状況に…。二つの組織に挟まれながらの捜査を行う高館の行動なんかも、なかなか面白かった。 ただ、肝心のミステリとしての部分が弱いかな? と。大がかりなトリックなどが無い、というのは作品の性質上構わないが、事件を起こす上での最大の障壁が「海の人間だから何とかなる」の一言で済まされてしまうのはどうかと。また、閉鎖的、排他的な共同体、というのはともかく、共同体が犯人にそこまで協力するものだろうか? 少なくとも共同体単位での集団犯罪ではないだけに、不可解さを感じる(こういう共同体と言うのは、その規律のためにも秩序を乱しかねない内部分子をそのまま放ってはおかないはずだ)。ちょっとその辺りが気になった。 舞台設定の面白さがあるだけに、ミステリ的な要素の弱さが残念。 | ||||
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舞台設定だとかに関しては非常に面白い。東北の僻地にある閉鎖された土地。共同体意識が非常に強く、排他的。そして、村の掟、古代伝承の世界…。過去にも、やってきた駐在巡査が相次いで不慮の死を遂げる…なんていう設定は非常に魅力的。(これが書かれたのが30年近く前だけど)当時から、「こんな世界あるだろうか?」と言われている設定ではあるものの、その世界が実際にあるように感じさせるというのも筆力のなせる業だろう。 常に外部の存在が自分たちを脅かしてきた歴史。警察と言えども、やはりそれは同じ。そんな村と、東京に住むエリートの若者たちの失踪。そして、変死体。合理的な考え方を持つ高館だったが、村ではそれが通用しない。しかも、上司にも睨まれ、孤軍奮闘の状況に…。二つの組織に挟まれながらの捜査を行う高館の行動なんかも、なかなか面白かった。 ただ、肝心のミステリとしての部分が弱いかな? と。大がかりなトリックなどが無い、というのは作品の性質上構わないが、事件を起こす上での最大の障壁が「海の人間だから何とかなる」の一言で済まされてしまうのはどうかと。また、閉鎖的、排他的な共同体、というのはともかく、共同体が犯人にそこまで協力するものだろうか? 少なくとも共同体単位での集団犯罪ではないだけに、不可解さを感じる(こういう共同体と言うのは、その規律のためにも秩序を乱しかねない内部分子をそのまま放ってはおかないはずだ)。ちょっとその辺りが気になった。 舞台設定の面白さがあるだけに、ミステリ的な要素の弱さが残念。 | ||||
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