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猿丸幻視行
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猿丸幻視行の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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色々と既に書かれているので 付け足しになる。 まず この著作はベースに「水底の歌」という梅原猛先生の著作が存在する。猿丸太夫は柿本人麻呂であり水死刑になった人物であるという謂わばトンデモ説であるが これがベースに「有る」。 何でこの説が推理小説になるのか?というのが著者のエライところであって梅原センセのトンデモないところなのだ。 ぜひ両方読んでみることをお薦めする。 | ||||
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初めて読んだのは高校生の時でした。何度読み返しても素晴らしいと思います。 | ||||
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折口信夫という実在の歴史上の人物を主人公として、「いろは歌」の謎をからませたミステリー。 読み終えたあと、周囲の人に「是非読んでみて」と勧めずにはいられないほどの面白さでした。 史実とフィクションのさかいめがわからず、不思議な読後感を抱いたのを30年たっても思い出します。 歴史を下敷きにフィクションを絡ませて、読者を不思議な世界に連れて行ってくれるぴか一のミステリーです。 この本を読んで折口信夫、猿丸太夫、柿本人麻呂、いろは歌に興味を持って周辺知識を広めるもよし、私のように単なる小説として楽しむもよし。 誰にでも面白く読めると思いますので、とにかく読んでみてください。 | ||||
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当時国文科の大学生だった私は 止まらなくなって徹夜で読み切った記憶があります。 なんとなく「できるから」という理由で選択してしまった国文という分野で 初めて強い知的興奮を覚え 梅原猛先生、網野善彦先生をはじめ多くの他書を読み広げるきっかけとなりました。 (よく考えると国文学の範疇じゃないですねw) | ||||
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2012/6/27読了。 面白い。寝食を忘れて読みふけった。 孤高の天才民俗学者・折口信夫が、万葉の天才歌人・柿本人麻呂と謎の歌人・猿丸大夫の正体と、「いろは歌」に隠された暗号に挑む。 梅原猛「水底の歌」や篠原央憲「いろは歌の謎」に全面的に寄りかかっている?そうかもしれないけど、それが何か?「いろは歌」と「奥山歌」、古事記や日本書紀を縦横に渉猟し、折口とともに謎解きをしていくスピード感、スリルはすばらしい。後半の猿丸家の集落の場面に立ちこめる仄暗い雰囲気は、「八つ墓村」等を彷彿とさせる。 | ||||
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20代でよくこれだけの作品が書けるものだと、 著者の力量に驚く。 歴史の知識や推察力、小説の技法など、 その後の活躍の萌芽がぎっしりと詰まっている。 唯一物足りないのは、殺人事件のトリックくらいか。 頭を酷使して多少疲れるが、全体的に楽しく読める。 | ||||
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最初に読んだ感想としては、この作品を男性が書いていたとしたらすごく非難を浴びたかもしれないのではないかと感じました。ひょっとしたら 賞はもらわなかったかもしれないかもしれないと。 伊集院大介 もの を沢山読んで,栗本薫の愛好者になってから読みました。 「ぼくらの時代」を、栗本薫の作品として最初に読んでいたら,栗本薫の作品を読み進もうと思わなかったかもしれません。 この作品以外での登場人物としての栗本薫(男性)は,もっと透明感があり,素直だと思っていました。 「ぼくらの時代」でのような行動は取っていないような気がしました。 ネタばれになるのであまり理由は書けません。 栗本薫の愛好家以外の人の評価をぜひお聞きしたいと思います。 栗本薫の愛好家になってしまったので,ついつい擁護したくなっています。批判は抑えたくなっています。 栗本薫の初期の作品なので,難点があってあたりまえではあるので, 歴史的作品としての評価が高い。 賞を取った作品という意味が無かったら,評価は低いかもしれない。 栗本薫(登場人物)を男性として描写したのが作家栗本薫(女性)の原点であることがわかると、さまざまな謎が読み解けるだろう。 | ||||
