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天地明察
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天地明察の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全418件 281~300 15/21ページ
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江戸時代に暦のずれを正すために日本独自の暦を作った安井算哲という男の話です.和算学者として関孝和が有名ですが,この小説では関は脇役です.算哲という人はこれまで知りませんでしたが,関孝和と肩を並べるような人が他にもいたんですね. たかが暦,されど暦.暦を変えるということは,市民の生活のみならず,経済・政治・宗教など多方面に影響を与えてしまうということを再認識しました.特に,江戸時代では,朝廷との調整が大変だったようです. この小説では,算学絵馬や算木,天体観測の装置などが出てきますが,丁度映画が公開されていますので,これらのビジュアルを確認しておくと小説がいっそう面白くなると思います.是非どうぞ. | ||||
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楽しく読ませていただきました。 文庫本でいくと、上巻のテンポが良かったのですが、下巻では時間の流れに比較してテンポが早く、説明のようになってしまったのが惜しいと思いました。もう少しじっくり長く書くと、より良かったと思います。字数の制約があったのでしょうか。 | ||||
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肝心の暦学、天文学、算術に誤謬ありとは、ここのレビューを読んで知りました。画期的な試みの作品だけに、ちょっとショックですね。 なかなか楽しめたのですが、気になった点を少し。 不器用で純粋な春海が、後半になるとがらりと変わって政治的な根回しのうまい人間に変貌しています。 そりゃ人間、20代前半と40代では違うでしょうが、そこに至るまでの変遷というか駆け引き上手になるまでの成長が描かれていないので、後半の立ち回りのうまい春海はきっと史実そのままの姿を描いたんだろうなとは思うものの、唐突な感じが否めません。 最初の方は引き込まれながら読んでいったのですが、途中になると、何やら抽象的な話ばかりになって、ちょっと求心力が落ちたような気がしました。 史実や専門知識を駆使しながら物語を紡いでいくのは難しかったのだろうと思いますが、もっとも盛り上がるべき改暦のところがあまりドラマティックではなく、拍子抜けといった感じです。 愛妻ことの扱いも、「私は幸せでございました」と言わせるばかりで芸がなく、まるで記号のようでした。 欠点ばかりをあげつらいましたが、これらを除けば楽しめましたし、終わり方は清々しく、まずまずの作品でした。 | ||||
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ライトノベル的な人物の造形、時代小説としてはあまりに軽い言葉遣いが気になります。 主人公をはじめとして、現実に生きている人間の姿とは乖離している印象が否めません。 誤った出題に気付いた主人公の苦悩もどこか軽く浮ついた描き方で、 著者には本当にうつ状態に陥った経験はないのだなと思わせます。 算学・和算についての著者の勉強不足も目立ちます。 また、神道については著者自身の思いが反映されているのでしょうが、十分な理解がないまま 手放しで賛美し、読者に価値観の共有を強いているように思えてなりません。 暦・天文学という科学を扱う小説で、神道の理念を強調する意図がよくわからず、 読むほどに不快感が残る小説でした。 | ||||
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もうしわけないですが……、星一つとさせていただきます。 あまりにも話題になっていて、かつ、友人がとみに「読んだ?」と訊いてきて、そして、文学賞を5つ受賞しているということで文庫版を買ってみましたが……、すみません、おもしろくないです(ちなみに、受賞した文学賞は、本屋大賞、吉川英治文学新人賞、北東文芸賞、船橋聖一文学賞、大学読書人大賞です)。 その特徴を箇条書きにします。 ・ライトノベルのようです。 ・なぜか現代口語をしゃべります。 ・とても勉強していることがわかりますが、それを列挙しているだけ、のような気がします。 ・とにかく長いです。 ・視点が混同している気がします。 ・上の特徴と重なりますが、主人公=春海が考えている内容が現代人のそれなのが奇妙です。 上記の結果、下巻は飛ばし読みしました。 うーん、時代小説とか歴史小説などを読まないひとには新鮮なんでしょうか……。 | ||||
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上巻は、江戸時代の算術家達の様子がポジティブに描かれます。 数学嫌いの方は多いでしょう。 数学ができないから文系に進んだ、という方は大勢いらっしゃると思います。 4代将軍家綱の治世。この頃は、数学がまだ学問というよりも芸に近い存在であったそうです。 主人公渋川春海は安井算哲の名を持つ碁打ちです。 彼は算術に魅せられています。とても深く。 当時の人達にとって数学を学ぶということがどういうことであったのかを誠に上手に伝えています。 注目はやはり関孝和。一瞥即解の天才として象徴的に描かれています。 世の天才たちは皆宇宙空間に目を向けていました。 ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン。ホーキング博士。 日本の江戸時代のアカデミズムの徒は、手に手をとり夜空の星を見つめています。 その顔は笑顔で輝いています。 | ||||
