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残穢
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残穢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全300件 241~260 13/15ページ
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夜は、読めません。怖くて。 読み応えがあり、やはり、安心して作者買いし続けられる方だと嬉しくなりました。 原因不明の怪異が続く前半が特に怖くて、夢中になりました。居心地の悪さを早くどうにかしてくれと、ページを繰る手が止まりませんでした。 後半、解き明かされていく因縁の深さ・呪いの強さにも恐怖と興味が尽きませんでしたが、 「分かっていく」事への安心感で、少し読むスピードが落ちました。 ‘ドキュメンタリーホラー’と銘打たれていますが、どこまでが現実でどこからが創作か分からない不安定感も、この本をより楽しむ一つの要素になっていて、本当によく作り込まれた作品だと思いました。 同時発売されたもう片方をまだ読んでいませんが、レビューで多くの方がこちらを後に読むよういわれてるので、未読の方を読んだらまた読み返したいと思います。 星➖1なのは、装丁です。 個人的好みの問題です(^_^;) | ||||
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小野不由美という作家は「東亰異聞」を読んでから気になっていた。その後、「屍鬼」は読みたかったが長すぎたし、「十二国記」シリーズ」は私の傾向ではなかった。そういう意味では「黒祠の島」は読むべきだったが、機会を逸してしまった。本書は山本周五郎賞を受賞したが、選考委員の石田衣良が「今まで読んだ中で一番恐ろしい小説」とコメントしていたのを読み、ここで読まないと小野不由美は再び読めないと思ったので、満を持してページを開いた。 発端は作家のもとに読者から届いた一通の手紙である。転居した賃貸マンションで妙な音が聞こえるという。調べてみるとその部屋は、短期間に頻繁に退去しているらしい。作家と読者はそこから同じマンションや、周辺の住民に聞き込みをし、退去した人まで探して調査を進めていく。 古来、死や出産などで異状な生理的事態を「穢れ」とし、特に死による穢れを「死穢」と云って重大視された。だから死者を供養し土地を浄めるのだが、あまりに強い場合、浄められずに残ってしまう事を「残穢」という。この正体がやっかいで、本書の主題となる。 話は淡々とした描写で時代を溯っていき、明治、大正年間まで突き進む。壁が膨らみ、よく見るとそれは赤ちゃんの頭で、それが次々と顔を出しては消えていく。こういった一つひとつのエピソードの繋がりが不気味な連鎖を呼ぶのだが、逆にいうと細切れになり、そこで終っている為、恐怖感が続かず、ああ、そうですかという印象しかない。 古びた田舎の因習に満ちた異常な世界のなかで生じる怪奇ではなく、都会のマンションで日常生活をおくっているなかでの怪奇を、現代から過去に溯って調査していくシチュエーションは悪くはない。ただ恐怖感というのか、悪寒がはしるというのか、そういうのを単純に期待する作品ではない。 | ||||
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映画化されて『残穢−住んではいけない部屋−』というタイトルが付けられ、2016年1月30日(土)より全国ロードショーが決まった。だからというわけではないのだが、内容は同じなのに文庫版『 残穢(新潮文庫) 』を買ってしまった。 小説家「私」:竹内結子 仮名「久保さん」:橋本愛 ※何故か「久保さん」は女子大生に変更された。 「畳を擦る音が聞こえる、いる筈のない赤ん坊の泣き声がする、何かが床下を這い回る気配がする。この家は何処か可笑しい。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べる内、浮き上がってきた『土地』を巡るある因縁。怨みを伴う『死』は新たな怪異の火種となるのか。」 