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本作を最初に読んだのは1980年の発売時である。衝撃的だった。それから30年を経て、改めて文庫版で出ている事知り読む。当時の衝撃はそのままに、新たな感動を誘ってくれた。井沢元彦の作品の最高傑作と言って良い。折口信夫という実在の人物が現代人の精神的タイムトリップによる同期をしながら登場し、柿本家に伝わる謎の万葉歌に隠された暗号を解くという趣向だ。とにかく発想力が素晴らしい。論理的微細仔細の齟齬はともかく、これだけのアイデアとストーリー構築は過去30年を見てもなかなか見られない。学校では教えてくれなかった悠久の万葉歌に秘められた当時の人々の心根に触れながら、知的好奇心を満足したいまだ未読の方にはお勧めの作品である。 | ||||
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ハードカバーが大嫌いの自分が迷わずに買ってしまった作品。島田荘司氏の「占星術のマジック」を抑えて乱歩賞を受賞したことで、ある意味有名とも言える。 だが、島田荘司氏を抑えたのも充分納得できる出来だ。 ……家の者に千数百年前の怨念が甦って祟りをなしていく……とかいうの好きなんですよ(でも大概しょぼいのが多いけど……)。 で読み始めたら面白くって一気に読破(徹夜で)。基本的には暗号物ですが、その暗号の難解さと、その暗号に隠された背景の重さがメインになっていきます。 考えてみれば日本版ダビンチコードと言った感じ(暗号や背景の複雑さ面白さは断然本編が上)。 この作品の凄さは、なんといっても殺人等に一切手抜きがないこと。 大抵の暗号物なんかだと、殺人等はおざなりだったりするものだが、本作にはかなり出来の良い密室トリックが使われている。なのに作者は、その謎を余り引っ張らない。ぱっと出してぱっと解決だ……。ある意味推理するヒマも無いくらい……、凄い。 最近は古代史研究などで面白いものを出してくれる作者だが、既にこの頃からその方向は垣間見えている。この作者のファンも、そうでない人も、充分楽しめる力作である。 | ||||
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『ぼくらの時代』 読み始めは、軽佻浮薄な70年世代の若者と、視聴率至上主義のTVマン、ステレオタイプ的なアイドル歌手が出てきて、おやおや、中途半端な風刺小説かと思っていた。文章のタッチも軽いので、殺人事件を扱ったミステリにしては緊張感がないというか。だが、読み進めるうちに、寄る辺のない当時の若者の苦悩と事件があいまって、唐突な感じはするけれど、良い方に印象がかわっていく。 『猿丸幻視行』 暗号解読をとおして、柿本人麻呂と猿丸大夫の同一説、さらには、歴史に埋もれた闇を解明していく、重厚かつ壮大な歴史ミステリである。膨大な情報量は圧倒的。同じ引用が繰り返される点が、冗長だとの評があるけれども、緊張感を損なうほどではなく、もの覚えの悪い私は、非常に助かった。残念ながら、私は折口信夫の事跡も、飛鳥時代の政情にも暗いので、楽しみも今ひとつかもしれないが、有識者には十分満足いくのではないだろうか。 ともに作者が20代の受賞作であり、その後の活躍の原点を見る思いがする。 なお、1979年受賞作 高柳芳夫『プラハからの道化たち』は本文庫シリーズには含まれていない。 | ||||
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『ぼくらの時代』 読み始めは、軽佻浮薄な70年世代の若者と、視聴率至上主義のTVマン、ステレオタイプ的なアイドル歌手が出てきて、おやおや、中途半端な風刺小説かと思っていた。文章のタッチも軽いので、殺人事件を扱ったミステリにしては緊張感がないというか。だが、読み進めるうちに、寄る辺のない当時の若者の苦悩と事件があいまって、唐突な感じはするけれど、良い方に印象がかわっていく。 『猿丸幻視行』 暗号解読をとおして、柿本人麻呂と猿丸大夫の同一説、さらには、歴史に埋もれた闇を解明していく、重厚かつ壮大な歴史ミステリである。膨大な情報量は圧倒的。同じ引用が繰り返される点が、冗長だとの評があるけれども、緊張感を損なうほどではなく、もの覚えの悪い私は、非常に助かった。残念ながら、私は折口信夫の事跡も、飛鳥時代の政情にも暗いので、楽しみも今ひとつかもしれないが、有識者には十分満足いくのではないだろうか。 ともに作者が20代の受賞作であり、その後の活躍の原点を見る思いがする。 なお、1979年受賞作 高柳芳夫『プラハからの道化たち』は本文庫シリーズには含まれていない。 | ||||
