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残穢
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残穢の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.38pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全306件 121~140 7/16ページ
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| 小難しい単語が出てきて、それを説明する本かな? おバカな私でも解る単語を使ってね。 いつの時代の単語を使ってるの?もしかして、私こんな難しい単語知ってるのよって自慢してるのかな? 下手な作家さんほど難しい単語並べてるよねwwwどうにかしてねwww と余計な事考えて全然怖くない。 | ||||
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| もともとグロい系、サイコホラー、サスペンスなどのジャンルが好きで色々読んでいたのですが、 飴村さんの「粘膜人間」を読んであまりのグロさに 「うわぁ…ここまでは凄いのはちょっと…」と引いてしまい、(ちなみに2章) 久しぶりに正統派ホラーもの、幽霊的な怖さの本を読んでみよう!と思って図書館で借りました。が。 他の低評価のレビューでもある通り、登場人物が多すぎて覚えられない。もう誰がなんの人だったかよく分からないまま、まぁそれでも怖さを楽しむには影響ないかな?と思い読み進めるも笑、 住宅やら土地に関する説明が多く、途中からは結構飛ばし読みしました。 あとは、主人公らが調査を重ねどんどん芋づる式に怖いエピソードに出会っていき、久保さんなんかは色々見たり聞いたりしてわざわざ引っ越すまでに至ってるのに、 主人公が「不可解ではあるが…。だが、これも思い込みかもしれない。」と毎回結論づけていて、 いやいやもう認めろよ!!もう何人もの大人が見たり聞いたりして引っ越しまでして…気のせいとかじゃないでしょ!?そのくだり しつこっ!! と終始イライラしました。笑 | ||||
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| 自分の感受性のなさが原因かもしれませんが、なにがなんだかよくわからない物語でした。わたし自身、怖い話が大好きなのですが、何がこわいのかよくわからず、最後まで何も感じず、半ばヤケクソに読みました。 | ||||
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| ■人の大量死(客観)/無残死(主観)が、地につき、モノにつき、人につく、また何らかの方法で払い落せる「(物質的)な穢れ」となるのであれば、戦国の世も、先の大空襲も、世界を殺戮した大戦の嵐の土地すべて、アウシュビッツも、広島も、カンボジアも、シリアも、付いたり、舞ったり、積もったりする灰のように、穢れきっているはずだ。なのに、産業社会の流れに身を任せて、私たちは、うわべの新しさ、美しさを装う。穢れを忘れようとしたり、隠したりする。今の平穏こそが、これらの穢れた時相/地層を覆い隠すブルーシートによるものだと気付いているのに。今回の穢れの発端も、炭鉱経営の合理/強欲から、労働者救助を足切りした資産家に端を発する、産業社会の「穢れ」から、というのもおもしろい。電通過労死も、原発労働者も、同じ「産業社会的穢れ」として、同じ文脈と言えなくもない。とても現代的なホラー作品です。 ■この小説は、たまたま、その一枚をはいで、深掘りしたに過ぎない。それでも、おびただしい怪異の小話のオンパレードである死。怖いモノ見たさの連鎖反応に、登場人物の多くは、自戒、自嘲しつつも、その欲望の赴くままに、自らの読みたい物語を自己編集していく。自己編集しているという前傾な気持ちがないと、影響されてしまうという自虐的な恐怖と裏腹な好奇と勇気。集団行動による冒険が生み出すちょっぴりの友情。こんな物語は、どこにでもある。と思う。 ■炭鉱事故の死者をゾンビのように扱ってもよいものか。中絶に葛藤する母と娘、嬰児を次々と殺すことに慣れた女の境涯をどう見るか。たいそううすっぺらな現代社会の幸福からは離れただけで、怪異に翻弄され、自壊し死を選ぶ、犯罪に流される人は少なくない。