一 端緒 二 今世紀 三 前世紀 四 高度成長期 五 戦後期I 六 戦後期II 七 戦前 八 明治大正期 九 残渣 怖い話を教えて欲しいという「私」の呼びかけに応えた1人、編集プロダクションに勤めるライターである30代の女性・久保さんは最初は背後の和室からの「畳を擦るような音」に悩まされたが、問題の和室を「開かずの間」にしたら今度は「ゴトンと何かを倒した音」が聞こえるようになる。最初が首を吊った着物の女性の帯が畳を擦る音で、次が首を吊る時に倒した台の音らしく、無視するなと抗議せんばかりの悪意に満ちた嫌がらせのようである。しかし、最初の怪音については久保さんには首を傾げるモノを感じた。何故、仕切りの板戸を開いたままだったのか? 本作の主人公である女性小説家「私」は同業者の夫が仕事上の都合で別の部屋に暮らして新居に転居後は同じ空間で生活することに戸惑ったり、懐疑的で淡々とした口調で何か因縁があるのではと先走りがちな久保さんの手綱を引き絞ってどうどうと窘めたりと、何処までも作者の小野不由美女史を体現している。因みに、小野女史の旦那様は綾辻行人(あやつじ ゆきと /本名は「内田直行(うちだ なおゆき)」)氏である。 冷静なようでいて「私」には軽率な一面があり、大晦日の深夜、そんな時間に掛かって来た如何にも怪しい電話にうっかり出てしまい、10代 - 20代前半の男に「今、何時ですか?」と問われ素直に答えてしまったのだ。翌日も答えてしまうが、3日目の晩から出るのをやめて一週間も続いた。久保さんには軽率な対応に密かに呆れられつつも心配されたが、かかってきたのと同様に突如としてイタズラ電話は終わった。 主人公に「音がする」と相談を持ちかけ物語の「端緒」になった久保さんは理由を問われたら「土地の歴史を調べている」と説明するという怪奇探偵の小池壮彦(こいけ たけひこ)氏の機知に倣って調査を行い、やがて実話怪談の蒐集家にして幻想小説・ノワール小説を執筆する平山夢明(ひらやま ゆめあき)氏及び福澤徹三(ふくざわ てつぞう)氏も2人の調査に関連して登場する。 調べ始めた久保さんは或る事実に遭遇する。岡谷マンションから転居した梶川亮(かじかわ あきら)さんが他のアパートで首を吊って亡くなったのだ。その直前、ドラマのように「夢から覚めても夢の中にいる」という不思議な現象を体験し、彼が末期の挨拶に訪れる夢を繰り返し見たため、大家の伊藤さんのショックは大きい。しかも彼の死から1年後に入居した住人が幽霊を目撃したが、それは梶川さんの死の原因である着物の女性の首吊りだった。事件のことは承知の上で少々強引に入居した2人だったが、自殺したのは男性で今までに女性は入居したことすら無いと言っても信じようとせずに次々に出ていってしまう。普通、その部屋で自殺したと考えるのは当然だが、実際にその女性は二駅も離れた自宅で死んだのだ。岡谷マンションに化けに行って、そこから梶川さんに付着して彼を死に追いやった後も居座っているということになる。 吉兼家に凶事が起こると禍々しい笑みに歪む女性の絵の怪と謎の風音に慄く住職の話を聞き、久保さんだけでなく「私」が背筋の凍る思いを抱くのは至極尤もだと思う。殺人と放火、地下を吹き抜けるかのような風の不気味さが怪異の謎と「穢れ」の恐怖を物語る。 そんな時、子供を産んでは殺し遺体の隠匿方法が杜撰になる程に嬰児殺しを慣れて何とも思わなくなった中村美佐緒(なかむら みさお)の事件が浮かび上がり、嘗て、家族を襲ったり放火をしでかそうとした吉兼家の三男の吉兼友三郎(よしかね・ともさぶろう)が「私宅監置」で座敷牢に入れられても当初は床下を徘徊し抜け出したりしたことが判明し、複数の赤児の泣き声や床下を這い回る気配に該当するかもしれない存在の欠片が見え、一世を風靡したJホラー『呪怨』が簡単に紹介された。 健康上の都合で久保さんが調査から外れた矢先、存在自体が怪である北九州最強の「奥山怪談」が浮上する。奥山家最後の当主の奥山義宜(おくやま よしのり)による家族を皆殺しにした挙げ句の自殺という惨劇が、その後の枝分かれし量産された怪異の震源地だった。別々の場所・別々の家や人を不幸にした怪異は、実は元を辿れば同一の原因があるとわかった時の恐怖は形に出来よう筈もない。最終的に平山氏及び福澤氏と久保さんと「私」の4名で廃墟と化した奥山家の跡地に居住し断絶した真辺家の探索を行う。