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80年の江戸川乱歩賞受賞作。ジャンルは歴史ミステリーであり、SF冒険小説でありと、まあ探偵小説の面白い所いいとこ取りな作品。人が知的好奇心を満足させられる「謎々推理」と「歴史」という、大衆小説のジャンルの不動の二大人気要素が交じり合っているのだから面白く無い訳が無い。推理小説と歴史小説に追随するこれまた人気大衆ジャンルのSFも含まれている。タイムトラベルSFじみた所などは、まるで「ふりだしに戻る」みたいだ。作者自ら、「水底の歌」と「いろは歌の謎」に依ると書いているし、末尾に紹介されている既存の参考文献の数々を作者が自分なりに取り出して組み立てなおした、まさに日本人的、博物学的な良作。この辺り、小説家や歴史研究家というよりは博物学者的であり、荒俣氏にどちらかと言うと近いですね。前述の「水底」や「いろは歌」の矛盾点などを自分の作品の構成要素に使ったりと上手さが目立つ。小説なので、人名はもちろん、地名や由縁を捏造したりと多少の事は勝手ですからね。暗号の部分はちょっと無理矢理すぎる嫌いがある、少し前に流行した「聖書」の暗号だとか、果ては文学小説に適用しても成り立つと、まあ半分いかさまみたいな物であったが、そこまで言わないまでも、全音を使う「いろは歌」だからどんな言葉でも作れるわなとも思う。でもそれなりに形になっている所は凄いというべきか。一番感心する所は折口信夫を主人公にした所でしょうか。実際伝わっている彼の性癖や対人関係も上手く表現しているし、その辺りは後書きを書いている中島河太郎氏の言葉に詳しい。折口信夫の思想の部分も作者にとってはこの作品を作る上でのはまり役となったのであろう。作者の様々な要素を無理矢理に組み立てて面白くするという能力がこれ以上ない位発揮されている作品。 | ||||
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私が始めてこの本を読んだのは、もう20年以上前のことだと思います。 友人が突然 「この本あげるから読め!」 と私に、読み終わったばかりの文庫本を押し付けてきて、 「私はもう1冊新しいの買い直すからいいの。これはあげるから。絶対面白いから読んで。もしつまらなかったら捨てて」 とまで言うのです。それが「猿丸幻視行」でした。 そこまで言うなら…と思ってもらったのですが、で、ほんとに面白かったのです。その日のうちにイッキ読み。 私は友人から譲り受けたのと同じ方法で、別の友人に本をあげて、新しいのを買い直した記憶が3回くらいあります。 何が面白かったかというと(中略)特に日本史とか古文とか歴史ものに興味がある人にはぜひおすすめ。もちろん推理小説です。 | ||||
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この本のおかげで 日本書紀を読むきっかけを得た。その意味でも非常に感謝している。 題材自体は梅原猛の「水底の歌」から持ってきている点で難が付けられている面もあるが 両方を読み比べてみても 小説としての本書の価値は減じないと思う。 まず 探偵として折口信夫を起用した点に作者の独創性がある。折口は歌人であり民俗学者であり 国学者であるという極めてユニークな方だったが そんな彼に探偵をやらせるという着想には舌を巻くものがある。 次に他の登場人物も上手い。金田一京助や 南方熊楠の登場も楽しいし それなりにリアリティーがある点が素晴らしい。 再読に足る探偵小説というのは 中々無い。本書は僕にとって数少ない そんな本である。 | ||||
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梅原猛の著作「水底の歌-柿本人磨呂論」で有名になった猿丸太夫=柿本人麻呂同一人物説。そんな歴史ミステリーに民俗学者折口信夫がその難問を解決する。 題材設定ともに面白い。途中、難解な暗号解読に飽きてしまいそうになるが我慢して後半へ行ってください。 読んで損はない作品です。 | ||||