このような、身近な穢れの現実を見ないようにしてきた読者に、一泡吹かせたいと思い書かれたのが、「残穢」ではないかと思う。 ■今ここの「見たいものだけ」しか見ない、体感しない/できない人はぜひ。そのまま生まれて死んだら、もったいないよ。ブルーシートをはがす方法を教えてあげるよ。多少の想像力と知識は必要だけれど、間違いなく豊かな日本の時相/地層を、きっと安全にエンタメできるだけのコンテンツ/リソースが、まだまだ日本にあるよ。「世界遺産/産業遺産/記憶遺産」のハードよりもいいけれど、ホラーの名を借りた平成の柳田国男にいざなわれ、当たり前の「穢れ」ツアーを楽しむのもよいのではないかと思います。そのような物語としては、上質です。方法もテーマも素晴らしい。 ■「残穢」というおみやげもついてくるし、読んだ後は、マンションの上の階のいつもの騒音も、サッシから漏れる風の音も、妙に「穢れ」じみてきて、切なくなってしまう。近く、おじさんの墓仕舞いを考えていたこともあり、若くして亡くなった叔父さん夫婦のことや、顏も知らない祖先の事を思いながら読み進む時間を良しとする自分が、なんともなく意地らしい。そんな体験のできる一冊って、そんなにないと思います。ぜひ、自分のこれまでしてきた、「穢れ」が漬け込みそうな自分の悪行を振り返ったり、思い出したり、再自覚したりしながら、ぜひ読んでほしいと思います。願わくば、自らの「残穢」の念を、日記の如く拾いながら、自分の物語を補完するのも一興です。 | ||||
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| なんというか少年が世界征服するぞーって小さい頃思ってたけど大きくなってみたら世界が広大すぎてやっぱ無理やな笑って感じでした。 | ||||
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| 「持っているのも嫌なくらい怖い」と評判だったので期待して読みました。 「いつ怖くなるかな??」と思いながら読んでいるうちに終わってしまいました。 なにこれ??どこが怖かったの??時間返して〜 | ||||
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| 映画の方がずっと「恐ろしさ」を感じさせてくれた。もともと『屍鬼』で小野さんが描き出した、日常がひたひたと掘り崩されて、その下にある「見てはいけない」世界が露出してくる雰囲気を期待していたし、本書の映画版はそれをある程度映像化することに成功していたので、原作がその域に達していないことに失望させられた(小説の実写化が原作より良くなるという珍しいケースだ)。 本書の「恐ろしさ」「見てはいけなさ」は、本当に呪いが実在するのかそれともそうした恐怖自体、「私」や「久保さん」の思い込みにより作り上げられた連想の体系に過ぎないのかはっきりしない、両者の「あわい」の場から湧き上がってくるものだが、ホラーである限りは、恐怖が真に存在するか思い込みなのか、微妙なバランスの中で、ぎりぎり恐怖は実在するというほうに天秤が振れないと、「なーんだ、勘違いかよ」ということになってしまう。映画版の方が最後までそのバランスを維持し、あまつさえラストのどんでん返しで「やはり恐怖は実在する」という方向にうまく引っ張ったのに対して、小説版では反対に「思い込みでした」の方に天秤が「ちょっとだけ」傾きすぎている。映画版のようにラグクラフト的彼方の実在を予見させてくれないと、結局安心の方向に回収されてしまう。 それから話の展開が、映画版だとほぼ1年くらいの時間に凝縮され、たたみかけるように恐怖がヒートアップしていたのに対して、小説版では2000年代の初頭からごく近年まで8-9年にわたっていて、ストーリーの展開が非常に間延びしている。前半の首都圏を舞台とする残穢の連鎖と九州における「奥山怪談」の説話の世界とのつながりが悪い、もっと言えば「奥山怪談」の登場が唐突すぎるし、そもそも奥山の炭坑で何があったのか、それがすべての恐怖の出発点であるにもかかわらず、はっきりしたことが何も浮かび上がってこない。前半の首都圏の集合住宅における残穢の連鎖を延々と描きすぎているうちに、後半にたどり着くまでに説話自体のはらむエネルギーが枯渇してしまった感がある。ちょっと失望。 | ||||
