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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全707件 321~340 17/36ページ
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ノーベル賞をとったので1度読んで見ようといつ届くかわかりません。速く届くことを祈ります。 | ||||
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イギリスのとある片田舎にある閉鎖的な施設を中心とした物語。登場人物の多くは「提供者」と呼ばれる数奇な運命をもつ子供たち。その運命のため、子供たちの身体は少しずつ切り刻まれ、やがて死を迎えていく。その中で生に向き合う登場人物たち。その経過は淡々と語られるのみで激しい文体は出てこないことが、逆に強烈なコントラストとなって読者に伝わってくる。なかなか重い読後感ではあったが、題材・語調・心理描写、いずれもが静かに調和した傑作のひとつであると思う。カズオ・イシグロ先生、ノーベル文学賞おめでとうございます。 | ||||
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私たちは例外なく、自分のまわりの肉親、身内、友人、学校、職場の仲間等々、星の数ほどの人々との結びつきがあって、いま、自分に成っている、自分たらしめられている。そして、その逆に、自分自身も誰かや誰かにつながり、その人々たらしめている存在でもある。物語は、見ず知らずの、誰かや誰かに自分の臓器を差し出す運命にあるクローン人間の成長過程、存在への自問、葛藤が描かれる。読者は、英国のとあるクローン養成寄宿学校の生徒の会話や行動、暮らしぶりを追ううち、自分もそのクローン生徒の一員と違わない感覚に見舞われる。幼少期の生徒たちの細かい所作、言葉、気持ちの動揺、感傷的なエピソードなどが、自分の保育、幼稚園時代の記憶と次第にリアルに、微笑ましく、重なっていくからだ。彼らクローンにも、青年期になると恋愛、性欲等、感情のはげしい起伏が生じる、そして、成人すると、臓器提供という決められた運命への憤り、嘆き、悲しみ、諦念が首をもたげてくる。私たち現実を生きる人間同士も、臓器でなくとも、自分を削って、大切な何かを互いに与え合って生きて来たのではないか。幼少期から青年期に矛盾や葛藤を覚え、得ることだけでない世界に気づく。だからこそ、成人して、犠牲にせざるを得ない自分もいれば、同時に誰かに与えられ、救われる自分もいること、運命の不思議を知る、のではなかろうか。多くの読者は、読後、この小説「never let me go」は、「never let you go」でもある、と讃えるに違いない。 | ||||
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ノーベル文学賞受賞で、注目の作家の わたしとしては、一番読みやすく心に残る作品だ。 日本での発売当初、本屋さんで見かけ、 なんの予備知識もない作家のこの本に、なんとも興味をひかれて読んだことを思い出す。 読み進めながら、え? これはもしかして、もしかすると臓器提供のことなのか、 そのためだけに育てられている子供たちのことを描いているのか、、、 そうなのか、でも、それって、、、 と慄きながらページをめくった。 その後、映画や舞台やドラマで話題になっているので、 ノーベル文学賞を身近に感じる人も、わたしをはじめ多いことだろう。 この機会に読んでほしい本だ。 ただ、こういう内容の本と知って読むのは、 え? これって、、、 というあの感じは味わえないのかな、とちょっと残念なような気もする。 | ||||
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カズオイシグロさんがノーベル文学賞を受賞されたこと、とても嬉しく思います。 本当におめでとうございます。 改めて読んでみて、描かれる生に胸を掴まれています。 キーアイテムであるこの表紙もいいのですが、 私が購入した頃の表紙は、友風子さんというイラストレーターさんが描かれたものでした。 作品の空気感が伝わってくる絵で、 またぜひ、この機会にイラスト版の表紙も復活させていただきたいです。 | ||||
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みなさんこの機械翻訳のようなものを読んで感動するということは ストーリーがよかったってことなんでしょうか。 | ||||
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ノーベル賞受賞おめでとうございます。 ○上さんのような絶望的であまり希望が見えない作品に比べて人間の愛を実にきれいに評者できる人こそノーベル賞にふさわしいです。 | ||||
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ノーベル文学賞受賞おめでとうございます。 カズオイシグロさんのことは、テレビで見るまでは知りませんでしたが、これを機に購入しました。 読むのを楽しみにしています。 | ||||
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主人公達は、“特別な”人たちです。 しかし、どう“特別”なのかは、半分ほど進まないと明かされませんでした。 イギリスの香りを感じました。 科学と人間。 主人公達が“特別”なのに、自分自身と、何も変わらないとも思いました。 考えさせる作品でした。 | ||||
