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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全707件 421~440 22/36ページ
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お願いだから、日本の○○牛は霜降りで肉が柔らかい。餌にビール飲ませてるから、とか自慢げに力説しないでください。私が絶句していると 信じていないと思ったのか、そんなことも知らないのかとむきになるあなた。 健康で固い肉を食べるか、それとも薬漬けで頭が気が狂ったやわらかい美味しい肉を食べるかという議論ならわかるけど。。 いやこの小説ではもっと先をいってる。 どんな環境で育とうが臓器にはあまり問題がないのだから。。 それでもできるだけ子供たちに限られているが自立と自由を与えようと試みる大人達もいる。 だがその大人たちには読者は何のシンパシーも抱くことができない。 いつまでも心に残る数少ない本の一冊。 | ||||
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主人公のキャスは目前に迫った自分の運命を見据えながら、人生を振り返る。 初恋のトミーと親友ルース。 ヘールシャムという箱庭のような寄宿学校で出会い、ともに育つ。 自分たちが何者か知らず、小さな希望や、愚かな夢のたぐいを抱きしめ、 人生を怖れ、愛し合い、憎み合い、諍いと和解を繰り返し、 死の香りが色濃く漂う日々は過ぎていく。 「なぜ『彼ら』はこんな過酷な運命をやすやすと受け入れるのか」 読みながら、ずっとそう思っていました。 「SF、ミステリーなら、この設定アウトだよね」とも。 物語の終盤です。 ルースが亡くなった後、結ばれたキャスとトミーは 一縷の望みをかけて、自分たちの運命を握っている「マダム」のもとを訪ねます。 言うまでもなく「マダム」は神ではありませんでした。 「マダム」と同居するかつての「保護官」が醜悪な世界の仕組みを語ります。 威風堂々としていた彼女は衰え、車椅子で現れる。 理想は潰え、借金まみれで、口をつくのは自己弁護、後悔、呪詛ばかり。 「彼ら」の生命を弄び、都合のいい仕組みを作り上げた社会。 それに加担(しかも善意!で)しておきながら、 自らも病み、死すべき運命から逃れられない愚かな「我々」。 いったい彼らと我々のどこが違うのか……。 そこでやっと思い至りました。 「彼ら」などそもそもいない。 これは「設定」ではなく、「我々」が生きている、この世界そのもの。 まもなく最初の提供を控え、 荒涼とした約束の地で、 有刺鉄線にひっかかったビニールの切れ端を眺めているキャス。 それはこの世界に放り出され、 幼い頃には楽園のように思われた世界が、 地獄であることを知り、 人生に意味などないと、うすうす知りながら、 不公平で醜悪な社会を受け入れながら生きている、 我々自身の姿と寸分の違いもありません。 さらに秀逸なのは、この作品がキャスの一人称で語られることです。 ちょっとエキセントリックだけど聡明で優しいトミー。 わがままで自己中心的だけれど、いつも側にいてくれるルース。 自分は、やや距離を置いて冷静に二人を眺め、 ルースを受け入れながら、一途にトミーを大切に思っている。 トミーもそんな自分を心の底では思ってくれている。 ……とキャス自身が考えているに過ぎない。 最初の違和感は、語ることの大半がルースについてであること。 ルースがどうした、こうした。 いかにルースがわがままか、いかにルースが見えっ張りか、 いかにルースが愚かで、世界のことをこれっぽっちも理解していないか。 そう言った後で「でもルースは気遣ってくれる」などと付け加える。 キャスはとても不誠実な語り手です。 キャスはトミーと結ばれるべき運命だと思っていますが、 実際にトミーと付き合っているのはルース。 二人が付き合うに至る過程は一切語られません。 ルースのトミーへの愛情がうわべだけのものであるかをしつこく語った後、 ルースに指摘された自分の性体験をしぶしぶ付け加えます。 語りが前後し、エピソードの挿入が多いのも効果的です。 キャスの言葉は、ほぼ言い訳に聞こえます。 事実関係だけ見ると、ルースとトミーは、 子供の頃から青年期までずっとステディな関係。 トミーとキャスはルースが亡くなるまで性的関係はない。 むしろキャスの方が行きずり含め、結構おさかん。 それについてはキャスはほとんど触れません。 ルースは自分の死を目前にして言います。 「私はあなたとトミーの仲をさいた」 キャスその謝罪を受け入れます。 でもそれは本当に謝罪だったのでしょうか。 うがった見方ですが、 私にはルースの方が他人を思いやり、 人生をまっとうに生きている、 いい娘であるようにしか思えません。 キャスはトミーのこともあまり触れません。 特に内面についてはほとんど語りません。 自分の目に映った美化されたトミー像と、 奇跡のような偶然をとうとうと語るだけです。 キャスは本当にトミーを愛していたんでしょうか。 ルースへの対抗心だけだったのではないでしょうか。 そんな疑問さえ芽生えます。 最後にキャスはトミーにも別れを告げられます。 キャスはそれをトミーの思いやりとして折り合いを付けますが、 トミーは重要なことを二つ言います。 「自分とルースは理解し合っていた。君にはわからないこともある」 「介護人って意味あるのか?」 トミーが見ている世界が垣間見える、数少ない場面です。 キャスの現在の支えは自分が優秀な介護人であることです。 それを自分の一番の理解者であるはずのトミーに否定されます。 私はキャスという歪んだ鏡を抗いもせずに受け入れ、 キャスの目を通して世界を見ていました。 荒れ地で風に吹かれて立っているキャスの姿。 世界には何もない。 もうどこへも行けない。 それはもはや「我々」でさえもありません。 歪んだ鏡に映し出された自分自身の姿に他ならない。 そう思い知らされました。 他人事に思えず、あまりに親近感を覚えたので、 キャシーではなくキャスと呼ばせていただきました(笑)。 | ||||