ただでさえ夜に廃墟なんて不気味なのに久保さんは話に聞いていた謎の風音に内心怯えていたため、ダンプが通り過ぎた時の地響きと風に飛び上がってしまう。 住人の流動性の高さも手伝って怪異は広がる。時を越え場所を越えて「穢れ」が巡るかのように「私」と久保さんの調査は時を遡り、場所を移ってはアウトブレイク(爆発的感染)の果てにパンデミック(世界的大流行)を引き起こした伝染病のような「穢れ」の足跡を追う。まるで『呪怨』『リング』等々の世界のように「穢れ」は人から人へ土地から土地へと感染し、風に運ばれ、蜜蜂に付着して運ばれ他の花の雌蕊に受粉するように広まっては新たな怪異の火種と化す。但し、誰彼構わずではなく心に「負の感情」が巣食う人がそうなるらしい、その証拠に何事も無く平穏無事に暮らす人もいるのだから。しかし、何をどうする訳でもなく結局は「すべて世はことも無し」だ。怪しい事象を求めた先で怪しげな事象が転がっただけとも言える。 一度も主人公が名前で呼ばれることは無いままだが、それなのに違和感は皆無である。 | ||||
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夏に怖い話が読みたくて購入。 こういう小説のような形式で怖い話を読むのは初めてだったが、凄くよかった。 ほのかに香ってくる恐怖と、その恐怖へ中々近づけない絶妙な間。 そして最後も、興ざめするような事もなく、妙に納得させられた。 全体的に読んでいて、どうなるんだろうと前のめりになって読めた。 | ||||
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「鬼談百景」では酷評しましたが、こちらはホラー作品として楽しめました。 特に「すみません」と何度も謝りに来るくだりが、一番印象に残っています。 読者を恐がらせるための「グロい系」「不気味系」の表現は多々ありますが、 淡々としていてどこか狂っているくらいの方が、逆に本当にありそうでじわじわと怖いです。 でも、この作品は文章より実写の方が何倍も面白いかも?と思いました。 雑多で無駄とも思われる登場人物がスッキリしてリアリティが出ますし 文章ではあまり怖くなくても、ビジュアル化したら相当怖いと思う場面も多々あります。 ヤマあり落ちなしな点も「だからこそ怖いよ!」と、よりプラスに働くと思います。 もちろんCGバリバリで棒読みアイドルを起用するような、薄っぺらくて安っぽい実写化では意味がありません。 呪怨みたいに思わず笑ってしまう白塗りでもなく、純粋に丁寧に淡々と作りこめば ホラー映画史上に残る、いい意味で後味最悪の名作になると思います。 | ||||
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私は、著者:小野不由美女史のファンでもありませんし、作品を読んだ事もありません。 言える事は、「山本周五郎賞」のファンであり、受賞作は、ほぼ読破しています。 この賞を受賞した作品には、読み応えのある名作、良作が多いです。 たとえば、「エトロフ発緊急電」佐々木譲の手に汗握るスリルあるスパイ小説。 「砂のクロニクル」船戸与一のグルド人の民族性を賭けた戦いの無常。 「火車」宮部みゆきの近年の推理小説史上の名作。など、など、 ですが、「残穢」は、土地に交わる、因縁因果、穢れが、何代にもわたり、禍を齎すという 話であり、ドキュメンタリータッチで描かている点が恐怖ではあるのですが、、、、、。 だから、、、、?と感じてします。 恐怖の本体に迫るものは、霧の中、実際にある恐怖や因縁話は、この小説のとおりだろうと 思いますが、小説として仕上げるのであれば、やはりこのラストでは、不消化です。 逆に、モデルになる話があるのであれば、実録ルポでその話を仕上げてた方が、遥かに恐怖です。 フィクションで書く以上は、同じ山本周五郎賞受賞作「ぼっけえ きょうてん」岩井志麻子女史 の作品の方が、作品としての恐怖度が強いですし、読み物としての完成度が高いと思います。 「残穢」は、今までに無いタイプの恐怖小説である事は間違いありませんが、、、、、、。 | ||||