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つまらない。 読解力不要、想像力不要、洞察力不要。 作者の知識不足云々を抜きにして、これを一般レーベルから出した出版社の意図が不明。 修行不足もいいとこでしょ。 展開は遅いし、盛り上がりにも欠ける。 キャラが立っている、とかいう向きもあるようだけれど、キャラを立たせれば立たせるほど薄くなるのが人物像。 作者の人間観の幼稚さが透けて見えてしまう人物造形としか言いようがない。 特に、老練な人物との絡みがお粗末。 泣かせのテクもないのに安直にヒューマニズム路線とったって、読者はついてこない。 もうちょっとまじめに人間観察をしたら?と言いたくなる。 ただまあ頭使わないで読めるし、間違っても作品世界に没頭はできないから、通勤電車で読むのには向いてると思う。 この薄っぺらさが却って他メディアへの置き換えを容易にしているんだろうし。 商魂たくましい出版社が手のひらに乗せて商売するにはちょうどいいサイズの作品なんだろう。 ホントに、なんでこれが本屋大賞なんだろう? 本屋大賞作品は玉石混交と言ったって、限度がある。 | ||||
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江戸時代の囲碁侍にして算術家、天文学者でもある渋川晴海(安川算哲)の一代記です。 正しい暦に基づいて政治を行うことの重要性(裏を返せば支配者にとって暦を支配することの重要性)に鑑み、4代将軍・家綱の治世、徳川幕府中枢にいる慧眼の士たち(酒井忠勝、保科正之、徳川光圀等々)によって改暦の大事業が企てられる。 完了までに要する時間の長さを考えるとき、事業のトップは若い人でなければならず、30歳そこそこの晴海がその総指揮を命じられ、経験も知識も豊富な多士済々の顔ぶれが彼のもとに結集する。降ってわいた大任におろおろする春海は、私利私欲なくただ真理追究に邁進するさわやかな理科系男子……という設定で進んで行く江戸時代のプロジェクトXが本書です。 紆余曲折の過程で登場する多くの人物が、そろいもそろっていい人ばかり。 算術が重要な物語のエンジンのひとつですから、関孝和ももちろん登場しますが、かなりいい奴です。和算のパズルみたいな問題が出てくるのも数学本ファンにはうれしいところ。ストーリーでなく説明で話が進んでいく部分が多すぎる点は少し気になりますが、初めて知る話がてんこもりで飽きません。読後感もさわやか。映画化されたら観てみたい。 それにしても江戸時代に算術や天文の知識がここまで進んでいたことに驚きました。地動説を日本人の誰もが当然のことと理解していたという事実が意外でしたし、日蝕・月蝕をピンポイントで言い当てられる知識があったこと(帝から改暦の詔勅をいただくため、改暦推進派は800年の歴史を持つ宣明暦に対し、「大和暦」を引っさげて蝕の予想合戦に挑みます)、惑星の楕円軌道、ピタゴラスの定理、未知数 (記号はxではないけど)を置いて問題を解く代数の考え方など、江戸時代の日本がそこまで進んでいたのかと、知らなかった私は驚きました。 | ||||
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映画の宣伝もかねた大きな広告を見て面白そうだったし、いくつも賞を取っているしと読んだのだがもうひとつだった。 魅力的な登場人物も揃っているし、碁打ちで算術好き他にも色々得意なことのある主人公で、話が面白くなる材料満載なのに、何か深みがない。 絵馬が並び吊るされている神社とか、北極星のきらめく夜空とか、情景が目に浮かばないので主人公に共鳴しにくいのだろうか。 読んでいる途中で用事が入ったら、簡単に読むのを中断できる本というか。 下巻で本格的に暦作りにとりかかるはずではあるが、買って読もうかどうか迷っている。☆3.5 | ||||
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映画化で話題になっているので、久しぶりに読んでみました。 やっぱり面白い。 何度読んでも飽きません。 内容の奥深さ、渋川晴海という人の生涯・人柄にとても好感が持てます。 幅が広い作品の為、何度読んでも飽きません。 読み直す度に新たな発見ができるのも一興のところ。 内容は少し難しいところがありますが、大筋が理解できていれば問題はないかと。 なにより、この作品の魅力は人間ドラマにあると思います。 渋川晴海のという主人公を筆頭に、登場人物全員がとても魅力なのです。 暦などの内容が理解しにくくても、まずは人間ドラマとしてサラッと読んでみることをお勧めします。 (私はそうしました。(笑)) ちなみに漫画版も出ていますが、こちらも一級品。 原作を忠実に再現しつつ、漫画としての良さもある良品です。 こちらを導入篇として読んでみるのでも良いと思います。 漫画版の晴海はとても可愛いんですよ。 | ||||
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冒頭の算額絵馬から始まって市井に生きる江戸庶民たちの闊達な学問への欲求をこれでもか!と描き尽くした一作。算術の問答集の自費出版や写本などすべて知らぬことばかりで、そんな江戸風俗学問編がめちゃくちゃ面白かったです。 関孝和は辛うじて知っていたものの、恥ずかしながら渋川春海なる人物を知らずググッては「やばい!ネタバレだ!!」と目を覆ったりしながら、読みました。作中の気になる人物気になる書籍すべて実在しているというところがわくわく感を更に煽ります。 老人たちから受け取った熱い思いとバトンを背負って未来につなぐ。お人よしでどちらかというと引きこもりニートの共感を煽るようなメンタリティの渋川春海という人物も面白く、一緒になってわくわくしながら読み進められる幸福な本でした。 | ||||