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歴代乱歩賞中の最高傑作。ただし、梅原猛氏の「水底の歌(柿本人麻呂論)」及び篠原央憲氏の「いろは歌の謎」の両書がなかったらの話である。 折口信夫を主人公にするというアイデア、百人一首中の歌の暗号の鍵を「いろは歌」の謎に求める手段、猿丸太夫が歌人集団だったという説、そして柿本人麻呂の官位と死の謎等々、読者の興味を惹く話題は全て冒頭の両書からの借り物である。作者自身で考えたと思われる末尾の殺人事件は全く平凡で詰まらない。作者がこの後ミステリ作家を諦め、歴史ライターの道に転進したのは正解だったろう。 しかし、この両書の存在を無かったことにすると途轍もなく面白いのである。実は、本書をキッカケに私は梅原猛氏の諸作品を読むようになった程である。この点、作者は元々創造が得意と言うより、興味をそそる諸要素を巧みに組み立てあげるルポ・ライターの素養があったのだと思う。両書の存在を無視すると乱歩賞史上最高傑作というだけでなく、日本ミステリ史上に残る傑作歴史ミステリ。 | ||||
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「1000年間ある一族に伝わってきた暗号。そしてその暗号には歴史を根本からひっくり返すような謎が隠されている。」 これがこの小説の基本プロットなのだが、これは世界的に大ヒットした「ダ・ヴィンチ・コード」にそっくりである。 また、膨大な薀蓄が語られているところもよく似ている。 この作品は暗号解読を中心とした歴史ミステリーの嚆矢といってもいいだろう。 謎の人物は、伝説の歌人・猿丸大夫。 謎を解く鍵は暗号化された和歌に隠されており、その謎に若き日の折口信夫が挑戦する話だ。 話としては単純なのだが、暗号である和歌および古代史に関する薀蓄がもの凄い。 よくぞここまで綿密に調査し、娯楽小説として構築したものだと脱帽するしかない。 だが、本書を娯楽として楽しむには、基本前提として、和歌・古代史に関する最低限の知識が必要だろう。 何度も説明を読み返さないと暗号解読の経緯がわからなくなる。 正直、和歌に関する知識の薄い私には難解過ぎた感はある。 しかし、非読書家層に迎合した「大きな活字」「簡単なプロット」「平易な表現」で書かれた「誰にでも読める娯楽小説」が氾濫している現状に辟易している私としては、このような読み応え十分の作品は歓迎したい。 読書とは知的娯楽なのだという事を再認識させられた。 | ||||
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とてもよく出来た歴史ミステリーです。勉強にもなったし、本当に良かった。たのしみました。最後の方は、興奮して、又、締めくくりも良かったです。もう一回読もう! | ||||
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推理作家にして「逆説の日本史」研究家(?)井沢元彦氏のデビュー作。この作品で、1980年・26歳のときに第26回江戸川乱歩賞を受賞。 内容は…現代のある青年が、製薬会社の開発したある試薬のモニターに選ばれ、その実験中に明治時代の実在の人物でありのちに民俗学者となる若き日の「折口信夫」とシンクロし、折口の友人・柿本家に伝わる暗号額を解き明かすというストーリー。 前半部の設定はちとファンタジーがかっていて苦しいですが、暗号解読、歴史解説の部分は本当に面白い。万葉時代の謎の歌人・柿本人麻呂論は圧巻。私は梅原猛説(「水底の歌」参照)よりこちらを取ります。 その後井沢氏はSF小説をいくつか書いたり、歴史がらみのミステリを何本かお書きですが…あまり「ミステリ」の部分はお上手とは言いがたい(申し訳ないのですが)。どうしても、そこまでに語られる「歴史解読」の部分の方が面白くて、「ミステリ」部分は単なるおまけ…というか、「歴史ミステリ」としての体裁を整えるだけの付け足しのように見えるので。 でも、折口信夫氏はあんなことがなくても一生独身だったとは思いますけどね(爆笑)。 | ||||
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大学卒業前の青春を書いた「ぼくらの時代」と伝奇SF「猿丸幻視行」が一緒になっているのは違和感を覚えるかもしれませんが、どちらも乱歩受賞作だけあって、読み応えは十分。当時のミステリの中で、この2つが受賞したという意味合いを考えさせられる貴重な一冊です。 | ||||
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