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本もきれいだったし、中身もすごかった。このアイディアはすごい。 | ||||
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とても読みやすい。 スッと入ってくる。 というか、スッとこの世界に入り込ませる文章。 最後まで読者を離さない。 | ||||
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ジャンルをあまり知らずに読んだのですが、 SFと言えば良いのかな。 主人公の淡々とした語り口の中で深く語られない違和感が はっきりとした時 切なさとかやるせなさがこみ上げます。 | ||||
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未来のお話なのに、現代的でない。逆ドラえもん状態。 人物や出来事、流れ、感情的なもろもろはとても素晴らしいのですが、いかんせん物語の重要な行動(複数回行われる)が、この物語の特異な性質に最も大きな意味合いを持っているとともに本来の意味合いとして最も不毛であることが、後半に進むにつれて読者を白けさせるかもしれません。僕は「じゃあなんでしているの?」と思いました。物語の芯の部分なので細かなことは言えませんが、もっと他のやり方もあると思うと、そうすべき理由がわかりません。なので評価は普通です。 | ||||
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レビューの良さが気になり、ともかく最後まで何とか読み切った。 「提供」という言葉はかなり最初の方で出てくるし、物語の筋は早くから見えてしまう。でも、物語のクライマックスに期待して読み続けた。 しかし、意外性に驚かされることもなく物語は終わってしまった。主人公たちに救いを求めることも出来ずに。 ともかく題材が良くない。SF小説というより、精神的虐待小説という感じ。 2012年以降にこの小説を手に取った私は、幸い「iPS細胞」という解決策を見出すことができる。こういうことで山中伸弥教授に感謝することになると思わなかった。 | ||||
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そしてこの物語の主人公たちも同じように、自分たちの置かれた境遇の中に幸せを探していました。しかし・・・。 | ||||
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率直に言って打ちのめされる作品。 それ程読書量は多くない人間ではあるが、ここ数年で一番心動かされた。 レビューは読むべきではない。 本作品に関するあらゆる情報を排除し、とにかく読め、と言いたい。 | ||||
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怖かった。こんな怖い話読んだことない。昨晩読み終えて今、もう一度本のページを開くのさえこわい。 あの世界に呼び戻されそうで。 ものすごい物語。凍り付きそうな世界観。 3分の1ぐらい読み進めないと、どういう状況だか見えてこない。 奇怪で狂気じみた薄ら寒くなるような世界の話の中で、2回声を出して泣いた。 誰かが誰かを思う愛のところだった。 やさしさだった。 あのテープを探す場面は今思い出してもおんおん泣ける。あれが2人にとって人生でいちばん幸せな気分だったのかな。 村上春樹さんが最も注目する現代作家というカズオイシグロ。昨日初めて思いたって読んだ。350ページ、眠くても止められず、一気に読んだ。 読み終えて、感想文を書かずにはいられなくなった。 かといっておいそれと友だちにおすすめしたりとてもできない。 冷徹で残酷ですこしも愉快ではないけれど、冒頭から終わりまで一貫して淡々とおだやかで静かである。品がある。 インタビューで著者は「全体にわたって、奇怪さが絶えず少し存在するようにしました」「人はどのような人生も静かに受け止めて生きて(死んで)いく」と語る。 SFやミステリアスと分類する評もある。 イギリス最高の文学賞ブッカー賞受賞。ロンドン在住。 | ||||
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登場人物たちの境遇は、パラレルワールドの出来事のような、あり得ない(とも言えない?)状況ではありますが、読み終わっても自分の心に奇妙な寂寥感や漠然とした不安感が染みついて消えません。 自分は果たして登場人物たちとどれだけ違うというのか? 確かに親もいれば、仕事も自分で選んだ。 しかし、独身で子供もなく中年を迎えた今、彼らと自分の違いがわからなくなってきた。 人は、結局は彼らと同じように、身を削って何かを誰かに提供し続け、「使命を終える」存在ではないか。 だとしたら、どうすれば満足して使命を終えられるのか。 彼らと違って自分にできることは何か。 何とかしないと!という気にさせられました。 | ||||