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内容が史実に即しているかは分かりませんが、歴史小説のなかで算術、暦に焦点を当てている事に新鮮さを感じました。ただ、暦を改正するということの重大性(幕府の権威にかかわるとか)について認識が十分でなかったので、春海の感情変化がわかりにくい部分がありました。また、関孝和やことなどの人物描写が不明瞭だった気がします。もう少し脚色を加えても良かったと思います。それでも、暦、算術が歴史的に重要な要素であったことがことが良く分かり、面白く読むことができました。 | ||||
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残念ながら100ページ程読んだところで挫折。 私が読んだところではまだ何も始まっていない感じでした。 これほど先の展開に興味を持てなかった作品はない。 読破してういる人が凄いと思える。 | ||||
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作者の他の著作を読んで(SFでした)、 とても面白くはあったのですが強烈に生理的に受け付けなかったため、 2度とこの作家の作品を読むまいと思っていました。 がひょんなことから手に取ったら…ノンストップでした。 なんて清清しい話なんだろう? 何かに打ち込み、精進していく姿は 時に他人に疎ましく煙たがられがち。 が、晴海の生き方は、 時代の一流どことのおじさんたちから 「頼みましたよ」と まるで卵からひながかえるのを待つ親鳥たちの目で 温かく、優しく、期待を持って見守られる。 泣けた泣けた。 悲しみではなく、喜びでもなく、 与えられる慈愛の気持ちを主人公と分かち合えた。 なりふり構わないようでいながら、 常に人の和を考えて走り回る晴海。 おじさんの青春話だ。キラキラしていた。 | ||||
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映画化の話でこの小説を知り,作者を知って俄然興味がわいた。 個人的にSF・ファンタジー作家として認知していた冲方丁氏の時代小説。 緻密な世界観とそれを躍動的に描写する表現力がそのまま時代小説に活き, 主人公春海の生き様をあるいは淡泊に,あるいは濃厚に,生き生きと書き記されていく。 素晴らしい作品でした。 惜しむらくは後半,壮年期の春海の描写がやや淡々としすぎるように思う。 妻に尻を叩かれ星と算術に追われる春海をもう少し見たかった。 しかし,それも作品へ魅了された読者の常なる渇望の証なのかもしれません。 | ||||
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9月に公開する映画の原作ということで手に取りましたが、面白かったです! 中学生の頃にハマった夢枕獏さんの『陰陽師』シリーズで知った「土御門家」や「加茂家」などの名前が出てきたのでとっつきやすかったです。 暦に関する知識は皆無なので細かいことは若干読み飛ばしましたが、それでも十分楽しめました。 読後の感想はさわやか。 映画では本因坊道策を横山裕さんが演じるとのことですが、役と本人のイメージがとても合っていて映画が楽しみです。 | ||||
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上巻では、さほど気にならなかったのですが、 下巻に入ってから、色々な場面での説明不足や、 登場人物の奇妙な振る舞い、強引なストーリー展開などが目立ち、 評判ほど面白いとは思えませんでした。 本格料理になりそうな良い素材を、 適当な軽食に仕立てましたという印象で、 本格歴史小説というより、歴史からネタを取ってきて、 ちゃちゃっとライトノベルにしてみました、という印象です。 | ||||
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3年ほど本から遠ざかっていましたが、この本をひも解いてから、読書熱が再燃。 久しぶりに、文句なく面白い本に出会ったという喜びで一杯になりました。 とにかく、登場人物がみんな魅力的です。 生涯をかけて、打ち込めるものを見つけた人は幸せですね。 2012年9月15日公開の映画も楽しみです。 | ||||
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本屋大賞、ベストセラー、ラノベSF作家ということで、かなり期待せずに、どうやってバカにしてやろうかと思って読んだら、なんだ面白いじゃないか。束髪を結わないってどういう髪型なんだか分からないし、まだ渋川春海の伝記と照らし合わせていないからどこからフィクションなのか分からないが、よく調べているし語彙も確か(ある種の直木賞作家よりよほど)。おかしいところがあったら直せばいいので、これで直木賞を落とすってのはないだろう、と思った。いくらか著者に嫉妬を覚えた。 | ||||
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とても爽やかな歴史小説だ。 渋川春海という人物をベースに、作家はひとつの理想のキャラクターを創出している。 その手法は歴史小説の巨星、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を思い起こさせる。 おそらく作家は司馬遼太郎をかなり意識して、この小説を書いたのだと思う。 まだまだ司馬遼太郎の域にはとうていおよばないが、それでもとても期待できる作家だと思う。 小説としての厚みが後半になって、急に薄くなってしまったのはなぜなのだろう? 作家の力量のせいなのか、それとも現在の出版界の状況のせいなのか。 もし出版界の事情によるものだったら、とても残念だ。 司馬のように自由にー『竜馬がゆく』はまるでマンガのように書き出しと最後は別の小説といえるくらい変わっている ー書かせてあげたら、もっと小説として完成されたのかもしれない。 | ||||
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