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| レビューに怖いと書いてあったのを参考に買いました。 後書きにこの本は物凄く怖いと書いてありましたが、全く怖くありませんでした。 個人的にはホラー本とはうたってほしくない恐くない本でした。 内容は、物書きが読者から寄せられた「奇怪な話し」に興味を持ち、その異常現象を調べていくと、祟りというか「障り」の連鎖が広がっていることに気づいていく・・・ みたいな感じです。 スピード感溢れるサスペンスやグロテスクさや肝が冷える恐怖が好みの自分には全く合いませんでした。 全体的にもっさりしている。 つまらなかった。 祟りの原因が不明確(曖昧)なまま終わったことにがっかりしました。 話しの内容の主軸さが「曖昧さ」で出来ているため、面白味がない。 炭鉱事故者の恨み・・・ 障り(穢れ)の伝染・・・ 伝染した障り(穢れ)はさらなる障り(穢れ)に触発されて拡大する・・・ うーん。 文章に関して、言葉に拘る作家さんなのか、違和感を多々感じて萎えました。 1つ上げると、「壁から湧いて出る」という言葉は、作中では単体ではなく複数を現す言葉であると結論づけられていましたが、私の感覚では数ではなく状態です。 噴出ではなく出でる様をイメージします。 壁からぬるりと湧き出でる赤子。 「次々と」という言葉がなければ単体をイメージします。 個人差によるものだと考えますが。 | ||||
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| 酷評のレビューも多く、あまり期待せずに読みましたがとても面白かったです。ただ、襲い来るおばけに右往左往するタイプのホラーではなく怪異についての調査結果をまとめた報告書のような感じなので、パニックホラー系を期待して読むとかなり退屈に感じるかと思います。まずおばけはあんまり出てきません。その上怪奇現象のほぼ全てが伝聞形式なのでリアルタイムで追い詰められている緊迫感のようなものもなく、現象自体も音が聞こえたとか何か見えた気がするとかそんなのばっかりで地味です。しかし読み進め、少しずつ謎が明らかになるにつれじわじわと湧き上がる怖さがあります。派手なおばけが出てこないからこその絶妙な「ありそう感」がなんとも不気味です。また全てをおばけの仕業で片付けるのではなく人間自身が持つ闇のようなものも見え隠れするのが良いですね。少々ネタバレになりますが、あえて原因はこれ、と明確に決着をつけず想像の余地を残すことで不気味さリアルさが際立って余韻を残すいい作品だったと思います。奥山家はなんで地獄に繋がってるんだとかそもそもどうしてそんなにえげつない祟りを背負ってるんだとか、読者として知りたい部分は解明されないまま多く残りましたがお笑い芸人がネタを解説するとつまらなくなるように、わからないから不気味で怖いんでしょうね。それが不満な人も多いようですが私はとても楽しめました。謎が全て解明されることより雰囲気を楽しめる人におすすめです。 | ||||
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| 「小説」として評価するならこれは失敗作、あるいは実験作といえるかも知れない。ある種、読み手を選ぶ作品だろう。全編通して取材インタビューとモノローグが続き、特に大きな事件も盛り上がりも無く淡々と進んで行くから、「小説」を期待していた人は肩すかしを喰らった気分になるだろう。しかし、ここは少し我慢して丁寧に読んで行くと、作者や登場人物が感じている違和感や怖さ、忌まわしさに読み手も同調して行く。なんとなく読んでいる文字の後ろにはなにかがいて、行間からこちらを伺っている気すらする。 この感覚は一見無駄にも感じる細かな描写の積み重ねが生み出すのかもしれない。ラノベやファンタジー系ではストーリーテラーとしてうまさを見せつけているのだから、意図的にこういう手法を選んでいのだろう。 ただ、やはり読み手を選ぶ。文字を読むこと自体が好きな活字中毒者や、小野不由美 ファンであり実話系怪談が好きな人(私も)にはたまらないものがあるが、普通に小説としての面白さだけを期待している人にはおすすめしにくい。 この本を気に入った方には 「日本怪奇幻想紀行 奇っ怪建築見聞 6巻」に収録されている霜島ケイ氏の実体験談「三角屋敷」をおすすめします。 これは短くて怖くて忌まわしくていいですよ。 | ||||
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| 人物の名前が沢山出てきて、途中から誰が誰だかわからなくなりますし、怪談についても怖くありませんでした。自分に置きかけようとしても、これまで生きてきた中でこういう現象にあったこともないので、穢れが伝染してるという話もあまり現実味がありませんでした。 | ||||
