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【島田荘司】
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水晶のピラミッドの評価:
6.00/10点 レビュー 5件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.00pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
時空と世界を駆ける壮大なるバカミス(?)
『御手洗潔シリーズ』の長編作第5弾。前作『暗闇坂の人喰いの木』も事件が戦前から戦後の時代、さらに舞台が日本とスコットランドを股にかける壮大な作品でしたが、今回は前作をさらに時間的にも空間的にも、そしてドラマ的にも全てにおいてスケールアップさせたような壮大な物語です。まず作品構成からしてかなり独特で、序盤は古代エジプトを舞台にナイル川に住んでいた少女と若きファラオの物語と、1914年・大西洋に沈む運命のタイタニック号の船上での様子が交互に進行します。まず冒頭200ページ読んだ時点では誰も『御手洗潔シリーズ』とわからない。それどころかミステリーとさえわからないような作りです。この時点で人によっては「御手洗潔シリーズが読みたいんだよ!」「本格推理小説が読みたいんだよ!」と拒否反応が出るかもしれませんが、私としてはどちらも独立して魅力的なストーリーであったため楽しむことができ、またこの2つの物語と現代の御手洗潔がどう交わっていくのか序盤から作品に引き込まれました。200ページを越えた所でようやく、物語は20世紀のアメリカに時代と場所が移り、前作に引き続き、シリーズのヒロイン役となるレオナが登場します。このレオナも割りと好き嫌いが別れそうなキャラクターかなと思いますが、個人的には好きです。強気でプライドが高く、ともすれば自己中心的で高慢な女性に映るのですが、実は結構Mっぽい所が好みですね(笑)今回の事件の本当の主要舞台となるのはアメリカ南部のとある岬に建てられた、エジプトの最も有名で巨大な「クフ王のピラミッド」を上半分を透明にした上で実寸大で再現して作ったという、とんでもない建物。(本当にアメリカ国内にそんなものが建てられたら、本物のピラミッドに劣らぬ観光名所になっちゃいそうですが)宗谷岬の「流氷館」も個人が建てたものとしては極めてユニークで凄い建物でしたが、流石アメリカはスケールが違うと感じてしまいます(笑)そして、そこで奇怪な殺人事件が発生し、地元警察はもちろんアメリカの探偵も皆お手上げの状態となった所で、事件に巻き込まれたレオナが助けを求める形でようやく御手洗が登場するのは、400ページを越えてから。しかも鬱病での登場です。しかしいざ動き出せば相変わらずのスーパーマンっぷりです。事件現場のアメリカに向かうのはもちろん、その前に「本物」のピラミッドを見るためにエジプトにも向かい、前作に続き御手洗一行の旅行記も楽しむことが出来ます。極めて壮大で豪華な作品なのですが、悪い部分も多々あり、人によっては(特にあくまで本格推理小説として見れば)駄作と断じられてやむなしと感じる作品ですが、個人的には単純にエンターテイメントとして見るなら最高に面白かったです。(その点も前作をさらにパワーアップさせたような作品という感想です)ただその面白さも「ピラミッド」「タイタニック」そして「御手洗潔シリーズ」という元々あった魅力的な題材のブランドイメージのおかげという側面もあるかもしれませんね。 ▼以下、ネタバレ感想
色んな話がてんこ盛りの贅沢な作品
重厚長大という四字熟語がぴったりの、まるで辞書のような小説であったが、少しも疲労を感じさせなかった。リーダビリティに関してはもう云うことはないだろう。冒頭のエピソードから、結局事件には直接関係は無かったのだが、物語に幻想味を持たせるためのファクターとなる古代エジプトの挿話とタイタニックの挿話がそれ自体1つの短編として機能するほどの質を備えている。よく考えてみたら、なんと贅沢な一冊なんだろう、これは!!
長い
けど、最初のミクルの話と、タイタニックの話は単体でも面白く読めた。御手洗が出てきてからは割と一気読みだった。7点。 ▼以下、ネタバレ感想
『御手洗潔シリーズ』の長編作第5弾。
前作『暗闇坂の人喰いの木』も事件が戦前から戦後の時代、さらに舞台が日本とスコットランドを股にかける壮大な作品でしたが、今回は前作をさらに時間的にも空間的にも、そしてドラマ的にも全てにおいてスケールアップさせたような壮大な物語です。
まず作品構成からしてかなり独特で、序盤は古代エジプトを舞台にナイル川に住んでいた少女と若きファラオの物語と、1914年・大西洋に沈む運命のタイタニック号の船上での様子が交互に進行します。
まず冒頭200ページ読んだ時点では誰も『御手洗潔シリーズ』とわからない。それどころかミステリーとさえわからないような作りです。
この時点で人によっては「御手洗潔シリーズが読みたいんだよ!」「本格推理小説が読みたいんだよ!」と拒否反応が出るかもしれませんが、私としてはどちらも独立して魅力的なストーリーであったため楽しむことができ、またこの2つの物語と現代の御手洗潔がどう交わっていくのか序盤から作品に引き込まれました。
200ページを越えた所でようやく、物語は20世紀のアメリカに時代と場所が移り、前作に引き続き、シリーズのヒロイン役となるレオナが登場します。
このレオナも割りと好き嫌いが別れそうなキャラクターかなと思いますが、個人的には好きです。
強気でプライドが高く、ともすれば自己中心的で高慢な女性に映るのですが、実は結構Mっぽい所が好みですね(笑)
今回の事件の本当の主要舞台となるのはアメリカ南部のとある岬に建てられた、エジプトの最も有名で巨大な「クフ王のピラミッド」を上半分を透明にした上で実寸大で再現して作ったという、とんでもない建物。
(本当にアメリカ国内にそんなものが建てられたら、本物のピラミッドに劣らぬ観光名所になっちゃいそうですが)
宗谷岬の「流氷館」も個人が建てたものとしては極めてユニークで凄い建物でしたが、流石アメリカはスケールが違うと感じてしまいます(笑)
そして、そこで奇怪な殺人事件が発生し、地元警察はもちろんアメリカの探偵も皆お手上げの状態となった所で、事件に巻き込まれたレオナが助けを求める形でようやく御手洗が登場するのは、400ページを越えてから。しかも鬱病での登場です。
しかしいざ動き出せば相変わらずのスーパーマンっぷりです。
事件現場のアメリカに向かうのはもちろん、その前に「本物」のピラミッドを見るためにエジプトにも向かい、前作に続き御手洗一行の旅行記も楽しむことが出来ます。
極めて壮大で豪華な作品なのですが、悪い部分も多々あり、人によっては(特にあくまで本格推理小説として見れば)駄作と断じられてやむなしと感じる作品ですが、個人的には単純にエンターテイメントとして見るなら最高に面白かったです。
(その点も前作をさらにパワーアップさせたような作品という感想です)
ただその面白さも「ピラミッド」「タイタニック」そして「御手洗潔シリーズ」という元々あった魅力的な題材のブランドイメージのおかげという側面もあるかもしれませんね。
▼以下、ネタバレ感想