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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全714件 521~540 27/36ページ
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| 20代半ばにして救うためだけにこの世に受けた“生”が見知らぬ誰かに“提供”される “私たちと私たちが救った人々に違いが?” 最後の最後で儚く潰えてしまった、見えかけたささやかなキャシーとトミーほんの少し先の未来 “それがわかっていれば、2人の手を離さずに潮の流れに逆らったのに” 「物の憐れ」 こんなにせつなく苦しくて、胸が痛くて堪らなかった小説は思い出しても、今までない 童謡「シャボン玉」にも似た物哀しさが終始漂う作品で、本当の意味での“傑作”だと思う | ||||
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| 20代半ばにして救うためだけにこの世に受けた“生”が見知らぬ誰かに“提供”される “私たちと私たちが救った人々に違いが?” 最後の最後で儚く潰えてしまった、見えかけたキャシーとトミーほんの少し先の未来 “それがわかっていれば、2人の手を離さずに潮の流れに逆らったのに” 「物の憐れ」 こんなにせつなく苦しくて、胸が痛くて堪らなかったのは、久しくなかった 童謡「シャボン玉」にも似た物哀しさが終始漂う作品で、本当の意味での“傑作”だと思う | ||||
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| 重要な問題提起を含んだ小説ではあるが、臓器提供を目的につくられた人間がここまで自由に行動しながら、最終的には例外なく運命を受け入れるという設定には大いに疑問が残る。 友人や恋人との間に起こるさまざまな感情の行き違いから、自暴自棄になることはある。「死にたい」と思う人もいる。しかし、そういう感情から臓器提供まで決意する設定には飛躍があり、どうも感情移入ができない。 感情の行き違いは時とともに風化するが、臓器提供の恐怖は時とともに増す。一度は決意しても、募る恐怖感から逃げようとするのが普通の人間ではないだろうか。しかも、厳重な監視体制はない。 また、完全に拒絶反応が起きない臓器提供を望むのは、普通は大金持ちではないだろうか。誰に臓器を提供するかは、この小説ではまったく分からないが、現実的には最も重要な問題だろう。 登場人物たちが美術の授業に励む理由がクライマックスで種明かしされるが、あまり意外性はない。ラストはなかなか感動的だが、「自己の分身」をめぐる考察が浅いという印象は最後まで拭えなかった。 | ||||
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| 文学チックな美しい表現でSFって反則なんじゃないですか。 クローンを題材とするならそれらしくディティールも緻密に描く べきじゃないでしょうか。社会背景も何の説明も無く最後の最後で いきなり全てを暴露されてもこっちは困るんですけど・・・・。 | ||||
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| 裏のあらすじを見ると「?」という感じ。 読み終わればあながち間違いでもないというか、こう書かざるを得ない話なのですが。 登場人物の感情、人間関係はよく描かれていて、そこは勿論良かったのですが、私としては話の先(全貌と言えないまでも“全貌の輪郭”が)が見えてしまうことが残念でした。 テーマ的には少し前に流行ったものですが、読むとちょっと虚しい気持ちになる、こういうのは良いですね。 キャシーの感情は語り手であるためか淡々としているので、感情移入・同情するのは難しいかも?どんなファンタジーだろうとSFだろうと、登場人物にまるっきり親近感が持てない、もしかしたらそれは作者の意図したところかもしれませんが、このせいで感情を揺り動かされるほどの衝撃はないと思いました。 私の印象としては静かで虚しい小説・・・です。 | ||||
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| コンディションは自己評価以上によく、非常に満足しました。取引もスムーズでした。 | ||||