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| 『持っていたくない程怖い』ホラー小説、しかも小野不由美先生の作品と聞いて購入しました。主人公が霊現象等に巻き込まれながら恐怖のどん底に落とされていく、といった作風が好きな私には正直あまり怖いとは感じられませんでした。 私自身以前そういった話を読み込んでいて恐怖体験をし、お祓いまでした何とも自業自得な経験があります。これこそ作中に出てくる虚妄であり、残穢でしょう。だからといって読了後、またあんな体験をするかもしれない、という不安にはあまり駆られませんでした。...とはいいつつ、深夜には読みたくない本ではあります(笑)。 お話はとても面白かったのですが、『小説』が読みたかった私には少し合っていなかったようです。色々な方が書いていらっしゃいますが、確かにこれは読む人を選びそうですね。『ゴーストハント』や『屍鬼』が好きな人にはあまりお勧めは出来ません。 もう1度じっくりと読んでみると、その怖さが伝染するのかもしれませんが読了直後の感想は以上です。 | ||||
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| 読むのがしんどかった。 読みにくいし、何が怖くて、どこが怖いのか、、、。 買った本は、面白くなくても最後まで読むことを自分に課しているのに、読めなかった。 残念でした。 | ||||
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| 物語序盤はぞっと鳥肌がたつような場面があり期待しながら読み進めていたが、中盤から完全にだれた。 半ばヤケクソでラストまで読んだが、読了後も時間を無駄にしたなという後味の悪さが残る。 このまま残穢の調査してたら、縄文時代まで遡れそうだなと感じました。 | ||||
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| 映画化されたときから気になっていて、ようやく購入! ホラー好きなので、どんなに怖いのだろうと本当に楽しみだったのですが、序盤から回りくどい説明や同じような内容をだらだら書いてある文章に辟易してしまいました。 それでも頑張って読み進めてますが、、話はつまらないし、怖くないし、あと、登場人物多すぎで全く進まず これ多分読み終えることはないです。。 | ||||
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| 読んだあと真夜中の物音等がとても気になったりトイレに行くのも怖くなりました。一人暮らしの人は読まないほうがいいかもしれませんね。 | ||||
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| いわゆるホラー小説の怖さは、無い。最後の最後まで、無い。定型的なホラーとは、恐怖を感じる脳の部分が別なのでしょう。考えると怖くなりそうなので、これ以上考えないことにします。 | ||||
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| 8時間ほどで読めた気がします。 鬼談百景の100話目が本作品なのではないでしょうか。 ドキュメンタリー・ホラーでして、主人公の作家がマンションの怪異について調べていくことで、 ある歴史と事件が判明していくのですが、 途中でこの話がフィクションなのかノンフィクションなのかわからなくなってきます。 本作品の主人公のモデルは作者自身であることが読み進めるとわかってくるので、 100%フィクションではないのではないかと思わせるので、 読んでいて恐怖を募らせます。 呪いの伝播を穢れとして、 広まっていく様を描いています。 この夏ぜひ。 | ||||
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| 怨霊や霊を語るときに地縛霊といった語り口がありますが この物語で語られる因縁はさらに深く謎めいて深くあいた穴を覗き込んでいるような その穴の淵に立っている眩暈のような物語でした。 | ||||