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読む気がしなくて放置しておいた作品。 高い作品評価も決まり、映画化されたと知ってようやく読み始めても、 「こういうのが、みずみずしい若い青年少女たちの感性と未だ評価されるのか」 といつまでも続く、当たり前のことにうんざりする。 作品の大部分は、世の中はこうなっているはずだからと、 自分たちに欠けているものを、想像で補う子供達の描写に終始する。 施設にいる子供達には両親がいない。 「提供者」という耳慣れない言葉だけが確かで、終始とりついている。 どれとして結論はなく、実母探しも推測の域を出ない。 当たり前の思春期体験、親の形、子供を思う保護者の形が続き、 その当たり前が瓦解する。 「家畜を、教育したら、自我が芽生え」 と言葉が浮かぶが、実際読んで体験すべきだ。 イーグルス曲「ホテル・カルフォルニア」を気に入り、 歌詞を調べてみたら、 「これ何?」 と感じた時のような感覚におそわれる。 | ||||
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なんて不思議な小説だろう。 この作品の世界は、ファンタジックでもなければ、リアリスティックでもない。 その間をふわふわと遊泳しながら、ときにこちらをまっすぐに見据えるような世界である。 原題の"Never Let Me Go"は、言いようのない切なさをもって、我々の耳に入ってくる。 「提供者」たちを人々はどのように読むだろうか。 「かわいそう」「運命が定められているなんて」「生きる自由がない」 こうした考えを、読み進める中で一度は感じることだろう。 しかし、そのように考えることで、自らを彼らの対極に置いているわけだが、 それは果たして「欺瞞」ではないだろうか。我々は本当に自由なのか。自由だから幸せなのか。 我々は、見えない運命に振り回され、結局誰の「提供者」にもなることなく、これといった「使命」を終えることもなく、そして人生に意義を見いだせないまま、日々暮らし、そして死ぬのではないだろうか。 | ||||
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扱っているテーマは決して新しいことではなく、太古の昔よりあったことだと思います。旅行会社のパンフで、「黒豚」についてのグルメ宣伝が写真とともに載せられていましたが、その写真には、木の柵に囲まれた広めの牧場で黒豚がただ一頭だけ、牧草を食んでいる後ろ姿が写っていました。その背中にはなんとも言えず寂しそうな、やりきれなさそうな、絶望のようなものが漂っており、その後涙が溢れて止まりませんでした。人間は、なんと傲慢で残酷な、エゴイスティックな生物なのでしょう。他を顧みず必要以上に奪い、良心の呵責もなく、これ以上ないほどに貪欲です。数え切れない家畜たちは、どんな気持ちで仲間たちの、自分自身の運命をとらえているのでしょう。それを気づかせてくれるこの本を沢山の人に読んで欲しいと思います。 | ||||
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本を読んで初めて泣きました。たまたま、私の心情に近いものがあったからかもしれませんが。 物語の設定も辛辣で、、、 本当にこんなことが起きてしまう世の中になってしまったら、、、と考えさせられる。 もし大切な人を救うために、人を物(提供)としか思わない、思えない、思いたくないなら。人間が本来踏み越えてはいけない領域と失ってはいけないものを失う気がする。 物語だけど、今の現実と近いものがある気がする。 | ||||
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読み始めたときから、物語にひきこまれ、どんどん入っていって 読み終わってもそのまましらばく物語の中にいるようでした。 静かなのに、深く、激しく、自分も一緒にすべてを体験をしているようで せつないでは言い表しきれません。 SF的なのに、物語がとても緻密で、なんとも不思議な印象でした。 読み終わっても何度もページをめくってエピソードを読み返したり、 登場人物の行動や言葉のあれこれをもう一度振り返りたくなったり。 最近読んだ小説の中では一番強い印象を受けた本です。 | ||||
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本日、大阪梅田劇場で、この原作である舞台を見てきました。 原作の投稿も多く、映画もあるということで、何も見ずでの舞台でした。 帰宅し、ダウンロードで原作を読み出したところなので (KO○Oで購入、、、) 本の批評はしませんが、原作は良くできていて、 原作のファンの方は舞台も見てほしいですね。 すばらしい舞台でした。後味はすっきりしませんが、 多部ちゃん、三浦クン、木村さん(とても美人で驚きました!) とても好演されていました。 舞台は明日、千秋楽です!間に合いますよ! 原作読んだら、映画も見てみようと思います。 | ||||
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長いばかりで最初から最後まで退屈きわまりない。 登場人物の誰にも共感できない。 | ||||
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舞台を見て、ちょっと不満があって原作を読もうと思ってこの文庫本にあたりました。 衝撃的な本です。 イギリスの翻訳劇はすごいという印象があったのですが、この原作を読む限り、 演出家が違ったら感動の舞台になったんだなと改めて感じます。 | ||||
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重いテーマでしたが今回劇をみてもう一度読んでみたくなり購入しました。 | ||||
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