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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全707件 241~260 13/36ページ
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一回目は映画の理解のため、 二回目は何が言いたかったのか知るために、 三回目は閉じた世界からオープンな世界の違い 死を受け入れていく現実との対応 少しでも長く生きていたいと思う表現にドッキとした | ||||
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本書は事前知識なしで、手探りで、その謎や伏線をたどりながら読み勧めるべき作品である。その結果まさしく稀有な読書体験ができると確信する。 そういう意味では作者の代表作なので主題が有名になりつつあるのが残念。 (~ここからネタばれを含むので未読の方は避けてほしい) 何よりも、キャシーの言う「介護人を終えての静かな生活」の意味を知ったとき、全身の力が失われていくような途方もない虚脱に飲み込まれる。私たちは提供者の運命を知りながらも、ひょっとしたら別の未来があるのでは?と淡い期待を抱きながら読み進めることになるが、それが手放しで打ち消された悲しみは言葉で表すことができない。そしてそれが本当に淡々と語られるからこそ救いのない悲しみがよりくっきりと残される。 その描写は提供者の視点に統一され、いわゆる「一般の人の観点」が本書にほとんど登場しない。このため世界観がぶれずに際立つ特異性を放つ。 SFにも近いモチーフを扱いながらも提供者たちの願いや夢が、万人に共通な甘く切ない幼さをかもし出す点もまたこの作品の特徴でもあるように思う。誰しも子供のころにこんな空想をしたものだと胸が痛めるのではないだろか。 そして私もまた世界の端々にヘールシャムを探してしまうのである。 | ||||
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私には少し難しい、純文学とはこんなものかな?芥川賞に似てるのかな? | ||||
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和訳本と対比させながら読みました。思ったより読みやすい内容でよく理解できました。 | ||||
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設定に非常に興味をもち、映像化されたものは一切見ていなくて、今回読みました。 題材からすると、お涙頂戴でかなりの抑揚をつけて描けるところを、淡々と描かれていいるのに感嘆しました。 ただ、その分、淡々と間延びしている印象があり、かなり退屈な部分が長かったです。 途中だんだんと落としどころも見えてきましたが、やはり最後まで淡々とされていました。 イシグロさんの本は初めてですが、他はいいかなと思いました。 とはいえ、文庫本の価格で考えると金額同等の値打ちかと思います。 | ||||
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ほかの商品と間違えて評価を入力しました。 読み終えたら再度コメントを入れたいと思います。 失礼しました。 | ||||
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確かに繊細な心理描写は最後まで一級だと思いました でも感想としては世界の悲惨な事件や残酷なテロには現実にテレビやネットで嫌でも向き合っているのに 何でフィクションでまでこんな残酷な作品描いてノーベル賞なのかわかりません 諦観とも違う羊のようにいいなりに殺されていく本作の主人公達がわかりませんし そこから死とは?生きるとは?とか高尚な考察をする気にもなりませんね 読者を一番安易に揺さぶれるのは登場人物を殺すことです ともかくこんなに嫌な意味で読者を傷つけ人間不信にさせる作品を書く方がノーベル賞なんて残念です | ||||
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こんなに悲しくて、苦しくて、だけどどこか安らかな読後感がありました。 こんなに過酷な運命の下で、それに抗うことなく受け入れていくヘールシャムの生徒達。なんでだろうと思ったけれど、私達もいつか死が訪れることがわかっていて、それを受け入れて今を静かに生きている。結局人生とはそんなものかなと思った。 過酷な運命の下でもヘールシャムの保護の下すごす青春はキラキラと輝いていて、それぞれの関わり合いだとか成長だとか心模様だとか描く技術はさすがと思いました。 私はトミーにすごく心惹かれて、1人運命に一生懸命抗おうとするところも、純粋なところも、それ故の癇癪持ちも、キャスとの最後の場面でのお別れも、とても切なくて愛おしくて、涙が止まりませんでした。名作です。 | ||||
