■スポンサードリンク


わたしを離さないで



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
わたしを離さないで
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないでの評価: 4.10/5点 レビュー 707件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全544件 1~20 1/28ページ
No.544:
(5pt)

大人用の「約束のネバーランド」(ビターテイスト)

「約ネバ」は掲載誌がジャンプなだけに、主人公のスーパーヒロインが世界を変える。
「わたしを~」の登場人物は何かスペシャルな能力も持ち合わせていないので、世界を変えることも、特別な出来事も何もない。私たちより短い人生の中で、特別な出来事もなく、後悔やすれ違いと誤解、想像できる範囲の恐ろしい痛みと死、自分や思いが消えてしまうことへの、どこにも行きつかない諦めの思いの話である。設定や小道具が似ているだけで、「わたしを~」はティーン向けではない。
50歳でこの小説を書いたサーイシグロは、日本人のDNAに刻まれた「侘び寂び」を本質的に理解し、世界に母国語(英語)発信できる稀有な作家であると感じた。
わたしを離さないでAmazon書評・レビュー:わたしを離さないでより
4152087196
No.543:
(4pt)

カズオ・イシグロワールド

やりどころのない怒り、やるせなさ、悲しみに支配されます。フィクションですが、人間が間違った方向に行かないための予防線になればいいと思います。

ただ、村上春樹、あだち充の作品が基本的にどれも同じな程度に、著者の他の作品と同じです。
わたしを離さないでAmazon書評・レビュー:わたしを離さないでより
4152087196
No.542:
(5pt)

素晴らしい

独創的な作品世界は、人の心を深く描くための触媒に過ぎない。描かれたものの美しさに感動した。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.541:
(5pt)

是非是非読んで

?どう言う事?え?そういう事か…
あり得る事になるかも知れないな…
人生を、人間の存在、命を考えさせられた本です。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.540:
(5pt)

これは現実小説である

イスラエルのハイファという街に行ったことがある。学生寮に入るのに毎回、検問のチェックを受けなくてはいけない、列車の乗客の大半が兵士で、通路ですれ違う時、兵士の自動小銃の先が胸の先をかする、という日々だった。ある日、学生寮の自販機の前で困っている東洋人を見つけ、この自販機は商品がつまっている、私も昨日商品が出てこなくて困ったのだと説明した。二人して別の自販機で商品を買った後、その男は、「私は中国から来た、ここでクローンの研究をしている」、と言った。その時、私ははじめてその男の顔をちゃんと見た。その顔は奇妙に非対称で、彼はその顔に不気味な笑いを浮かべていた。「人間のクローンの研究をしているに違いない」、そう私は思った。
この小説はファンタジーな想像による小説ではない。現実の今起こりつつあることの小説なのだ。クローン人間の恐怖は、実は強権的宗教・思想国家ではすでに現実として進行しつつあるのだ。私はそう思う。カズオ・イシグロの小説的想像力は、この現実に肉薄し、その悲劇を描ききってあまりない。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.539:
(5pt)

残酷な部分

昔テレビドラマでやっていた記憶から気になっており購読しました。
可哀想な主人公が徐々に幸せを獲得していくような物語なのかなと思い読んでみると、物語を通して社会や人間の残酷な心理の核心をつく物語でした。誰もが持っている人間の残酷な部分があらわに描かれた作品でした。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.538:
(4pt)

存在

我々の存在自体がドーナーの為に作られた存在のようなもの、我々は人間が食物とした家畜を食べ、そして病気になったら医師に診て貰い命を長らえている。然し絶対的にある真理は我々の命も必ず終わるということ。神が生を授けてそしてその最期の時まで生きている。苦しくて逃げたくても。クローンの提供者の様な存在はないが我々も似た生命を歩んでいる、小説を読んでそんな気がした。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.537:
(5pt)

クローン人間の葛藤の物語から、人間らしい真摯な生き方を教えられる

世界初の哺乳類の体細胞クローン(複製)羊ドリーが誕生したのは1997年。残念ながら六歳のドリーは病気で安楽死させられたが、倫理上の問題をクリアすれば、次はヒトのクローンだと話題になったのを覚えている。

