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天地明察
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天地明察の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全418件 381~400 20/21ページ
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本屋大賞は軽く読めるタイプの作品が受賞する傾向が強いと思っていたので、分厚い時代小説が受賞するのは予想外でした。 しかし一読して納得、ロマンに満ちたおそろしく骨太なエンタテインメントで、周囲の人に「これ読んでみてよ!」と思わず声を掛けたくなる作品でした。 またキャラクタ造型が実にライトノベル的で、それが本屋大賞を受賞というのも面白いですね。 | ||||
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歴史小説・時代小説といえば、武将やいわゆる軍事・政治官僚が主人公の作品か、もしくは下町人情ものが以前は圧倒的に多かった。しかし、本作は近年増加しつつある、技術官僚(あくまで江戸時代の)もしくは知識人を主人公とした作品の一つで、なかなか読ませる。少し屈折した主人公も含め人物造型も悪くない。 天文学・暦学の知識への批判があるが、そういった点は今後の課題だろう。ただ、物語を作り、読ませる力があり、なおかつ不快な後味を残さない点が小説家には最も大切だと思うので、作者を応援したい。 | ||||
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理系大河エンタテインメントです. 時代ものでありながら, 語り口調が軽やかで漫画的な感情表現も随所にあって ページターナーの要素満点です, 日本史で習った関孝和がこんなすごい人だと初めて知り 彼のスピンオフで,この感動をもう一度味わいたいと思います. | ||||
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お城勤めの碁打ちだった主人公が、算術や天文学の偉人たちとの出会いを通して、日本独自の暦を作るという一大事業を成し遂げるまでを描いた、大河ロマン。 主人公・渋川晴海はいい意味で周りの影響を受けやすく、人との出会いというものが、晴海という人物にとっていかに大事なものであったか、気がついたら読者も一緒になって引き込まれているような、不思議な小説です。 文章量が多いこともあり、会話主体の小説に慣れている私にとっては、読了するのに時間がかかりましたが、読み終わるとそれなりに達成感がありました。 日本史に詳しくない私にも、会津藩主・保科正行の民生思想や、水戸光圀の意外な人物像など、将軍綱吉の治世に日本が泰平の世をどのように根付かせていったか、興味深く読めました。 ほかの方のレビューにもあるように、算術や暦学の分野については、いまひとつ踏み込め切れていないような印象を受けました。 | ||||
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伊達に本屋大賞を取っていない。和算の創始者ともいわれる関孝和のライバルと言う、主人公の設定が面白い。名前が三つもある天才児が自らをそれを意識しないで暦の改革に挑む。大老、老中、同時代の著名人が続々と主人公の春海を観察し、支援する。話題になるまで本書に気付かなかったのが迂闊。 | ||||
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江戸時代に改暦を行った渋川春海の半生です。 改暦と簡単に言いますが、今日が何月何日である、ということを改めて決める、 ということが政治、経済、生活にどれだけのインパクトを与えるかは、今も昔も、同じです。 まだ、人々が地球や天体の動き、数学の原理について 試行錯誤しながら手探りで答えをみつけていた時代。 武士の戦闘シーンも、陰陽師のような呪術シーンも、一切ありません。 空を観測したり、ひたすら紙と筆を持って熟考する日々。 それなのにこんなに面白い!と思えるのは、そんな新たな発見が 当時は世の中を一変させてしまうほどの力を持っていたからこそです。 成功するかわからないけど、ただやりたいから、好きだからその道を進む春海。 そういう愚直な真摯さがあったからこそ、自分の将来だけでなく、 たくさんの温かい人にも恵まれました。現代にも通用するよい心がけではないでしょうか。 数学全般に疎い自身は、中盤、読み進めるのにちょっと苦戦しました(笑) でも最終章の展開は見逃せませんよ! | ||||
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読みながらウキウキし、読み終わって余韻が残る、よい本でした。 最近の世相と異なり、「被害者」のように感じたり、振舞ったりする人が 出てこないところが好きです。 きっと著者は、繊細な感受性を持ちながらも傷つきやすくはない、 精神の健康を保持した人なのでしょう。 中学生から大人まで、強くお勧めできる佳作です。 | ||||