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レビューを参考に鬼談百景と一緒に読みました。 二冊とも途中で居眠りしてしまいました。 面白いとも、怖いとも思わないのは歳のせいかな。 鬼の方は子供の頃、今時分、わんさかこの手の話を読みました。 残穢も単調で、この本を側に置きたくないとある作家が言っていましたが 本当??にそう思うのかしら。 ああ、年を取ったなと実感する二冊でした。 | ||||
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読了時、結末に呆然というよりは、何だこれ、と唖然となりました。 小説だと思い込んで買った私が悪いのですが、きちんと帯かタイトル脇に大きな字で明記して欲しい。 「これは作者の長い日記を小説風にまとめた作品で、ヤマはあってもオチはありません」 小野さんらしい流麗で丁寧な文章は見事というほかありませんでした。 ぐいぐい引き込む感じと、内容のちょっとした恐ろしさにもう寝るのも忘れて読んでしまい、そして結末で唖然となりました。 まさかオチがないとは。 小野さんの作品だからと期待して買うのはおすすめ出来ません。 しかも同時発売のもう一冊を先に読む、というのはまったく知りませんでした。 まさか小野さんが抱き合わせ商法をやるというのも信じられませんでしたが。 とりあえず、エッセイならブログか何かに書いて頂きたいものです。 定価で買ったのが悔やまれます。 次回作には期待しておりますので、その意味も込めて3つ星をつけました。 | ||||
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とっても誠実な書き方に好感がもてます。最近は無理やり押し付けがましい恐怖談が多いですが、この本は違います。 | ||||
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一気に読みました 読み終わってからテレビのニュースで 不可解な事件や凶悪な事件を見るたび この本を思い出してしまいます こんなことってあるんや~って思います | ||||
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先に率直な感想から。 「小野先生の名前で出版する意味があったのでしょうか?」です。 内容はルポ風で、怪奇現象が起こるのでは?と言われている部屋の由来をしらべ、 それが伝播したり周囲に影響を与えている可能性を探って調査を進めてゆく、というものです。 ところどころに穢れの原因と思われる事象に対する考察がちりばめられ、一般のホラー小説のように 恐怖演出をしている部分は皆無と言ってよいでしょう。 「気にするならば気になる」程度の事象の不気味さを、だんだんとにじませてくれる作者の文章力は流石ですが、 読後の感想としては「うーん、ものたりない」です。 印象としては薄い作品となっているのでは無いでしょうか? 十二国記の続編を希望しているうちに、小野先生の新作発表キャンペーンみたいなもので紹介されていたので 衝動買いしましたが、この内容なら買わなくてよかったかなぁ。残念。 | ||||
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「怪談」についてのお話。素直に「怪談」と書けないのは、作者の分身と思われる作家が怪談実録の蒐集の際に、ある女性の体験談を聞いた事をキッカケに、「ルーツ」よろしく、その源を辿って行くという体裁を採っているからだ。この女性の体験談は彼女自身のみに留まらず、その居住区に様々な形で流布しているため、「ルーツ」探しが必要となったという理由付け。 このため、記述対象が現代のその女性の体験談から徐々に過去へと遡って行き、その時代毎に悍ましい事実が浮かび上がり、恐怖をジワジワと広げて行く狙い。「怪談」の流布をウイルスの感染に例え、ウイルスには源がある事、その感染経路が多岐に渡る事、ウイルスに感染しても発病するか否かは人それぞれである事、当然ながら感染者は新たな感染源である事等を整理している点が面白い。そう、この比喩は面白いのだが、読んでいて怖さは少しも感じなかった。ルポという記述形式にも依るのだが、余りにも多くの人物が登場するので、上述の比喩を捉えるのが精一杯で、各々の「怪談」に纏わる人物関係やその事象を味わっている暇がないのだ。この作家が発病しないのは「怪談」免疫を持っているためなのだろうか ? また、S.ヒル「黒衣の女」の様なオチが欲しかったところ。 作者はむしろ、時代毎の社会背景、例えば明治時代の炭鉱労働者の苦難、太平洋戦争時代の空襲による大量の亡くなった方々、無差別殺人事件が頻発したと思われている時代の考察、(執筆)当時の核家族化問題等を浮き彫りにしたかったのではないかと思われる節がある。「怪談」以外の部分で、事前取材・調査したと思われる記述が相当量あるのだ。「怪談」と社会の時代的変遷の考察との組合せという新しいテーマを目指したという印象を受けた。ただし、評判ほど怖くはなかったなぁ〜。 | ||||