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| 通勤の行き帰りに読み耽りました。 正直、何ともそこまでの傑作かは私にはピンと来ませんでしたが、 通勤途中に全てを読み終えて、 帰りの電車を待ちながら、時間を持て余したので、 再び最初から読み返してみると、 1回目の読み初めには頭の中で整理できなかった人物像や様々な景色が広がるような この小説の冒頭の書き出しに感動してます。 物語の最後が物語りの最初へ繋がっていて、 2度目を読み終えた時に、また冒頭へ戻って読み始めたら? 毎回違う感慨を読者に起こしてくれそうな物語です。 この小説は読み返すほどに、味わい深き1冊かもしれません。 | ||||
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| はじめはおだやか、やがて終盤に向かうにつれて恐ろしい事実が明らかになる……。 「もし自分の人生が限られていて、それに反抗ができないとすれば、 人はどうするのだろうか…」と思いました。 主人公たちはまさに、そんなふうに運命が定められている人たちです。 限られた枠のなかで、どう生きていくのか…。 それぞれ違う個性をもつ主人公たちが、自分たちの運命を受け入れていく 様子が、丁寧な語りとともに描かれていきます。 なんとも特殊な世界観で、読んでいると不思議な気分になりました。 とても静かな小説だけれども、そこには普通のホラーとは違う、 芯に迫る恐怖がちりばめられていて、言いようのない戦慄を感じました。 思春期の子供たちの揺れる心を、作者は見事にとらえて自然に 描いており、彼らの初々しさがとても新鮮でした。 やがて物語はある「伝説」を中心にまわりはじめていくのです。 私が今まで読んだ中で、最も美しくて謎に満ち、 神秘的な物語だったと確信をもって言えます。 是非、この本を手にとってみてください。 | ||||
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| 主人公たちの持つ悲劇的な面を淡々と描いたり、最後の方の旧い恩師に会うところとかは良かったのですが、全体的に退屈な作品です。主人公達の青春時代の話やいざこざが3分の2ぐらいを占めていて、正直読むのがかったるくなってきます。確かに必要な描写だったのでしょうが……SF、ミステリー、青春、社会への警鐘。様々な面を持つがゆえに結局どれも中途半端になってしまっているという印象を受けます。 | ||||
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| ミステリーと思って読むと、謎はすぐ解けてしまうのでつまらないかもしれません。 主人公の繊細な心の動きを追いながらじっくり読めば、読み終えた後に人生というものについて思いを馳せてしまうこと間違いなしです。 特異な設定のように思われるかもしれませんが、そこに描かれているのは、誰もが送る人生そのものです。 生まれた時から与えられている運命の枠組みの中で、小さくあがく事はあっても、流れそのものに逆らうことはない。 その中で日々小さな喜びを積み上げていければ、それが幸せです。 流れのはやい川の中で互いにしがみつきあっているけれど、いつかはその手が離れてひとりずつ流されてしまうことも、それをあらかじめ知っている事も、彼らと一緒なのです。 自分の毎日が愛おしく大切なことに、改めて気づかされました。 忘れたときにはすぐ思い出せるように、この本はすぐ手の届くところに置いておきます。 | ||||
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| 運命に身を任せるしかない主人公たちが哀しくも綺麗です。 が、個人的な好みとしては閉塞感を破るめちゃくちゃさや強さが欲しかったです。 主人公たちが良い子すぎてツライです。もう少し悪くても汚くても良いから生きてる強さが見たかったです。 | ||||
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| ニューハンプシャーという全寮制の学校で学ぶ子供達の抱く夢、いずれ向き合う未来。 一見普通の青春ストーリーのようだが、本作品ははじめから個性的な「仕掛け」がある。 度々出てくる「提供」や「介護」などの言葉に戸惑う読者も少なくないはずだ。 主人公であるキャシー・H(キャス)は自身の冷静で大人びた感性で 「仕掛け」られた未来とそれに向かう仲間達を語る。 淡々と、的確に、諦めと希望の入り混じった言葉の連なりで。 読み進めていくと、違和感を感じた設定に徐々に溶け込んでいく。 何故ならそれは何者にも侵されるべきでない自分の記憶という領域と共鳴するからだ。 カズオ・イシグロの繊細な描写の数々は穏やかに遠い記憶を揺さぶる。 誰もが抱く将来の夢や希望を描きながら、その対岸にある悲しみや喪失を 回顧的に綴った美しい青春小説、しっとりとした感動に包まれる。 「何か大事なものをなくしてさ、探しても探しても見つからない。でも、絶望する必要は なかったわけよ。だって、いつも一縷の望みがあったんだもの。 いつか大人になって、国中を自由に動き回れるようになったら、 ノーフォークに行くぞ。あそこなら必ず見つかる、って・・・・・」 本文より。 | ||||