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| 誰かのレビューに、「読み手を選ぶ」というような表現があったのだが、読んでみて、「なるほどな」と感じた。確かに、映画化されるというニュースや煽情的なデザインのカバー(←本来のカバーの上にかぶせているだけなので、下は普通の表紙)、黒地に赤字で記されたショッキングな文字からは、あたかもこの作品がエンターテイメントホラーのような印象を受けてしまう。しかし、少し読み進めればすぐに、この作品がそういった方向性ではないことが分かる。 そもそもは調査記録である。調査記録であるから、どこか淡々として事実の羅列が続くような場面が多く、スピード感とか分かりやすいホラー性とは無縁である。ただ、その淡々としたところが、逆に怖いのだ。ゆっくりと、しかし着実に、怪異のもとを辿っていく。そして、「虚妄だと言われればそうかもしれいが、しかし、どう考えてもただの偶然が重なった結果とは思えない」というところに着地してしまう。その結論に達するまでのフィールドワークの過程を知っているだけに、言葉に詰まるというか、これだけの事実を重ねてそれでもなお気のせいだと言い張ることは寧ろ愚かな行為だと自覚してしまう。 過去を探っていく構成であるから、当然、初めの頃に記されている色んな場面や状況描写、誰かの言葉などは、全て「点」である。その「点」が単体で存在しているように思っていると、それがどんどん「線」になっていく。未解決事件を探偵が改めて調査し、追いかけていく様に似ている。 古典的、というか学術的、というか素朴、というか、とにかく、手法としては決して斬新とかアヴァンギャルドとかではないのだが、どうにも新しいタイプのホラーだったように思う。いや、ホラーというカテゴリに括った言い方が適しているかも良く分からない。でも、これだけ怖くて、奇妙で、恐ろしくて、しかし実話と言い切るのも憚られる作品は、暫定的にホラーと言っておくしかないだろう。 個人的に気になったのは、先日読んだ怪談小説『花嫁の家』のなかで著者の郷内氏が「我々拝み屋の仕事というのは、基本的に地味である。しかし、一万分の一、あるいは十万分の一の確率で、『例外』にぶち当たることがあり、それは本当に気をつけなければいけないケースである」と「怪異」について語っていた内容と、今回この作品内で何度か出てくる「聞いても伝えても祟るというような、『その存在自体が怪』である事例には本当に気をつけないといけない」といった表記とに、どうにも共通する何かを感じざるを得ない点。妙にリアリティを感じてぞっとした。なんというか、我々が楽しみ半分で取り扱っていても大丈夫なものがたくさんあることに紛れて、所謂「ホンモノ」が隠れている場合があるのではないか、そしてその「ホンモノ」は、新型のウィルスのように、普段は目に見えない形で存在し、ひとたび人間がそのウィルスに感染するや否や、じわじわとその身体を蝕み、形式としては「死」へと導くのではないか、そういったことをあれこれ考えてしまった。 そう、ここで出てくる「穢れ」と「ウィルス」は似ている。風邪だってそうだが、そのウィルスは普段、我々の肉眼で見えているわけではない(特殊な能力…高性能の顕微鏡とか、感染しているかどうかを調べられるキットとかを保持していれば別だろうけど)。そして、そのウィルスと接触のあった者が必ずしも発症するわけではない。キャリアにはなっていても死ぬまで発症しない人だっているし、触れた翌日には発症する人だっている。自然と治ってしまう場合もあれば、何かをきっかけにぶり返すこともある。そういう意味では、インフルエンザで学級閉鎖が実施されるのと同じように、ある程度隔離することが穢れを滅ぼす有効手段なのかもしれない。 読み応えのある、そして、民俗学を研究していた自分としてはたいへん興味深いレポートだった。難点は、事実の羅列であるがために登場人物や場所、時代背景がコロコロ変わり、相関図というか、簡単な家系図というか、何かしら見やすくまとめられた図のようなものがほしかったかな、という点。まぁ自分で作ればいいだけの話なのだけど(そしてたぶんその作業もきっと面白い、この手の話が好きな人にとっては)、読み始める時にはまさかそんな段階を踏む構成だとは思わないので、つい小説を読むような気持ちで読み進めてしまうのだ。で、気づいた時には既に手遅れというか、今から立ち返ってあれこれ読み直しをして関係図を作成するよりは、先に進んでしまいたい気持ちが勝ってしまう。 上記の一点を除けば、とにかくゾワゾワと怖い、下手な怪談よりよっぽど鳥肌の立つ名作。 | ||||
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