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440ページを読み切るのは辛かった。読むのがしんどい本である。 小説は、その世界に入り切れるかどうかにかかっている。 前半はひたすら我慢である。一人称で淡々と語られる世界は 初めから何かしら得体のしれぬ不気味さや不安感が通奏低音のように 響いていた。 しかし、最後まで何の感動も与えてくれなかった。残念! 少々観念的な作品?かなと思う。セックス描写にしても下手である。 リアリティーがあってこその作品世界である。 ノーベル賞に値しない作品であると思う。 | ||||
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高度な教育を受け創造性を期待される子供たち。人間以下の存在と嫌われていることに薄々気づきながらも その身勝手な人間のために、提供者としての運命を全うしようとしている。この様な不条理さに叫びもせず 痛嘆することもなく友人関係を構築しようとする姿は、あまりにも痛々しい。想像を絶する心理状態であろ う。 がしかし、作者はあくまでもクールに静かな筆致で物語を紡ぎ続ける。それ故に我々はより一層の怒りと 深い哀惜の念を覚える。 | ||||
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作家は男性なのに、なぜこんなに女の子(幼少期から思春期)の心情を微細に描くことができるのか、回想される出来事や会話など、物語への織り込み方も巧みである。 本作は恋愛小説のようであり、ミステリー小説のようでもあり、SF小説のようでもあるが、人間の本質について考えさせられる骨太の作品だった。 ひと通り読み終えて、謎が解け、再度始めの部分を読み返してみたとき、1回目でよくわかっていなかったキャシーの話の意味するところが全て理解でき、かわいそうで切なくなった。 | ||||
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淡々とした口調で語られる世界が異様な世界だった、っていうのは理解できたが、誰にも感情移入できず小説として楽しめなかった。。 | ||||
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ネタばれになるため、内容を詳述することはしない。しかし、蓑笠亭がタイトルとして付した「アンパンマン」の台詞が物語る内容を、既読の方はすぐにお分かりになるだろう。そう。この小説に登場する人物たちは、いわば「アンパンマン」になる事を宿命づけられ、生まれてきた「特殊人間」たちであり、そんな彼等の「心模様」(苦悩)を描いた作品が『わたしを離さないで』なのだ。換言すれば『大人版・アンパンマン』である。 『アンパンマン』の著者であるやなせたかし氏は、「ヒーローはかっこいい存在などではない。しかしおなかがすいている人がいるならば、自分の体を削ってでも、その人を救おうとする心をもった人だ」という意味の発言をしている。それはやなせ氏自身の体験に基づく哲学であるのだが、『わたしを離さないで』の根底にある哲学も、やなせ哲学に一脈通じるものが在ると蓑笠亭は考える。しかしながら、前者と後者の大きな違いは、何であろうか。 『アンパンマン』が描く世界は、「アンパンマンVSばいきんまん」という「善と悪」の単純な二項対立ではない。アンパンチでいくら叩かれようが、決して滅びることのない「強者ばいきんまん」。一方、ばいきんまんにはめっぽう強いが、その手下であるカビカビルンルンに簡単に腐食させられる「弱者アンパンマン」。さらにはそんな「善と悪の間」で苦悩するロールパンナ。そう。それぞれの存在は、自然界の象徴であるのだ。 『わたしを離さないで』は、ミステリーでありSFでもある。特殊施設ヘールシャムで暮らす登場人物たちの素性、そして彼らが生まれながらにして背負わされた「宿命」が、項を追うごとに徐々に明らかにされる。そして、最後に迎える物悲しい結末。実世界では、そのようなことは決してありえないだろう。しかしこの作品を名作たらしめているものは、ラスト近くで行われるエミリ先生の告白、及びその後の数十ページで描かれた、キャスとトミーのその後である。ここですべての伏線は回収され、謎は解かれ、登場人物たちの内面もすべて明らかにされるのだ。 『アンパンマン』と『わたしを離さないで』という二つの名作を隔てるもの。それは「死」であろう。前者においては、ジャムおじさんに新しい顔を用意してもらえることが大前提であるため、アンパンマンはいくら自らの顔を「提供」しても、決して「死ぬ」ことはない。それゆえ、アンパンマンは安心して自らの顔を飢えた人に食べてもらえるのだ。その理由は、「子供向けのまんが(アニメ)に死を持ち込むことは残酷である」という配慮もあろう。しかし自然界の象徴という視点から『アンパンマン』を読み解くならば、「自然界においては『死』と『再生』は表裏一体だからだ」と解釈することもできる。 タンパク質やアミノ酸などといった「有機体」から出来上がった身体の「死」は、「他の有機体の一部」となって「再生」する。つまり、「再生」は「死」から生じるのである。そういった意味において、「自然界には死は存在しない」のだ。 では、有機体ではない「人間の心」は、どうであろうか。通常はその「肉体の死をもって消滅する」と考えられるだろう。しかも「いかなる」人間も必ず「死」を迎える。そういった意味において、『私を話さないで』の登場人物たちである「特殊人間」も、その例外ではない。 