「スターウォーズ」などのSF映画にクローン人間がわんさか登場していて、とくに珍しくはなかった。純文学作家のカズオ・イシグロが、三部構成の本作で1990年代末のイギリスを舞台に、第一部第7章で登場人物たちの「将来の重大事」が「臓器提供」だと明かす作品に手を染めたことが驚きだった。

キャリア十ニ年目で現在31歳の介護人キャシー・Hと名乗る女性が、ふた昔前を回顧し「ヘールシャム」での思い出を語る。冒頭から謎に満ちた言葉「提供者」「回復センター」「保護官」「ヘールシャム」「販売会」「交換会」「展示館」などが飛び交い、ただならぬ雰囲気を漂わせる。

子供時代には甘酸っぱい思い出や思わず赤面したくなる出来事の一つや二つは、誰にでもある筈だ。仲良しのルース、ハナ、ローラたちと少女時代を過ごした施設「ヘールシャム」では、ヘマをして仲間の嫌がらせを受けていた癇癪もちの男の子トミーも同学年の一人だが、「毎週のように健康診断」が実施されていたのも変な話だ。

生徒の創作活動が奨励され、自作の絵や彫刻、焼き物、詩などを出品すれば、特典の交換切符で他生徒の展示物が買えたり、出品数が互いの評価に繋がるこの施設はどうも異様で奇妙に映る。「保護官」と呼ばれる先生方が生徒を恐れ、何か隠し事を苦にする様子も腑に落ちない。

「教わっているようで、実は教わっていない」実態を憂えたか、ルーシー先生は生徒たちの「無益な空想」を戒め、「決定済み」の将来の使命と真剣に向き合うように訴える。「あなた方に老年はありません」「みっともない人生にしない」で、と。

思春期から青年期に入り、卒業して「コテージ」に移ったキャシーとルースとトミーの関係も大きく変化する。「複製された存在」を自覚し「親」に当たる「ポシブル」を探したり、「前進し、成長し、ヘールシャムを乗り越えようと懸命に努力していた」ルース。タイトルさえうろ覚えの癖に、紛失した音楽テープを「イギリスのロストコーナー」ノーフォークで見付け出そうとしてくれたトミー。

再会できた親友二人との永遠の別離の痛手と「提供者」の[生の証]たる記憶という「宝物」を抱えて、Never Let Me Go. 耳朶にあの歌声が響くキャシーは、短い人生でも勤めを果たすべく歩みを止めない。
臓器提供を果たしたのちに死ぬ宿命のクローン(複製)人間たちの葛藤の物語から、真摯に生きるとはどういうことかを学び得た気がする。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.536:
(5pt)

名作

映画を見てから原作を読んだ、どちらも秀作。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.535:
(5pt)

積まれた湧き水のような純文学

映画も良かった、本も良い 主人公のキャシーHは映画の方が綺麗で儚くて美しい 本の彼女は複雑で善人とまでも行かない 作者が推し描くキャシーは後者だろう 文体は簡潔で緻密、ストーリーは謎要素多くて面白い ハイレベルな純文学で完成度も相当に高い 訳文でこれだから原文はもっとだろう 訳は良かった、でも本の表紙はイマイチ、カセットテープかぁ?ってなる このレベルの作品なら装丁に凝ってほしい
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.534:
(5pt)

とにかく素晴らしい本なので、未読の方には、一読をお勧めします。

カズオ・イシグロの作品は初めて読みましたが、この作品は非常に優れています。
しかし、この作品がどう優れているのかを書こうとすると、どうしても重要な部分がネタバレになってしまうので、触れるのが難しいです。

後半に山場があります。それまで、細かい心理描写の掘り下げが続きますが、この心理描写はこの作品の場合、どうしても必要だと思います。作者はあえてこうしているのだと思います。

とにかく素晴らしい本なので、未読の方には、一読をお勧めします。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.533:
(5pt)

後半が素晴らしい

前半は情報が少な過ぎだと思う。後半から終局に至る流れは圧倒的な出来。情報を出すタイミング、その順序、アイデアの豊富さ、全てが優れた傑作。期待を上回る面白さだった。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.532:
(5pt)