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小野不由美「残穢」を読了。怖い物語です。主人公は作者自身。だから実話のような展開でそれも怖い。何より怖いのは、直接的な怖さではなく、間接的に怖さが染みてきます。その土地やもの、歴史によりくる怖さは、日本人の怖いというスイッチを簡単にonにします。そして、着物や畳といった日本家屋の情景が怖さに追い討ちをかけるのです。日本人だからこそ感じる怖さがここにあります。怖すぎます。 | ||||
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タイトル通りのお話で、主人公は小野不由美さんであるかのような描き方をされていますし、実際にいらっしゃる作家さんなども出てきます。 その為、途中までは実際にあった話なのかな?と恐々としながら読んでいましたが、終盤にかけてとってつけたような展開が転がってきて、フィクションだと分かり少し興ざめしてしまいました。 小野不由美さんの既存作品とは一線を画した読む人を選ぶ作品です。なので作家買いをすると合わないという人がいるかもしれませんので、是非店頭に足を運んで数ページだけでも読んでから買うことをオススメします。 | ||||
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穢れが伝播するって事で登場人物が多いのでしょうが、他のレビューにもあるように 顔のわからない人物が多すぎて、あの人が死んだ、殺人事件を起こした、行方不明になった とか言われてもさっぱり怖さが解りません。結局祟りのある土地に住んでいても 感じる人は不幸になるし、感じない(無関心な)人は幸せに暮らしている。 まあ作り話として不幸になってる側ばかり追えば、穢れに関係なくてもホラー的要素な 話は書けるわけで。たぶん何かいるとビクビク神経質になってる隣の部屋には酒飲んで お笑いを見てガハハ!と笑って生活してる人もいる訳で。 | ||||
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まず、ファンタジーを求める小野ファンには向きません。ピンクの背表紙の悪霊シリーズ、グリーンホームなどのホワイトハートのファン向けだと思う。 技巧が高く、本格ホラーが読みたい人向け。 淡々としたレポが、淡々と引き出す底知らぬ怖さは小野さんならでは。フィクションかどうかの足元がぐらつき、不安定な曖昧さがどうしようもなく恐ろしい。 都市伝説を長年追ってきた小野さんがなにを思い、伝えたいかがわかると再読が躊躇われる。 ぱっと読み終える割りに、読後感の胸を透かさないものは、本作のタイトル通り。だが、それがいい。 | ||||
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小野不由美さんの新作ホラーということで読んでみました。 途中まで(8割くらい進んだところ)は最強に怖かったです。自分の背後が気になったり、ちょっとした物音を気にしたり(というか意識的に聞き込んでしまうw)、今の自分の現実は大丈夫なのか?と考えてしまうくらいリアルです。ただ、その8割くらいを超えるとだんだん怖くなくなってきました。その理由は「じゃあ世界中の誰もがそのことがきっかけで不幸になる可能性があるだろう」という考えに行き着いたからです。もしかしたらアメリカやヨーロッパやアフリカで起こっている事件の原因はこの物語の「穢」にあるのかもしれないわけです。全世界すべての人間が「穢」に感染していてもおかしくないわけです。そうなると「穢」は特別なことでもなんでもなくなります。特別ではないということは物語として面白くも怖くもないわけです。本書の最終盤はそういうことを考えさせるような展開なので、極端な話バイオハザードみたいなSFみたいになってるのです。 この作品が途中まで怖いのは、「穢」の広がりがある特定の地域に限られていたからです。その段階でオチがあれば文句なしに星5つだったでしょう。でも最終的には日本全体への広がり、そして少し想像力を働かせれば世界全体に広がるようなスケールになってしまい、それまでの日本独特の歴史や土地柄が絡む暗い雰囲気を一気に超えてしまったところが失敗だと思います。 | ||||