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すっごいざっくり言って、江戸時代の元禄年間に、それまで 800年に渡って使われてきたカレンダーのずれを指摘して 新しいカレンダーのルールを作った男、 囲碁の名家の御曹司にして算術・歴術・測量術のスペシャリスト、 安井算哲(後に名を変えて渋川春海)の70年を描く大河ロマン。 登場する有名人は、水戸光圀(黄門様ね)、保科正之(徳川家光の腹違いの弟ね)、 徳川家綱(徳川4代将軍ね)、酒井忠清(家綱時代の大老ね)とか。 いやー、多分一次資料も相当当たったんでしょうね、 春海から保科正之宛ての手紙にこんなことが書いてあったよ、みたいなことも まるで見てきたかのように書いてあります。 あと、文中に数学の問題が出てきますから。 図入りで。 なんていうか、小説だけでは飽き足らず、アニメとかマンガとかの シリーズ構成とか シナリオ原案までやって、ラノベデビューのくせに 日本SF大賞を取ったりしている 鬼才ならではの、自由な書面。 そしてがっつり歴史考証したであろう、一武家から 一国のトップとして生まれ変わろうとするタイミングの 徳川幕府内外の権力闘争、政治工作、そこに関わる老若の才能がぶつかって生まれた 数々の政策や事件が絡み合う、重厚なドラマ。 徳川幕府とカレンダーの意外な関係は、ぜひ読んで確かめてほしい。 それにしても、重い素材を主人公春海の ぼんやりしたキャラクターで読ませるあたりも、 メディアミックスの中で身につけたテクニックなのだろうか・・・ 天体運行から日本の緯度を割り出して、時間というものを 目に見えるカレンダーという形に整えてみせるという、 えー、それってまるっきり理科ですよね!?みたいな、 しかも宇宙に行ったことないのにわかるんだ!?みたいな発見をした 天才研究者が、こんなにぼーっとしてていいのか、みたいな天然キャラ。 でも数学大好きで、数字を見ると人が変わるっていう。 数学って、天文学と不可分のものだったんですね。 そして哲学とか、宗教とか、政治とも不可分なんですね。 数学、もうちょっと勉強しようかしら。 小川洋子「博士の愛した数式」以上に、数学が気になってしまうこと 請け合いの小説です。 え?そんなオチ? いやいや、とにかく、素材は重いけど 軸ブレなし、スペクタクル満載のマスターピースです。 | ||||
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“事を成すことだけに熱をもった”爽快な人々がたくさん登場します。 「勝負したい」「解き明かしたい」「作り上げたい」 という物欲や名誉欲などの私心とはちがう、純粋な熱。 登場する時の為政者までも世の中を「変えたい」「守りたい」という純粋な熱をもっている。 途中で日時や登場人物のあまりの詳細な記録に疑問に思いネットで検索してはじめて これが実話だということを知りました。 日本も捨てたもんじゃないな。 先人にこのような人たちがいてとてもうれしく誇らしく思いました。 私も自分の仕事に“熱”をもってあたりたいと気持ちがあらたになりました。 | ||||
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シーンごとの情景が目に浮かびます。いつの間にか勝手にキャスティングしている自分がいました。(ちなみに主役は妻夫木君で・・・)アカデミックに無骨な男子・・・いいですよね。目標として尊敬できる人に会えたときの喜び、失敗したときの頭を抱えてかきむしるような焦燥感と魂が抜けたような落胆の日々、目標を一つずつ成し遂げたときの幸福感、など久しく実生活で味わっていない感情を主人公といっしょに噛みしめながら読むことができました。独特の言葉遣いも面白かったです。おススメです。 | ||||
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江戸時代、将軍綱吉の時代。 天体の動きを示す暦は各種あり、いまだ統一されてはいなかった。 「宣明暦」 が基本となってはいたが、長い年月を経て、肝心な その宣明暦にズレが生じており、春分の日、秋分の日をはじめ日蝕、 月蝕などの 予測に誤りがでてきた。 本書は正しい暦を作るため、宣明暦の検証から各地の緯度の観測、 計算の後、正しい暦の作成まで、半生を捧げた渋川春海を描く。 暦といえば朝廷の陰陽師のものという時代に、江戸のしかも碁打ちが 作った暦が、なぜ朝廷を説得できたのか。 長年にわたる研究と失敗、支えてくれた人たちの思いの強さもあるだろう。 綿密に組まれた成功までの方法論は、囲碁で培った読みの深さによる。 また、何より自らの栄達より庶民の便利を優先した姿勢が、不可能を可能に したと言えるだろう。 当時は大変な騒ぎとなったのであろう、おさん・茂兵衛の物語の大経師意春の 事件もさりげなく織り込み、なかなかの力作となっている。 この事件は最近、北原亞以子が『誘惑』で描いているが、暦がどれだけ 庶民の生活に影響を与えるものであったか、よく分かる。 | ||||