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これは、私の住んでいる場所とは全くかけ離れた世界の物語なのに、読んで行くうちに、ああここは私の住んでいる所だ‥と思えてくる。そして私の「これまで」と「これから」がこの本の中にあると。 子供時代から続く友人関係の中での心の動きが繊細に綴られている。ちょっとした心の動きも見逃したりはしない。言葉で一つ一つの動きを表現していく。強い者に思わず遠慮してしまったり、場の雰囲気を感じて沈黙してしまったり、疎ましく思いながらも相手の気持ちがこちらに向いてきたと思うとまた楽しくなったり。経験はあるが意識の外へ流してしまっている心の細やかな動きが、次から次へと言葉となり繰り広げられる。そうだった、あの時私もこんな気持ちだったんだ‥と思いながら読み進んだ。 成長した子供達を待ち受けているのは「死」だ。 キャシーに対していつも支配的であろうとしたルースの最後の姿は胸を打つ。 ルースは心の底にある悔いをキャシーに告げ、二人はルースの死の淵で心を結び合せる。 キャシーは何かとうるさい存在のルースを大人になった時点では避けることもできたのに、それをしなかった。ルースに関わることをやめなかったキャシーに、ルースは最後に応えたのだと思う。 トミーとキャシーの最後の日々は切ない。二人で生きていきたいという思いが、溢れるような思いが、物語が紡いでいるその時間を静かに満たしていく。 ルースもトミーもそれぞれの死を迎い入れる。 そしてキャシーも程なくしてそうなるのだろう。 充足した死‥という言葉が浮かんでくる。 作者は三人の関係を幼い頃から描いていて、最後にこの結末に導いていく。 この本から豊かな時間を与えられたと思う。 | ||||
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やはりイシグロさんは視点が違うと感動しました。また違う本を買いたいと思っています。 | ||||
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ドラマを観てからの購入。 それぞれの感覚かもしれませんが、クローンの日記小説といった感想。 | ||||
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この方の本は有名どころは全て読みましたが、間違いなくこれが最高傑作です!! 心にいつまでも後遺症が残ります。 この世界観。。。悲しみの中に希望を見出すところ、切なくも目が離せません。 「わたしをはなさないで……」と歌うシーン、秀逸です。 | ||||
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主人公・キャシーの一人称の語りで展開するストーリー。 優秀な「介護人」として話はスタートするが、幼い頃の懐古を中心にストーリーが展開されます。 この一人称で幼い頃を懐古するというところがミソで、自らの拙い認識から、徐々に自身や環境、境遇を認識していく流れの中で、我々読者もストーリーの背景、骨格、作者の訴えを理解していけるという仕立てになっています。 主人公の心情が、周囲との「人間関係」を通じた喜怒哀楽、一喜一憂の中で実に豊かにゆっくりじっくり描かれていて、作者の設えた世界観との対比、ギャップがなんともいえない感覚を与えてくれます。 個人的にはスローテンポな感じがしましたが、それも本作の味なのかと。 カズオイシグロは初めて読みましたが、小説としては初めての感覚です。 他作も読んでみようと思いました。 | ||||
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物語の舞台はへールシャム。臓器提供のために作られた子供たちの学園である。そこには、普通の学校と同じような日常がある。ただ、普通の人のような人生は送れない。 これは、悲劇の物語ではある。ただ、著者の書きぶりはあまり悲痛さを感じさせない、抑制的な書き方をしている。途中、この悲劇から抜け出せるどんでん返しの展開があるのかと期待させられるが、結局運命は変わることはない。クライマックスも特段ないため、読了後に大きな満足感を得るという作品ではない。ただ、それゆえに却って、読み終えた後に、あれはどういう意味なんだろうか?、どういう気持ちで運命を受け入れたのか?、自分だったらどう思うか?などいろいろと考えてしまう。 分かりやすく痛快な小説も良いが、読了後に一人で物思いに耽ってしまうような小説もたまには良いのではないだろうか。 | ||||
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翻訳に・・・が多すぎて妙に感傷的でリズムも悪く感じる。原文はもっとドライなのでは。 翻訳者は心がおじさん。若者の物語なのに翻訳から加齢臭なんかするべきではない。 村上氏がノックアウトされたというの楽しみにしていたがこの翻訳ではこの物語を正当に評価できないのではないか。 あとがきに自分の翻訳方は将棋の棋士に例えるとかなんちゃらとか書いているが的外れもいいところだ。誰もそんなもの望んじゃいない。 やはり村上氏の愛のある翻訳を普段読んでいるとレベルの差を感じてしまう。 | ||||