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怖っ!読者まで呪われそう… あるライターから、新居の寝室から変な音がする―という相談を受けた著者が関わっていく怪異の連鎖。 ドキュメンタリーとして語られていくので、余計にリアル。 著者の思考は、なんでもオカルトに結びつけないところはあるけれど、それでも偶然では済ませられないものがあり、ゾッとする。 盛り上がりはないが、淡々とした冷静な語りが、じわじわと絡め捕られるよう。 実話怪談好きには実に面白い読み物だ。 | ||||
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レビューがとてもよかったので期待しすぎました。 どこどこの隣は誰々さん、その後ろの誰々さん・・・ いったい何人の顔の見えない名字が出てくるのでしょうか? 後ろを読み返してもいったいそれが誰なのか?・・・これはストーリーに必要な流れなのか? イライラを抱えながらも、いつかは物語に引き込まれる時が来ると期待して読み進めましたが最後まで残念。 時々織り込まれるミニ知識コーナーのような描写も唐突で退屈でした。 1600円の価値は全くなかったです。 | ||||
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本書は日本的なホラーの怖さ満載です。 わたしが「日本的」というのは、本書の全編を通して、死者の怨念、恨み、穢れ、祟りといった「不穏な理不尽さ」とそれをもたらした「歴史」が感じられるからです。時代を遡れば見えてくるドロドロした死者の歴史。それに対してわたしたちは何の直接的な因果関係もないのに、祟りや恨みという形で、一方的に死者からコンタクトを受けてしまうという理不尽さ。それらが通奏低音のように感じられるのです。本著者の他の著作、たとえば「鬼談百景」もそうでしたし、別の著者の「ぼっけえ、きょうてえ」も「瞽女の啼く家」もそうでした。ゾクゾクとした嫌な感じのおおもとにある歴史・・いま「何か」が起きるには、かつて「何か」が起きたという物語があった・・・そう思わせるのは、「無主地」が存在しない、つまりその土地その土地ごとに長い歴史がある日本ならではのものです。 誰もが「ひょっとしたら・・・」と思ってしまう日常生活の中で感じる嫌な感じ。それは過去の死者の怨念、恨み、穢れ、祟りがもたらしているのかもしれません。それを感じる瞬間は、きっと誰にでも、そう、近代的な都市で快適に暮らしているあなたにもあるのです。自分にはまったく関係もないしどうしようもないのに、理不尽にも自分の身にふりかかってくる死者との関係。あなたには何の落ち度もないのに、死者が一方的にあなたにコンタクトしてくるんですよ。死者はあなたを求め誘ってくるんです。西欧のように神様が助けてくれはしないのです。このドロドロとした理不尽な不吉さこそ、まさに日本的ホラーの典型と言っていいでしょう。 ほら、さっきあなたの家の6畳の部屋で、畳の上を何かが擦るような音がしていませんか。ふと気づくと、それが毎日のように続いていませんか・・・あなたの身の回りに起こる怪異な現象には、それにまつわる過去の物語があるのかもしれませんよ。でも、本書の著者のように、決してその原因を探ろうなどと思ってはいけません。ふつうのひとが知らなくてもいい物語は、やはり知らないほうが身のためです。ちなみに、最近、我が家の玄関の人感センサー付きライトが無人なのに点灯することがあり、それが妙に気がかりで仕方ありません。 | ||||
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