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各賞受賞で作者はテレビでもとりあげられ、 「巨星現る」みたいな扱いになっていますが、 そういった他者の評価は割り引いて読んだ方が、 きちんとこの本と向き合えた、そういう感想になってしまいました。 キャラクターもいいし、着眼点もいい。淡々とした語り口もいい。 しかし、肝心の改暦決定時の盛り上がりには欠ける構成となっており、 そこまでは心を熱くさせる人物や展開を見せてきただけに、 腑に落ちない出来になっていると思います。読後感がすっきりしません。 構成については史実が元であるため、動かしようのないものごとは あったかもしれませんが、そこは筆を尽くして描写することで、 もっとなんとかなったのではないでしょうか。 本作のメインイベントは改暦のはずですが、 盛り上がりは保科正之公の逝去までで終わってしまっています。 マルドゥックと比較するのは作品の内容も作風も異なるのでどうかとは思いましたが、 同じ作者の作品として、こうまで濃密さが異なるというのも解せぬもの。 その意味では、本作も「読みやすいく手に取りやすい」という以上に、 もっと濃密で面白い作品になれたのではないかという残念さが勝りました。 よって★は三つとさせていただきます。 | ||||
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時は四代将軍家綱の治世下。主人公は碁の指南役。趣味は数学と天文学。渋川春海?日本史の教科書に名前だけ出てきたような…。 およよよ。どえらく地味じゃないの。ところがこれが面白いんだな。改暦にかける男たちのドラマが熱い!遺題をめぐって数学勝負する男たちが熱い! ところが、思わせぶりに登場して運命の人かと思われた女性は他家へ嫁に行ってしまうし、改暦の試みは3度も失敗してしまう。 不屈の意志をよく描きあげた。沖方さん自身が、その生き様に惚れていた人物らしい。よくぞこういう人物にスポットライトを当ててくださいました。本屋大賞もいい本を選んだ。サンキュー。 | ||||
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徳川の世が太平へと向かいだした頃、お城碁の碁打ち衆のひとりである春海はとある計画に参加することになった。 それは春海が算術が好きだということも加味されてのことだった。その計画とは長い歴史のなかで少しずつずれた暦を正すという計画だった。 しかし、一口に暦を直すといってもそれはかなり難しいことであった。幕府、天皇、そして庶民。すべてに影響が及ぶからだ。 春海はいかにして暦を直すことができるだろうか。 作者の初めての時代小説ということで、気にもなりました。 面白いですね。一人の人間の一生をかけた改暦。それをいかにして行うか。 興味深くよみました。数学的なことや暦って西洋が優れているという感覚がありましたが、意外とそうではないんだと感心したり。 でも、ちょっとさらりとしているので読みやすくていいです。分厚い本ではありますが、気がつけば終わっているというくらいです。 | ||||
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時代小説はそれほど読んでいない(巷説百物語シリーズ、竜馬がゆく他)のですが、 いつも時代背景や文化についての知識が浅い分、読む速度が遅くなるのですが、本作は非常にスムーズに読めました。 もっとも数学は苦手、天文学はさっぱりですから、多の方の指摘されている学術的な問題には敢えて触れずにレビューします。 主人公渋川春海の人物像、その周囲の人々との関わりについて、非常に好感が持てました。 特に第3章「北極出地」までに登場する人々とストーリー展開(「改暦」と云うテーマが登場していないにも関わらず)はワクワクします。 逆に、後半話が改暦に移ってしまって以降は、あまりにもあっさりしすぎてる気もしたのですが。 物語そのものが20年余りの物語ですので、3章までとそれ以降と上下2冊ぐらいにして、時代背景や文化などをもっと掘り下げても良かったのでは、という気がするのですが、多分、そうなると読みにくくなりそうですね。 特にこれまでに時代小説なんて読んだことがない、若い読者にお勧めしたい1冊です。 | ||||
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重厚な題名に似合わず冲方氏の文章は軽快で、難解な題材にも関わらず本書は読みやすい。 その理由の一つは、現代人にもなじみ易い登場人物のキャラだと思う。 主人公の渋川晴海は、ちょっと天然で情に厚くて努力家で、才能に恵まれても本人は意識していない。なんか青春ドラマの主人公みたいでしょ? それと、ほうきを振り上げて晴海を叱る娘は、まるでラブコメのヒロインみたいでしょ? 話は寛文元年、西暦では1661年に始まる。この時、晴海は22歳であった。ちなみにニュートンが生まれたのが1642年で、二人はほぼ同世代である。 戦国の世も過ぎ去りしあと、泰平の世は新しい才能を求めていた。算術はそれを身につけた商人が富をなす一方、高度な術を競い合う知的娯楽の一つでもあった。 