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| この頃なかなか見当たらない「文学」の偉大さを再認識した。 作者はこの世界を創造し、この世界に住み、その世界をえもいわれぬ表現力で紡ぎだした。 すごい人だと思う。 シビアな内容なので一度中断すると、再度取りあげるまでは気が重い。 が、読み始めるとやめられない。 上質で凛とした美しい表現力、語り口にもよるものか。 その日のうちに、読み終えてしまった。 英国の理性と品格、日本の幽玄と許容が融合された語り口は、圧倒的な魅力だ。 翻訳も素晴らしい。読みながら思わず嗚咽してしまった。 読書後、しばらくは圧倒されていた。 映画は見ていないが、見たいとは思わない。 以上 | ||||
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| 少し期待しすぎた。 洋書には訳の問題があるので一概には言えないが、それにしても。 まず、テーマについて今日では少々使い古されたもののように思う。 別にそれ自体は問題ではないが、「提供」というキーワードのせいで、 それが何の話なのか早々に見当がついてしまい、オチがオチにならない。 加えて、どこに焦点を絞った作品なのかが今一つ伝わってこない。 そのため、テーマの重さに比して切実感がない。 淡々とした語り口と、最後の方で散見される感情的なシーンに、 アンバランスさを感じる。 また、このテーマの場合、原則論からしてそんなに単純にはいかず、 ・一人残らず ・必ず 主人公を含む「生徒」達がああいった運命を辿る確率は現実にはとても低い。 現時点では確立していない新たな技術を根拠としている可能性は、 「ポシブル」の登場によってほぼ否定されている。 フィクションで技術論を展開する無粋さは重々承知の上だが、 あまりにも基本的な部分を無視しすぎていて私には看過できない。 仮にその部分を無視したとしても、今日のこのテーマを取り巻く環境を考えるに、 こういった悲劇的な状況が簡単に許されるとは到底思えない。 「一種のホラー小説だ」と思いきるにはあたかもこれが現実に起こりえて、 それに警鐘を鳴らす社会的作品であるかのような触れ込みでそれも思いきれない。 以上のことから、よく知りもせずにその深刻さだけで いたずらにこのテーマを扱ったのか?と疑いたくなり不快だ。 ほぼ全く同じテーマで、もっとまとまっている作品、日本にありますよ… | ||||
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| 映画を先に見ています。映画と比較すると登場人物たちの心理が細かく書きこまれていますがくどさは感じさせません。 死を運命づけられているという点で登場自分たちと、我々も同じです。違いは、それがいつか明確にわかっていない点だけです。 また、解説でも書かれているように、現代の(少なくとも近未来の)科学で十分可能なできごとが書かれているため、SFではあるのですが、至極リアルに感じられます。倫理的に鋭く対立する問題(人間とは何か?臓器移植はどのような場合に許されるのか等)がいくつも語られています。筆者の解釈はこの世界が可能になった段階で参考とされるかもしれません。 | ||||
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| 最近日本では『デス・ゲーム』なる、少年少女が額面通り、 命を懸けてサバイバルする旨の映画やドラマが量産されている気がします。 この作品は、そういう量産型にありがちな、過激でグロテスクな流血シーンなどは一切なく、 静かで美しく、甘みを含んだタッチで描かれていますが、途中途中で発生する恋愛が絡んで人間臭くなる 情とか妬みなどを感じると、漠然とした方向性は『デス・ゲーム』と同じなのかな? という気がしました。 ではこの方向性を定めて、少年少女を管理し、翻弄させている大枠がなんだ、 というところが少しずつ見えてくれば面白いのかな? と思ったのですが、第二部は、 単なる三角関係のもつれのみを記してあるのか? と中弛みの嫌いを覚えました。 