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わたしを離さないで



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【この小説が収録されている参考書籍】
わたしを離さないで
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないでの評価: 4.10/5点 レビュー 707件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全707件 701~707 36/36ページ
No.7:
(5pt)

絶対に読むべき物語

この物語は凄い。

面白いとか、感動とかいう褒め言葉はおそらくそぐわない。
(もちろん、面白くて、いろんな意味で感動するのだが)
ただ、ただ、ひたすらに凄いのだ。「日の名残り」を
はじめとする過去の作品と比較して、どちらが優れているとは
単純には言えないが、イシグロは確実に進化し、どこか遠くへ
向かおうとしている。もう一度言うが、この物語は凄い。

しかも、もしかしたらイシグロの次回作はもっと凄いに違いない
という確信さえ読者に抱かせる。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.6:
(5pt)

奇妙な設定の上の、繊細な筆致

日本生まれのイギリス人作家、
カズオ・イシグロ氏の長編第六作である。

氏は長編第三作『日の名残り』でブッカー賞を受賞以降も、
手にした評価に安住することなく、
一作一作その作風を変えてきており、
本作も前作『わたしたちが孤児だったころ』とは
がらりと違う手触りの作品となっている。

本作の設定についてはその取り扱いがこなれているわけではなく、
純文学系の作家が手を出す領域ではないという批判もあろう。
しかしその奇妙な設定の上に築きあげられた、
触れれば壊れてしまいそうに繊細な人間関係と
箱庭の中のようなキラキラとした過去の風景は
この上なく珠玉のものであり、
エンターテイメント系の作家には描けぬ
一種完成された心象風景であろう。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.5:
(5pt)

A recommended read

NEVER LET ME GO stands out as one of the most remarkable books I have ever read. It is difficult to say whether this book is sci-fi or plain fiction. Whatever, it is unique in the sense that it would satisfies any high-minded reader who is versed with present day developments and what could happen in the future. The lesson learnt is that the meaning of life is best achieved when we find joy, joy which comes from the soul. That joy from the soul surpasses blind faith, unsubstantiated materialism and an idealistic purpose of life that is based on discrimination. Ishiguro successfully weaved this story through characters that we can easily relate to, characters who in their pathetic states mirror man at the height of his false sense of achievement. In its portrayal of the futility of life, I got reminded of DISCIPLES OF FORTUNE, FRANKENSTEIN, UNION MOUJIKUN, CONSOLED. This is a recommended read for a deep-thinking person.
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.4:
(4pt)

ラストシーン。私にもトミーが見えたような気がしました

特別な"学校"の卒業生であるキャシーの一人語りの形式で進む物語です。

こんな設定にしなくても・・・というほどの過酷な宿命を背負って生まれてきたキャシーたちが
成長していく過程で、悩んだり、幸福を感じたり、ぶつかり合ったりするのをキャシーの目線で淡々と語ってゆきます。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.3:
(5pt)

A recommended read

NEVER LET ME GO stands out as one of the most remarkable books I have ever read. It is difficult to say whether this book is sci-fi or plain fiction. Whatever, it is unique in the sense that it would satisfies any high-minded reader who is versed with present day developments and what could happen in the future. The lesson learnt is that the meaning of life is best achieved when we find joy, joy which comes from the soul. That joy from the soul surpasses blind faith, unsubstantiated materialism and an idealistic purpose of life that is based on discrimination. Ishiguro successfully weaved this story through characters that we can easily relate to, characters who in their pathetic states mirror man at the height of his false sense of achievement. In its portrayal of the futility of life, I got reminded of DISCIPLES OF FORTUNE, FRANKENSTEIN, UNCONSOLED. This is a recommended read for a deep-thinking person.
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.2:
(4pt)

How inscrutable ........

イシグロカズオの待たれていた6作目。
1990年代末期・イングランド、と扉にあるが、これは全く非現実的な仮想の世界の物語である。あるいは非現実的というよりは、科学が発達するあまり人間の倫理が脅かされつつある現代への、作者なりの警鐘と言えるのかもしれない。31歳の女性 Kathy が幼年時代から青春への日々を振リかえって語っていくという形式で、驚くべき内容がイシグロ特有の語り口で淡々と展開する。最初はたわいない子どもたちの寮生活といった感じで始まるが、実はそれは社会から隔絶され庇護されつつ、ある目的を持った特殊な世界だ。donation, donor, carer, complete などのことばに象徴されて、これはクローンの世界なのである。成長するにつれて自分たちの特殊性を察知しつつも、子どもたちの、やがては青春期にかかる若者たちの日常が細やかに描かれる。Kathy, Ruth とTommy の3人が紡ぐ愛の物語でもある。しかしその愛は終末にきてその特殊性のゆえに実に悲しい。教師たちの確執、子どもたちの憧れや喪失、青春期の模索、さまざまなエピソードが織りこまれ、イシグロの英語は前作同様、淡々としながら静かな味わいがあって読みやすく、どんどんひきこまれていく。しかし物語の設定自体になにか無理がある感じがして読み終わったあとも不可解さを払拭できなかった。
いずれにしてもイシグロ作品の愛読者にとっては一読の価値は十分にあると思う。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.1:
(5pt)

シンプルな事が胸に沁みる

語り口は、いつものイシグロと同じで、淡々と思い出がつづられていきます。それは単なる全寮制の学校の思い出話に過ぎないようなんだけど、何か語られていないものがある。それは、話に登場する学校の先生たちが、話そうとして話せない何か、について、らしい。いつまでも続く思い出話でなかなか肝心の謎解きが行われないことで、「退屈だ」と酷評も受けたようです。でも、この思い出話が長ければ長いほど、そこにある何かを語りたくて語れない、語り手の葛藤が分かります。淡々と語るその下に隠されたものを思うと、息苦しくなります。その何かをめぐって謎解きが行わるんだけれど、イシグロはそこで、近代から現代にかけての社会の発展の中でわたしたちが直面せざるを得なくなった問題をそっと提示します。それに対しての答えは、いろいろな立場や考え方から示唆されるにすぎません。こういった社会問題(という言い方は実はふさわしくないんだけど)を取り扱うと、どうしてもそこに正義感がちらついて、それが最終的には自分を正当化しようとしているに過ぎないことが多いです。でも、この小説の中でイシグロはそれをしていません。それが確かに、不満に感じられるといえないこともないかもしれない。だから、あるところでは、やはり酷評を受けています。最終的には、この小説は恋愛小説、といってもいいのだと思います。社会に不正義がある。それを外側からそれぞれの立場でいろいろな答えを出そうとする人たちがいる。でも、そこにいる当事者は淡々と自分に与えられた運命を生きようとする。やってみなければいけない、とも思う。できることをやっても見る。そして。I keep thinking about this river somewhere, with the water moving really fast. And these two people in the water, trying to hold onto each other, holding on as hard as they can, but in the end it’s just too much. The current’s too strong. They’ve got to let go, drift apart. That how I think it is with us.
どこかにある流れが本当に早い川のことをずっと考えている。二人は水の中にいて、お互いをしっかりつかまえていようと、これ以上はしっかりつかまえられないくらいつかまえていようと、している。でも、どうしようもない。流れは強すぎる。二人は手を放さなければいけなくて、別れ別れに押し流されていく。そんな風に自分たちのことを考えている。In the end, we can’t stay together forever.
つまり、ずっと一緒にいることは出来ない。こんなにもシンプルで当たり前の事が胸に沁みるなんて。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517

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