これからの正義の話をしよう。

芸術には必ずある種の神話が含まれていると思います。それは小説にも当てはまるのではないかと思います。では、本作における神話とは何でしょうか?それは正義の神話だと思います。あなたはテレビでニュースを日々観ているかもしれません。そのニュースの中で例えば難民のニュースを観ることも少なくないと思いますが、難民であるということはどのような苦しみをもたらすのでしょうか?それは例えば、住み慣れた家から遠く離れた国へ逃れなければならないことを意味するでしょう。それによって、近しい隣人や友人、最悪の場合、家族とも離れ離れになるだけでなく、自分の故郷にあった言語、文化といった社会基盤を失うことによるアイデンティティの喪失を意味するのです。それによって逃れた国での差別や偏見だけでなく、難民であるがゆえに法律による権利も剥奪されるのです。このような他者の苦しみへの責任をあなたは日々感じているでしょうか?恐らくあまり感じていないというのが実情ではないでしょうか。または、同情を感じていても、ユニセフへの募金や紛争地域に赴いてボランティアとして活動するといった行動に移さず、見て見ぬフリをしている方も多いのではないでしょうか。ではなぜ見て見ぬふりをしてしまうのでしょうか。社会にはそういった悲劇を看過できずに怒りを感じ、正義を為そうとする方も少なからずいます。しかし、行動に移すことで自らがジャンルダルクと化してしまうこともあるのです。そのような悲劇のヒロイン・ヒーローの多くはメディアに取り上げられることもなく、悲惨な末路を迎えてしまうのです。しかし、一方でこのような多数の犠牲を払う過程の中で正義が為されることもあるのです。そして、これこそが正義の真実であり、本作を貫く正義の神話なのです。
 あなたの正義はいかなるものか知りません。しかし、本作が正義について再考する一つの契機となることは間違いないでしょう。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.531:
(4pt)

楽しめました

目新しさや驚きは無いものの、丁寧な文章や構成で十分楽しめる良作でした。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.530:
(5pt)

気まずさ

丁寧な心理描写が見事。気まずさの描出がピカイチ。厳然と目の前に横たわる得体の知れない現実が明らかになる程、登場人物たちの実存感が際立つ。いやー本当に読んで良かった。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.529:
(4pt)

残酷な作品です

主人公達はヘールシャムという施設で理想的な(?)教育を受けながら、普通の子供たちのように育っています。時折ヘールシャムに来訪するマダムは子供達と話しをしないので皆は「お高くとまっている」と思っていましたが、8才の頃にルースが「私たちを怖がっているのよ」と断言します。そしてある事を実行し、マダムは「蜘蛛嫌いな人が蜘蛛を恐れるように子供達を恐れていた」という事が証明され、自分達が他の人間と違う何者かがわかるのです。印象的な場面です。子供達は成長し、クローン人間としての使命を果たしていきます。残酷な作品です
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.528:
(5pt)

独特な雰囲気

独自の世界観を持つ小説であり、考えさせられる部分も持ちあわせている。とても面白かった。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.527:
(4pt)

怖いけどあり得る世界

自分の人生を、行く末を受け入れていることの怖さ、でも現実にあり得る、もしかしたらこういうことがすでに行われているのかと思う怖さがある。おすすめです。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.526:
(5pt)

洗練された日本人の感覚なのでしょうか?

取るに足りないような相手の言動によってもたらされる心のざわめきの描写が秀逸で共感しました。

全体的には感情的で大袈裟な表現がないのに、心が揺すぶられる内容でした。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517
No.525:
(5pt)

ビルドウンクス・ロマンの系譜

この物語において展開されるのは、個人のアイデンティティーをめぐる冒険の数々。とりわけ、社会規範が求める行動規範と、個人としての欲求の対立や葛藤が鮮明に描かれている。小説に登場するクローンたちは、どれも自らの使命に諦観しているが、心のどこかでそうした定めに抗いたい欲求を秘めている。事務職というごく平凡な仕事に就きたいと願うルースや、ささやかな幸福を願うキャシーとトミーも然り。しかし、現実として彼らに課せられている定めとは、介護士になるか、ドナーの提供者になるだけ。人間としての本質的な喜びを奪われた彼らは、人間らしさを保とうとする。「わたしを離さないで」というカセットテープは、そうした人間らしい愛情のシンボルであろう。人生は生きるに値するさまざまな喜びで満ち溢れているのである。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)より
4151200517

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!