200ページあたりで僕は、読了するまで我慢我慢、読み流して早めに終わらせよう、と考え始めたのですが、 第三部に入り、ようやく作品の本質、何を訴えたいのか、が見えるその兆しを感じ、期待したのですが、 この作品に収めた世界観の大きさと、しかし相変わらず静かさを保とうとする山場のバランスが取れず、オチが弱い・・・。 源流を滴る水の流れのように穏やかな塩梅、具体性をあえて欠かせてヒントを多く与えず、 読者の頭の中でそれぞれの作品を完成させよう、というスタンスは、すごく好きです。 けれど、少年少女が置かれた惨状と忍び寄る悲劇が満載の『デス・ゲーム』を上品に、ふんわりと書き過ぎた。 だから、すごく惜しい、となってしまった、と僕は思います。 翻訳が上手いなあ、と思ったのでそこもプラスにして『★★★☆☆』としました。 まあこれだけ言った後になんなのですが、評価が分かれるように持って行こうとしている作品だとも思うので、 一読して、ご自身で『本物の評価』を下すのが、一番だとも思いました。 | ||||
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| 登場したころにすぐ読めば違ったのかも知れませんが、 ここまで高評価できていて、映画化もされている、 誰もが絶賛する作品として読むと、★としては3つ くらいでした。 まず、ちょっと世界に入るのに必要以上に労力が 僕にとっては必要でしたし、文体の問題としても はたしてですます体が最高なのかどうかが分かりませんでした。 ですます体の長い小説はそれ自体として僕にとっては くたびれるので。 旅行に持って行ったので、他に読むものがないから読み通しましたが、 普段の通勤のお供にしていたら挫折しているかも。 描かれる青春の揺れ動きとか友情の切なさとかには すでに不感症になってしまったのかな?と寂しく感じましたが、 現在の主人公の年齢も僕より数歳下なのでまあしょうがないのか とも思っています。 フェアなレビューではないかも知れませんが、あくまでも主観として。 読みにくかった割に、響きの薄い本でした。 | ||||
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| キーラ・ナイトレイ主演で映画化が決定/公開されていますが、最近(日本語版ですが)になり原作を読みました。 久しぶりに見る「表現の緻密な」小説であり、静かながらも何かを心に残す類のものであります。 表現が巧みで、文字を追っていても情景が目に浮かぶかのような、そして登場する人物の考えていることが痛いほど分かる文章が特徴です。 その後、別の作家のベストセラー小説を続けて読みましたが、「わたしを離さないで」に比べてあまりの文章や描写の稚拙さに軽いショックを覚えました。 もしその前に「わたしを離さないで」を読まなければ、きっとそうは感じなかったのだと思いますが、要するにカズオ・イシグロはそういった類の作家であります。 | ||||
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| (内容ネタバレレビューです) 特別な生徒たちに対する大人の不可解な発言や学校での風変わりな授業・・・それらが卒業後に少しずつ理解できる話の構成. 近未来のガン治療とそのための犠牲について、孤児である子どもの心理、夢を見続けるか現実を知るべきか・・・いくつかのトピックスが含まれているように感じます.作者の感情は抑えられ冷静な描写だなと思いきや、所々盛り上がります. 最初は、自分とはまったく違う世界での物語で、SF気分で読んでいました.けど、所々に生徒の心情に共感してしまっている自分に気づいたりして・・・最後にはのめり込んでいました. 決して読みやすい本ではありませんでしたが、読んでよかったです. | ||||
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| カズオイシグロさんのファンですべての作品を読んでいます。 この作家の作品に特徴的な「裏側で大きな悲劇が進行している中で主人公が 流れに逆らわず静かに生きていく」様子が淡々と進んでいきます。 登場人物一人一人の機微やそれに伴う細やかな洞察などが 曼陀羅のように組み上げられ圧巻です。 物語の舞台がファンタジーの世界なので「日の名残り」を超えていないと評価されて いるかもしれませんが、作者の独特の世界観を強烈に表現した氏の代表作だと思います。 | ||||
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