しかし「心の再生」も可能なのではないだろうかと蓑笠亭は考える。周囲の人々の「記憶」「生き方」などといったものに形を変え、人間の心も「再生」すると思うのだ。 そのように考察すれば、この作品のテーマは、「死という到達点を持つ人生における、心の育成」と言ってよいだろう。つまり「人生の価値は、どれほど再生の価値ある心を育成したか」にある。そしてその「心の育成」は、決して一人ではできないのだ。 『わたしを離さないで』は、どこまでも物悲しく、切ない物語だ。そしてそんな物語を通して「自然界に存在する人間にとって『心』とは何か、『人生』とは何か、そして『死』とは何か」。そんな問いをカズオ・イシグロ氏は、我々に投げかけているのではないかと蓑笠亭は考えるのである。 | ||||
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今まで読んだ小説の中でも一番良かったと思えるかもしれない作品です。 それはそうでしょう。なんせノーベル賞なんですから。 何がいいかといえば、小説といえば、読んでいてあまり頭に入らない時もあります。 しかしこの小説は、今までになく本当に読みやすいのです。スラスラ文字が入ってきます。 どのページも読みやすいのです。これだけでも特筆すべきことです。 ストレスなく最後まで読み終えた作品は正直今までなかったように思います。 内容はといえば。今現代の問題を比喩的に問題提起しているように思えました。 一部のものだけに偏ってしまった世界に、断絶されたものが利用されて生きるものたちいう感じでしょうか? これはシェールシャムだけの問題ではありません。 今現在の世界の中で、我々が知らずに生きていて、しかしこのようなことになっていたということが述べられているような気がしました。 登場人物の悔しさはそれに顕れているような気がします。 なぜこの作者が今ノーベル賞に選ばれたのかということも重要です。 そのことを感じながら読んでいて、自分も悲しいシェールシャムの一員ではないかと思うようになりました。 | ||||
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ドラマ化、映画化された作品だそうですが、どちらも見ておらず、イシグロ氏がノーベル文学賞を取ってから読みました。 最初から最後まで淡々と語られる提供者たちの物語。読みながら、実にいろいろなことを考えさせられる作品で、とても面白かったです。 | ||||
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人とは、人生とは。を考えさせてくれる小説でした。流石、ノーベル賞作家さんの作品ですね。 日々、心に詰まる人生でも、光が見えるような気がしました。 | ||||
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ヒロインのキャスは何故いつも冷静で客観的に物事も自分すらも見られるのだろう。彼女にすごく興味を持った。最初からこれはSFだなって気は付いていた。翻訳は淡々とそして余計な飾りもない。そこが少し読みにくく感じられたけれど。読み進めるうちにどんどん引き込まれていく。最終章でマダムやエミリ先生の謎が解ける。それでもヒロインはまっすぐに前を向く。絶望することなく。愛する人を失くしてもなお彼女は自分の使命を全うするのだろう。でも彼女の心の叫びは誰にも聞こえない。わたしを離さないで。あのテープはどうなったのだろう。SFではあるが非常に文学性の高い作品だ。私も村上春樹は理解ができないし面白いとも思わないが、この作者の作品は深く心に突き刺さる。受賞の値打ちはあるなと感じた。並行して他の作品も読み進めているが。特にこの作品が好きだ。重いテーマで哀しいのだけれど。 | ||||
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今回の件に感化されて、まずは一冊と手にとったのはこれ。 うーん、なんだろう。設定が奇抜!考えさせる一冊!・・・とは自分の中ではならなかった。 今後の世界に警鐘を鳴らす、という意味合いもあるだろうけど、設定があまりに突拍子がなくて、設定の甘いSFの範疇から抜けていないと感じた。 テーマの時点で入り込めないとこの手の本はきつい。ストーリーラインの美しさは文句なしだが・・・ 別の作品を読んでみようという気持ちにはなった。次は期待。 | ||||
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グロテスクな感じはなくてホッとしたけど、すごく悲しい話だった。 後半は涙ポロポロしながら読みました。現実にこんな世界にはならないといいなと思います。 | ||||
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直接的な記述はほとんど無いのに、常に強い恐怖感で心が不安定に活性される。 かつて自分の周りで実際に起きた暗黒事件かのように、輪郭のとがった心象イメージとして長く記憶に残りそう。 出会えて良かった一冊である。 | ||||
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