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カズオ・イシグロの作品を読んだのは本作が初めてです。 この作品についてですが、まず、このような臓器牧場を許容する外部社会についての説明がほとんどないこと。 次に提供者達が苦悩を持ちながらも抵抗せず反乱もおこさず従容として臓器摘出を受け死んでゆくこと。このふたつが納得できない。作者の言うように「静かにおのれの運命受け入れることの尊厳」は描写されているけれど、(描写力は素晴らしい)それならばなおさら、説得力を持たせるための設定が必要と思われます。「静かにおのれの運命受け入れる」態度は、本来西洋的美徳ではないでしょう。この作品が欧米で受け入れられたのは「クローン」や「臓器牧場」というガジェットを東洋哲学的に処理した新しさでしょうか。例えば「禅」にしても、きちんと理解してなくても西洋思想と異なると言うだけで礼賛する層がありますからね。 ところで、この作品自体は自分にとってそれほどインパクトは無かったのですが、作者のカズオ・イシグロ自体には俄然興味がわいてきました。この作品はやはり彼の生い立ち無くしては生まれなかったでしょう。日本をルーツに持ち、完全なイギリス的教養と文学スタイルを持ち、そして日本や東洋に憧憬を持つカズオ・イシグロ。2017年現在、ハンチントンが予言したように世界は文明の(価値観や宗教感の)衝突の様相を見せています。彼はこの世界に何を提示することができるのか。独自の世界を拓く救世主(?W)足りうるのか。それともただのめそめそしたインチキリベラル野郎なのか。とりあえず他の作品を読み、また今後も注視していきたいと思います。 再読しました。星1つ増やして4にします。再読でネタバレしてるのにより沁みた。多分この小説の舞台はイギリスそっくりの地名や人名が出て来るけど地球じゃなくてカズオ・イシグロワールドなんだろう。そこではこんなストーリーもなんか納得してしまう。 読後感が少しゴールズワージーの林檎の樹に似ていると感じた。 | ||||
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カズオ・イシグロは初めて読んだのですが、男性の著者になぜこんなにも少女の心の動きがこうも手に取るようにまざまざと分かるのか、そしてそれをなぜこんなにも上手く読者に伝えられるのか、そのことにただただ驚愕しました。 話の内容としてはほとんど予測が出来るような展開の連続で、最後までどんでん返しが来るか来るかと待ち受けていたにもかかわらず、ついにそれは来ませんでした。この物語はそういったドラマ的なカタルシスとは無縁だと思います。彼らの運命は、序盤からある程度提示されています。 それなのにページを繰る手が止まらず、続きが気になって一気に読み進めてしまうのは、最初に触れた著者の異常なまでの心理描写の上手さにあるような気がします。もう、「あ~、分かる分かる」のオンパレード。嫉妬やちょっとした嘘、優しさ、卑怯さ、連帯感、心配、優越感、意地悪などなど、登場人物(主にキャシー)の心情がありありと伝わり、そのゆえに、薄々先の見える悲劇的展開において、すっかり親和感を抱かされてしまった彼らが何を感じる事になるのか、目が離せません。 もしかしたら、だからこそ逆に筋の読めるストーリー展開にしているのかもしれません。シンプルで変えることのできない運命にあって、人は何を思い、何を願うのか。それこそが著者の描き出したかった事なのではないかと、読み終えた本の奥にヘールシャムを感じながら、思いました。 ※ネタバレ注意※ 読後に、タイトル『わたしを離さないで』は、わたし(提供者)を親であるポシブルから(複製化するために細胞を切り)離さないで…という意味にも取れるように感じ、提供者たちの声にならない囁きのようでぞっとしました。 | ||||
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介護人の主人公が,自らの生い立ちを振り返りながら,提供者の過酷な運命を明かしていく. 彼女と,恋人に救いはあるのか? あまりはっきりと明示されないが,臓器提供のクローンたちが 特殊な環境で養育され,互いに介護し,いずれ臓器を提供して死んでいくという 社会システムが構築されていることが断片的にわかる. 通常はこのようなストーリーでは,先の決められた生命を持つ者の苦悩であったり, あるいはシステムに抵抗する姿が描かれるものだと思うが, そういいった場面は少なく(主人公以外の言動としては描かれているが), 細かい日常の描写や,仕事や性の悩みといった卑近的な独白に終始している印象がある. 主人公の生い立ちや教育環境から,社会全体を十分に理解できていない様子は十分に伝わり, このようなシステムに疑問を持ったり,運命に思い悩んだりしない人間形成の成果としての表現だとすれば, なかなかに高度に計算された作品と言える. 倫理観や死生観といった大きなテーマを含んだ設定でありながら, そこにはあえて直接触れることはしないあたりが,SFというよりは文学的な味合いが強い. そのあたりを明確に示したドラマ版も面白かったが, この原作の表現の仕方もうならせるものがある. | ||||
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誰しも自分が生まれた環境に不満を持ち生きている。 それを理解し、生きる辛さ。 この物語は今の私たちにも相通ずるものがあるとおもう。 その中でも確かな幸せを持ち生きる喜びをみつけようと思った。 | ||||
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