晴海は大名相手に指導碁を打つ碁打ちである。しかし、伝統芸能と化した碁に厭きた晴海の関心は、算術に移っていく。また算術の天才関孝和の存在が、晴海の情熱に油を注いだ。 そんな晴海に老中が天測の事業を指示し、やがてそれは改暦事業に発展する。当時の暦は陰陽師らによる秘術の産物であり、朝廷の権威の象徴であった。それを刷新するには、算術と独創力と飽くなき情熱を持つ若者が必要だったのだ。 先人の知恵を土台に、自らの考えを築く。古典に殉じず権威を頼みにせず、ただデータにより自らの考えを実証する。 武断から文治への変化は、古に依拠する神秘主義から、現世的な実証主義への転換を伴った。 そんな時代の移ろいを体感することも本書の楽しみの一つである。 天体観測の師匠二人が晴海に託す夢。泰平の世を盤石とするため、心を鬼にし斬新な政策を次々と建議した保科正之の、改暦事業に込めた思い。胸がこみ上げる場面が次々に現れる。 大きな挫折がより大きな進歩に姿を変え、晴海は遂に日本独自の暦を開発し、人々の願いに応えた。 本書の心のど真ん中を狙うてらいの無さは、心地良い読後感を残す | ||||
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『天地明察』は大変楽しく読みました。渋川春海と彼を取り巻く人間模様、改暦にかける情熱など、読んでいて爽快でした。 但し、天文学や数学、暦学への理解不足を諸処に感じたのが残念でした。更に中国の暦についての認識不足は免れません。 授時暦は天下の名暦ですが、食予報においては宣明暦が優れていました。だから第一回目の競争は上手くいかなかったのです。また実際のところ、中国の暦ではマテオ・リッチの後輩のイエズス会の宣教師等が中心となって明朝末期に編纂が開始され清朝初期に頒布された「時憲暦」以前、「食」を分秒単位で当てることはできませんでした。それを可能にしたのは西洋天文学です。本書にも僅かに『天経或問』を入手して西洋の視点を取り入れた記載がありますが、大和暦が宣明暦と授時暦と食予報で優位に立てたのは、マテオ・リッチが中国で紹介した西洋天文学の知識を渋川春海が取り入れたのが大きいと思います。 とはいえ、天文学や数学に相当通暁した専門家でもなければ、この本に書かれた内容の全てを完全に正しく書くのは困難でしょうし、専門家がこの爽快な人間模様を描き出せるとも思えません。むしろ難しいジャンルに挑戦した作家の勇気を称えたいと思います。もし可能なら改訂時に学術的な視点からの解説を専門家に補ってもらえたら、読者としては嬉しいです。 | ||||
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久々に感動を味わった気がします。 主人公の生き様に感動し、 良くこれだけのネタを一つの小説に盛り込み、 なおかつ、これだけ判りやすく小説にできたものだと感動。 もちろんストーリも素晴らしい。 裏表紙が「天文分野之図」だったら もっと嬉しかったかな? | ||||
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人物の選定がおもしろい時代小説で、題名もストーリー展開もうまい。ただ、読み終わる前に「天文学・暦学に関する記述に問題あり」との指摘があると知ってしまったので、それを検証するような読み方になってしまった。 残念ながら、「天文学・暦学に関する記述に問題がある」という指摘は首肯せざるを得ないのではないか? 「誤認、受賞」に関連して、横山秀夫の「半落ち」(と直木賞)を思い出したが、物語の骨格といえる部分が問題視されている点ではこっちの方が致命的にも思える(半落ちは結局問題なかったしね)。 --- と思ってたら、直木賞候補になったのね。「半落ち」がないなら、これもないと思うよ(説明がつかん)。 | ||||
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本屋大賞を受賞し、書店員さんたちの選考理由を聞いているうちに、どうしても読みたくなり手に取った。 ページが進むほど、どんどんのめりこんでしまった。 碁の名家に生まれ、礼儀正しく愛嬌があり人に好かれる春海。 非凡な才能を持ちながら己に飽き、算術に、天文に、そして改暦に奮闘し、 妻をはじめ愛する人たちとの死別、何度となく挫折を味わいつつも、 関わった多くの人の想いを胸に刻み、長年かけて改暦を成し遂げる。 まさに胸がすく、思いだった。 ドラマッチックな展開があるわけではなく、野心家でもなく、くじけそうになりながらも ただひたすらな春海だからこそ、春海の喜び、悲しみに自分も一喜一憂し、涙した。 壮大すぎて江戸初期の一大事業はとても想像できない。 文中の算術も天文学も正直全くわからない。 でも学者たちの熱い想いがひしひしと伝わってくる。 こんなに学問にワクワクさせられたことはない。学問がすべてにつながっている思いがした。 春海は関から「勇気百倍」をもらった。春海は読者に「勇気百倍」を与えてくれた。 本屋大賞1位納得です。 | ||||
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